自宅を法人の本店所在地や個人事業の住所として使用している場合、バーチャルオフィスを契約することで、事業用住所と自宅住所を分けることができます。
ただし、バーチャルオフィスを契約しただけで、これまで登録していた住所が自動的に変更されるわけではありません。
法人であれば登記上の本店所在地をはじめ、税務署や自治体、年金事務所、銀行など、住所変更に伴って手続きが必要になる場合があります。
さらに、
- Webサイト
- 名刺
- 請求書
- 契約書
- 銀行口座
- クレジットカード
- 各種Webサービス
など、日常的に利用している会社情報についても確認が必要です。
変更するものが多いため、「バーチャルオフィスを契約したけれど、どこから住所を変えればいいの?」と迷う方もいるでしょう。
この記事では、自宅住所からバーチャルオフィスの住所へ変更するときに必要となる主な手続きや変更先を順番に解説します。
法人だけでなく個人事業主の場合についても紹介するので、これから事業用住所を変更する方は参考にしてください。
自宅からバーチャルオフィスへ住所変更するときの基本

1. バーチャルオフィスを契約したら最初に何をすればいいですか?
バーチャルオフィスを契約したら、すぐに名刺やWebサイトの住所を書き換えるのではなく、まず新しい住所をどの用途で利用するのか整理しましょう。
法人の場合と個人事業主の場合では、必要となる手続きが異なります。
また、法人であっても、
- 本店所在地そのものを変更するのか
- 郵便物の受取先として利用するのか
- Webサイトなどで公開する事業用住所として利用するのか
によって対応が変わります。
まずバーチャルオフィスの利用開始日を確認する
最初に確認したいのが、契約したバーチャルオフィスの利用開始日です。
申込みが完了したからといって、必ずしもその時点から住所を自由に利用できるとは限りません。
サービスによっては本人確認や審査、契約手続きなどが完了してから住所を利用できるようになります。
そのため、名刺の印刷やWebサイトの住所変更、法人登記などを行う前に、いつから新しい住所を利用できるのか確認しておきましょう。
正式な住所表記を確認する
次に、新しく使用する住所の正式な表記を確認します。
バーチャルオフィスによっては、
- ビル名を含める
- 指定された番号を使用する
- 契約時に登録した法人名・屋号で郵便物を受け取る
など、住所利用に関するルールが設けられている場合があります。
自己判断で住所を省略したり、実際には割り当てられていない部屋番号を追加したりすることは避けましょう。
法人登記や銀行などの重要な手続きで利用することも考え、契約時に案内された正式な住所表記を最初に確認しておくことが大切です。
法人は「本店所在地を変更するか」を決める
すでに自宅住所を本店所在地として法人登記している場合、バーチャルオフィスへ本店所在地を移すのであれば、本店移転の登記が必要になります。
一方、バーチャルオフィスを郵便物の受取先などとして利用するだけで、登記上の本店所在地を自宅のままにするのであれば、本店所在地そのものは変わりません。
つまり、バーチャルオフィスを契約することと法人の本店所在地を変更することは別の手続きです。
自宅住所を登記簿から外すことが目的であれば、バーチャルオフィスを契約するだけで終わらせず、本店移転の手続きまで行う必要があります。
変更が必要なサービスや書類を一覧にする
住所変更で意外と大変なのが、登記以外の変更作業です。
会社を運営していると、さまざまな場所に住所を登録しています。
たとえば、
- 税務関係
- 社会保険関係
- 銀行口座
- クレジットカード
- 契約中のサービス
- 取引先
- Webサイト
- 名刺
- 請求書
- 見積書
- 契約書のひな形
- メール署名
などです。
住所を変更してから一つずつ思い出すと漏れが発生しやすいため、変更前に「住所を登録している場所リスト」を作っておくとスムーズです。
郵便物の受取方法も先に確認する
住所を変更すると、これまで自宅へ届いていた会社宛の郵便物がバーチャルオフィスへ届くようになる可能性があります。
そのため、
- 郵便物が届いたら通知されるのか
- どのくらいの頻度で転送されるのか
- 急ぎの郵便物を個別転送できるのか
- 受け取れない郵便物は何か
なども確認しておきましょう。
特に法人の本店所在地を変更すると、行政機関や金融機関、取引先などから重要な書類が新しい住所へ送付されることがあります。
住所変更後に慌てないためにも、郵便物が届いてから自分の手元に届くまでの流れを理解しておくことが重要です。
住所変更は順番を決めて進める
すべての住所を同時に変更しようとすると、どこまで対応したのか分からなくなりがちです。
法人の場合は、
↓
本店移転の手続き
↓
税務・社会保険など必要な届出
↓
銀行・クレジットカード・契約サービスなどの変更
↓
Webサイト・名刺・請求書などの変更
↓
取引先への案内
といったように、順番を整理して進めると分かりやすくなります。
実際に必要な手続きは法人・個人事業主や利用しているサービスなどによって異なるため、自分に必要な変更先を確認しながら進めましょう。
バーチャルオフィスを契約したら、まず「新しい住所を何に使うのか」を決め、正式な住所表記と利用開始日を確認しましょう。
そのうえで、法人の場合は本店所在地を変更するのかを決め、行政機関や銀行、Webサイトなど、住所を登録している場所を一覧にしておくと手続きを進めやすくなります。
契約しただけでは登記や各種サービスの住所は変更されないため、自分で必要な変更手続きを行うことが重要です。
2. 法人登記の住所は変更する必要がありますか?
