会社を設立するときは、会社名や本店所在地、資本金などとあわせて、「事業目的」を決める必要があります。
事業目的は、「その会社がどのような事業を行うのか」を示すもので、定款に記載し、会社設立時の登記にも関係する重要な項目です。
これから始める事業だけを書けばよいのか、将来予定している事業も記載できるのか、どの程度具体的に書けばよいのかなど、初めて会社を設立する方にとっては迷いやすいポイントも少なくありません。
また、許認可が必要な事業では、事業目的の記載内容が許認可の取得に影響する場合もあるため注意が必要です。
この記事では、会社設立時の事業目的とは何か、決め方や書き方、将来行う事業の記載、許認可との関係、会社設立後に追加・変更する方法までわかりやすく解説します。
会社の事業目的に関するよくある質問

1. 会社の事業目的とは何ですか?
事業目的とは、会社がどのような事業を行うのかを示す項目です。
株式会社や合同会社を設立するときには定款を作成し、その中に会社の事業目的を記載します。
会社が行う事業内容を示すもの
たとえば、Webサイト制作を行う会社であれば、
- Webサイトの企画、制作及び運営
- インターネットを利用した広告及びマーケティング
- Webメディアの企画、制作及び運営
など、会社が行う事業に合わせて目的を定めます。
法務局が公開している定款の記載例でも、「○○の製造販売」「○○の売買」などのように、会社が営む事業を具体的に記載する形式が示されています。
事業目的は定款に記載する
会社を設立するときには、会社運営の基本的なルールを定めた「定款」を作成します。
事業目的は定款に記載する重要な項目の一つです。
会社設立後に新しい事業を始める可能性がある場合は、現在行う事業だけでなく、将来行う予定の事業も含めて検討しておくとよいでしょう。
設立後に事業目的を追加・変更することもできますが、その場合は定款変更や変更登記などの手続きが必要になります。
事業目的は登記情報として確認される
会社の事業目的は登記事項となるため、設立後は登記事項証明書などを通じて外部から確認される情報になります。
そのため、
- どのような事業を行っている会社なのか
- 取引しようとしている事業が目的に含まれているか
- 許認可が必要な事業が適切に記載されているか
などを確認される場合があります。
自社だけが見る内部情報ではなく、取引先や金融機関、行政機関などから確認される可能性がある会社情報として考えておくことが大切です。
許認可が必要な事業では特に注意する
事業によっては、行政機関などから許可・認可・登録・届出を受けなければ営業できないものがあります。
このような事業では、定款に記載する事業目的の表現について要件が設けられている場合があります。
法人登記ができたからといって、必要な許認可まで取得できるとは限りません。
許認可が必要な事業を始める場合は、会社設立前に管轄する行政機関などへ事業目的の記載方法を確認しておくと安心です。
事業目的は、会社が何をする会社なのかを示す重要な情報です。現在の事業だけでなく将来の事業や許認可の有無なども考えながら、会社設立時に適切な内容を定めましょう。
2. 会社の事業目的はどのように決めればいいですか?
会社の事業目的は、現在行う事業と、将来的に行う可能性がある事業を整理して決めるのが基本です。
会社設立時点ですべての事業を始めている必要はありません。今後の事業展開も考えながら、会社として行う可能性のある事業を検討しましょう。
まずは現在行う事業を整理する
最初に、会社設立後に行う予定の事業を書き出してみましょう。
たとえば、Web関連の会社でも、
- Webサイトの企画・制作
- Webサイトの運営・管理
- インターネット広告
- Webマーケティング
- Webメディアの運営
- システムやアプリの開発
など、実際の業務内容によって事業目的は変わります。
「自社が誰に対して、どのような商品やサービスを提供するのか」を整理すると、必要な事業目的を考えやすくなります。
将来始める可能性がある事業も考えておく
会社設立時には、現在行っている事業だけでなく、将来的に行う予定や可能性がある事業を事業目的に含めることもできます。
たとえば、現在はWebサイト制作だけを行っていても、将来的に広告運用やコンサルティング、システム開発などへ事業を広げる予定があるなら、それらも検討しておくとよいでしょう。
会社設立後でも事業目的は追加できますが、定款変更や変更登記などの手続きが必要になります。
そのため、ある程度具体的に計画している事業については、設立時から記載しておくことで、後から変更する手間を減らせます。
事業内容が分かる表現にする
事業目的を決めるときは、何を行う会社なのか分かるように記載することも大切です。
たとえば、
- 商業
- サービス業
- インターネット事業
といった非常に広い表現だけでは、具体的な事業内容が分かりにくくなります。
一方で、実際の業務を細かく分けすぎると事業目的の数が増え、かえって分かりにくくなることもあります。
現在の事業内容を適切に表しながら、将来の事業展開にも対応しやすい内容を意識するとよいでしょう。
許認可が必要な事業は事前に確認する
許認可が必要な事業を予定している場合は、一般的な事業目的の決め方とは別に注意が必要です。
業種によっては、許認可を受ける際に定款の事業目的に特定の事業内容が記載されていることを確認される場合があります。
会社設立後に「必要な事業目的が入っていなかった」となると、定款や登記の変更が必要になる可能性があります。
許認可が必要な事業を予定している場合は、設立前に管轄する行政機関などへ必要な記載内容を確認しておきましょう。
事業目的は、現在の事業だけでなく今後の事業展開まで考えて決めることがポイントです。事業内容が分かりやすく、将来的にも使いやすい内容を検討しましょう。
3. 事業目的はいくつまで書けますか?
