バーチャルオフィスお役立ちコラム

ネットショップに自宅住所を載せたくない!特商法の住所表示や対処法を解説

個人事業主が住所変更するには?手続きや自宅住所を使いたくないときの対策を解説!

ネットショップを開業するときに、意外と悩みやすいのが「住所」の問題です。

自宅でネットショップを運営する場合、

「特定商取引法に基づく表記に自宅住所を載せないといけない?」
「個人で小さく販売するだけでも住所は必要?」
「自宅住所をインターネット上に公開したくない」
「バーチャルオフィスの住所を使うことはできる?」

といった疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。

ネットショップなどの通信販売では、特定商取引法に基づき、販売業者に関する一定の情報を表示する必要があります。

一方で、住所や電話番号については一定の条件を満たす場合に表示を省略できるケースもあり、「ネットショップを始めたら必ず自宅の住所と電話番号をそのまま公開しなければならない」とは限りません。

また、自宅とは別の事業用住所としてバーチャルオフィスを利用する方法もあります。

ただし、ネットショップで使用する住所は、Webサイトへの掲載だけでなく、郵便物や返品商品の受取、利用するECサービスの規約、事業内容なども考えて選ぶことが重要です。

本記事では、ネットショップに必要な住所表示の基本から、自宅住所を公開したくない場合の対処法、バーチャルオフィスの利用、返品先や電話番号、事業用住所の選び方までわかりやすく解説します。

ネットショップの住所表示に関する基本的な疑問

ネットショップの住所表示に関する基本的な疑問

1. ネットショップには住所を表示する必要がありますか?

ネットショップで商品やサービスを販売する通信販売では、特定商取引法に基づき、販売業者の氏名・名称や住所、電話番号など一定の事項を表示することが原則として求められます。

一般的には、ネットショップ内に「特定商取引法に基づく表記」などのページを設け、必要な情報を掲載します。

ネットショップは特定商取引法の「通信販売」に該当することがある

インターネットを利用して消費者から商品の購入申し込みなどを受ける販売方法は、特定商取引法上の「通信販売」に該当する場合があります。

通信販売では、消費者が購入前に販売条件などを確認できるよう、販売業者に一定事項の表示が求められています。

表示する事項には、住所だけでなく、

  • 販売価格
  • 送料など商品代金以外に必要な料金
  • 支払方法・支払時期
  • 商品の引渡時期
  • 返品に関する事項
  • 販売業者の氏名・名称
  • 住所
  • 電話番号

などがあります。

単に住所だけ掲載すればよいわけではなく、購入者が取引条件や販売者について確認できるようにするための表示と考えると分かりやすいでしょう。

「特定商取引法に基づく表記」のページを用意する

ネットショップでは一般的に、

「特定商取引法に基づく表記」
「特商法表記」

などのページを作成し、必要事項をまとめて掲載します。

ネットショップ作成サービスによっては、特定商取引法に基づく表記を入力する専用ページや入力欄が用意されていることもあります。

サービスを利用してショップを開設する場合は、運営サービス側の入力方法や規約についても確認しましょう。

住所・電話番号は一定の条件で省略できる場合がある

ここで重要なのが、住所や電話番号は、どのような場合でも必ずWebページ上へ常時表示しなければならないとは限らないことです。

特定商取引法では、消費者から請求があった場合に遅滞なく提供できる旨を表示し、実際にその情報を適切に提供できるなど、一定の条件を満たす場合には住所・電話番号の表示を省略できる場合があります。

ただし、自由に非表示にできるという意味ではありません。

具体的な要件を満たしているか確認したうえで対応する必要があります。

この点についてはQ4で詳しく解説します。

利用するECサービスのルールも確認する

法律上の表示ルールとは別に、BASEやSTORESなどのネットショップ作成サービス、Amazonや楽天市場などのECモールには、それぞれ利用規約や出店ルールがあります。

そのため、法律上問題がないかだけでなく、利用するサービス上、その住所の登録・利用方法が認められているかも確認することが重要です。

サービスによって住所情報の登録方法や購入者への表示方法などが異なる場合があります。

ネットショップでは、特定商取引法に基づき販売業者の住所など一定事項を表示することが原則です。ただし、住所や電話番号については一定の条件を満たすことで表示を省略できる場合があります。

ネットショップを開設するときは、特定商取引法のルールと利用するECサービスのルールの両方を確認し、必要な表示を適切に行いましょう。

2. 個人で運営するネットショップでも住所表示は必要ですか?

個人が運営するネットショップであっても、特定商取引法上の「販売業者」に該当する場合は、住所など必要事項の表示が求められます。

「法人ではない」「副業として販売している」「小さなネットショップだから」といった理由だけで、特定商取引法の表示義務がなくなるわけではありません。

一方、自宅にある不用品を一時的に売却するようなケースまで、すべて同じように販売業者として扱われるわけではありません。

個人でも「販売業者」に該当する場合がある

特定商取引法における「販売業者」は、株式会社や合同会社などの法人だけを意味するものではありません。

個人であっても、営利の意思を持って反復継続して取引を行う場合などには、販売業者に該当する可能性があります。

たとえば、

  • 商品を仕入れて継続的に販売する
  • ハンドメイド商品を制作して販売する
  • オリジナル商品をネットショップで販売する
  • 副業として継続的にEC事業を行う
  • 商品を販売する目的でネットショップを運営する