現在、自宅住所を法人の本店所在地として登記しており、その本店所在地をバーチャルオフィスへ移す場合は、本店移転の登記が必要です。
バーチャルオフィスを契約しただけでは、登記簿に記録されている本店所在地が自動的に変更されるわけではありません。
自宅住所を登記上の本店所在地から外したい場合は、バーチャルオフィスの利用を開始したうえで、法務局へ本店移転の登記を申請します。
バーチャルオフィスの契約と本店移転登記は別の手続き
まず理解しておきたいのが、バーチャルオフィスを契約することと法人の本店所在地を変更することは別だという点です。
たとえば、自宅住所を本店所在地として登記している会社が東京都港区のバーチャルオフィスを契約しても、それだけで登記簿上の本店所在地が東京都港区へ変更されるわけではありません。
登記上の本店所在地を変更したい場合は、別途、本店移転登記を行う必要があります。
一方、登記上の本店所在地は自宅のままとし、バーチャルオフィスを郵便物の受取先などとして利用するだけであれば、バーチャルオフィスを契約したことだけを理由に本店移転登記を行うものではありません。
自宅住所を登記簿上の本店所在地から外したいのかどうかを最初に決めましょう。
本店を移転した場合は原則2週間以内に登記する
株式会社が本店を移転した場合、本店移転の日から原則として2週間以内に登記を行う必要があります。
そのため、「バーチャルオフィスを契約したので、時間があるときに登記を変更しよう」と長期間放置するのは避けましょう。
実際に本店を移転する日を決めたうえで、必要な社内手続きや書類を準備し、期限内に登記申請を行うことが重要です。
法務局では、本店移転登記の申請書様式や記載例も公開されています。
現在の住所と新しい住所によって申請方法が変わる
本店移転登記では、現在の本店所在地と新しい本店所在地を管轄する登記所によって手続きが異なります。
大きく分けると、同じ登記所の管轄区域内で移転する場合と別の登記所の管轄区域へ移転する場合があります。
法務局でも株式会社の本店移転について、「管轄登記所内移転」と「管轄登記所外移転」でそれぞれ申請書様式を用意しています。
別の登記所の管轄へ本店を移転する場合は、新所在地側の登記申請も必要となりますが、申請は旧本店所在地を管轄する登記所を経由し、旧所在地側の申請と同時に行います。
そのため、単純に「東京都内の移転だから同じ手続き」と判断せず、現在地と移転先を管轄する法務局を確認しておくことが重要です。
定款の記載内容によっては定款変更が必要になる
本店移転では、会社の定款も確認しましょう。
定款には本店所在地が記載されていますが、会社によって、「当会社は、本店を東京都港区に置く」など市区町村まで定めている場合があります。
たとえば定款で本店所在地を「東京都港区」と定めている会社が、港区内で本店を移転するのであれば、その記載自体を変更する必要がないケースがあります。
一方、港区から渋谷区など、定款で定めた所在地の範囲外へ本店を移す場合は、定款変更が必要になることがあります。
定款変更には株主総会の決議など所定の社内手続きが必要になる場合があるため、登記申請だけでなく、自社の定款がどのような記載になっているかも確認しましょう。
本店移転を決定する社内手続きも確認する
本店所在地は、代表者が自由に住所を書き換えるだけで変更できるものではありません。
会社の種類や定款の内容、移転先などによって、本店移転を決定するために必要となる社内手続きが異なります。
株式会社であれば株主総会や取締役会等、合同会社であれば社員による決定などが関係する場合があります。
登記申請時にも、ケースに応じて本店移転を決定したことを証する書面などが必要になります。
法務局では株式会社だけでなく、合同会社についても管轄内・管轄外それぞれの本店移転登記の申請書様式を公開しています。
バーチャルオフィスが法人登記に対応しているか確認する
本店移転登記を行う前に、契約するバーチャルオフィスが法人登記での住所利用に対応しているか確認しておきましょう。
バーチャルオフィスによっては、プランによって利用できる用途が異なる場合があります。
住所をWebサイトや名刺に掲載できることと、法人登記に利用できることが必ずしも同じとは限りません。
すでに法人を運営している場合は、新規法人設立ではなく「既存法人の本店移転」として利用できるかについても確認しておくと安心です。
登記が終わったらほかの住所変更も進める
本店移転登記が完了しても、住所変更の作業がすべて終わるわけではありません。
会社は登記以外にも、
- 税務署
- 都道府県・市区町村
- 年金事務所
- 銀行
- クレジットカード
- 取引先
- Webサイト
など、さまざまな場所で住所を使用しています。
本店移転後は、それぞれについて住所変更が必要か確認し、順番に対応していきましょう。
特に行政機関への届出は提出先や必要な手続きが異なるため、「登記を変更したからほかも自動的に変わる」と考えないことが大切です。
自宅住所を法人の本店所在地として登記しており、バーチャルオフィスへ本店を移転する場合は、本店移転登記が必要です。
株式会社では本店移転の日から原則2週間以内に登記する必要があり、現在の本店と新しい本店を管轄する登記所が同じかどうかによって申請方法も異なります。
また、移転先によっては定款変更などの社内手続きが必要になる場合もあります。
バーチャルオフィスを契約しただけでは登記住所は変更されないため、「契約」と「本店移転登記」をセットで考えておきましょう。
3. 税務署への住所変更手続きは必要ですか?
自宅からバーチャルオフィスへ事業上の所在地を変更した場合は、税務署への届出が必要になるケースがあります。
特に法人が本店所在地を変更した場合は、登記だけで手続きがすべて完了するわけではありません。
税務上の届出についても確認し、必要に応じて所在地変更の手続きを行いましょう。
また、個人事業主が納税地などを変更する場合は法人とは手続きが異なるため、それぞれ分けて考える必要があります。
法人は本店所在地を変更したら税務上の手続きも確認する
法人が自宅住所からバーチャルオフィスへ本店を移転した場合、税務署に登録されている法人の所在地についても変更が関係します。
法人が本店所在地を変更した場合は、税務上の異動事項についても確認が必要です。国税庁では、納税地の異動などを行った法人について「異動事項に関する届出」の手続きを案内しています。
本店移転登記だけですべての税務上の変更手続きが完了すると判断せず、自社に必要な届出を確認しましょう。
「登記したから税務関係は全部終わり」ではない
本店移転登記を行っても、会社に関するすべての税務手続きが完了するわけではありません。
本店所在地を変更した場合は、納税地の異動をはじめ、自社に必要となる税務上の届出を確認しましょう。
たとえば、所在地変更に伴って、
- 給与支払事務所等の所在地
- 消費税に関する事項
- そのほか税務上届け出ている内容
などに変更が生じる場合は、別の届出が必要になる可能性があります。
そのため、本店移転を行ったときは、「本店移転登記をしたから税務署には何もしなくてよい」と一律に判断せず、自社で提出している届出や税務上の登録内容も確認しましょう。
移転によって管轄税務署が変わる場合もある
自宅から離れた地域のバーチャルオフィスへ本店所在地を変更すると、会社を管轄する税務署が変わることがあります。
たとえば、自宅とバーチャルオフィスが異なる市区町村や地域にある場合などです。
本店移転後は、今後どの税務署が自社を管轄するのか確認しておくとよいでしょう。
国税庁では、住所や郵便番号などから管轄する税務署を検索できます。
今後、税務署への申請や相談などを行う際にも必要になるため、新しい本店所在地を管轄する税務署を把握しておきましょう。
地方税については税務署とは別に確認する
法人の税金には、国へ納める法人税などだけでなく、都道府県や市区町村に関係する地方税もあります。
そのため、税務署への対応だけを確認して住所変更手続きを終わらせないよう注意しましょう。
本店所在地を移転した場合は、都道府県税事務所や市区町村などへの届出が必要になる場合があります。
特に別の自治体へ本店を移転する場合は、旧所在地と新所在地それぞれで必要となる手続きを確認することが重要です。
地方税については、次のQで詳しく解説します。
個人事業主は納税地の考え方を確認する
個人事業主の場合は、法人の本店移転登記とは考え方が異なります。
そもそも個人事業主には法人のような「本店所在地の登記」はありません。
バーチャルオフィスを契約して名刺やWebサイトなどの事業用住所を変更したからといって、必ずしも税務上の納税地までその住所へ変更する必要があるとは限りません。
所得税の納税地は、原則として住所地が基本となります。
そのため、事業用住所としてバーチャルオフィスを利用することと、税務上の納税地を変更することは分けて考える必要があります。
個人事業主も「事業住所を変えた=納税地も変わる」ではない
たとえば、自宅で仕事を続けながら、
- Webサイト
- 名刺
- 請求書
- 取引先への連絡先
だけをバーチャルオフィスへ変更するケースがあります。
この場合、事業用に公開する住所は変わっていても、本人が生活している住所そのものは変わっていません。
そのため、「バーチャルオフィスを契約したから確定申告も必ずバーチャルオフィスの住所に変更する」と考えるのではなく、自分の納税地がどこになるのかを確認して対応しましょう。
e-Taxを利用している場合も登録情報を確認する
税務手続きをe-Taxで行っている場合は、登録している利用者情報についても確認しておきましょう。
住所変更によって税務上の登録内容に変更が生じる場合は、必要な情報を更新します。
法人・個人事業主のどちらの場合も、バーチャルオフィスの住所へ変更した箇所と、自宅住所のままにしている箇所を整理しておくことが重要です。
会社情報や税務情報、本人情報をすべて同じ住所にしなければならないわけではありません。
分からない場合は管轄税務署や税理士へ確認する
税務関係の住所変更は、法人・個人事業主の違いだけでなく、変更する内容によって必要な手続きが異なります。
また、税務上の届出や行政機関同士の情報連携についても制度が変更されることがあります。
自分のケースで届出が必要か判断できない場合は、国税庁の最新情報を確認するほか、管轄税務署や税理士などの専門家へ確認すると安心です。
法人が自宅からバーチャルオフィスへ本店所在地を変更した場合は、税務上必要となる届出についても確認しましょう。
本店移転登記だけですべての税務手続きが完了するとは限りません。
また、個人事業主の場合は、事業用住所をバーチャルオフィスへ変更したからといって、税務上の納税地まで必ず変更するわけではありません。
法人の本店所在地・事業用住所・個人の納税地をそれぞれ分けて考え、自分に必要な手続きを確認することが重要です。
4. 都道府県・市区町村への届出は必要ですか?