会社の事業目的について、法律上「○個まで」といった一律の上限が定められているわけではありません。
そのため、複数の事業を行う会社であれば、それぞれの事業内容を事業目的として記載できます。
ただし、将来の可能性を考えて何でも追加すればよいというわけではありません。
複数の事業目的を記載できる
会社が複数の事業を行う予定であれば、事業内容に合わせて複数の目的を定めることができます。
たとえば、Web関連事業を中心とする会社でも、
- Webサイトの企画、制作及び運営
- インターネット広告に関する事業
- システム及びアプリケーションの企画、開発
- Webマーケティングに関するコンサルティング
- インターネットを利用した通信販売
など、予定している事業に応じて複数の目的を記載することが考えられます。
現在の主力事業だけに限定する必要はなく、今後展開する可能性がある事業を含めることもできます。
事業目的を増やしすぎる必要はない
将来の事業目的をあらかじめ記載しておけば、実際にその事業を始める際に目的を追加する手間を減らせます。
一方で、実際には行う予定のない事業まで大量に記載すると、「何を行っている会社なのか」が分かりにくくなる可能性があります。
事業目的は登記情報として外部から確認されることがあるため、取引先や金融機関などが見たときの分かりやすさも意識しておくとよいでしょう。
関連する事業を整理して記載する
事業目的を検討するときは、思いついた事業をすべて並べるのではなく、現在の事業と将来予定している事業を整理してみましょう。
たとえば、
- 現在行っている事業
- 会社設立後すぐに始める事業
- 具体的に計画している新規事業
- 現在の事業から派生する可能性が高い事業
といった形で分類すると、必要な事業目的を判断しやすくなります。
「いつかやるかもしれない」というだけの事業まで無理に盛り込まず、実際の事業計画とのバランスを考えることが大切です。
将来の変更には手続きが必要
会社設立後に、定款や登記に記載されていない新しい事業を行うことになった場合は、事業目的の追加を検討します。
株式会社では、定款の事業目的を変更するために株主総会で定款変更の決議を行い、その後、目的の変更登記を行う必要があります。
そのため、近い将来に始めることが具体的に決まっている事業については、会社設立時から事業目的に含めておく方法があります。
事業目的に一律の個数制限はありませんが、多ければよいわけでもありません。現在の事業と具体的な将来計画を整理し、会社の事業内容が分かりやすい範囲で決めましょう。
4. 将来やる予定の事業も事業目的に書いていいですか?