といったケースでは、個人だからという理由だけで特定商取引法の対象外になるとは限りません。

副業のネットショップでも考え方は同じ

会社員が副業としてネットショップを運営する場合も注意が必要です。

たとえば、

平日は会社員として勤務

しながら、

休日にネットショップの商品を仕入れ・販売

している場合でも、継続的な事業として商品を販売していれば、販売業者に該当する可能性があります。

重要なのは、本業か副業かではありません。
どのような目的・形態で販売しているのかをもとに判断する必要があります。

開業届を出しているかだけで決まるわけではない

「まだ開業届を出していないから個人の販売だ」と考えるのも注意が必要です。

税務上の開業に関する手続きと、特定商取引法上の販売業者に該当するかどうかは別の問題です。

そのため、

開業届を提出していない
屋号を決めていない
法人を設立していない

という理由だけで、ネットショップにおける表示義務がなくなるとは限りません。

ネットショップを継続的な事業として運営する場合は、特定商取引法に基づく表示について確認しておきましょう。

自宅の不用品を売る場合とは区別して考える

一方、フリマアプリなどを利用して、自宅にある不要な衣類や家具などを一時的に売却するケースがあります。

こうした取引と、商品を仕入れたり制作したりして継続的に販売するネットショップでは性質が異なります。

ただし、

「フリマアプリを使っているから個人間取引」
「販売数が少ないから絶対に販売業者ではない」

と単純に判断できるものでもありません。

販売する商品の種類や数量、仕入れの有無、販売頻度など、実際の取引状況によって判断されます。

個人のネットショップでは自宅住所が問題になりやすい

個人でネットショップを始める場合、専用オフィスや店舗を持っていないケースも多いでしょう。

その場合、販売業者の住所として真っ先に候補になるのが自宅です。

しかし、自宅住所を掲載すると、ネットショップを見た人から自宅住所を確認できる状態になる可能性があります。

特に一人暮らしや自宅兼事務所で事業を始める場合には、プライバシーの観点から住所を公開したくないと考える人もいるでしょう。

そのため、ネットショップを始める段階で、

  • 自宅住所を利用する
  • 一定の要件を満たして住所表示を省略する
  • 利用可能な別の事業用住所を用意する

など、自分のショップに適した方法を検討しておくことが重要です。

個人で運営するネットショップでも、特定商取引法上の販売業者に該当する場合は、住所など必要事項の表示が求められます。

法人か個人か、本業か副業かだけで判断するのではなく、実際の販売方法や継続性などをもとに考えましょう。

3. ネットショップに自宅住所を掲載するとどのようなリスクがありますか?

ネットショップに自宅住所を掲載すると、その住所が販売者の情報としてインターネット上から確認できる状態になる可能性があります。

自宅住所を事業用住所として利用すること自体が問題というわけではありませんが、プライバシーを重視する場合は、公開範囲や別の住所を利用する方法について事前に検討しておくことが重要です。

自宅住所とネットショップが結び付く

「特定商取引法に基づく表記」などのページに自宅住所を掲載すれば、その住所はショップを訪れた人から確認できる情報になります。

ショップ名や運営者名などと一緒に掲載することで、

自宅住所と事業者・ネットショップが結び付く

ことになります。

特に自宅と仕事場を分けたい人や、家族と同居している人などは、住所を公開しても問題ないか考えておきましょう。

検索エンジンなどから見つかる可能性も考える

ネットショップに掲載した情報は、ショップを利用する購入者だけが見るとは限りません。

Webページの設定やサービスの仕様などによっては、検索エンジンからページが見つかったり、ショップ名や運営者名を検索した人が住所情報へたどり着いたりする可能性も考えられます。

そのため、「購入した人にだけ住所を知らせる」ことと、「ネットショップ上に住所を掲載する」ことは分けて考える必要があります。

自宅住所を掲載する場合は、不特定多数の人が閲覧する可能性も考慮しましょう。

営業目的の郵便物などが届く可能性がある

ネットショップの住所が公開されていると、その情報を見た事業者などから営業目的の郵便物が届く可能性もあります。

また、会社や個人事業の住所として広く使用するようになると、

  • 取引先
  • 金融機関
  • 行政機関
  • 契約しているサービス
  • 顧客

などから事業関連の郵便物が自宅へ届くようになることもあります。

自宅と事業の郵便物を分けたい場合は、事業用住所を別に用意する方法も検討できます。

購入者が自宅を訪れる可能性もゼロではない

ネットショップは基本的にオンラインで取引するため、購入者と直接対面する必要がないケースが多いでしょう。

しかし、自宅住所を販売者の所在地として掲載している場合、購入者がその住所を実店舗や問い合わせ窓口のように認識してしまう可能性があります。

特に、

返品したい
商品について直接確認したい

といった理由から、掲載住所へ連絡なく訪問される可能性を完全に排除することはできません。

自宅への来訪を避けたい場合は、問い合わせ方法や返品方法などをネットショップ上で分かりやすく案内しておくことも大切です。

引っ越した場合はショップ情報の変更も必要になる

自宅をネットショップの事業用住所として利用している場合、引っ越しをすると住所情報も変更する必要があります。

特定商取引法に基づく表記だけでなく、

  • ECサービスの登録情報
  • 取引先
  • 金融機関
  • Webサイト
  • 請求書などの書類
  • 各種契約

などでも住所を使用していれば、それぞれ変更が必要になる可能性があります。

ネットショップを長期間運営する予定であれば、今使える住所かだけでなく、継続して事業用住所として使いやすいかという視点も持っておくとよいでしょう。

自宅住所を使うこと自体が問題なわけではない

自宅住所をネットショップに掲載することには注意点がありますが、自宅を事業用住所として利用する方法そのものを避けなければならないわけではありません。

新たに事務所を借りる必要がないため、費用を抑えてネットショップを始めやすいというメリットもあります。

重要なのは、費用だけで決めるのではなく、自宅住所が事業者情報として公開される可能性を理解したうえで利用するか判断することです。

自宅住所を公開したくない場合は、一定の条件を満たしたうえで住所表示を省略する方法や、事業用として利用できる別の住所を用意する方法を検討しましょう。

ネットショップに自宅住所を掲載すると、自宅とショップが結び付いた情報としてインターネット上から確認される可能性があります。

自宅住所を利用すること自体は選択肢のひとつですが、プライバシーや郵便物、来訪、将来的な住所変更なども考え、自分のネットショップに適した方法を選びましょう。

自宅住所を公開したくない場合の疑問

自宅住所を公開したくない場合の疑問

4. 特定商取引法の住所表示を省略することはできますか?

