学生でも、個人事業主として事業を始めたり、会社を設立して起業したりすることは可能です。
インターネットを活用すれば、店舗や大きな設備を用意しなくても始められるビジネスが増えており、大学や専門学校などに通いながら事業を始める選択肢もあります。
一方、学生が起業するときは、
- 個人事業主と法人のどちらで始めるか
- 起業資金をどのように準備するか
- 学業と事業を両立できるか
- 税金や扶養にどのような影響があるか
- 実家や一人暮らしの住所を事業に使えるか
- 法人を設立する場合にどこを本店所在地にするか
なども考えておく必要があります。
特に実家暮らしの場合、自分だけでなく家族が生活している住所を事業用として使用することになるため、事前に家族へ相談しておくことも大切です。
また、一人暮らしの賃貸住宅では、賃貸借契約などによって事業利用や法人登記が制限されている場合があります。
この記事では、学生が起業する方法や必要な準備、始めやすいビジネス、個人事業主と法人の違い、税金・扶養、事業用住所の決め方までわかりやすく解説します。
学生の起業に関するよくある質問

1. 学生でも起業することはできますか?
大学生や専門学生など、学生であっても起業することは可能です。
起業するために「学校を卒業していること」や「会社員としての経験があること」が一律に求められるわけではありません。
学生のまま個人事業を始めることができる
自分で商品やサービスを提供して収入を得る事業を始める場合、個人事業主としてスタートする方法があります。
たとえば、
- Web制作
- プログラミング
- 動画編集
- Webライティング
- SNS運用
- イラスト制作
- オンラインサービス
- ネットショップ
- アプリ・Webサービスの開発
など、パソコンを中心に始められる事業であれば、大きな店舗やオフィスを用意せずにスタートすることもできます。
アルバイトとは異なり、自分で仕事を受注したり商品・サービスを販売したりするため、価格設定や集客、経費の管理なども自分で行うことになります。
学生でも会社を設立できる
学生だから法人を設立できないというわけではなく、株式会社や合同会社などを設立して事業を始める方法もあります。
法人を設立する場合は、
- 商号
- 事業目的
- 本店所在地
- 資本金
- 役員などの会社の基本事項
を決め、定款の作成や法人登記などの手続きを行います。
ただし、未成年の場合は成人とは異なる点があるため、年齢や行う法律行為に応じて必要な手続きを事前に確認することが重要です。
最初から法人化する必要はない
「起業=会社を作ること」と考えがちですが、必ずしも最初から法人を設立する必要はありません。
まずは個人で小さく事業を始め、売上や取引先が増えてから法人化する方法もあります。
特に学生の場合は、学業との両立や事業を継続できるかを確認しながら、無理のない規模からスタートする方法も検討しやすいでしょう。
学校のルールも確認しておく
学生の起業そのものが法律上禁止されているわけではありませんが、学校独自の規則や制度が設けられている可能性があります。
また、奨学金や学校独自の支援制度などを利用している場合は、所得や活動状況などによって扱いが変わる可能性もあります。
そのため、必要に応じて学校や制度の窓口へ確認しておきましょう。
学生でも起業は可能です。まずは自分が提供できる商品やサービスを考え、学業と両立できる規模から事業を始める方法を検討してみましょう。
2. 学生が起業するなら個人事業主と法人のどちらがいいですか?
