法人・個人事業主の意味とは? それぞれの違いやメリット、選び方を紹介!

「起業したいけれど、法人と個人事業主のどちらにすればいいのだろう」とお悩みではありませんか?

本記事ではこれから起業する方へ向け、法人と個人事業主それぞれの意味や違い、メリットをご紹介します。また、法人・個人事業主それぞれに「向いているケース」も解説します。

起業方法で迷っている方は、ひとつの参考としてお読みください。

「法人」「個人事業主」それぞれの意味は?

これから起業する、というとき、まず決めなくてはいけないのが「法人として会社を立ち上げるか、個人事業主になるか」です。
そもそも法人、個人事業主とはどういう意味なのでしょうか。まずはそれぞれの意味について確認しましょう。

法人とはなに? 言葉の意味を解説

法人は「人間と同じ権利、義務を認められている組織」という意味です。

法律において「人」とは、“権利・義務の主体になれる存在”を指します。この「人」には2種類があり、ひとつは「自然人(人間)」、もうひとつは「法人」です。
法人は組織のため人間ではありませんが、人間と同じ権利を得られます。

【法人が得られる“人間と同じ権利”とは】

  • 商品の売買
  • 契約を交わす
  • 税金の納付
  • 民事訴訟を起こす など

組織や団体が「法人」になるには、法人登記という手続きを行う必要があります。
なお法人には「株式会社」などの「会社」のほか、さまざまな形態があります。

【私法人】

  • 営利法人
  • 株式会社、合同会社、合名会社、合資会社など

  • 非営利法人(公益法人)
  • 一般財団法人、公益財団法人、一般社団法人、公益社団法人、NPO法人、宗教法人

  • 非営利法人(中間法人)
  • 協同組合、管理組合、互助会

【公法人】

  • 地方公共団体
  • 独立行政法人
  • 特殊法人

個人事業主とはなに? 言葉の意味を解説

個人事業主は「法人とならず個人で事業を行っている者」という意味です。
税法上は「開業届を提出した事業主」という意味で使われます。

個人で働くスタイルには「フリーランス」もありますが、個人事業主と同じ意味で使われるケースが大半です。

法人と個人事業主の違いを比較!

法人と個人事業主には、さまざまな違いがあります。

法人個人事業主
必要な手続き
  • 定款の作成(及び認証)
  • 法人登記
  • 税や社会保険等の手続き
  • 開業届
  • 青色申告承認申請書(青色申告をする場合)
手続きに必要な費用
  • 登記にかかる法定費用(約6~25万円)
  • 資本金(1円~)
0円
税金について
  • 法人税
  • 法人住民税
  • 法人事業税
  • 消費税 など
  • 所得税
  • 個人住民税
  • 消費税
  • 個人事業税
税率資本金1億円以下の場合では

  • 所得年800万円以下:15%
  • 提供除外事業者:19%
  • 年800円超の部分:23.20%
5%~45%(所得額に応じた累進課税制)
経費について
  • 事業にかかる費用
  • 自身の給与、退職金、生命保険料も可
事業にかかる費用のみ
赤字(欠損金)の繰越期間10年間青色申告で3年
会計や経理の処理法人決算書・申告確定申告
社会的な信用性高い低い
社会保険の事業者負担ありなし(従業員5人未満の場合)
生命保険料全額経費計上可能(1/2経費になる場合もあり)所得控除対象

  • 所得税:最高4万円
  • 住民税:最高2万8,000円

これらのうち、特に顕著な違いは以下の5つです。順に見てみましょう。

起業時にかかる手間、費用

法人の場合、会社を設立するとなれば約6~25万円の法定費用が必要です。法定費用は会社の形態によっても変わりますが、株式会社がもっとも高くなります。
また法人設立時には「定款の作成(株式会社は認証も)」、「法人登記」などの手続気が生じます。登記後も税務署や自治体、年金事務所、労働基準監督署、ハローワークといった関係各所への申請手続きが必要です。