法人が自宅からバーチャルオフィスへ本店所在地を変更した場合、都道府県や市区町村など地方税を管轄する自治体への届出が必要になることがあります。
法人税などの国税は税務署が管轄しますが、法人事業税や法人住民税などの地方税は都道府県や市区町村が関係します。
そのため、本店移転を行ったときは税務署への対応だけでなく、地方税に関する届出についても確認することが重要です。
国税と地方税では窓口が異なる
法人を運営していると、さまざまな税金が関係します。
大きく分けると、法人税などの国税と法人事業税・法人住民税などの地方税があります。
国税については税務署が関係しますが、地方税については都道府県や市区町村などが関係します。
そのため、法務局で本店移転登記を行ったからといって、地方税に関する手続きまで一律に完了するとは考えないようにしましょう。
本店所在地を変更した場合は異動届などを確認する
法人の所在地を変更した場合、自治体によっては「法人の異動届」などの提出が必要になります。
届出書の名称や提出方法、必要な添付書類などは自治体によって異なります。
たとえば、
- 本店所在地の変更
- 法人名の変更
- 代表者の変更
- 事業年度の変更
などについて、法人の異動事項として届出を受け付けている自治体があります。
自宅からバーチャルオフィスへ本店を移転した場合は、新しい所在地を管轄する都道府県や市区町村の案内を確認しましょう。
別の自治体へ移転するときは旧所在地側も確認する
特に注意したいのが、市区町村をまたいで本店を移転する場合です。
たとえば、
↓
東京都港区のバーチャルオフィス
のように本店を移転すると、法人の所在地となる自治体が変わります。
この場合、新しい所在地側への届出だけでなく、これまで事業所があった旧所在地側で必要となる手続きについても確認する必要があります。
旧所在地から完全に事業所等がなくなるのか、それとも別の事業所として残るのかによっても扱いが異なる可能性があります。
「新住所を登録する」だけでなく、旧住所をどうするのかも含めて確認しましょう。
同じ自治体内の移転でも確認する
同じ市区町村内で本店を移転する場合でも、地方税上の登録住所が変わることに変わりはありません。
そのため、「同じ港区内だから自治体への手続きは不要」などと自己判断しないようにしましょう。
必要となる届出は自治体によって異なるため、本店所在地を変更した場合は、同一自治体内の移転であっても該当する手続きを確認しておくと安心です。
東京都23区では市町村とは仕組みが異なる部分がある
東京都23区に本店を置く法人の場合は、ほかの地域と地方税の仕組みが一部異なります。
東京23区内では、法人都民税について都税事務所が関係します。
そのため、東京都内のバーチャルオフィスへ本店を移転する場合は、東京都主税局の案内から自社に必要な届出を確認すると分かりやすいでしょう。
特に東京23区内のバーチャルオフィスを利用する場合、一般的な「都道府県+市区町村」の手続きをそのまま当てはめないことがポイントです。
大阪市や横浜市などへ移転する場合も各自治体を確認する
地方税に関する手続きは、全国共通の一つの窓口ですべて行うものではありません。
たとえば東京都から大阪市のバーチャルオフィスへ本店を移転する場合や、横浜市へ移転する場合などは、それぞれ新しい所在地を管轄する自治体の案内を確認する必要があります。
バーチャルオフィスの所在地を選ぶときは、
- 東京都なのか
- 神奈川県なのか
- 大阪府なのか
といった所在地によって、今後関係する地方税の窓口も変わることを覚えておきましょう。
eLTAXを利用できる手続きもある
地方税については、地方税ポータルシステム「eLTAX」を利用して電子的に手続きを行えるものもあります。
法人の所在地変更などに関する手続きについても、対応している自治体や手続きであればオンラインから行える場合があります。
複数の自治体に事業所がある法人などでは、紙の書類をそれぞれ確認するだけでなく、eLTAXで対応できる手続きがないか確認してみるとよいでしょう。
登記・国税・地方税を分けてチェックする
本店移転では、行政手続きをまとめて考えてしまいがちですが、
と、それぞれ役割が異なります。
自宅からバーチャルオフィスへ本店を移した場合は、この3つを分けてチェックすると手続き漏れを防ぎやすくなります。
さらに社会保険へ加入している法人であれば、年金事務所などへの対応も確認する必要があります。
法人が自宅からバーチャルオフィスへ本店所在地を変更した場合は、都道府県や市区町村などへの地方税関係の届出が必要になることがあります。
特に別の自治体へ移転する場合は、新所在地だけでなく旧所在地側で必要となる手続きも確認しましょう。
また、東京都23区など地域によって地方税の仕組みや提出先が異なる場合があります。
「本店移転登記をしたから住所変更は完了」と考えず、登記・国税・地方税をそれぞれ確認することが重要です。
5. 年金事務所への住所変更手続きは必要ですか?