学生が起業するときは、個人事業主として始める方法と、株式会社や合同会社などの法人を設立する方法があります。
どちらが適しているかは、事業の規模や取引先、必要な資金、今後の事業計画などによって異なります。
小さく始めるなら個人事業主という方法がある
初めて事業に挑戦する場合は、個人事業主としてスタートする方法があります。
個人事業主であれば、法人を設立する場合と比べて設立登記などが必要なく、比較的少ない手続きで事業を始められるのが特徴です。
たとえば、
- Web制作を受注する
- 動画編集を請け負う
- イラストを販売する
- アプリやWebサービスを提供する
- ネットショップを運営する
といった事業を小規模から始め、売上や顧客が増えてから法人化することもできます。
法人として起業する方法もある
事業内容や今後の計画によっては、最初から法人を設立する方法もあります。
法人を設立すれば、会社名義で契約を結んだり、法人名義の銀行口座を申し込んだりできます。
一方、法人設立には定款作成や登記などの手続きが必要になり、設立後も税務や社会保険、会計などの対応が必要です。
そのため、「起業するならとりあえず会社を作る」のではなく、法人化する必要性があるかを考えてから選ぶことが大切です。
取引先や事業計画から考える
個人事業主と法人のどちらを選ぶか迷った場合は、今後どのような相手と取引する予定なのかも考えてみましょう。
たとえば、
- 企業との取引を増やしたい
- 複数人で事業を拡大したい
- 従業員を雇用する予定がある
- 外部から資金調達を検討している
- 長期的に事業を大きくしたい
といった計画がある場合は、法人化を検討する材料になります。
反対に、まずは自分一人でサービスを提供し、事業として成立するか確かめたい場合は、個人事業から始める方法もあります。
学生だからこそ固定費も考えておく
法人を設立すると、設立時の費用だけでなく、事業を継続するための費用も発生します。
学生起業では使える資金が限られているケースもあるため、売上だけではなく、毎月・毎年どのくらいの費用が必要になるのかを把握しておくことが重要です。
専用オフィスが必要ない事業であれば、自宅を作業場所にしたり、必要に応じてバーチャルオフィスを利用したりすることで、事業用住所を確保しながらオフィスにかかる固定費を抑える方法もあります。
個人事業主と法人にはそれぞれ異なる特徴があります。学生だからどちらか一方が適していると決めつけず、現在の事業規模や資金、将来の計画を踏まえて選びましょう。
3. 学生が起業するときの資金はいくら必要ですか?
学生が起業するときに必要な資金は、始める事業の内容や個人事業主・法人のどちらを選ぶかによって大きく異なります。
Web制作や動画編集など、パソコンを中心に始められる仕事であれば、店舗や大きな設備を用意せず、比較的少ない資金からスタートすることも可能です。
まずは必要な費用を書き出してみる
起業資金を考えるときは、「いくらあれば起業できるか」だけでなく、実際に何にお金がかかるのかを整理してみましょう。
たとえば、
- パソコンやスマートフォン
- ソフトウェア・Webサービスの利用料
- Webサイトやドメイン
- 商品の仕入れ・制作費
- 広告・集客費
- 梱包・発送費
- 事業用の電話番号
- 事業用住所
- 法人を設立する場合の設立費用
などが考えられます。
すでにパソコンなどを持っている場合は、新たに購入する必要がないものもあります。
最初からすべてをそろえるのではなく、事業を始めるために本当に必要なものから準備することで初期費用を抑えやすくなります。
店舗やオフィスが必要か考える
起業資金の中でも大きな負担になりやすいのが、店舗やオフィスなどの固定費です。
しかし、オンラインで完結する事業であれば、必ずしも専用オフィスを借りる必要はありません。
自宅や実家を作業場所として利用できれば、
- オフィスの賃料
- 敷金・保証金
- オフィス家具
- 水道光熱費
などを抑えながら事業を始められます。
学生起業では、できるだけ固定費を増やさず、小さく始めることも資金管理のポイントです。
法人を設立する場合は設立費用も考える
株式会社や合同会社を設立する場合は、定款や法人登記などに関する費用が発生します。
また、会社を設立した後も、会計・税務や社会保険など、個人事業とは異なる手続きや費用が発生する可能性があります。
そのため、法人化する場合は設立時に必要なお金だけではなく、会社を維持するために必要な費用まで含めて資金計画を立てることが大切です。
事業用住所だけ必要ならバーチャルオフィスも選択肢になる
自宅や実家で作業できるものの、「家族が住んでいる実家を会社住所にしたくない」「賃貸住宅なので法人登記が難しい」といったケースもあります。
その場合、専用オフィスを借りるのではなく、法人登記に対応したバーチャルオフィスを利用する方法があります。
作業場所は自宅のまま、事業用住所だけを別に用意できるため、実店舗や専用オフィスを必要としない事業では選択肢の一つになります。
学生起業に必要な資金は一律ではありません。まずは事業に必要な費用を洗い出し、初期費用だけでなく継続的に発生する固定費も確認しながら、無理のない規模でスタートしましょう。
4. 学生が起業するときはどんなビジネスから始めやすいですか?
