副収入を得るとデメリットもある? デメリットを回避して収入アップをする方法

副業で副収入を得ることは今や決して珍しくないことであり、副業を認める会社も少しずつ増えています。ただ、副業には「時間」「労力」を費やさなくてはならないなどのデメリットがあるのも事実です。

本記事では、あまり語られない「副業で副収入を得るデメリット」をご紹介。副業のメリットや、デメリットを回避しつつ収入アップが期待できる方法についても解説しています。合わせてぜひご覧ください。

副収入を得る「副業」にデメリットがある?

近年では「社会人のおよそ3人に1人は副収入を得たことがある」というデータ(※)もあるほど、副業が身近なものになりつつあります。

※参考リンク:『エン転職』1万人アンケート(2022年7月)「副業」に関する意識調査 60%が「副業を希望している」と回答。コロナ禍を経て11ポイント増加。 | エン・ジャパン(en Japan)

ただ、実際に副業をしたことのある人からは「休みの時間がなくなって心身ともに疲れている」「会社にバレて注意されてしまった」という意見も。

副業ではあまり語られない「デメリット」には、どのようなものがあるでしょうか。

【副業のデメリット】

  • 心身の疲労が増える
  • 疲労や体調不良で本業に支障が出る可能性がある
  • 副業バレによる処分や注意
  • 確定申告が面倒
  • 思ったほど稼げない仕事もある
  • 詐欺のリスクがある

副収入を得るということは、休日などの空いた時間を使って何かビジネスをしている、ということでもあります。

本来であれば休息を取るはずだった時間を別の仕事に使ってしまえば、十分な休息が取れず、心身の疲労が蓄積しやすくなる恐れがあります。
場合によっては、本業に支障が出て迷惑をかける可能性もあるでしょう。

そのほか、副業禁止の会社勤めであれば会社とのトラブルになったり、一定額以上の副収入を得た場合は確定申告が必要だったりといったデメリットも。

本業一本であれば確定申告は原則必要ありませんので、人によっては確定申告作業や、帳簿付け、領収書保管などの事務作業を手間に感じる場合もあるでしょう。

単価の低い副業を選んで労働力を搾取されてしまったり、詐欺案件に騙されてしまったりといったリスクも無視できません。

副収入を得る「副業」のメリットとは?

副業のメリットを連ねましたが、副業で副収入を得るメリットは多々あります。

副業で副収入を得たい方は、始めるメリットとデメリットを天秤にかけたうえでうまく付き合っていく必要があるでしょう。

【副業をするメリット】

  • 副収入で収入アップ
  • スキルアップやキャリアアップにつながる
  • やりたかった仕事でも副業なら気軽に挑戦しやすい
  • やりがいや充実感を持てる
  • 計画性や経営スキルが身に付く

副収入を得ることで月々の生活が楽になったり、投資や趣味にお金を使えるようになったりするのは、副業の最大のメリットです。

事実、副業を始める人の多くが「お金」をモチベーションにしています。

また、本業から発展したスキルや経験はもちろん、本業とは違うキャリアを築けるのも副業の魅力です。「本業として始めるには勇気がいる」という職業でも、副業からなら挑戦しやすいですし、合わなければすぐにやめられます。副業ゆえ、やめてしまっても生活に大きな影響が及ぶこともありません。

また、本業をこなしながら副業をするためには、スケジュールや自己の管理能力、計画性も必要です。
経営者視点も身に付くため、ビジネスパーソンとしてのスキルアップにも効果的だといえます。

副業のデメリットを避けつつ副収入を増やす方法はある?

副業のデメリットやメリットを解説しましたが、「忙しくて副業に時間を割くのは難しいけれど、収入や資産は増やしたい」という方も多いのではないでしょうか。

副業のデメリットを避けつつ収入アップを目指す方法には、「支出の見直し」「投資の活用」「プチ副業で無理なく稼ぐ」の3つがあります。

固定費やサブスク費等の支出の見直し

副収入を増やそうとして休日をすべて副業に充てた場合、休息が取れず心身を病んでしまう可能性もあります。

健康はお金で買えない財産ですので、最重要視すべきです。また休息やプライベートを楽しむ時間も、生活をしていくうえで欠かせないものだといえます。

健康や休息を削って副業をしても、心身を病んで医療費がかかってしまえば元も子もありません。

残業や休日出勤が多い、育児で忙しいなどの“無理をしないと副業ができない状況”の方は、代わりに今使っているお金(生活コスト)のうち、削れるものがないかを洗い出してみましょう。

一般的には、「スマホを大手キャリアから格安SIMに乗り換える」「任意加入の生命保険料等の見直し」など、固定費の見直しで月々の支出が大きく変えられるケースが多いでしょう。

また、「サブスクサービス」「つい立ち寄ってしまうカフェ代(ラテマネー)」「外食費」などもメスを入れやすい出費です。これらの出費が多い人は、不要な支出をカットしていけばかなりの節約になります。