会社設立時点ではまだ行っていない事業でも、将来的に行う予定がある事業を事業目的に記載することは可能です。
会社の事業は設立後に変化することもあるため、今後の事業展開を考えながら事業目的を決めておくと、後から変更する手間を減らせます。
設立直後に行わない事業も記載できる
事業目的に記載したからといって、会社設立後すぐにその事業を開始しなければならないわけではありません。
たとえば、会社設立時はWebサイト制作を中心に行い、将来的に、
- Webマーケティング
- 広告代理業
- システム・アプリ開発
- コンサルティング
- インターネット通信販売
などへ事業を広げる計画がある場合、それらをあらかじめ事業目的に含めておくことが考えられます。
具体的に予定している事業を優先する
将来行う事業を記載できるからといって、思いつく事業をすべて盛り込む必要はありません。
事業目的は登記情報として外部から確認されることがあるため、現在の事業とまったく関連しない目的が大量に並んでいると、会社が何を行っているのか分かりにくくなる可能性があります。
そのため、
- 近いうちに開始する予定がある
- 具体的な事業計画がある
- 現在の事業から発展する可能性が高い
- 将来的に参入することを検討している
といった事業を中心に検討するとよいでしょう。
後から追加すると変更手続きが必要になる
会社設立後に新しい事業を始めることになり、その事業が現在の事業目的に含まれていない場合は、定款の事業目的を追加・変更する手続きを検討する必要があります。
株式会社であれば、定款変更について株主総会で決議し、事業目的の変更登記を行います。
変更登記には登録免許税もかかるため、設立時点で具体的に予定している事業がある場合は、最初から記載しておくことで将来の手続きを減らせます。
許認可が必要な事業は事前確認が重要
将来行う予定の事業に許認可が必要な場合は、事業目的の表現にも注意しましょう。
許認可によっては、定款に特定の事業内容が記載されていることを確認される場合があります。
「似たような内容を書いているから大丈夫」と自己判断せず、将来的に取得する予定の許認可がある場合は、会社設立時に管轄する行政機関などへ必要な記載内容を確認しておくと安心です。
将来行う予定の事業も事業目的に記載できます。設立後の変更手続きを減らすためにも、現在の事業だけでなく、具体的に計画している将来の事業まで考えて決めておきましょう。
5. 事業目的の書き方にルールはありますか?
会社の事業目的は自由に決められますが、どのような事業を行う会社なのか分かるように記載することが大切です。
会社設立時には定款に事業目的を記載し、その内容は登記にも反映されます。
そのため、自社だけに通じる言葉や意味が分かりにくい表現ではなく、第三者が見ても事業内容を理解できる書き方を意識しましょう。
事業内容が分かるように記載する
事業目的では、会社が行う事業をある程度具体的に表します。
たとえば、Web関連の事業であれば、
- Webサイトの企画、制作及び運営
- インターネット広告に関する事業
- システム及びアプリケーションの企画、開発及び運営
- Webマーケティングに関するコンサルティング
などのように、実際に行う事業をイメージできる表現にすると分かりやすくなります。
一般的に理解できる表現を使用する
事業目的は登記情報として外部から確認される可能性があるため、一般的に意味を理解できる表現を使用することも重要です。
社内だけで使用している名称や造語などをそのまま事業目的にすると、具体的に何を行う事業なのか分かりにくくなることがあります。
新しいサービスや業態などで表現に迷う場合は、より一般的な言葉に置き換えて事業内容を表せないか検討するとよいでしょう。
法律に反する内容は事業目的にできない
会社の事業目的は自由に設定できるとはいえ、どのような内容でも認められるわけではありません。
法令に違反する事業や、公序良俗に反する事業を会社の目的として定めることはできません。
通常の事業を行う会社で大きな問題になるケースは多くありませんが、事業目的を考える際の基本的なルールとして理解しておきましょう。
許認可が必要な業種は表現を自己判断しない
特に注意したいのが、許認可が必要な事業です。
建設業や宅地建物取引業、古物営業など、事業を始めるために許可や免許などが必要な業種があります。
こうした業種では、申請する許認可によって定款の事業目的に必要な事業内容が適切に記載されているか確認される場合があります。
許認可の取得を予定している場合は、インターネット上の定款例をそのまま使用するのではなく、管轄する行政機関などへ事前に確認しておくと安心です。
事業目的は、第三者が見ても会社の事業内容を理解できるように記載することがポイントです。特に許認可が関係する事業では、会社設立前に必要な表現を確認しておきましょう。
6. 「前各号に附帯又は関連する一切の事業」とは何ですか?