はい、一定の条件を満たしている場合は、特定商取引法に基づく表示において住所や電話番号などの表示を省略できる場合があります。

ただし、「自宅住所を公開したくない」という理由だけで自由に非表示にできるわけではありません。

消費者から請求があった場合に、省略した情報を記載した書面や電子メールなどを遅滞なく提供できることなど、特定商取引法で定められた要件を満たす必要があります。

「請求があれば遅滞なく提供する」仕組みが必要

住所などの表示を省略する場合は、消費者から請求があったときに、必要な情報を記載した書面または電子メールなどを遅滞なく提供できるようにしておく必要があります。

また、広告上にも、請求があれば省略した情報を遅滞なく提供する旨を表示します。

ここでいう「遅滞なく」とは、単に「いつか回答すればよい」という意味ではありません。

消費者が商品を購入するか判断する前に、十分な時間的余裕をもって情報を確認できるよう提供する必要があります。

住所だけ好きなように隠せる制度ではない

特定商取引法では、通信販売の広告について、

  • 販売業者の氏名または名称
  • 住所
  • 電話番号
  • 販売価格
  • 送料などの負担
  • 支払時期・方法
  • 商品の引渡時期
  • 返品・契約解除に関する事項

など、さまざまな表示事項が定められています。

一定の条件を満たせば一部の表示を省略できる仕組みがありますが、「特商法ページから都合の悪い情報を自由に削除してよい」というものではありません。

省略する場合も、法律上必要な条件を満たしているか確認することが重要です。

屋号やショップ名だけを表示すればよいとは限らない

個人でネットショップを運営している場合、「本名ではなくショップ名だけ載せればいいのでは?」と考える人もいるかもしれません。

しかし、特定商取引法上の「氏名または名称」について、個人事業者の場合は原則として戸籍上の氏名または商業登記簿に記載された商号が必要とされており、通称や屋号、サイト名だけの表示では足りません。

ただし、氏名・名称についても、請求に応じて必要な情報を遅滞なく提供できる旨を表示し、そのための措置を講じている場合には表示を省略できる場合があります。

ECサービスの非公開機能を利用できる場合もある

ネットショップ作成サービスやECプラットフォームによっては、個人事業者の住所や電話番号をショップ上で直接公開せず、プラットフォーム側の情報を表示する仕組みを提供している場合があります。

ただし、こうした機能を利用できる条件や、どの情報を非公開にできるかはサービスによって異なります。

また、サービス上で非公開にできることと、特定商取引法上必要な対応をしなくてよいことは同じではありません。

利用するECサービスの最新の規約や特定商取引法への対応方法も確認しましょう。

「住所を省略する」と「別の住所を掲載する」は違う

ここは特に重要です。

自宅住所を掲載したくない場合には、大きく分けて、

①一定の条件を満たして住所そのものの表示を省略する

方法と、

②要件を満たすバーチャルオフィスやプラットフォーム事業者などの住所を表示する

方法があります。

この2つは同じ仕組みではありません。

消費者庁は、個人事業者がバーチャルオフィスなどの住所・電話番号を表示する場合についても、一定の措置が講じられていれば特定商取引法の要請を満たすとの考え方を示しています。

表示を省略しても事業者情報そのものが不要になるわけではない

住所表示を省略できる場合でも、販売者が住所を持たなくてよいという意味ではありません。

消費者から請求された場合には、省略した情報を適切に提供できる体制が必要です。

また、ECサービスへの登録や決済サービスの審査などで、運営者本人の住所や本人確認書類の提出を求められることもあります。

つまり、「ショップ上で一般公開しない」ことと、「事業者として住所情報を持たなくてよい」ことは別です。

自宅住所を公開したくない場合は、単純に特商法ページから住所を削除するのではなく、表示省略の要件を満たす方法や、利用するECサービスの仕組み、事業用住所を利用する方法などから適切な方法を選びましょう。

特定商取引法では、一定の条件を満たせば住所や電話番号などの表示を省略できる場合があります。ただし、消費者から請求があった場合に必要な情報を遅滞なく提供できる体制などが必要です。

自宅住所を公開したくない場合でも、住所欄を単純に削除するのではなく、特定商取引法や利用するECサービスのルールを確認したうえで対応しましょう。

5. ネットショップにバーチャルオフィスの住所を掲載できますか?

一定の条件を満たしている場合は、ネットショップの「特定商取引法に基づく表記」にバーチャルオフィスの住所を利用することができます。

自宅でネットショップを運営しながら、事業用住所としてバーチャルオフィスを利用すれば、自宅住所をインターネット上へ公開せずにショップを運営する方法のひとつになります。

ただし、単に住所を借りればよいわけではありません。

特定商取引法への対応だけでなく、バーチャルオフィス側の利用条件や郵便物の受取、返品対応なども確認しておきましょう。

消費者庁もバーチャルオフィスを利用する場合について示している

消費者庁の「特定商取引法ガイド」では、通信販売を行う個人事業者がバーチャルオフィスの住所・電話番号を表示する場合についての考え方が示されています。

具体的には、バーチャルオフィスの住所・電話番号が実際に連絡可能なものであり、販売業者が確実に連絡を受け取れる状態になっていることなどが重要になります。

つまり、

「自宅住所じゃないからダメ」

というわけではありません。

一方で、

実態のない住所をとりあえず掲載すればよい

ということでもありません。

購入者との連絡や郵便物などに適切に対応できる事業用住所であることが重要です。

自宅とネットショップの住所を分けられる

バーチャルオフィスを利用する大きなメリットは、生活する場所とネットショップで使用する住所を分けられることです。

たとえば、

商品の制作・ショップ運営 → 自宅
特定商取引法に基づく表記などの事業用住所 → バーチャルオフィス

という使い分けができます。

ネットショップは実店舗を必要としない事業も多いため、専用オフィスを借りるほどではないものの、自宅住所は公開したくないという場合に利用しやすい方法です。

特商法表記への利用が認められているか確認する

バーチャルオフィスを選ぶ際は、そのサービスで提供される住所をネットショップの特定商取引法に基づく表記へ利用できるか確認しましょう。

バーチャルオフィスにはさまざまなサービスがあり、

  • Webサイトへの住所掲載
  • 法人登記
  • 郵便物の受取
  • 電話サービス
  • ECサイトへの住所掲載

など、利用できる範囲が異なる場合があります。

また、利用するネットショップ作成サービスやECモール側にも住所登録に関するルールが設けられている場合があります。

バーチャルオフィス側とECサービス側の両方の利用条件を確認することが重要です。

郵便物を確実に受け取れるか確認する

ネットショップの事業用住所として利用するなら、郵便物の受取方法も重要です。

バーチャルオフィスを選ぶ際は、

  • 郵便物を受け取れるか
  • 到着時に通知されるか
  • 転送頻度
  • 転送にかかる料金
  • 来店受取の可否
  • 保管期間
  • 受け取れない郵便物