法人が自宅からバーチャルオフィスへ事業所の所在地を変更した場合、健康保険・厚生年金保険の適用事業所は、年金事務所への所在地変更手続きについても確認が必要です。
日本年金機構では、事業所の所在地を変更する場合、「適用事業所名称/所在地変更(訂正)届」による手続きを案内しています。
同じ年金事務所の管轄内で移転する場合と、別の年金事務所の管轄へ移転する場合で手続きが分かれているため、新しい所在地を管轄する年金事務所も確認したうえで対応しましょう。
社会保険では事業所の所在地が登録されている
健康保険・厚生年金保険の適用事業所では、事業所の名称や所在地などが登録されています。
自宅を会社所在地としていた法人がバーチャルオフィスへ本店を移転した場合は、社会保険上の事業所情報についても確認しましょう。
ここでも、法務局で本店移転登記をしたことと、社会保険上の事業所情報を確認することは分けて考える必要があります。
「適用事業所名称/所在地変更(訂正)届」を確認する
事業所の所在地や名称に変更があった場合は、「健康保険・厚生年金保険 適用事業所名称/所在地変更(訂正)届」による手続きを確認しましょう。
日本年金機構では、同じ年金事務所の管轄内で所在地を変更する場合と、所在地変更によって管轄する年金事務所が変わる場合について、それぞれ手続きを案内しています。
法人事業所の場合は、法人登記簿謄本のコピーなどの添付書類が必要になる場合があります。
また、登記簿上の所在地と実際に事業を行っている所在地が異なる場合には、賃貸借契約書のコピーなど、事業所の所在地を確認できる書類が必要になることがあります。
必要書類や提出先を含め、日本年金機構の最新案内を確認したうえで手続きを進めましょう。
登記上の本店所在地と実際の事業所が異なる場合は注意する
バーチャルオフィスを利用する会社では、登記上の本店所在地はバーチャルオフィスでありながら、従業員が実際に勤務する場所は別のオフィスというケースも考えられます。
この場合、単純に「本店をバーチャルオフィスへ移したから社会保険上の事業所所在地も同じ住所に変更する」と判断できるとは限りません。
社会保険上の事業所所在地については、実際の事業所の状況も踏まえて判断する必要があります。
特に従業員が勤務する事業所を別に設けている会社は、年金事務所へ確認すると安心です。
管轄する年金事務所が変わる場合もある
所在地を変更すると、事業所を管轄する年金事務所が変わることがあります。
たとえば自宅とバーチャルオフィスが離れた地域にある場合は、新しい所在地がどの年金事務所の管轄になるのか確認しておきましょう。
日本年金機構では、所在地から管轄する年金事務所を確認できます。
今後、社会保険に関する手続きや相談を行うことも考え、本店移転後に関係する年金事務所を把握しておくとよいでしょう。
従業員の住所変更とは別の手続き
ここで扱っているのは、会社・事業所側の所在地変更です。
従業員本人が引っ越した場合などに必要となる住所変更とは別に考えましょう。
今回のように、代表者は同じ自宅に住み続ける、会社の本店所在地だけ自宅からバーチャルオフィスへ移す、というケースでは、代表者個人が引っ越したわけではありません。
会社の住所と代表者・従業員個人の住所を混同せず、何の所在地を変更したのかを整理して手続きを確認することが重要です。
社会保険以外に労働保険の登録情報も確認する
従業員を雇用している会社では、健康保険や厚生年金だけでなく、労働保険や雇用保険などに関する手続きを行っている場合もあります。
本店所在地や事業所所在地を変更した場合は、
- 労働基準監督署
- ハローワーク
などに登録している事業所情報についても変更が必要になる可能性があります。
従業員を雇用している会社は、年金事務所だけを確認して終わらせず、自社が加入・届出している労務関係の制度を一通り確認しておきましょう。
登記変更後も登録情報が正しいか確認する
本店移転登記を行った場合でも、社会保険上の事業所所在地について必要な手続きを確認することが大切です。
特に本店移転直後は、旧住所宛に重要な書類が届かないよう、社会保険を含めて会社が登録している住所を整理しておきましょう。
登記上の本店所在地と実際に事業を行っている所在地が異なる場合など、必要な手続きについて判断できないときは、日本年金機構や社会保険労務士などへ確認すると安心です。
法人が自宅からバーチャルオフィスへ事業所の所在地を変更した場合は、社会保険上の事業所情報についても変更手続きを確認しましょう。
日本年金機構では、事業所所在地の変更について「適用事業所名称/所在地変更(訂正)届」による手続きを案内しています。
また、登記上の本店所在地と実際に従業員が勤務する事業所が異なる場合には、単純にバーチャルオフィスの住所へ変更すればよいとは限りません。
本店所在地・社会保険上の事業所所在地・実際の勤務場所を分けて考え、自社に必要な手続きを確認しましょう。
銀行・サービスなどの登録住所を変更する

6. 銀行口座の登録住所は変更する必要がありますか?
法人の本店所在地を自宅からバーチャルオフィスへ変更した場合は、利用している銀行に登録している法人住所についても変更手続きが必要か確認しましょう。
法務局で本店移転登記を行っても、すべての銀行で登録住所が自動的に変更されるわけではありません。
住所変更の方法や必要書類は金融機関によって異なるため、利用している銀行ごとに手続きを確認することが重要です。
登記住所を変更しても銀行の登録情報が自動で変わるとは限らない
法人名義の銀行口座を開設するときには、
- 法人名
- 本店所在地
- 代表者名
- 事業内容
- 連絡先
などの情報を金融機関へ届け出ています。
その後、本店所在地を変更した場合は、銀行側に登録されている法人情報についても変更が必要になることがあります。
本店移転登記が完了したからといって、「銀行も登記情報を確認して自動的に新住所へ変えてくれるだろう」と判断しないようにしましょう。
利用している銀行の法人向け案内を確認し、必要な住所変更手続きを行います。
住所変更の方法は銀行によって異なる
銀行によって、法人情報の変更方法は異なります。
たとえば、
- インターネットバンキングから手続きする
- Web上の変更フォームから申し込む
- 店舗で手続きする
- 所定の届出書を提出する
などの方法があります。
必要となる書類についても、登記事項証明書などを求められる場合があります。
複数の銀行口座を利用している法人は、銀行ごとに住所変更が完了しているかチェックできるよう一覧にしておくとよいでしょう。
代表者住所も変更したとは限らない
ここでも注意したいのが、法人の本店所在地と代表者本人の住所の違いです。
たとえば、
- 代表者はこれまでと同じ自宅に住み続ける
- 会社の本店所在地だけバーチャルオフィスへ変更する
というケースがあります。
この場合、法人所在地は変更されていますが、代表者本人の住所は変更されていません。
銀行の変更手続きで複数の住所項目が表示された場合は、すべてをバーチャルオフィスへ変更するのではなく、何の住所を変更する項目なのか確認して入力しましょう。
銀行からの郵便物がどこへ届くか確認する
登録住所を変更すると、銀行から送付される郵便物の宛先にも影響する可能性があります。
たとえば、
- 重要なお知らせ
- 取引に関する書類
- 各種手続き書類
- キャッシュカード等
が郵送されることがあります。
ただし、すべての郵便物が法人所在地へ送られるとは限りません。
代表者住所など別の登録住所へ送付される場合や、郵便物の種類によって送付先が異なる場合もあります。
そのため、住所変更時には、銀行からの重要な郵便物が今後どこへ送付されるのかも確認しておきましょう。
バーチャルオフィス側で受け取れない郵便物にも注意する
銀行が新しい本店所在地へ郵便物を送付する場合は、利用しているバーチャルオフィスでその郵便物を受け取れるか確認しておくことも重要です。
バーチャルオフィスでは一般的な郵便物を受け取れても、郵送方法や受取条件によって対応できないものがあります。
特に、
- 本人限定受取郵便
- 転送不要として送付される郵便物
- 本人確認を目的とした郵便物
などについては、通常の郵便物とは扱いが異なる場合があります。
銀行側の送付方法と、バーチャルオフィス側の受取ルールの両方を確認しましょう。
口座が使えているから住所変更を後回しにしない
本店所在地を変更しても、これまで使用していた銀行口座がすぐに利用できなくなるとは限りません。
そのため、「普通に振込できているから住所変更はそのうちでいい」と後回しにしてしまうことも考えられます。
しかし、銀行に登録している法人情報と現在の登記情報が異なる状態を長期間放置することは避けたほうがよいでしょう。
銀行から法人情報の確認を求められた際に慌てないためにも、本店移転後は早めに登録情報を確認しておくことが大切です。
口座振替や決済サービスなどもあわせて確認する
銀行口座そのものだけでなく、その口座と連携して利用しているサービスについても確認しておきましょう。
たとえば、
- 決済サービス
- 会計ソフト
- 口座振替サービス
- 給与振込サービス
- 請求・支払管理サービス
などで会社所在地を登録している場合があります。
銀行の住所変更だけを済ませても、外部サービス側の会社情報が旧住所のまま残ることがあります。
本店移転を機会に、銀行口座に関連して利用しているサービスの登録情報もまとめて確認すると効率的です。
複数口座がある場合はチェックリストを作る
会社によっては、
- メイン口座
- 入金専用口座
- 税金・社会保険料の支払口座
- ネット銀行口座
など、複数の法人口座を使い分けていることがあります。
住所変更では、一つの銀行を変更して安心し、ほかの口座を忘れてしまう可能性があります。
そのため、
- 銀行名
- 口座の用途
- 住所変更の要否
- 手続き方法
- 変更完了日
などを一覧にして管理すると、変更漏れを防ぎやすくなります。
法人の本店所在地を自宅からバーチャルオフィスへ変更した場合は、利用している銀行に登録されている法人住所についても確認しましょう。
本店移転登記を行っただけで、銀行側の登録情報まで必ず自動変更されるわけではありません。
また、法人所在地を変更しても代表者本人の住所まで変わるとは限らないため、法人住所・代表者住所・郵便物の送付先をそれぞれ区別して手続きすることが重要です。
複数の銀行口座を利用している場合は、チェックリストを作り、一行ずつ変更が完了しているか確認するとよいでしょう。
7. 法人クレジットカードや各種サービスの住所も変更しますか?