定款の事業目的では、具体的な事業を列挙した最後に、「前各号に附帯又は関連する一切の事業」と記載されることがあります。
これは、それまでに記載した事業に付随・関連して行う事業を含めるための表現です。
記載した事業に関連する業務をカバーするための表現
会社が実際に事業を行うと、定款に記載した中心的な業務だけでなく、それに関連するさまざまな業務が発生することがあります。
たとえば、Webサイト制作を行う会社であれば、
- Webサイト制作に伴う保守・管理
- 制作に関連するコンサルティング
- 関連するコンテンツの企画・制作
- その他、事業を行ううえで付随して発生する業務
などを行うことも考えられます。
こうした主要な事業に付随・関連する業務を想定した表現として、「前各号に附帯又は関連する一切の事業」が使われることがあります。
この一文だけで何でもできるわけではない
注意したいのは、「一切の事業」と書かれているからといって、会社がまったく関係のない事業まで自由に行えるという意味ではないことです。
あくまで、その前に記載されている事業に附帯・関連する事業を示す表現です。
将来的に現在とは異なる分野へ進出する予定がある場合は、この一文だけに頼るのではなく、その事業自体を事業目的として記載することを検討しましょう。
新しい事業は個別に事業目的へ追加することも検討する
会社設立後に、それまでの事業とは異なる新規事業を始める場合は、現在の事業目的に含まれているか確認することが大切です。
たとえば、Web制作会社が新たに飲食店を経営するなど、既存の事業との関連性が低い事業へ進出する場合は、新しい事業目的の追加を検討する必要があります。
現在の事業目的で対応できるか判断しにくい場合は、法務局や司法書士などの専門家へ確認するとよいでしょう。
許認可が必要な事業では個別の記載を確認する
「前各号に附帯又は関連する一切の事業」という記載があっても、許認可の取得に必要な事業目的を必ずカバーできるとは限りません。
許認可によっては、対象となる事業が事業目的として明確に記載されていることを確認される場合があります。
将来的に許認可が必要な事業を予定している場合は、必要な事業目的を個別に記載したうえで、管轄する行政機関などへ確認しておきましょう。
「前各号に附帯又は関連する一切の事業」は、記載した事業に付随・関連する業務を想定した表現です。まったく異なる新規事業や許認可が必要な事業については、必要に応じて個別の事業目的を記載しましょう。
7. 許認可が必要な事業は事業目的に記載する必要がありますか?
許認可が必要な事業を行う場合は、その事業内容を事業目的に適切に記載しておくことが重要です。
業種によっては、許認可を申請する際に定款や登記事項証明書などを提出し、事業目的に対象となる事業が記載されているか確認される場合があります。
許認可によって必要な条件は異なる
会社が行う事業の中には、法人を設立しただけでは営業を始められず、許可・認可・免許・登録・届出などが必要になるものがあります。
たとえば、
- 建設業
- 宅地建物取引業
- 古物営業
- 人材派遣業・職業紹介事業
- 旅行業
- 飲食店営業
などです。
ただし、必要な許認可や申請条件は事業によって異なります。
会社設立前に、自社の事業でどのような手続きが必要になるのか確認しておきましょう。
事業目的の表現を事前に確認する
許認可が必要な事業では、「似た内容の事業目的が入っているから問題ない」と自己判断しないことが大切です。
許認可によっては、申請時に事業目的の内容を確認されることがあります。
会社設立後に必要な事業目的が不足していることが分かると、定款変更や目的変更の登記が必要になる可能性があります。
そのため、許認可の取得を予定している場合は、会社を設立する前に管轄する行政機関などへ事業目的の記載内容を確認しておくとよいでしょう。
事業目的に書けば許認可を取得できるわけではない
事業目的に対象となる事業を記載していても、それだけで許認可を取得できるわけではありません。
許認可によっては、
- 営業所や事務所
- 設備
- 人員や資格者
- 資産・財産的基礎
- 実務経験
など、事業目的以外にもさまざまな要件が設けられている場合があります。
特にバーチャルオフィスを本店所在地として利用する場合は、法人登記ができても、許認可で求められる営業所・事務所の要件を満たせるとは限りません。
本店所在地と許認可上の営業所・事務所は分けて考え、事業ごとの要件を確認することが重要です。
将来取得する許認可についても考えておく
会社設立時には許認可が不要な事業だけを行っていても、将来的に許認可が必要な事業へ参入することがあります。
具体的な計画がある場合は、将来取得する予定の許認可まで考えて事業目的を決めておくと、後から目的を追加する手間を減らせます。
ただし、制度や要件が変更される可能性もあるため、実際に許認可を申請するときには最新情報を確認しましょう。
許認可が必要な事業では、事業目的の記載だけでなく、営業所・設備・人員など個別の要件まで確認することが大切です。会社設立前から許認可の取得を予定している場合は、必要な事業目的を事前に確認しておきましょう。
8. 事業目的は法人銀行口座の審査にも関係しますか?