などを確認しましょう。

ショップ運営では、購入者以外にもECサービスや決済サービス、金融機関、行政機関などから郵便物が届く可能性があります。

住所を掲載できることだけでなく、届いた郵便物をきちんと確認できる仕組みがあることも大切です。

商品の発送元・返品先として使えるとは限らない

ここは特に注意したいポイントです。

バーチャルオフィスの住所をネットショップの事業用住所として利用できても、商品の発送元や返品先として自由に利用できるとは限りません。

バーチャルオフィスでは一般的に郵便物を取り扱いますが、

  • 宅配便
  • 大型の商品
  • 冷蔵・冷凍品
  • 代引き
  • 大量の商品
  • 購入者から直接返送される商品

などについては受け取れない場合があります。

そのため、特商法表記に使える住所と、商品の返品先として使える住所は分けて確認する必要があります。

返品先についてはQ8で詳しく解説します。

電話番号についても確認する

自宅の電話番号や個人の携帯電話番号をネットショップへ掲載したくない場合は、電話サービスを提供しているバーチャルオフィスを利用する方法もあります。

ただし、住所と同様に、単に電話番号が用意されていればよいわけではありません。

購入者などから連絡があった場合に、販売者へ適切に連絡が届く仕組みになっていることが重要です。

ネットショップ用として利用する場合は、電話転送や電話秘書代行など、必要なサービスがあるか確認するとよいでしょう。

レゾナンスの住所を事業用住所として利用する方法もある

レゾナンスでは、バーチャルオフィスの住所をWebサイトや名刺などの事業用住所として利用できます。

郵便物の受取・転送にも対応しているため、自宅とは別にネットショップ用の事業住所を用意したい場合にも利用できます。

また、必要に応じて電話関連のサービスを組み合わせることで、住所だけでなく事業用の連絡先を整えることも可能です。

ただし、ネットショップで取り扱う商品や利用するECサービスによって必要な条件は異なります。

特に返品商品の受取などを想定している場合は、取り扱い可能な郵便物・荷物や利用方法を契約前に確認しておきましょう。

一定の条件を満たすバーチャルオフィスであれば、ネットショップの特定商取引法に基づく表記などに住所を利用できます。

自宅住所を公開したくない場合の選択肢になりますが、住所掲載の可否だけでなく、郵便物、電話、返品対応、利用するECサービスの規約などまで確認したうえで選びましょう。

6. BASEやSTORESなどを利用する場合も自宅住所の表示は必要ですか?

BASEやSTORESなどのネットショップ作成サービスでは、特定商取引法に基づく表記の登録が必要ですが、個人で利用する場合は住所や電話番号をショップ上で非公開にできる機能が用意されています。

そのため、自宅でネットショップを運営する場合でも、必ずしも自宅住所をそのまま一般公開しなければならないとは限りません。

ただし、非公開にできる条件や登録する住所のルール、商品発送時の取り扱いなどはサービスによって異なります。

BASEでは個人ショップの住所・電話番号を非公開にできる

BASEでは、区分が「個人」のショップについて、「店舗・活動場所の住所」と「連絡先」を非公開に設定できます。

住所を非公開にすると、「特定商取引法に基づく表記」にはショップオーナーの住所ではなくBASE株式会社の住所が表示されます。

電話番号についても同様に、非公開設定を利用するとBASE株式会社の連絡先が表示されます。

ただし、BASEへの住所登録そのものが不要になるわけではありません。

決済サービスの審査などにも利用されるため、ショップオーナー自身の正確な住所・連絡先をBASEへ登録する必要があります。

また、この非公開機能を利用できるのは「個人」区分のショップです。BASEでは個人事業主も「個人」区分として登録します。

BASEの住所を商品の発送元としては利用できない

BASEの非公開機能で表示されるBASE株式会社の住所は、ネットショップ上の表示に使用するためのものです。

商品の発送元としてBASE株式会社の住所を利用することはできません。

商品を発送する際は、ショップオーナー自身の住所・電話番号を使用する必要があります。

また、購入者から返品の依頼があった場合など、取引上必要となったときには、非公開に設定しているショップの住所・連絡先を開示する必要があります。

つまり、

ショップ上で住所を非公開にすること

と、

購入者に一切住所を知らせずにネットショップを運営すること

は同じではありません。

STORESも個人・個人事業主なら非公開機能を利用できる

STORESでも、個人または個人事業主の場合は、「特定商取引法に関する表記」に掲載される所在地・電話番号を非公開にできます。

非公開に設定すると、ショップオーナー自身の所在地・電話番号ではなく、STORES株式会社の所在地・電話番号が表示されます。

ただし、こちらもSTORESへの正確な情報登録自体が不要になるわけではありません。

実際に活動している住所と、確実に連絡が取れる電話番号を登録する必要があります。

また、事業者の名称は非公開にできず、個人の場合は氏名(フルネーム)の登録が必要です。

STORESの非公開機能ではバーチャルオフィスを登録できない

ここは特に注意したいポイントです。

STORESでは、この所在地・電話番号の非公開機能を利用する際、STORESへ登録する所在地について、バーチャルオフィスの住所や電話番号は登録できないと案内しています。

