24時間という1日の限られた時間を、どのように行動して効率よく使っていくかをマネジメントする「タイムマネジメント」。
ビジネスシーンにおいては、個々のタイムマネジメントを習得することで、会社全体の生産性向上に大きく貢献するといいます。
そこで今回は、タイムマネジメントを行うことによる効果や、実施のポイントについてご紹介していきたいと思います。
タイムマネジメントとは?
タイムマネジメントとは、時間の使い方を改善することによって、作業の効率化や生産性の向上を図ることです。
時間は誰にでも平等に与えられており、1日24時間という時間を増やしたり減らしたりといったことはできません。
タイムマネジメントでは、時間的コストを効率よく使うことで、いかに生産性を上げられるかについて、行動をマネジメントするのです。
タイムマネジメントによって生まれる効果
タイムマネジメントを行うことで、個人にとっても企業にとってもさまざまなメリットがあります。
1.業務効率の向上
タイムマネジメントを行うことで、業務の効率化を行うことができます。
タイムマネジメントでは、行う業務のすべてのタスクのなかで優先順位を考え、それをタイムスケジュールに落とし込んでいきます。
そのなかで、どのような順番や方法で行うのが業務効率に最も繋がるのか、常に考えて行うため、やみくもに目の前にあるタスクから取り組むことに比べて、効率よく業務を行なうことができるようになります。
2.業務のスキルアップ
タイムマネジメントを通して普段の業務の効率化を考えることで、より高度なスキルや知識を吸収しようとする意識が働きやすくなります。
俊敏性や正確性を求めることで、業務のスキルアップにも繋がるでしょう。
3.残業代の削減
タイムマネジメントを通じて業務効率が上がることで、業務に必要な時間が減り残業代の削減に繋がります。
残業時間が減ることで、従業員に支払う残業代の削減だけでなく、空調や照明に必要となる電気代にも繋がり、経費の削減効果も得られます。
4.プライベートの充実
タイムマネジメントで残業時間が減ることで、従業員のプライベートの充実にも繋がります。残業が常態化していると、プライベートの時間が不足するだけでなく、気力や体力をプライベートの時間に費やすことが難しくなります。
タイムマネジメントで業務効率を上げられれば、プライベートの時間を有効に使えるようになるでしょう。
5.仕事に前向きに取り組める
タイムマネジメントを行うことで、行動管理によって時間に見通しがつけられるようになるため、精神的な余裕が生まれます。
時間に追われて目先の業務をこなすよりも、精力的に仕事に取り組めるようになったり、達成感を得られやすくなったりするでしょう。
タイムマネジメントの設定方法
1.タスクの洗い出し
まずは、業務に必要となるタスクには何があるのか、すべてのやるべきことを明確にして把握できるようにしましょう。
タスク一つ一つを箇条書きにし、関連性のあるものを分類してまとめます。
現在ルーティンで行っている業務など最低限必要となる業務だけでなく、目標を達成させるために取り入れたい内容についても洗い出しましょう。
2.タスクの優先順位を決定
箇条書きにしたタスクについて、それぞれの納期を記載して、優先順位をつけていきます。
納期の迫っているものについては、最も優先的に撮りかかる必要があります。
また、タイムマネジメントのコツの一つとして、優先順位の高い業務に時間を使うことが挙げられます。
納期に余裕があるものについても、重要度の高いものはできるだけ早めに取り組むようにするとよいでしょう。
3.タスクの達成レベルを確認
それぞれのタスクにおいて、どの程度の達成レベルが求められているのか、について確認をしましょう。
間違いがなければよいのか、構成の見直しが必要なのか、新たな成果が求められているのか、など、それぞれのタスクについて求められる成果に合わせて目標設定を行います。
4.タスクの所要時間を確認
洗い出したタスクそれぞれにおいて、どの程度の時間が必要となるのかについて確認し、重要度や達成レベルが高いタスクには多めに時間配分を行うようにします。
反対に、優先度が低く達成レベルの低い業務については、できるだけ時間をかけないようにします。
5.行動スケジュールに落とし込む
タスクの優先順位や所要時間をもとに、行動スケジュールに落とし込みます。
納期となる日時までに、必要となる所要時間を照らし合わせて、タスクに取りかかる日時と終える日時を落とし込みます。
必要となる時間設定は、2時間~2.5時間など少し幅をもたせて設定するようにしましょう。
また、時間がかかるものについては、いつまでにどのレベルまで達成しておくべきか、についても落とし込みましょう。
タイムマネジメントの設定のコツ
1.スケジュールに余白を設ける
タスクを行動スケジュールに落とし込む際は、余白を設けるようにしましょう。
突然の急ぎの業務が発生したり、予想ができないトラブルが起きたりする可能性もあります。そのような突発的な事態が起きた際でも、もともとのタスクの納期を延長させることなく対処するためには、スケジュールにあらかじめ余白を設けておくことが大切です。
2.予定と実際との差を常にチェックする
予定に対して時間がかかり過ぎてしまったタスクがあった場合、そのタスクのどの部分に時間がかかってしまったのか、なぜ予想外に時間が必要となったのかについて、必ずチェックをするようにしましょう。
予定を実際とで大きな差があるタスクをチェックし、次回からのスケジュールに反映させるようにします。
3.時間がかかり過ぎる業務を見直す
時間がかかってしまった業務について、時間短縮ができる方法があるかどうかについて検討します。
たとえば、二度手間となっている作業がないかどうか、業務の流れを変えることで効率化できないかどうか、別の方法に代替えできないかどうか、分業されすぎなどで無駄が起きていないかどうか、他の人に任せられないかどうか、などです。
4.省略できる業務がないかの見直しを入れる
タスクに優先順位をつけるなかで、優先順位の低いタスクを中心に、そのタスクは本当に必要なのかどうかについて、見直しを入れるようにしましょう。
特に、前任者から引き継いだものの、その業務が何に役立っているかどうか不明だ、というものについては、もしかしたら不要な業務かもしれません。
5.タスクをマニュアル化する
定期的に取り組む必要があるタスクについては、フォーマットを作ったり、重複している部分を簡単にコピーできるように定型文を作成したりし、タスクをマニュアル化することで、効率的に進められるような体制を整えておきます。
そうすることで、自分が業務過多となったり、体調を崩してしまったりした場合でも、別の人が代わりに取り組むことができ、また誰が業務にあたっても一定の業務レベルをキープしやすくなるでしょう。
6.成果を上げることを重要視する
タイムマネジメントでは、成果を上げることを重要視して、できるだけ時間をかけられるように心がけましょう。
成果をより上げる必要性のあるタスクは、頭がクリアな午前中のうちに取り組むようにスケジュール設定を行うのもよいでしょう。
また、電話対応や来客対応が重なる時間帯や、打ち合わせが入りやすい時間帯について