支出が1万円減れば、実質的には同じだけの副収入を副業で手に入れていることになります。

一度支出の見直しをしてしまえば、あとはキープするだけです。
そうすれば休日を副業に費やすことなく、手元に残るお金を増額できます。

長期投資の活用で少しずつ資産(副収入)を増やす

「副収入は欲しいけれど、副業をする時間と気持ちの余裕がない」という人には、投資を始めてみる選択肢もあります。

「投資」というと『FXや株式投資などで大きく儲けるが、大きな損失が出ることもある』というイメージを持つ方が多いかもしれません。確かに、短い期間でリターン(利益)を得るために高額な資金を投資した場合は、このイメージ通りの結果になるケースもあるでしょう。

ただそれは「投機」であり、いわばギャンブルのようなものです。
投機は投資に関する豊富な知識と経験があって初めて成功するものですし、成功条件が揃っていても不確定要素(社会情勢や突発的な事情など)で失敗に至ることも少なくありません。

ここでいう「投資」とは、積み立てなどでコツコツ、定期的に行う「長期投資」を指します。

長期投資

長期投資では、短期間ではなく数十年単位で投資を行うことで、長期的なリターンを得ることを目的としています。

ネット証券などを利用して長期積み立て投資を行えば、毎月自動的に積み立て購入ができて手間もかかりません。

【積み立ての長期投資に向いている金融商品】

  • 株式投資(配当金や株主優待ありの銘柄ならインカムゲインも得られる)
  • 投資信託(株式や債券の詰め合わせを購入していく)
  • 債券、金など

ネット証券なら、口座管理画面から積み立て設定をするだけで始められます。

また、「つみたてNISA(2024年以降は新NISAも別途でスタート)」、iDeCo(個人型確定拠出年金)などを利用する手もあります。どちらも運用益が非課税になるうえ、iDeCoの掛金は全額所得控除の対象となるため、恩恵が大きいのです。
※ただしiDeCoは、運用した掛け金を60歳になるまで引き出せなくなるデメリットもあります。

長期投資は長い目で見るとプラスになる可能性が高いため、リスクを最小限に抑えて投資をしたい人におすすめです。ただし、投資である以上最終的な資産がマイナスになるリスクや、短期目線で見ると損失が出るリスクもゼロではないため、必ずリスク・リターンの両方を知ったうえで判断しましょう。

不動産投資やクラウドファンディング型投資

また、手元の資金に余裕がある方は、不動産投資に挑戦する方法もあります。

代表的な不動産投資は、マンションなどの不動産を購入し、賃貸に出して収入を得る「不動産賃貸」があります。さらに近年は、不動産や会社に対して出資し、リターンを得る「クラウドファンディング型投資」なども人気です。

うまく運用できれば長期投資よりも短いスパンで利益を回収できますが、不動産賃貸の場合ははじめにまとまった資金が必要であることと、物件の維持管理費がかかるデメリットがあります。
クラウドファンディング型投資はリターンが不確実である点に留意が必要です。

両方とも、しっかりとリスクとリターンを理解したうえで選択することをおすすめします。

プチ副業で無理なく稼ぐ

支出で削るところはなく、かつ投資などのリスクが怖い……という方は、負担になりにくい“プチ副業”を試してみるといいかもしれません。

プチ副業とは、スキマ時間でできる副業です。
本業の仕事の時間や休息・だんらんの時間など、プライベートの時間を阻害しない範囲ででき、ちょっとした副収入を手に入れられます。

【プチ副業の例】

  • フリマアプリで不用品を売る
  • ポイントサイトやアンケートサイトを利用し、ポイントを貯める
  • 覆面調査員になり、飲食店や美容サービスなどを利用してお金をもらう

これらのプチ副業は利益こそ少ないものの、スキマ時間を使って副収入が得られるので忙しい人にもおすすめです。

また、得意なことやスキルを商品化して提供したり、趣味の時間を兼ねてお金を稼いだりする方法もあります。

・スキルサイトでスキル販売をする
・趣味を活かした商売(ハンドメイド作品の製作販売、ゲーム実況chの運営など)

プチ副業やスキル販売、趣味の延長でできる商売については、稼げないと思ったらすぐに止められるのが何よりのメリットです。「少なくてもいいからとりあえず副収入がほしい」という人はぜひチャレンジしてみて下さい。

副収入の必要性を冷静に判断しよう!

近年は資産形成に興味を持つ人も増えていて、かつ政府が副業を後押ししていることもあり、「副業をすること=いいこと」として捉えられがちです。確かに、副収入が増えれば生活に余裕を持たせられたり、貯蓄や投資などに回せたりといったさまざまなメリットが得られるのは事実です。

ただ、副業に力を入れすぎて体調を崩し、本業に支障が出てしまったり、副業禁止の会社で副業がバレて減給処分などを受けてしまったりといったことがあればどうでしょうか。副収入を得て年収アップを目指していても、結果的に年収が減ってしまえば本末転倒ですよね。

つまり忙しい人ほど、「そもそも副業が必要なのか?」を考えることが重要です。
副業をするよりも本業を頑張ったり、資格を取得して毎月もらえる手当を増やしたりするほうが、全体的な収入アップにつながる可能性もあるでしょう。

それでも副業がしたい、副収入を得たいのであれば、

  • キャリアの幅が広がる
  • 休日を全て使うことなく、余裕を持って取り組める
  • 趣味を兼ねている

といった条件にあてはまる副業を検討してみるとよいでしょう。