実際に活動している住所を正しく登録する必要があります。

つまり、

「バーチャルオフィスを契約すれば、すべてのECサービスでその住所を登録できる」

わけではありません。

利用するサービスによって住所登録の条件が異なるため、ネットショップを開設する前に最新のルールを確認することが重要です。

STORESでも表示用住所を発送元には利用できない

STORESの非公開機能によって表示されるSTORES株式会社の住所も、商品の発送元として利用することはできません。

STORESには匿名配送機能がなく、商品発送時にはショップ運営者自身の所在地・連絡先を使用するよう案内されています。

そのため、

特商法ページでは自宅住所を非公開

にできても、

配送伝票まで完全に匿名化できるとは限らない

ことに注意しましょう。

サービスごとに「どこまで非公開にできるか」を確認する

ネットショップ作成サービスを選ぶ際は、料金やデザイン、決済手数料だけでなく、住所・個人情報の取り扱いも比較するとよいでしょう。

特に自宅住所を公開したくない場合は、

  • 誰が非公開機能を利用できるか
  • 住所を非公開にできるか
  • 電話番号を非公開にできるか
  • 氏名は公開されるか
  • サービスへ登録できる住所の条件
  • 商品発送時にどの住所を使用するか
  • 返品時に住所開示が必要になるか

などを確認しておくことが重要です。

BASEやSTORESでは、個人向けに特定商取引法上の住所・電話番号を非公開にできる仕組みが用意されています。ただし、サービスへの正確な住所登録は必要であり、発送や返品などではショップ運営者自身の住所が必要になる場合があります。

また、サービスごとに登録できる住所や非公開機能の条件が異なります。

ネットショップを開設するときは、「ショップページに住所が表示されるか」だけでなく、登録・発送・返品まで含めて住所がどのように扱われるのかを確認しましょう。

7. Amazonや楽天市場などのモールでは住所をどうすればいいですか?

Amazonや楽天市場などのECモールで販売する場合も、出品者・出店者として住所などの事業者情報を登録する必要があります。

ただし、必要な情報や購入者への表示方法、登録できる住所の条件などはモールによって異なります。

そのため、BASEやSTORESなどのネットショップ作成サービスと同じ仕組みだと考えず、出店するモールごとの最新ルールを確認することが重要です。

Amazonでは出品者情報の登録と本人確認が行われる

Amazonで出品用アカウントを作成する際は、個人事業主・法人それぞれについて本人確認や事業者情報の登録が必要です。

個人事業主の場合は、氏名・住所などの基本情報に加えて、本人確認書類や住所を確認できる書類などが求められます。

法人の場合は、

  • 法人番号
  • 法人名
  • 本社所在地
  • ストア名
  • 銀行口座情報
  • アカウント担当者の情報

などを登録し、会社情報や住所などを確認できる書類を提出します。

法人の場合、本社所在地については登記簿や国税庁法人番号公表サイトなどで確認できる情報が使用されます。

Amazonへの登録住所と担当者個人の住所は分けて考える

Amazonで法人として出品する場合でも、会社の本社所在地だけを登録すればよいとは限りません。

法人の情報とは別に、アカウント担当者についても氏名・住所などの確認が行われます。

つまり、

会社の住所 → 法人としての所在地
担当者の住所 → 本人確認のための情報

というように、それぞれ必要になる場合があります。

そのため、会社の本店所在地としてバーチャルオフィスを利用しているからといって、代表者や担当者本人の住所情報まで不要になるわけではありません。

楽天市場でも出店時に住所などの届出が必要

楽天市場へ出店する場合も、出店申込時に事業者情報を届け出ます。

楽天市場の出店規約では、出店申込者について、

  • 商号・屋号
  • 代表者名
  • 住所
  • 取扱商品・サービス
  • 店舗運営責任者
  • 電話番号などの連絡先
  • 決済方法

など、楽天が指定する情報を届け出ることとされています。

また、楽天市場では通信販売事業者が表示すべき情報として、事業者の氏名・名称、住所、電話番号などについても案内しています。

モールに登録する情報と購入者へ表示される情報を区別する

ECモールを利用するときに混同しやすいのが、モール運営会社へ登録する情報と、ショップ上で購入者へ表示される情報です。

本人確認や審査のためにモール運営会社へ住所を提出することと、その住所がそのまますべて一般公開されることは必ずしも同じではありません。

一方で、通信販売では特定商取引法に基づく表示が必要となるため、販売者情報について適切な表示が求められます。

どの情報が公開されるのか、どの情報がモール内部での確認に使用されるのかは、利用するサービスの最新ルールを確認しましょう。

バーチャルオフィスを利用する場合はモール側の条件も確認する

事業用住所としてバーチャルオフィスを利用している場合でも、その住所をすべてのECモールへ無条件で登録できるとは限りません。

法人であれば登記上の本店所在地としてバーチャルオフィスを利用しているケースもありますが、モール側では本人確認や事業実態の確認などのため、追加の書類や情報を求める場合があります。

個人事業主の場合も同様です。

そのため、

バーチャルオフィスで利用できる範囲

だけでなく、

出店したいECモールが求める住所・本人確認の条件

も確認してから契約・出店準備を進めることが重要です。

「自宅住所を公開したくない」だけでモールを選ばない

ネットショップを始める際、自宅住所が公開されるかどうかは重要なポイントです。

ただし、ECモールを選ぶ際は住所だけでなく、

  • 出店・販売手数料
  • 決済方法
  • 集客力
  • 配送方法
  • 返品対応
  • 出店審査
  • 本人確認
  • 販売できる商品

なども確認する必要があります。

特にAmazonや楽天市場のようなモール型サービスでは、独自ネットショップとは出店・販売の仕組みが異なります。

「自宅住所を公開しなくて済むか」だけでなく、自分の商品や販売方法に適したサービスかという視点で選びましょう。

Amazonや楽天市場などのECモールでも、出品者・出店者として住所などの事業者情報を登録する必要があります。

ただし、登録する情報や本人確認、購入者への表示方法などはサービスによって異なります。

バーチャルオフィスなど自宅以外の住所を利用したい場合も、「特商法上利用できるか」と「そのECモールの登録・審査上利用できるか」を分けて確認することが重要です。

ネットショップの住所・連絡先に関する実務的な疑問

8. 商品の返品先にもバーチャルオフィスを利用できますか?