学生が起業する場合は、大きな初期投資や店舗を必要とせず、自分のスキルや経験を生かせるビジネスから始める方法があります。
最初から大きな売上を目指すのではなく、学業と両立できる範囲でサービスを提供し、顧客の反応を見ながら事業を育てていくこともできます。
パソコンを使って提供できるサービス
学生でも始めやすいのが、パソコンやインターネットを利用して提供できるサービスです。
たとえば、
- Webサイト制作
- プログラミング
- アプリ開発
- Webライティング
- 動画編集
- デザイン・イラスト制作
- SNS運用代行
- 写真・動画撮影
- オンラインでの学習支援
などがあります。
すでに持っているパソコンやソフトを利用できれば、大きな設備投資をせずに始められる場合があります。
大学や専門学校で学んでいる内容を、そのまま事業につなげられるケースもあるでしょう。
自分の商品やサービスを販売する方法もある
企業などから仕事を受注するだけでなく、自分で商品やサービスを作って販売する方法もあります。
たとえば、
- オリジナル商品のネット販売
- ハンドメイド商品の販売
- デジタルコンテンツの販売
- オンライン講座
- Webサービス
- スマートフォンアプリ
- サブスクリプション型サービス
などです。
自分の商品・サービスを持つ場合は、価格設定や集客、顧客対応なども自分で考える必要があります。
一方で、学生のうちから商品企画・販売・マーケティングまで経験できることは、事業を続けるうえでも大きな経験になります。
身近な困りごとから事業を考える
「起業したいけれど、何をすればいいのか分からない」という場合は、身近な困りごとから考えてみる方法もあります。
たとえば、
- 大学生が不便だと感じていること
- 学校生活で面倒だと感じること
- アルバイト先で非効率だと感じたこと
- 趣味のコミュニティで必要とされているもの
- 自分が「こんなサービスがあれば使いたい」と感じること
などです。
起業というと画期的なアイデアが必要に思えますが、誰かが抱えている問題を解決し、その対価としてお金を受け取ることも事業の基本です。
学業と両立できるかも重要
学生起業では、事業内容だけでなく学業との両立も考えておく必要があります。
特に、営業時間が決まっている店舗型ビジネスや、毎日多くの顧客対応が必要な事業では、授業や試験との両立が難しくなる可能性があります。
オンラインで完結する仕事や、自分で受注量を調整できる仕事であれば、比較的スケジュールを管理しやすいでしょう。
学生起業では、「儲かりそうな仕事」だけで選ぶのではなく、初期費用、自分のスキル、使える時間、学業との両立まで考えて事業を選ぶことが大切です。まずは小さく始め、実際に顧客から対価を得られるか確かめながら事業を育てていきましょう。
5. 学生が起業すると親の扶養や税金に影響しますか?
学生が起業して収入を得るようになると、税金や親の扶養に影響する可能性があります。
アルバイトと事業では所得の計算方法も異なるため、「売上がいくらになったら扶養から外れる」と単純に判断するのではなく、所得の種類や金額を確認することが大切です。
売上と所得は同じではない
個人で事業を行う場合、基本的には売上そのものではなく、売上から必要経費を差し引いた所得をもとに税金を計算します。
たとえば、事業のために、
- パソコンや周辺機器を購入した
- 業務用ソフトを利用した
- 商品を仕入れた
- 広告を出した
- 事業用のWebサイトを運営した
- 仕事のために交通費を支払った
といった場合、事業に必要な支出は必要経費として扱えることがあります。
そのため、「年間の売上=税金を判断するときの所得」ではありません。
事業を始めたら、売上だけでなく経費についても記録しておきましょう。
所得が増えると親の税金に影響する場合がある
学生が親の扶養に入っている場合、本人の所得が一定額を超えると、親が受けている扶養控除などに影響する可能性があります。
また、大学生年代など一定の年齢に該当する親族については、所得額に応じた税制上の仕組みも設けられています。
税制は改正されることがあるため、「昔からよく聞く○万円まで」という情報だけで判断せず、その年の所得要件を確認することが重要です。
健康保険の扶養は税金とは別に考える
もう一つ注意したいのが、親が加入している健康保険の扶養です。
税金上の扶養と社会保険上の扶養は別の制度であり、それぞれ基準や収入の考え方が異なります。
学生本人の収入が増えると、親の健康保険の被扶養者から外れる可能性もあります。
事業収入がある場合の経費の扱いなどは加入している健康保険によって確認が必要になるため、収入が増えてきたら親が加入する健康保険の窓口などへ確認しましょう。
起業したらお金の記録を残しておく
学生起業でも、事業としてお金を受け取るのであれば収入や経費を管理する必要があります。
事業用とプライベート用のお金が混ざると管理が複雑になりやすいため、
- 売上を記録する
- 領収書や請求書を保存する
- 経費を記録する
- 事業用の銀行口座を分ける
- 必要に応じて会計ソフトを利用する
など、早い段階から管理方法を決めておくとよいでしょう。
学生が起業して収入を得ると、本人の税金だけでなく親の税金や健康保険の扶養にも影響する可能性があります。「売上」だけで判断せず、所得や加入している制度を確認し、収入が増えてきた段階で税務署や健康保険の窓口などに確認しましょう。
6. 学生が起業するとき、実家の住所を事業用に使ってもいいですか?