法人の本店所在地を自宅からバーチャルオフィスへ変更した場合は、法人クレジットカードや会社名義で契約している各種サービスについても、登録住所の変更が必要か確認しましょう。
法務局で本店移転登記を行っても、民間企業が提供するサービスの登録情報まで自動的に変更されるわけではありません。
会社を長く運営しているほど多くのサービスに住所を登録している可能性があるため、本店移転を機会に契約中のサービスを一覧にして確認することが重要です。
法人クレジットカードの登録住所を確認する
法人クレジットカードを利用している場合は、カード会社に登録している法人所在地を確認しましょう。
法人カードでは、たとえば以下のような住所情報が登録されている場合があります。
- 法人所在地
- 代表者住所
- カード利用者の住所
- カードや書類の送付先
本店所在地だけを自宅からバーチャルオフィスへ移転したのであれば、代表者本人の居住地まで変更されたわけではありません。
そのため、すべての住所を新しい本店所在地へ変更するのではなく、どの住所項目を変更する必要があるのか確認して手続きしましょう。
カードや重要書類の送付先にも注意する
法人クレジットカードでは、カードの更新や再発行、各種案内などで郵便物が送付されることがあります。
登録住所を変更する際は、今後どの住所へカードや重要書類が送付されるのかも確認しておくと安心です。
カード会社によっては、本人確認などの目的から送付方法や送付先について独自のルールを設けている場合があります。
バーチャルオフィスを法人所在地として登録できることと、すべての郵便物をその住所で受け取れることは別の問題として確認しましょう。
会計ソフトや請求書サービスも忘れずに変更する
日常的に利用している会計・経理関係のサービスにも会社住所を登録している場合があります。
たとえば、以下のようなサービスです。
- 会計ソフト
- 請求書作成サービス
- 経費精算サービス
- 給与計算サービス
- 電子契約サービス
特に請求書作成サービスでは、登録している会社情報がそのまま請求書へ自動表示されることがあります。
本店移転後も旧住所が登録されたままだと、新しく発行した請求書に以前の自宅住所が掲載され続ける可能性があります。
住所変更後は、実際に発行される帳票の表示内容まで確認しておきましょう。
決済サービスやEC関連サービスも確認する
ネットショップやオンラインサービスを運営している場合は、決済サービスやECプラットフォームにも住所を登録している可能性があります。
代表的なものとしては、以下が挙げられます。
- ECカート
- 決済代行サービス
- オンラインモール
- 配送サービス
- 販売管理システム
また、これらのサービスでは用途ごとに異なる住所が登録されていることがあります。
- 運営会社情報
- 事業者情報
- 請求先住所
- 返品先住所
- 特定商取引法に基づく表示
会社所在地を変更したからといって、すべてを機械的にバーチャルオフィスへ変更するのではなく、各項目が何を意味する住所なのか確認してから変更しましょう。
特に返品先住所や特定商取引法に基づく表示については、それぞれの目的や利用しているサービスのルールも確認する必要があります。
サーバーやドメインなどWeb関連サービスも確認する
会社のWebサイトを運営している場合は、Web関連サービスにも会社情報を登録していることがあります。
- レンタルサーバー
- ドメイン管理サービス
- Web制作関連サービス
- 広告アカウント
- アクセス解析などの関連サービス
普段ログインする機会が少ないサービスほど、以前の住所がそのまま残りやすいので注意が必要です。
また、Webサイトそのものの会社概要を変更しても、サービスの契約者情報まで自動的に変更されるわけではありません。
Webサイトの表示内容とサービス側の登録情報は分けて確認しましょう。
通信サービスや会社名義の契約も確認する
会社名義で契約しているサービスについても住所変更が必要になる場合があります。
たとえば、以下のようなものです。
- 携帯電話
- 固定電話
- インターネット回線
- クラウドサービス
- 業務用ソフトウェア
請求書や利用明細が電子化されていると、郵便物が届かないため旧住所が登録されたままでも気付きにくいことがあります。
月額・年額で継続的に支払っているサービスについては、クレジットカードや銀行口座の利用明細から洗い出してみるのもよいでしょう。
請求先住所と会社所在地は同じとは限らない
各種サービスでは、以下のように複数の住所が登録されている場合があります。
- 会社所在地
- 契約者住所
- 請求先住所
- 郵送先住所
これらは似ていますが、必ずしもすべて同じ意味ではありません。
たとえば法人所在地はバーチャルオフィスへ変更しても、特定の書類については別の住所で受け取りたいケースもあるでしょう。
そのため、「住所変更」という項目を見つけたら全部新住所へ変更するのではなく、その住所が何に使われるのかを確認することが大切です。
契約中サービスを一覧にすると変更漏れを防ぎやすい
本店移転時には、契約中のサービスをカテゴリごとに整理すると分かりやすくなります。
- 金融:銀行・法人クレジットカード
- 経理:会計・請求書・経費精算サービス
- 販売:EC・決済・販売管理サービス
- Web:サーバー・ドメイン・広告関連
- 通信:携帯電話・固定電話・インターネット
- 業務:クラウドサービス・電子契約・各種SaaS
- その他:保険・リース・通販など会社名義の契約
特に便利なのが、会社のクレジットカードや銀行口座から毎月・毎年支払っているサービスを確認する方法です。
利用明細を確認すれば、普段存在を忘れている年間契約のサービスなどを見つけられる可能性があります。
古い自宅住所が残っていないか最後に確認する
自宅住所を登記簿やWebサイトから外すことを目的にバーチャルオフィスへ移転した場合は、住所変更後に旧住所が残っていないか確認することも大切です。
たとえば、以下のような場所を確認してみましょう。
- 自社のWebサイト
- 利用している各種サービスのアカウント情報
- 請求書や見積書のテンプレート
- メール署名
- 会社名で登録している各種プロフィール
また、会社名と旧住所を検索して、現在も自宅住所が表示されているページがないか確認する方法もあります。
ただし、過去のWebページや第三者サイト、公的な登記の履歴など、住所変更を行っても過去の住所情報が完全にインターネットや公的記録から消えるとは限りません。
バーチャルオフィスへの移転は、過去に公開した自宅住所を完全に消去する手続きではなく、今後使用する事業用住所を自宅から分離するものと考えておきましょう。
法人の本店所在地をバーチャルオフィスへ変更した場合は、法人クレジットカードだけでなく、会計ソフト、決済サービス、EC、サーバー、ドメイン、通信サービスなどの登録住所も確認しましょう。
法務局や行政機関への手続きを完了しても、民間サービスの会社情報までは自動的に変更されません。
会社のカードや銀行口座の利用明細から契約中サービスを洗い出し、一つずつ住所変更を確認していくと漏れを防ぎやすくなります。
取引先・Webサイトなどの住所を変更する