バーチャルオフィスを商品の返品先として利用できるかは、契約しているサービスの荷物受取ルールによって異なります。

特定商取引法に基づく表記などにバーチャルオフィスの住所を利用できたとしても、その住所へ購入者が商品を自由に返送できるとは限りません。

ネットショップで返品が発生する可能性がある場合は、契約前にどのような郵便物・荷物を受け取れるのか確認しておくことが重要です。

「事業用住所」と「返品先住所」は役割が異なる

ネットショップでは、ひとつの住所がさまざまな用途で使われることがあります。

たとえば、

  • 特定商取引法に基づく表記
  • ECサービスへの登録
  • 事業上の連絡先
  • 郵便物の受取
  • 商品の発送元
  • 商品の返品先

などです。

しかし、ひとつの住所をこれらすべての用途に利用できるとは限りません。

バーチャルオフィスは主に事業用住所や郵便物の受取などを提供するサービスであり、倉庫や商品の返品センターとは役割が異なります。

そのため、ネットショップ用として契約する場合は、住所を掲載できるかだけで判断しないようにしましょう。

宅配便を受け取れない場合がある

返品される商品は、郵便だけでなく宅配便で送られてくることがあります。

バーチャルオフィスによっては郵便物を受け取れても、

  • 宅配便
  • 大型荷物
  • 重量物
  • 冷蔵・冷凍品
  • 生もの
  • 危険物
  • 代引き・着払いの荷物

などは受け取れない場合があります。

また、サイズや重量、保管期間などに制限が設けられているサービスもあります。

自分が販売する商品のサイズや配送方法を考え、実際に返品される可能性がある荷物を受け取れるか確認しましょう。

購入者が事前連絡なしで返送する可能性も考える

ショップ側では返品方法を案内していても、購入者が掲載されている事業者住所を見て、その住所へ直接商品を返送する可能性があります。

そのため、特定商取引法に基づく表記などで使用する住所と実際の返品先が異なる場合は、返品方法を分かりやすく案内しておくことが重要です。

たとえば、「返品をご希望の場合は、商品を返送する前にお問い合わせください」などと案内し、返品条件や返送方法、返送先を個別に伝える方法があります。

ただし、返品に関する表示については特定商取引法上のルールもあるため、返品の可否や条件をショップ上で適切に表示しておきましょう。

返品先として別の住所を用意する方法もある

バーチャルオフィスで返品商品を受け取れない場合は、事業用住所と返品先を分ける方法があります。

たとえば、

ショップ上の事業用住所 → バーチャルオフィス
商品の保管・発送・返品 → 自宅や倉庫、物流サービス

と役割を分ける方法です。

商品の発送業務を外部の物流会社へ委託している場合は、返品対応まで行っているサービスもあります。

販売量が増えてきた場合は、事業用住所とは別に物流拠点を用意することも検討するとよいでしょう。

発送元住所として利用できるかも別途確認する

返品先と同様に、商品の発送元としてバーチャルオフィスの住所を利用できるとは限りません。

実際には自宅や倉庫から商品を発送しているにもかかわらず、送り状の発送元だけをバーチャルオフィスに変更できるかどうかは、バーチャルオフィスや配送サービスなどの利用条件を確認する必要があります。

また、配送中に商品を届けられなかった場合など、発送元へ荷物が返送されるケースもあります。

そのため、発送元として使用する住所についても、返送された荷物を実際に受け取れる住所かという点まで考えておきましょう。

返品が多い事業ではバーチャルオフィスだけで完結させない

アパレルや靴など、サイズ交換や返品が発生しやすい商品を扱うネットショップでは、返品対応も日常的な業務になる可能性があります。

そのような事業では、住所公開を避ける目的だけでバーチャルオフィスを選ぶのではなく、

  • 返品商品の受取場所
  • 商品の保管場所
  • 検品
  • 再発送
  • 在庫管理

など、物流全体を考える必要があります。

一方、受注生産やデジタルサービスなど、物理的な商品の返品がほとんど発生しない事業では、必要な住所機能も異なります。

販売する商品やショップの運営方法によって、必要な住所を選ぶことが重要です。

契約前に受取条件を確認する

バーチャルオフィスをネットショップで利用する場合は、

「返品先として使えますか?」

だけでなく、

  • 宅配便を受け取れるか
  • サイズ・重量制限
  • 着払いを受け取れるか
  • 保管期間
  • 転送方法
  • 転送費用
  • 受け取れない品物

などを具体的に確認すると安心です。

バーチャルオフィスを商品の返品先として利用できるかは、サービスごとの荷物受取ルールによって異なります。特商法表記などに住所を利用できるからといって、返品商品まで受け取れるとは限りません。

ネットショップを運営する場合は、事業用住所・発送元・返品先を必ずしも同じ住所にする必要はないため、それぞれの役割を整理して住所を用意しましょう。

9. ネットショップには電話番号も掲載する必要がありますか?

ネットショップなどの通信販売では、特定商取引法に基づき、販売業者の電話番号も原則として表示事項に含まれます。

ただし住所と同様に、消費者から請求があった場合に遅滞なく提供できる旨を表示し、実際に適切な情報を提供できる体制を整えているなど、一定の条件を満たす場合は表示を省略できる場合があります。