学生が実家で生活しながら起業する場合、実家の住所を事業用住所として利用できるケースがあります。
自宅でパソコンを使って仕事をするような事業であれば、専用のオフィスを借りず、実家を拠点としてスタートすることも可能です。
ただし、実家は自分だけでなく家族の生活拠点でもあります。住所を事業に利用する前に、どのような場面で実家住所が使われるのかを確認し、家族にも相談しておくことが大切です。
実家住所を使用する場面を確認する
事業を始めると、住所が必要になる場面があります。
たとえば、
- 開業に関する手続き
- 法人の本店所在地
- 名刺
- Webサイト
- 契約書や請求書
- ネットショップ
- 銀行口座や各種サービスへの登録
- 事業用の郵便物や荷物
などです。
すべての住所が一般公開されるわけではありませんが、利用方法によっては取引先や顧客などに住所が伝わることがあります。
実家住所を仕事で使うということは、家族が生活している住所を事業でも使用するということを理解しておきましょう。
実家が賃貸住宅の場合は契約内容も確認する
実家が持ち家であれば自由に事業利用できるとは限らず、マンションの場合は管理規約などの確認が必要になることがあります。
また、実家が賃貸住宅の場合は、賃貸借契約によって、
- 事業利用
- 法人登記
- 来客
- 看板の設置
- 商品や在庫の保管
などが制限されている場合があります。
特に法人を設立して実家を本店所在地にする場合は、法人登記に利用して問題ないか事前に確認しておきましょう。
家族宛てと事業宛ての郵便物が同じ場所に届く
実家住所を事業用にすると、会社名や屋号宛ての郵便物が実家へ届くようになる可能性があります。
事業を始めたばかりのころは少なくても、取引先や金融機関、行政機関などとのやり取りが増えるにつれて、事業用郵便物が増えることも考えられます。
家族が誤って開封したり、重要な書類が個人宛ての郵便物に紛れたりしないよう、事業用と家庭用の郵便物をどのように管理するかも決めておくとよいでしょう。
実家住所を仕事で使いたくない場合は別の住所を用意する
「実家で仕事はできるけれど、家族の住所を会社住所として使いたくない」という場合は、事業用住所を別に用意する方法があります。
法人登記や郵便物の受け取りに対応したバーチャルオフィスであれば、実際の作業場所は実家のまま、事業用住所だけを分けることも可能です。
専用オフィスを借りる必要がない事業であれば、オフィスの賃料などを抑えながら事業用住所を確保できます。
学生起業では、実家を利用することで初期費用や固定費を抑えやすくなります。一方で、実家住所は家族の生活にも関わる情報です。事業でどこまで住所を使用するのかを確認し、家族と相談したうえで決めましょう。
7. 一人暮らしの学生でも自宅住所を使って起業できますか?