一方、個人事業主は「開業届」の提出のみ。青色申告の申請をしたり家族を従業員にしたりする場合はそれぞれ手続きが必要ですが、すべて無料で手続きが完了します。

税率

法人と個人事業主の大きな違いとして「税率の違い」が挙げられます。

法人にかかる税金(法人税)は、資本金1億円以下の場合15~23%です。一方個人事業主は、所得に応じて5~45%の所得税率が課せられます。所得が少ないうちは税率も低いですが、所得が増えるほど高い税率へと変化します。

どちらがよいかは所得額によっても変わりますが、所得が多くなるほど法人のほうが低い税率になる、ということを知っておくとよいでしょう。

経費にできる範囲

法人の場合、事業にかかった費用のほかに「自分が貰った給与、退職金」「自分が払った生命保険料」なども経費としてカウントできます。

一方個人事業主は、基本的に「事業にかかった費用のみ」が経費の対象です。自身の生命保険料をまるごと経費にすることはできないなど、法人よりも経費対象になる範囲が狭いのです。

赤字(欠損金)繰越ができる年数

法人と青色申告をしている個人事業主は「欠損金の繰越控除」という制度を利用できます。これは、その年に発生した赤字(欠損金)を次の年の黒字(所得)と相殺できるというもの。節税効果が期待できる制度ですが、法人の場合は10年にわたって利用できるのに対し、個人事業主は3年までとなっています。

社会的な信用性

法人格を持つ会社・団体などは社会的な信用も高くなります。一方、個人事業主は法人に比べると社会的信用が低いとされています。

「社会的な信用性」はビジネスでの取引や融資などに影響を及ぼすこともあります。
起業時には「長い目で見て法人・個人事業主のどちらが最適なのか?」を検討しましょう。

法人と個人事業主どっちがいい? 向いているケースを紹介

法人と個人事業主のどちらが適しているかは、事業内容やビジネスの規模、従業員の有無・人数等によっても異なります。法人が向いているケースと個人事業主が向いているケースの両方をご紹介しますので、参考にしてみてください。

法人が向いているケース

起業にあたって法人が向いているケースは次のとおりです。

  • 自己資金に余裕がある
  • 社会的信用を得たい
  • 事業を大きく展開したい
  • 出資してもらって資金調達したい
  • 家族以外の従業員を複数雇いたい
  • 節税効果を得たい

自己資金に十分な余裕がある場合は、社会的な信用が得られやすい法人として起業するのがおすすめです。社会的信用が得られると、取引や融資の申し込み、事業展開などに有利にはたらくからです。
また株式会社の場合は「株式の発行」で資金調達もできますので、より事業展開がしやすくなります。

個人事業に比べると法人は税制も優遇されており、家族以外の従業員給与は経費として計上可能です。
税制面や経費計上の範囲が広いことを考えると、法人は「高い収入が見込めるビジネスで、節税がしたい」という場合に向いているでしょう。

個人事業主が向いているケース

個人事業主が向いているケースは以下のとおりです。

  • 自己資金が少なく、開業コストを抑えたい
  • 副業、スモールビジネスとして始めたい
  • 個人で融資を受けられる
  • 個人事業主との取引が多い

法人の設立には、法定費用や資本金など多くのお金がかかります。一方個人事業主は、手持ちが0円であっても開業が可能です。自己資金が少ないため開業コストを少しでも抑えたい場合は、個人事業主として起業するのもひとつの方法でしょう。

また、「副業として月数万円の収入があればいい」という方や、「小さなビジネスから始めてみたい」という方も個人事業主向きでしょう。個人事業主になるには開業届を出すだけなので、試しに起業してみて、ビジネスを体験してみたい人にも向いています。

個人で融資を受けられる人なら、法人にならずとも資金調達ができ、個人事業主で十分なケースもあります。
取引相手が個人事業主ばかりなら、自身も個人事業主として起業して問題なく働けるでしょう。

法人か個人事業主か? 事業内容・規模などに合わせて選ぼう!

法人と個人事業主はそれぞれ「人」として同じ権利を持つ存在です。
しかしビジネスにおいては、税制面や社会的信用性、事業展開のしやすさなど、さまざまな違いがあります。

起業時には、「事業内容や規模にどちらが合っているのか」を十分に考慮したうえで選んでみましょう。

なお、個人事業主として起業した場合、あとから法人化して会社を設立することもできます。
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