そのため、ネットショップを始めるからといって、必ずしも個人の携帯電話番号をそのままショップ上に公開しなければならないとは限りません。

電話番号は購入者が連絡できるものを使用する

電話番号を掲載する場合は、販売業者へ実際に連絡できる番号であることが重要です。

単に電話番号の形式になっていればよいわけではなく、購入者などから連絡があった場合に適切に対応できる必要があります。

特に個人でネットショップを運営している場合、

普段使っている個人の携帯電話番号を掲載する

という方法もありますが、プライベートと仕事の連絡先が同じになります。

ネットショップを継続して運営する予定であれば、事業用の電話番号を別に用意する方法も検討できます。

一定の条件を満たせば電話番号を省略できる場合がある

特定商取引法では、一定の条件を満たしている場合に電話番号などの表示を省略できる仕組みがあります。

その場合は、消費者から請求があれば省略した情報を遅滞なく提供する旨を表示し、実際に提供できるようにしておく必要があります。

つまり、「電話番号を公開したくないから削除する」のではなく、「法律上認められた方法に沿って表示を省略する」という考え方です。

自宅住所と電話番号の両方を公開したくない場合は、それぞれについて必要な条件を確認しましょう。

ECサービスの非公開機能を利用できる場合もある

Q6で紹介したように、ネットショップ作成サービスによっては、個人の住所や電話番号をショップ上で非公開にできる機能が提供されています。

たとえばBASEやSTORESでは、一定の条件のもと、個人のショップについて特定商取引法に基づく表記に掲載される住所・電話番号を非公開にする仕組みがあります。

この場合も、ECサービスへの正確な電話番号の登録まで不要になるわけではありません。

本人確認やショップ運営などのため、実際に連絡できる情報の登録が必要です。

また、非公開機能の対象や条件は変更される可能性があるため、利用するサービスの最新情報を確認しましょう。

事業用の電話番号を用意する方法もある

個人の携帯電話番号をショップ上に掲載したくない場合は、ネットショップ用の電話番号を別に用意する方法もあります。

事業用の電話番号を用意すると、プライベートの連絡先と、ネットショップの問い合わせ先を分けて管理できます。

ネットショップ以外にも、Webサイトや名刺、取引先とのやり取りなどで電話番号を使用する予定がある場合は、事業用番号を用意しておくと管理しやすくなります。

電話転送サービスを利用する方法もある

バーチャルオフィスなどでは、住所だけでなく電話関連のサービスを提供している場合があります。

たとえば電話転送サービスを利用すれば、事業用の電話番号にかかってきた電話を、指定した電話番号へ転送することができます。

実際の仕事は自宅などで行いながら、

公開する電話番号 → 事業用番号
実際に電話を受ける場所 → 自宅や外出先

と分けることも可能です。

自宅住所と個人の携帯電話番号の両方を事業用として公開したくない場合は、バーチャルオフィスと事業用電話サービスを組み合わせる方法も選択肢になります。

電話秘書代行を利用する方法もある

一人でネットショップを運営している場合、商品の制作や発送、仕入れなどをしている最中に電話へ対応できないこともあります。

そのような場合は、電話秘書代行サービスを利用する方法もあります。

電話対応を代行してもらい、用件を確認してから連絡を受ける仕組みであれば、作業中や外出中でも問い合わせ内容を確認しやすくなります。

ただし、ネットショップによってはメールや問い合わせフォームが中心で、電話問い合わせがほとんど発生しない場合もあります。

自分のショップに電話対応がどの程度必要なのかを考えてサービスを選ぶことが大切です。

住所と電話番号をセットで考える

自宅でネットショップを始める場合は、住所だけを考えるのではなく、電話番号についても同時に確認しておくとよいでしょう。

たとえば、

住所 → 自宅を公開したくない
電話番号 → 個人の携帯番号を公開したくない

のであれば、それぞれについて非公開機能や事業用サービスを検討できます。

一方、利用するECサービスに住所・電話番号の非公開機能があり、それで十分な場合は、必要以上にサービスを追加する必要はありません。

ネットショップでは電話番号も原則として表示事項に含まれますが、一定の条件を満たせば表示を省略できる場合があります。また、ECサービスが提供する非公開機能や、事業用電話番号を利用する方法もあります。

個人の携帯電話番号を公開したくない場合は、単純に電話番号を削除するのではなく、特定商取引法と利用するECサービスのルールを確認したうえで、自分のショップに合った方法を選びましょう。

10. ネットショップ用の事業住所はどう選べばいいですか?

ネットショップ用の事業住所は、自宅住所を公開しても問題ないか、利用するECサービスのルール、郵便物の受取、商品の発送・返品、将来的な事業展開などを考えて選びましょう。

ネットショップだから必ずバーチャルオフィスが必要というわけではありません。

自宅を利用する方法、ECサービスの非公開機能を利用する方法、バーチャルオフィスを契約する方法など、それぞれ特徴があります。

自分の販売方法に必要な機能を整理して選ぶことが重要です。

ネットショップで利用できる住所の方法を比較する

代表的な方法を比較すると、次のようになります。

比較項目 自宅 ECサービスの非公開機能 バーチャルオフィス 実店舗・事務所
自宅住所の一般公開 あり 避けられる場合がある 避けやすい なし
月額費用 抑えやすい サービスによる 比較的抑えやすい 高くなりやすい
郵便物の受取 可能 自宅等で対応 サービスによる 可能
商品の保管 可能 別途必要 原則別途必要 スペースによる
発送・返品対応 しやすい 別途対応 サービスによる しやすい
複数ショップでの利用 しやすい サービスごとに確認 利用条件による しやすい
法人登記 条件等を確認 原則別の問題 対応サービスなら可能 契約条件等を確認

どの方法が最適かは、ショップの規模や販売する商品、利用するECサービスによって異なります。

まず利用するECサービスの非公開機能を確認する

個人で小規模なネットショップを始める場合は、最初に利用するECサービスに住所・電話番号の非公開機能があるか確認するとよいでしょう。

たとえば、個人向けの非公開機能を利用でき、自宅で商品の発送・返品にも対応できるのであれば、新たに事業用住所を契約しなくても運営できる場合があります。

特に、

  • まずは小さくネットショップを始めたい
  • ひとつのECサービスだけを利用する
  • 商品の保管・発送は自宅で行う
  • ECサービスの非公開機能で十分

という場合は、サービス側の仕組みを利用する方法も選択肢です。

必要のないサービスまで最初から契約する必要はありません。

複数の場所で使う住所が必要なら事業用住所を検討する

一方、ネットショップを継続的な事業として運営していく場合は、ECサービスだけに依存しない事業用住所があると便利なケースがあります。

たとえば、

  • 独自ネットショップを運営する
  • 複数のECサービスで販売する
  • 自社Webサイトを作る
  • 名刺に住所を掲載する
  • 請求書などに事業用住所を使用する
  • 取引先との契約で住所が必要
  • 郵便物を自宅とは別に受け取りたい