一人暮らしの学生でも、自宅を作業場所として事業を始めることは可能です。
ただし、学生向けマンションやアパートなどの賃貸住宅では、居住以外の用途や法人登記が制限されている場合があるため、実家で起業する場合とは違った注意が必要です。
賃貸借契約や管理規約を確認する
一人暮らしの賃貸住宅で起業するときは、まず賃貸借契約書や管理規約を確認しましょう。
物件によっては、
- 事業利用
- 法人登記
- 不特定多数の来客
- 看板や広告物の設置
- 商品や在庫の大量保管
などが禁止・制限されている場合があります。
パソコンを使って自宅で仕事をすることが問題なくても、その住所を会社の本店所在地として法人登記できるとは限りません。
契約内容だけでは判断できない場合は、管理会社や貸主へ確認しましょう。
引っ越しの可能性も考えておく
学生の場合、卒業や就職などをきっかけに引っ越す可能性があります。
自宅住所を事業用住所として使用していると、引っ越した際に、
- 法人の本店所在地
- Webサイト
- 契約書や請求書
- 銀行や各種サービス
- 取引先への登録情報
- 名刺などの印刷物
といった住所の変更が必要になる場合があります。
特に法人の本店所在地を変更する場合は変更登記も必要になるため、数年以内に引っ越す可能性が高い場合は、事業用住所をどうするか起業時に考えておくとよいでしょう。
一人暮らしの住所を公開するかも考える
一人暮らしの場合は、賃貸契約だけでなくプライバシーについても考えておきたいところです。
Webサイトやネットショップ、名刺などで自宅住所を使用すると、取引先や顧客などに実際に生活している場所が伝わる可能性があります。
特にSNSなどを使って不特定多数の人へ情報を発信する事業では、住所を直接掲載していなくても、投稿内容などから生活圏につながる情報が伝わる可能性があります。
事業で住所を使用する場合は、どこまで公開されるのかを確認しておきましょう。
作業場所と事業用住所を分ける方法もある
「部屋で仕事をすることは問題ないけれど、法人登記はできない」「一人暮らしの住所を仕事で使いたくない」という場合は、作業場所と事業用住所を分ける方法があります。
法人登記に対応したバーチャルオフィスを利用すれば、自宅で仕事をしながら別の住所を会社の本店所在地として利用することも可能です。
また、卒業や就職で自宅を引っ越しても、バーチャルオフィスの契約を継続していれば、事業用住所をそのまま維持できるというメリットもあります。
一人暮らしの学生が起業する場合は、「今の部屋で仕事ができるか」だけでなく、法人登記の可否や住所公開、卒業後の引っ越しまで考えて事業用住所を決めることが大切です。
8. 学生が会社を設立するとき、本店所在地はどこにすればいいですか?
学生が株式会社や合同会社などを設立する場合は、会社の本店所在地を決める必要があります。
学生起業では専用オフィスを持たないケースも多いため、実家や一人暮らしの自宅、バーチャルオフィスなどを本店所在地として検討することになります。
実家を本店所在地にする
実家を本店所在地として利用できる場合は、新たにオフィスを借りる必要がないため、会社設立時の固定費を抑えやすくなります。
ただし、実家は家族の生活拠点でもあります。
実家住所を会社の本店所在地として使用する場合は、
- 家族の了承を得られるか
- 事業用の郵便物が届いても問題ないか
- 会社の住所として利用して問題ないか
- マンションの場合は管理規約に問題がないか
- 賃貸の場合は契約上問題がないか
などを確認しておきましょう。
自分が起業することで家族の住所も事業に使用することになるため、会社設立前に相談しておくことが大切です。
一人暮らしの自宅を本店所在地にする
一人暮らしのマンションやアパートを本店所在地として利用する方法もあります。
ただし、賃貸住宅では事業利用や法人登記が認められていない場合があります。
また、卒業や就職によって引っ越すと、本店所在地の変更登記や取引先・各種サービスへの住所変更が必要になる可能性があります。
学生の場合は数年以内に住居が変わる可能性も考え、現在の住所だけでなく卒業後も含めて本店所在地を検討するとよいでしょう。
バーチャルオフィスを本店所在地にする
実家や一人暮らしの住所を会社に使用したくない場合は、法人登記に対応したバーチャルオフィスを利用する方法があります。
バーチャルオフィスなら、実際の作業は自宅や大学などで行いながら、会社の本店所在地として使用する事業用住所を確保できます。
専用オフィスを借りる場合と比べて固定費を抑えやすいため、実店舗や常設の事務所を必要としない学生起業でも利用しやすい方法です。
レゾナンスでも、対象プランでは提供される住所を法人登記の本店所在地として利用できます。
住所だけでなく郵便物の受け取りも考える
本店所在地を決めるときは、住所そのものだけでなく、会社宛ての郵便物をどのように受け取るかも確認しておきましょう。
会社を設立すると、取引先だけでなく行政機関や金融機関などから郵便物が届くことがあります。
バーチャルオフィスを利用する場合は、
- 郵便物を受け取れるか
- 到着通知があるか
- 自宅への転送に対応しているか
- 転送頻度はどのくらいか
- 受け取れない郵便物はあるか
などを確認しておくと安心です。
学生が会社の本店所在地を決めるときは、費用だけでなく、家族への影響、賃貸契約、住所の公開、郵便物、卒業後の引っ越しなども考えることが大切です。長く利用する可能性がある住所だからこそ、会社設立前に自分の事業や生活に合った場所を選びましょう。
9. 学生でもバーチャルオフィスを利用できますか?