法人銀行口座を申し込む際には、会社の事業内容を確認するために事業目的が参照されることがあります。
ただし、法人銀行口座の審査基準は金融機関によって異なり、事業目的だけで口座開設の可否が決まるわけではありません。
金融機関では会社の事業内容を確認する
法人銀行口座の開設では、会社が実際にどのような事業を行っているのか確認されます。
その際には、
- 登記事項証明書
- 定款
- 会社のWebサイト
- 事業計画書
- 契約書や請求書
- 商品・サービスに関する資料
などから事業内容を確認される場合があります。
事業目的も会社の事業内容を示す情報の一つであるため、実際に行っている事業との整合性を意識しておくことが大切です。
事業目的を大量に書けば審査に有利になるわけではない
法人銀行口座の開設を考えて、できるだけ多くの事業目的を記載したほうがよいと考える方もいるかもしれません。
しかし、事業目的の数を増やせば口座開設の審査に有利になるというものではありません。
実際の事業内容と関連性の低い目的を大量に記載すると、会社が何を中心に事業を行っているのか分かりにくくなることも考えられます。
現在行っている事業や具体的に予定している事業を中心に、会社の事業内容が伝わりやすい構成を意識するとよいでしょう。
事業目的以外の情報も確認される
法人銀行口座の審査では、事業目的だけではなく、会社や事業の実態についてさまざまな情報が確認されます。
確認される内容や必要書類は金融機関によって異なり、審査基準のすべてが公開されているわけではありません。
そのため、「この事業目的なら口座を開設できる」「この住所なら審査に通る」といった形で一律に判断することはできません。
バーチャルオフィスでも法人銀行口座を申し込める場合がある
本店所在地にバーチャルオフィスを利用している場合でも、それだけを理由にすべての金融機関で法人銀行口座を開設できないと決まっているわけではありません。
レゾナンスでは、法人銀行口座の開設を支援する紹介制度を用意しており、対象となる金融機関への申し込みをサポートしています。
ただし、紹介制度を利用した場合でも、口座開設には各金融機関による審査があり、開設が保証されるものではありません。
事業目的は法人銀行口座の申し込みで確認される会社情報の一つです。口座開設だけを意識して目的を増やすのではなく、実際の事業内容や今後の事業計画に合った内容を設定しましょう。
9. 会社設立後に事業目的を追加・変更できますか?
会社設立後でも、事業目的を追加・変更することは可能です。
新しい事業を始める場合や、会社設立時に記載していなかった事業へ進出する場合などは、必要に応じて定款の事業目的を変更します。
ただし、事業目的は登記事項でもあるため、定款を書き換えるだけではなく、法務局で目的変更の登記も必要です。
新しい事業を始めるときに事業目的を確認する
会社を運営していると、設立時には予定していなかった事業を始めることがあります。
たとえば、
- 新しい商品・サービスを販売する
- 新規事業へ参入する
- これまでとは異なる業種へ事業を広げる
- 許認可が必要な事業を始める
といった場合です。
新しい事業を始める際は、現在の定款や登記にその事業が含まれているか確認しましょう。
既存の事業目的に含まれているか判断しにくい場合は、法務局や司法書士などの専門家へ確認する方法もあります。
株式会社では定款変更の決議を行う
株式会社の事業目的を変更する場合は、定款の変更にあたるため、原則として株主総会の特別決議が必要です。
株主総会で事業目的の追加・変更について決議し、その内容に基づいて目的変更の登記を行います。
合同会社など株式会社以外の法人では手続きが異なるため、自社の法人形態に応じた方法を確認しましょう。
法務局で目的変更の登記を行う
事業目的は登記事項なので、変更した場合は法務局で変更登記を行います。
会社法では、登記事項に変更が生じた場合、原則として変更が生じた日から2週間以内に変更登記を行うこととされています。
目的変更の登記には登録免許税もかかるため、将来的に行うことが具体的に決まっている事業については、会社設立時から事業目的に含めておく方法があります。
許認可を取得する場合は変更のタイミングにも注意する
新しく始める事業に許認可が必要な場合は、事業目的を変更するタイミングにも注意しましょう。
許認可の申請時に定款や登記事項証明書を提出する場合、必要な事業目的が追加された状態で申請することを求められる可能性があります。
新規事業の開始と同時に許認可を取得する予定がある場合は、
- 必要な事業目的を確認する
- 定款を変更する
- 目的変更の登記を行う
- 許認可の申請を行う
といった手続きの順序について、事前に管轄する行政機関などへ確認しておくと安心です。
会社設立後でも事業目的は追加・変更できます。ただし、定款変更や変更登記などの手続きが必要になるため、将来行うことが具体的に決まっている事業は設立時から検討しておくとよいでしょう。
10. 事業目的を追加・変更すると費用はかかりますか?