といった場合です。

ECサービスの非公開機能は、そのサービス内で住所を非公開にするための仕組みです。

ネットショップ以外でも共通して使える事業用住所が必要なら、バーチャルオフィスなどを検討する意味が大きくなります。

郵便物の受取方法を確認する

バーチャルオフィスなどを事業用住所として利用する場合は、郵便物の受取方法も確認しましょう。

特に、

  • 到着通知
  • 転送頻度
  • 転送費用
  • 来店受取
  • 保管期間
  • 受取可能な郵便物・荷物

などはサービスによって異なります。

ネットショップ運営では、ECサービスや決済サービス、金融機関、行政機関などから郵便物が届く可能性があります。

月額料金だけでなく、実際に郵便物が届いたときにどう受け取るのかまで確認して選びましょう。

商品の発送・返品をどこで行うか決めておく

物理的な商品を販売する場合は、事業用住所とは別に物流について考える必要があります。

たとえば、

事業用住所 → バーチャルオフィス
商品保管・発送 → 自宅
返品 → 指定した返品先

というように役割を分けることもできます。

販売量が増えてきた場合は、商品の保管・発送・返品などを物流サービスへ委託する方法もあります。

特に大型商品や冷蔵・冷凍品などを扱う場合は、一般的なバーチャルオフィスだけで物流まで完結させることは難しいため、住所と物流を分けて考えましょう。

電話番号も一緒に考える

自宅住所を公開したくない人は、個人の携帯電話番号についても公開したくないケースがあるでしょう。

その場合は、

  • ECサービスの非公開機能
  • 事業用電話番号
  • 電話転送サービス
  • 電話秘書代行サービス

などを検討できます。

住所と電話番号を別々に考えるのではなく、ネットショップでどこまで個人情報を公開するのかをまとめて考えるとサービスを選びやすくなります。

将来的に法人化する予定があるか考える

現在は個人でネットショップを運営していても、売上や事業規模の拡大に伴って将来的に法人化する可能性があります。

その場合、現在使用している事業用住所を法人設立後も継続して利用できれば、住所変更の負担を減らせます。

将来的な法人化を考えている場合は、

法人登記に利用できるか
個人から法人へ契約を切り替えられるか

などもバーチャルオフィスを選ぶポイントになります。

ただし、法人登記への対応と、ECサービスへの登録や特定商取引法上の利用条件はそれぞれ別に確認する必要があります。

安さだけでなく「何に使える住所か」で選ぶ

事業用住所を選ぶときは、月額料金の安さだけで比較しないことも重要です。

たとえば料金が安くても、

郵便物の転送頻度が合わない
利用したいECサービスの条件を満たさない
必要な荷物を受け取れない

のであれば、自分のネットショップには適していません。

反対に、ECサービスの非公開機能だけで必要なことをすべて満たせるのであれば、バーチャルオフィスを契約する必要がない場合もあります。

「住所を借りる」ことを目的にするのではなく、「その住所を何に使いたいのか」を先に整理して選びましょう。

ネットショップ用の事業住所は、自宅住所の公開、ECサービスのルール、郵便物、発送・返品、電話番号、費用、将来的な法人化などを総合的に考えて選ぶことが重要です。

小規模なショップではECサービスの非公開機能で十分な場合もありますが、複数のサービスやWebサイト、名刺などで共通して使用する事業用住所が必要な場合は、バーチャルオフィスなどを利用する方法も検討しましょう。

まとめ

まとめ

ネットショップなどの通信販売では、特定商取引法に基づき、販売業者の氏名・名称、住所、電話番号など一定事項の表示が原則として求められます。

これは法人だけに限らず、個人でも特定商取引法上の販売業者に該当する場合は対象となります。

一方で、ネットショップを始めたら必ず自宅住所と個人の携帯電話番号をそのままインターネット上へ公開しなければならないとは限りません。

一定の条件を満たして住所・電話番号などの表示を省略する方法や、ECサービスが提供する非公開機能を利用できる場合があります。

また、条件を満たしたバーチャルオフィスを事業用住所として利用する方法もあります。

ただし、ネットショップで住所を利用するときは、

  • 特定商取引法上問題がないか
  • 利用するECサービスへ登録できるか
  • 郵便物を受け取れるか
  • 商品の発送元として利用できるか
  • 返品商品を受け取れるか
  • 電話番号をどうするか
  • 将来的に法人化しても利用できるか

などを確認することが重要です。

特に、「特定商取引法に基づく表記に利用できる住所」と「商品の発送元・返品先として利用できる住所」は同じとは限りません。

商品の保管や発送、返品が発生するネットショップでは、事業用住所と物流拠点を分けて考えることも必要です。

個人で小さくネットショップを始めるのであれば、まず利用するECサービスの住所・電話番号の非公開機能を確認してみましょう。

一方、

独自ネットショップを運営したい
複数のECサービスで販売したい
自社サイトや名刺にも事業用住所を掲載したい
自宅と事業の郵便物を分けたい
将来的に法人化したい

といった場合は、自宅とは別に継続して利用できる事業用住所を用意する方法があります。

レゾナンスでは、バーチャルオフィスの住所を事業用住所として利用でき、郵便物の受取・転送や電話関連サービスなどにも対応しています。

ネットショップの住所は「自宅を公開しないため」だけではなく、今後どのようにショップを運営していくかまで考えて選ぶことが大切です。

利用するECサービスのルールや販売方法を確認したうえで、自分のネットショップに適した事業用住所を選びましょう。

参考・確認先

特定商取引法に基づく表示やECサービスの住所・連絡先に関するルールは、法令改正やサービスの仕様変更などによって変わる場合があります。ネットショップを開設・運営する際は、以下の公式情報もあわせてご確認ください。

※必要となる表示や登録情報は、販売方法、事業形態、利用するECサービスなどによって異なります。実際にネットショップを開設する際は、利用するサービスの最新の利用規約・ヘルプなどもご確認ください。

このコラムについて

ゼニス編集部

ゼニス編集部

ゼニス編集部では、起業・法人設立・副業・フリーランスなど、働き方やビジネスに関する実務情報を発信しています。
バーチャルオフィスの活用方法をはじめ、登記や税務、会社運営の基礎知識など、これから事業を始める方や個人事業主・法人の方がつまずきやすいポイントを、できるだけわかりやすく整理しています。

【月額990円で登記もできる】格安バーチャルオフィスのレゾナンス