8. Webサイト・名刺・請求書の住所はいつ変更すればいいですか?
Webサイトや名刺、請求書などに掲載している住所は、バーチャルオフィスの利用開始日や本店移転日などに合わせて変更すると分かりやすいでしょう。
ただし、バーチャルオフィスを契約しただけで、まだその住所を利用できない段階から新住所を掲載するのは避ける必要があります。
また、法人の本店所在地として表示する場合は、実際の登記内容とのズレにも注意しましょう。
まずバーチャルオフィスの利用開始日を確認する
Webサイトや名刺などの住所を変更する前に、契約したバーチャルオフィスの住所をいつから利用できるのか確認しましょう。
サービスによっては、申込み後に本人確認や審査、契約手続きなどが行われ、すべての手続きが完了してから住所を利用できるようになります。
そのため、
- Webサイトを先に新住所へ変更する
- 名刺を新住所で大量に印刷する
- 取引先へ新住所を案内する
といった対応は、住所の利用開始が確定してから行うと安心です。
法人の本店所在地として掲載する場合は登記との整合性に注意する
自社Webサイトの会社概要などで「本店所在地」として住所を掲載している場合は、登記上の所在地との整合性にも注意しましょう。
たとえば、本店移転前にもかかわらず、「本店所在地:東京都港区○○」などと新しいバーチャルオフィスの住所へ変更すると、登記上の本店所在地とWebサイトに掲載している本店所在地が一時的に異なる状態になります。
単に「お問い合わせ先」「郵送先」「事業用住所」として利用する場合と、法人の正式な本店所在地として表示する場合は意味が異なります。
何の住所として掲載するのかを確認したうえで変更しましょう。
Webサイトは住所を掲載している場所をまとめて変更する
自社Webサイトでは、会社概要以外にも住所が掲載されていることがあります。
たとえば、以下のような場所です。
- 会社概要
- フッター
- お問い合わせページ
- 特定商取引法に基づく表記
- プライバシーポリシー
- 利用規約
- 採用情報
- 各種申込みページ
- PDFの会社案内や資料
会社概要だけを変更して安心すると、別のページに自宅住所が残ってしまう可能性があります。
特に長期間運営しているWebサイトでは複数箇所に住所が掲載されていることがあるため、サイト内検索などを利用して旧住所が残っていないか確認するとよいでしょう。
名刺は新住所が確定してから切り替える
名刺についても、新しい住所を利用できることが確定してから変更しましょう。
特に本店所在地を名刺へ掲載している法人では、本店移転のタイミングに合わせて新しい名刺を用意しておくとスムーズです。
住所変更時には、名刺以外にも会社情報を印刷したものがないか確認します。
- 封筒
- レターヘッド
- パンフレット
- 会社案内
- 営業資料
- 商品やサービスの申込書
- 各種契約書類
大量に印刷物を保有している場合は、本店移転前に在庫を確認しておくと無駄を減らせます。
古い名刺をそのまま使い続けるのは避ける
住所変更前の名刺が大量に余っていると、「もったいないので全部使い切ってから新しくしたい」と考えるかもしれません。
しかし、すでに会社の住所を変更しているのであれば、旧住所を記載した名刺を新しい取引先へ配り続けることはおすすめできません。
相手が名刺に記載された住所へ郵便物を送ったり、会社情報を確認したりする可能性があるためです。
住所変更後は新しい名刺へ切り替え、旧住所の名刺は使用しないほうが分かりやすいでしょう。
請求書や見積書のテンプレートも変更する
住所変更で忘れやすいのが、日常的に使用している帳票です。
たとえば、以下のような書類があります。
- 請求書
- 見積書
- 納品書
- 発注書
- 領収書
- 契約書のひな形
WordやExcelなどでテンプレートを作成している場合は、ファイル内に旧住所が直接入力されていることがあります。
また、クラウド型の請求書サービスを利用している場合は、アカウントに登録されている会社情報が帳票へ自動反映されている場合があります。
住所を変更したら、実際に一度帳票を出力して、新しい住所になっているか確認すると安心です。
メール署名も忘れずに変更する
メール署名も、自宅住所が残りやすい場所の一つです。
会社によっては、従業員それぞれが自分のメールソフトに署名を登録しています。
そのため、代表者の署名だけでなく、
- 営業担当者
- 経理担当者
- カスタマーサポート
- 採用担当者
- 共通メールアドレス
などで使用している署名も確認しましょう。
Webサイトの住所は変更されているのに、メールを送るたびに旧住所が相手へ送信されているという状態を防ぐことができます。
Googleなど外部サービスの会社情報も確認する
自社Webサイト以外にも、インターネット上には会社住所が掲載されている場合があります。
たとえば、
- SNSのプロフィール
- 求人サイト
- 業界団体などの会員ページ
- 取引先サイトの会社紹介ページ
- 各種ポータルサイト
- Googleなどのサービス
などです。
ただし、外部サービスについては、バーチャルオフィスの住所を掲載・登録できるかどうかを各サービスのルールに従って判断する必要があります。
特にGoogleビジネスプロフィールは、単に郵便物を受け取るだけのバーチャルオフィスを所在地として登録することは認められていません。
「Webサイトに掲載できる住所だから、すべての外部サービスにも登録できる」と考えず、それぞれの利用条件を確認しましょう。
変更日を決めて一斉に切り替えると管理しやすい
Webサイトや名刺、請求書などをバラバラのタイミングで変更すると、どこまで新住所へ切り替えたのか分からなくなることがあります。
そのため、事前に変更対象を一覧にして、「この日から対外的な会社住所を新住所へ切り替える」と決めておくと管理しやすくなります。
たとえば、
- Webサイト
- 名刺
- メール署名
- 請求書・見積書
- パンフレット
- 営業資料
- SNS
- 各種プロフィール
などをチェックリストにして、変更が完了したものから確認していく方法です。
法人の本店所在地を変更する場合は、バーチャルオフィスの利用開始日、本店移転日、登記手続きの進行状況なども踏まえて切り替え時期を決めるとよいでしょう。
旧住所が残っていないか最後に検索する
一通り変更したら、旧住所がインターネット上に残っていないか確認してみましょう。
自社サイト内を検索するほか、検索エンジンで、
などを検索すると、変更を忘れているページを発見できる場合があります。
特に自宅住所を公開したくないことがバーチャルオフィスへ移転する理由であれば、新住所へ変更する作業だけでなく、現在公開されている旧住所を確認する作業も重要です。
ただし、過去の登記情報や第三者が管理しているWebページなど、自社で変更できない情報まで完全に消去できるとは限りません。
Webサイト・名刺・請求書などの住所は、バーチャルオフィスの利用開始や本店移転のタイミングに合わせて変更しましょう。
特にWebサイトでは会社概要だけでなく、フッターや特定商取引法に基づく表記、各種規約など複数の場所に住所が掲載されている場合があります。
名刺や帳票、メール署名なども含めて変更対象を一覧にし、新住所への切り替え後に旧住所が残っていないか確認するところまで行うことが大切です。
9. 取引先には住所変更を連絡したほうがいいですか?