学生でも、各バーチャルオフィスの契約条件を満たしていれば利用できる場合があります。
実家や一人暮らしの自宅を事業用住所として使いたくない場合や、専用オフィスを借りるほどではない場合には、学生起業でもバーチャルオフィスが選択肢になります。
学生起業とバーチャルオフィスは相性がよい場合がある
Web制作やアプリ開発、動画編集、オンラインサービスなど、実店舗を必要としない事業では、仕事をするためだけに専用オフィスを借りる必要がない場合があります。
そのような事業であれば、
- 作業は自宅や実家
- 打ち合わせはオンライン
- 会社の住所はバーチャルオフィス
- 事業用郵便物はバーチャルオフィスで受け取る
といった運営方法も可能です。
特に学生起業では、事業開始時から大きな固定費を抱えないことも重要です。
「仕事をする場所」と「事業で使用する住所」を分けることで、専用オフィスを借りずに事業環境を整えられる場合があります。
実家の住所を事業に使いたくない場合にも利用できる
実家暮らしの場合、自分の起業によって家族が生活している住所を会社や事業の住所として使用することになります。
Webサイトや名刺などで事業用住所を使用する機会が増えたり、会社宛ての郵便物が実家へ届いたりする可能性もあります。
家族への影響をできるだけ減らしたい場合は、実家とは別に事業用住所を用意する方法があります。
バーチャルオフィスを利用すれば、実際には実家で仕事をしながら、サービスの範囲内で別の住所を事業に利用できます。
卒業や引っ越し後も事業用住所を維持しやすい
学生ならではのメリットとして、卒業や就職による引っ越しの影響を受けにくくできる点もあります。
一人暮らしの住所を会社の本店所在地にすると、卒業後に引っ越した際、本店所在地の変更登記や各種サービスの住所変更が必要になる場合があります。
一方、バーチャルオフィスの契約を継続していれば、自宅を引っ越しても事業用住所をそのまま維持できる場合があります。
学生のうちに起業し、卒業後も事業を続ける予定がある場合は、将来の住居変更まで考えて住所を決めておくとよいでしょう。
契約条件や本人確認を確認する
バーチャルオフィスは誰でも無条件に利用できるわけではありません。
サービスによって契約条件が異なり、申し込み時には本人確認や事業内容の確認などが行われます。
特に未成年の場合は、成人の利用者とは必要な手続きが異なる可能性があるため、申し込み前に利用条件を確認することが重要です。
また、法人登記を予定している場合は、契約するプランが法人登記に対応しているかも確認しましょう。
学生でもバーチャルオフィスを利用できる場合があります。実家住所を事業に使いたくない、一人暮らしの住所で法人登記できない、卒業後の引っ越しに備えたいといった場合には、事業用住所を確保する方法の一つとして検討できます。
10. 学生が起業するときに失敗を避けるための注意点はありますか?