会社設立後に事業目的を追加・変更する場合は、法務局で目的変更の登記を行う際に登録免許税がかかります。
そのため、近い将来に行うことが具体的に決まっている事業がある場合は、会社設立時から事業目的に含めておくことで、後から変更する手間や費用を抑えられる場合があります。
目的変更の登記には登録免許税がかかる
株式会社などが事業目的を変更し、法務局で変更登記を行う場合、登録免許税は1件につき3万円です。
複数の事業目的を一度の申請で追加・変更する場合でも、登録免許税は事業目的の数ごとに課されるものではありません。
たとえば、事業目的を3つ追加する場合でも、同じ目的変更登記として申請するのであれば、単純に「3万円×3目的」となるわけではありません。
専門家へ依頼する場合は別途費用がかかる
事業目的の変更登記を司法書士などの専門家へ依頼する場合は、登録免許税とは別に報酬などが発生します。
特に、
- 事業目的の表現に迷っている
- 株主総会などの手続きが分からない
- 許認可が必要な新規事業を始める
- 複数の登記事項を同時に変更する
といった場合は、必要に応じて専門家への相談を検討するとよいでしょう。
将来の事業を設立時に検討しておく
会社設立後に新しい事業を始めるたびに事業目的を追加すると、その都度、社内手続きや変更登記が必要になる可能性があります。
そのため、設立時には現在の事業だけを見るのではなく、数年以内に始める可能性が高い事業についても整理しておくことがポイントです。
ただし、変更を避けるためだけに、実際には行う予定のない事業を大量に記載する必要はありません。
現在の事業内容が分かりやすく、具体的な将来計画にも対応できるバランスを考えましょう。
会社設立時には事業目的以外の項目も確認する
会社を設立するときには、事業目的だけでなく、
- 商号(会社名)
- 本店所在地
- 資本金
- 役員
- 事業年度
など、さまざまな事項を決める必要があります。
特に本店所在地は、会社設立後も法人登記や郵便物の受け取り、各種契約などで使用する重要な会社情報です。
自宅住所を会社住所として使用したくない場合は、法人登記に対応したバーチャルオフィスを本店所在地として利用する方法もあります。
事業目的とあわせて、設立後の事業運営まで考えながら会社の基本事項を決めていきましょう。
事業目的は会社設立後でも変更できますが、変更登記には費用と手続きが発生します。現在の事業と具体的な将来計画を整理し、設立時から長く使いやすい事業目的を定めておくことが大切です。
まとめ
会社の事業目的とは、その会社がどのような事業を行うのかを示す重要な情報です。
株式会社や合同会社などを設立するときには定款に事業目的を記載し、会社設立後は登記情報として外部から確認されることもあります。
事業目的を決めるときは、次のようなポイントを確認しておきましょう。
- 現在行う事業が適切に記載されているか
- 将来始める予定の事業も検討しているか
- 第三者が見ても事業内容を理解できる表現になっているか
- 実際には行う予定のない事業を増やしすぎていないか
- 許認可に必要な事業目的が含まれているか
- 実際の事業内容と事業目的に大きなズレがないか
会社設立時点ではまだ行っていない事業でも、将来的に行う予定がある事業を事業目的に含めることができます。
具体的な計画がある事業をあらかじめ記載しておけば、事業を開始するときに事業目的を追加する手間を減らせるでしょう。
一方、会社設立後でも事業目的の追加・変更は可能です。ただし、定款変更や法務局での変更登記などが必要となり、目的変更の登記には登録免許税もかかります。
また、許認可が必要な事業では、事業目的に対象となる事業を記載するだけでなく、営業所・設備・人員など個別の要件を満たす必要がある場合があります。
法人登記ができることと、許認可を取得できることは別に考え、必要に応じて管轄する行政機関などへ事前に確認しておきましょう。
会社設立時には事業目的だけでなく、商号や資本金、本店所在地なども決める必要があります。
自宅住所を会社の本店所在地として使用したくない場合は、法人登記に対応したバーチャルオフィスを利用し、自宅と会社の住所を分ける方法もあります。
事業目的は、会社が「何をする会社なのか」を示す基本情報です。現在の事業だけでなく具体的な将来計画まで整理し、設立後も長く使いやすい内容を決めておきましょう。
参考