法人の本店所在地や普段使用している事業用住所を変更した場合は、継続的に取引している取引先にも新しい住所を連絡しておくことをおすすめします。
自社のWebサイトや請求書だけを新住所へ変更しても、取引先が管理している会社情報は自動的には変更されません。
連絡しないままにしていると、契約書や重要書類、請求関係の郵便物などが以前の自宅住所へ送られてしまう可能性があります。
継続的に取引している相手には住所変更を連絡する
住所変更後は、現在取引している企業や事業者を確認しましょう。
たとえば、以下のような相手です。
- 顧客・クライアント
- 仕入先
- 外注先
- 業務委託先
- 顧問税理士・社会保険労務士など
- 保険会社
- リース会社
- その他継続的に契約している事業者
すべての相手へ同じ方法で連絡する必要があるとは限りません。
まずは、契約・請求・郵便物のやり取りがある取引先を優先して連絡するとよいでしょう。
住所変更は新住所が確定してから案内する
取引先への住所変更連絡は、バーチャルオフィスの住所利用が確定してから行いましょう。
法人の本店所在地を移転する場合は、本店移転日や登記手続きのスケジュールも踏まえて案内します。
連絡する際は、必要に応じて以下のような情報を伝えます。
- 会社名
- 旧住所
- 新住所
- 変更日
- 郵便物の新しい送付先
- 電話番号など、そのほか変更となる連絡先
住所だけを伝えるより、「いつから新住所を使用するのか」まで明記すると相手側も変更しやすくなります。
メールでの連絡でも問題ないケースは多い
日常的にメールでやり取りしている取引先であれば、住所変更についてもメールで案内できるケースがあります。
重要なのは連絡方法そのものより、相手側で新しい住所へ登録情報を変更してもらうことです。
ただし、契約内容や取引先の社内ルールによっては、
- 所定の変更届
- 登記事項証明書
- 会社情報変更フォーム
- 書面による通知
などを求められる場合があります。
特に金融機関や大企業との取引では独自の変更手続きが用意されていることもあるため、必要に応じて確認しましょう。
契約書に住所変更時のルールがないか確認する
継続的な契約を結んでいる取引先については、契約書も確認しておきましょう。
契約書には、
- 商号
- 本店所在地
- 代表者
- 通知先
- 書類の送付先
などの情報が記載されていることがあります。
また、契約内容によっては、会社所在地などに変更があった場合の通知方法が定められている場合もあります。
住所が変わったからといって必ず契約書そのものを作り直すとは限りませんが、契約上必要となる変更手続きや通知がないか確認することが大切です。
請求書の送付先についても確認する
取引先との間で請求書や支払通知書などを郵送している場合は、送付先の変更も忘れずに伝えましょう。
たとえば、自社が受け取るものとしては以下があります。
- 請求書
- 支払通知書
- 契約関係書類
- 注文書
- 納品関係書類
- 年末年始に送付される各種書類
電子メールやクラウドサービスで書類をやり取りしている場合でも、特定の書類だけ郵送されることがあります。
普段は郵便物が届かない取引先だから連絡不要と判断せず、登録されている会社住所を変更してもらうと安心です。
自社から発行する請求書なども新住所へ変更する
取引先へ住所変更を連絡するのと同時に、自社から発行する書類についても確認しましょう。
たとえば、以下のような書類です。
- 請求書
- 見積書
- 納品書
- 領収書
- 注文書
- 契約書のひな形
住所変更の案内メールを送っているにもかかわらず、その後に発行した請求書へ旧住所が記載されていると、取引先を混乱させてしまう可能性があります。
取引先への連絡と自社帳票の変更は、できるだけ同じタイミングで行うと分かりやすいでしょう。
旧住所へ郵便物が届かないようにする
自宅住所を会社の所在地として長く使用していた場合、取引先以外からも会社宛の郵便物が届いている可能性があります。
住所変更後しばらくは、どこから旧住所へ郵便物が届いているのか確認しましょう。
旧住所へ郵便物を送ってきた相手が分かれば、その都度新しい住所を案内できます。
特に自宅住所を事業用として公開しないことが目的であれば、旧住所へ郵便物が届き続ける状態を少しずつ解消していくことも重要です。
住所変更のお知らせを用意しておくと便利
多くの取引先へ連絡する場合は、住所変更のお知らせを一つ用意しておくと便利です。
案内には、たとえば以下の内容を記載します。
- 住所変更のお知らせ
- 新しい所在地
- 変更日
- 郵便物の送付先
- そのほか変更となる連絡先
- 今後も取引をお願いする旨
メール本文として送るほか、必要に応じてPDFなどの案内文書を添付する方法もあります。
取引先ごとに一から文章を作る必要がなくなり、連絡漏れも防ぎやすくなります。
住所変更先の一覧を作って管理する
取引先が多い場合は、住所変更の連絡先を一覧にして管理すると便利です。
たとえば、以下のような項目を用意します。
- 取引先名
- 担当者名
- 連絡方法
- 住所変更の連絡日
- 相手側で必要な手続き
- 手続き完了の確認
行政機関や銀行、各種サービスの住所変更と同じように、取引先についてもチェックリスト化すると漏れを防ぎやすくなります。
法人の本店所在地や事業用住所を変更した場合は、継続的に取引している取引先にも新しい住所を連絡しておきましょう。
特に契約書や請求関係の書類、郵便物のやり取りがある取引先は優先的に対応します。
また、契約書に住所変更時の通知方法が定められている場合もあるため、契約内容の確認も必要です。
新住所・変更日・郵便物の送付先を分かりやすく案内し、相手側の登録情報まで変更してもらうことで、旧住所へ重要書類が送られるトラブルを防ぎやすくなります。
10. 自宅からバーチャルオフィスへ住所を移すときの注意点はありますか?