学生起業では、若いうちから事業に挑戦できる一方で、学業・資金・契約・税金などを十分に確認しないまま事業を広げてしまわないことが大切です。
最初から大きな会社を作ろうとせず、自分が管理できる範囲で事業を始め、必要に応じて規模を拡大していきましょう。
最初から大きな固定費を抱えすぎない
起業すると、Webサイトや広告、ソフトウェア、事務所など、さまざまなものにお金をかけたくなることがあります。
しかし、売上が安定していない段階で毎月の固定費を増やすと、事業を続ける負担も大きくなります。
学生起業では、
- 今すぐ必要なものか
- 無料・低価格のサービスで代用できないか
- 売上がなくても支払い続けられるか
- 契約期間や解約条件に問題がないか
などを確認し、必要なものから少しずつそろえていくことが重要です。
オンラインで完結する事業であれば、自宅を作業場所として利用するなど、専用オフィスを持たずに始める方法もあります。
学業とのバランスを崩さない
事業が忙しくなると、顧客対応や納期、営業活動などに多くの時間を使うようになります。
特に試験や卒業研究、就職活動などと時期が重なると、事業との両立が難しくなる可能性があります。
そのため、
- 受注できる仕事量を決める
- 納期に余裕を持つ
- 試験期間は仕事量を減らす
- 自分だけで対応できない仕事を安易に受注しない
など、学生生活も含めてスケジュールを管理することが大切です。
契約内容を確認してから仕事を始める
知人やSNS経由で仕事を受注すると、口頭やメッセージだけで仕事を始めてしまうこともあります。
しかし、報酬額や納期、作業範囲などが曖昧なままだと、後から認識の違いが生じる可能性があります。
仕事を受ける場合は、
- 仕事内容
- 報酬
- 支払時期
- 納期
- 修正回数や対応範囲
- 成果物の権利や利用範囲
などを確認し、必要に応じて契約書などに残しておきましょう。
学生同士や知人との取引でも、仕事として行う以上は条件を明確にしておくことが重要です。
売上・経費・税金を後回しにしない
売上が発生したら、早い段階からお金の記録を残しておきましょう。
売上や経費を記録せずにいると、後から確定申告などが必要になった際に確認するのが大変になります。
また、収入が増えれば本人の税金だけでなく、親の税金や健康保険の扶養などに影響する可能性もあります。
「学生だから税金は関係ない」と考えず、事業として収入を得ていることを意識して管理することが大切です。
住所や連絡先も将来を考えて決める
学生起業では、実家や一人暮らしの住所をそのまま事業用住所として使うこともできますが、卒業や就職などで生活環境が変わる可能性があります。
事業を長く続ける予定であれば、
- 実家住所を仕事で使用して問題ないか
- 一人暮らしの物件で事業利用・法人登記できるか
- 自宅住所を取引先などへ知らせても問題ないか
- 卒業後に引っ越す可能性があるか
- 事業用郵便物をどこで受け取るか
まで考えておきましょう。
自宅住所を事業に使用したくない場合は、法人登記や郵便物の受け取りに対応したバーチャルオフィスなどを利用し、生活する住所と事業用住所を分ける方法もあります。
学生起業では、最初から完璧な事業を作る必要はありません。大きな固定費や無理な契約を抱えず、学業とのバランスや税金、住所などの基本を押さえながら、小さく始めて事業を育てていきましょう。
まとめ
学生でも、個人事業主として事業を始めたり、株式会社や合同会社などを設立したりして、学生生活と並行しながら起業することは可能です。
Web制作やプログラミング、動画編集、SNS運用、ネットショップなど、店舗や大きな設備を必要としない事業であれば、比較的少ない初期費用からスタートできる場合があります。
学生が起業するときは、
- 個人事業主と法人のどちらで始めるか
- 起業資金や毎月の固定費をどうするか
- 学業と事業を両立できるか
- 税金や親の扶養に影響しないか
- 実家を事業用住所として利用するか
- 一人暮らしの賃貸住宅で事業利用・法人登記できるか
- 卒業や就職後も事業を続けるか
などを事前に考えておくことが大切です。
特に学生起業では、現在住んでいる場所をそのまま事業用住所として使用するかも重要なポイントになります。
実家を事業用住所にすれば費用を抑えられますが、家族が生活している住所を事業でも使用することになります。会社宛ての郵便物が実家へ届いたり、利用方法によっては取引先や顧客などに住所が伝わったりする可能性もあるため、事前に家族へ相談しておきましょう。
一人暮らしの場合も、賃貸借契約や管理規約によって事業利用や法人登記が制限されている場合があります。
さらに、学生は卒業や就職をきっかけに引っ越す可能性があります。自宅を法人の本店所在地としている場合、引っ越しによって本店所在地の変更登記や銀行、取引先、各種サービスなどの住所変更が必要になることもあります。
実家や一人暮らしの住所を事業に使用したくない場合は、法人登記や郵便物の受け取りに対応したバーチャルオフィスを利用する方法もあります。
実際の作業は自宅などで行いながら、生活する住所と会社・事業で使用する住所を分けることが可能です。専用オフィスを必要としない事業であれば、固定費を抑えながら事業用住所を確保する方法の一つになります。
ただし、バーチャルオフィスの契約条件や利用できる事業、法人登記への対応などはサービスによって異なります。また、許認可が必要な事業では営業所などに別途要件が設けられている場合があるため、事前に確認しましょう。
学生起業では、最初から大きな会社や事業を作る必要はありません。自分のスキルやアイデアを生かせる仕事から小さく始め、学業や資金、税金、事業用住所などの基本を押さえながら、将来の事業拡大につなげていきましょう。
参考