自宅からバーチャルオフィスへ住所を移すときは、すべての登録住所を一律にバーチャルオフィスへ変更するのではなく、「何のために登録している住所なのか」を確認しながら手続きを進めることが重要です。
会社では、法人登記だけでなく、税務、社会保険、銀行、クレジットカード、取引先など、さまざまな場面で住所を使用しています。
それぞれで住所の意味や変更方法が異なるため、順番に確認していきましょう。
バーチャルオフィスの契約と本店移転は別
最初に注意したいのが、バーチャルオフィスを契約しただけでは法人の本店所在地は変更されないことです。
自宅住所を本店所在地として法人登記している場合、その住所をバーチャルオフィスへ変更するには本店移転の手続きが必要です。
つまり、
- バーチャルオフィスを契約する
- 新しい住所を利用できるようにする
- 本店所在地を変更する
- 必要な行政手続きを行う
という流れは、それぞれ分けて考える必要があります。
「契約が完了した=自宅住所からの移転も完了した」ではないことを覚えておきましょう。
すべての住所をバーチャルオフィスへ変更するわけではない
会社や代表者に関係する住所には、さまざまな種類があります。
たとえば、以下のようなものです。
- 法人の本店所在地
- 事業用として公開する住所
- 郵便物の送付先
- 代表者本人の住所
- 本人確認に使用する住所
- 実際に業務を行う事業所の所在地
これらはすべて同じ住所でなければならないわけではありません。
たとえば、法人の本店所在地をバーチャルオフィスへ変更しても、代表者本人が引っ越していなければ、代表者の居住地はこれまでの自宅住所のままです。
銀行やクレジットカードなどで住所を入力するときも、「法人所在地なのか」「代表者本人の住所なのか」を確認して入力しましょう。
郵便物を受け取れるか確認する
本店所在地をバーチャルオフィスへ変更すると、会社宛の郵便物が新しい住所へ届くようになる可能性があります。
契約前後には、以下のような点を確認しておきましょう。
- どのような郵便物を受け取れるか
- 郵便物が届いたときに通知されるか
- 転送頻度はどのくらいか
- 急ぎの郵便物を個別に転送できるか
- 書留などに対応しているか
- 受け取れない郵便物は何か
- 郵便物の保管期間はどのくらいか
特に行政機関や金融機関などから重要書類が送付される可能性があるため、「住所を借りられるか」だけでなく、郵便物をどのように受け取れるかまで確認することが大切です。
本人限定受取など受け取れない郵便物に注意する
バーチャルオフィスでは、すべての郵便物を代理で受け取れるとは限りません。
たとえば、受取時に本人確認が必要となる本人限定受取郵便などは、バーチャルオフィスで代理受取できない場合があります。
銀行やカード会社などから重要書類が送られる場合は、
- どの住所へ送付されるのか
- どの郵送方法が利用されるのか
- バーチャルオフィスで受け取れるのか
を確認しておくと安心です。
許認可が必要な事業は事前に確認する
業種によっては、事業を行うために営業所や事務所など一定の設備・実態が求められる場合があります。
そのため、法人登記に利用できるバーチャルオフィスであっても、すべての許認可事業でそのまま営業所などとして利用できるとは限りません。
許認可が関係する事業を行っている場合は、本店所在地を変更する前に、
- 許認可上求められる事務所の条件
- バーチャルオフィスの利用可否
- 所在地変更に伴う届出の要否
- 許認可を管轄する行政機関
などを確認しましょう。
判断が難しい場合は、管轄する行政機関や行政書士などの専門家へ確認すると安心です。
銀行やサービスごとのルールを確認する
バーチャルオフィスを法人登記に利用できたからといって、銀行やクレジットカード、各種Webサービスでも同じ基準で利用できるとは限りません。
民間サービスでは、それぞれ独自の利用条件や本人確認ルールが設けられています。
たとえば、以下について個別に確認する必要があります。
- 法人口座
- 法人クレジットカード
- 決済サービス
- ECプラットフォーム
- 通信サービス
- 各種クラウドサービス
「登記できる住所=どのサービスでも無条件に利用できる住所」ではないことを理解しておきましょう。
旧住所が完全に消えるわけではない
自宅住所を登記簿やWebサイトから外すことを目的としてバーチャルオフィスへ移転する場合、もう一つ理解しておきたいことがあります。
それは住所変更を行っても、過去に使用していた自宅住所の記録まで必ず消えるわけではないという点です。
旧住所が残る可能性があるものとしては、たとえば以下があります。
- 過去の登記情報
- 過去に公開したWebページ
- 検索エンジンに残っている情報
- 第三者が運営する企業情報サイト
- 過去に発行した資料
- 取引先が保有している会社情報
バーチャルオフィスへの移転は、過去の自宅住所を完全に消去するための手続きではありません。
今後の事業活動で自宅住所を公開する機会を減らし、仕事用とプライベート用の住所を分けるものと考えると分かりやすいでしょう。
住所変更チェックリストを作っておく
住所変更では、変更先が多いため対応漏れが発生しやすくなります。
法人が本店所在地を変更する場合は、少なくとも以下を確認しておきましょう。
- 法人登記
- 税務署関係
- 都道府県・市区町村など地方税関係
- 年金事務所など社会保険関係
- 労働保険・雇用保険関係
- 銀行口座
- 法人クレジットカード
- 会計・請求書サービス
- その他契約中のサービス
- Webサイト
- 名刺
- メール署名
- 請求書・見積書などの帳票
- 取引先
- 郵便物の送付先
すべての法人でこの一覧の手続きが必要になるわけではありません。
自社が利用している制度やサービスだけを抜き出し、完了したものからチェックしていくと効率的です。
「誰の・何の住所か」を確認しながら変更する
自宅からバーチャルオフィスへの住所変更で最も重要なのは、単純に旧住所を新住所へ置き換えることではありません。
住所を変更するときは、「これは誰の、何のための住所なのか?」を確認しましょう。
たとえば、
- 法人の本店所在地 → バーチャルオフィス
- 事業用として公開する住所 → バーチャルオフィス
- 会社宛郵便物の送付先 → バーチャルオフィスなど
- 代表者本人の居住地 → 実際に住んでいる住所
- 本人確認に使用する住所 → 本人確認書類などに基づく住所
- 実際の勤務場所 → 実際に業務を行っている場所
というように、用途によって適切な住所が異なります。
すべての住所をバーチャルオフィスへ統一するのではなく、住所の用途を確認しながら一つずつ変更することが、トラブルを防ぐポイントです。
自宅からバーチャルオフィスへ住所を移す場合は、本店移転登記だけでなく、税務、社会保険、銀行、クレジットカード、各種サービス、Webサイト、取引先など幅広い変更先を確認する必要があります。
また、法人所在地を変更しても代表者本人の住所まで変更されるわけではなく、許認可や金融機関などでは独自の住所要件が設けられている場合もあります。
「誰の・何の住所を変更するのか」を整理し、チェックリストを作って一つずつ対応していきましょう。
まとめ

自宅からバーチャルオフィスへ住所を変更するときは、バーチャルオフィスを契約するだけで手続きが完了するわけではありません。
法人の本店所在地を変更する場合は本店移転登記を行い、そのほかにも自社の状況に応じて、さまざまな登録情報を確認する必要があります。
主な確認先としては、以下が挙げられます。
- 法務局
- 税務署
- 都道府県・市区町村など
- 年金事務所
- 労働基準監督署・ハローワークなど
- 銀行
- 法人クレジットカード
- 会計・請求書サービス
- その他契約中のサービス
- Webサイト
- 名刺・パンフレット
- 請求書・見積書などの帳票
- メール署名
- 取引先
ただし、すべての住所をバーチャルオフィスへ変更すればよいわけではありません。
法人の本店所在地、代表者本人の住所、実際に業務を行う場所、郵便物の送付先などは、それぞれ意味が異なります。
住所を変更するときは、「誰の・何のための住所なのか」を確認しながら進めることが大切です。
また、本店所在地を変更すると、行政機関や金融機関、取引先などから新しい住所へ重要な郵便物が届く可能性があります。
バーチャルオフィスを選ぶ際は、住所だけでなく以下についても確認しておきましょう。
- 法人登記に利用できるか
- 郵便物が届いたときに通知されるか
- 郵便物の転送頻度
- 急ぎの郵便物への対応
- 書留などの受取可否
- 受け取れない郵便物
- 郵便物の保管期間
特に自宅住所を事業用として公開したくない場合は、住所変更後にWebサイトや各種サービス、帳票などへ旧住所が残っていないか確認することも重要です。
ただし、本店移転を行ったとしても、過去の登記情報や第三者サイトなどに掲載された旧住所まで必ず消えるわけではありません。
バーチャルオフィスへの住所変更は、過去の自宅住所を完全に消去するものではなく、今後の事業活動で使用する住所とプライベートの住所を分けるための方法の一つです。
変更先を事前にチェックリスト化し、必要な手続きを一つずつ進めていきましょう。
参考
- 法務局「よくあるご質問等<商業・法人登記関係>」
https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/static/shougyou.html- 法務局「株式会社の本店移転の登記をしたい方(オンライン申請)」
https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/shogyo_online04.html- 国税庁「C1-8 異動事項に関する届出」
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/annai/1554_5.htm- 日本年金機構「事業所の名称・所在地を変更するとき」
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/tekiyo/jigyosho/20120406.html- 日本年金機構「適用事業所の名称・所在地を変更するとき(管轄内の場合)」
https://www.nenkin.go.jp/shinsei/kounen/tekiyo/jigyosho/20141203-01.html- 日本年金機構「適用事業所の名称・所在地を変更するとき(管轄外の場合)」
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/tekiyo/jigyosho/20141205.html