バーチャルオフィスお役立ちコラム

バーチャルオフィスに来客があったらどうなる?突然の訪問・取引先・営業への対応を解説

受付サービス付きバーチャルオフィスを選ぶ理由とそのメリットとは?

バーチャルオフィスを契約すると、Webサイトや名刺、法人登記などに事業用の住所を利用できます。

そこで気になるのが、掲載している住所へ誰かが実際に訪問してきた場合の対応です。

「取引先が突然訪問してきたらどうなる?」
「営業担当者や業者が来た場合、受付してもらえる?」
「名刺に住所を載せたら、バーチャルオフィスだと分かってしまう?」
「取引先との打ち合わせに会議室を使える?」

など、来客への対応が気になっている方もいるでしょう。

バーチャルオフィスは、一般的な賃貸オフィスのように契約者専用の執務スペースを常時確保するサービスではありません。

そのため、住所を利用できるからといって、その場所で通常のオフィスと同じように来客へ対応できるとは限りません。

一方、バーチャルオフィスによっては受付スタッフがいる店舗や、来客時に利用できる会議室・コワーキングスペースなどを用意している場合もあります。

また、来客の種類によっても適切な対応は異なります。

この記事では、バーチャルオフィスに突然来客があった場合の対応をはじめ、取引先・営業担当者・行政機関などが訪問した場合の考え方や、会議室を利用した打ち合わせ、住所を公開するときの注意点について解説します。

これからバーチャルオフィスを契約する方はもちろん、すでに利用していて「来客があったらどうしよう」と気になっている方も参考にしてください。

バーチャルオフィスの来客対応はどうなる?

バーチャルオフィスの来客対応はどうなる?

1. バーチャルオフィスに突然来客があったらどうなりますか?

バーチャルオフィスの住所へ突然来客があった場合の対応は、利用しているサービスや店舗によって異なります。

受付スタッフがいるバーチャルオフィスであれば、来訪者への案内や契約者への連絡など、一定の対応を行ってもらえる場合があります。

一方、無人店舗や住所利用・郵便物受取のみを提供しているサービスでは、来客への対応自体を行っていないこともあります。

そのため、取引先などが訪問する可能性がある場合は、契約前に来客時の対応方法を確認しておくことが重要です。

バーチャルオフィスは通常の賃貸オフィスとは異なる

まず理解しておきたいのは、バーチャルオフィスの住所を利用していても、通常はその場所に自分専用の執務スペースがあるわけではないという点です。

一般的なバーチャルオフィスでは、主に次のようなサービスが提供されています。

  • 事業用住所の利用
  • 法人登記
  • 郵便物の受取・転送
  • 電話転送
  • 電話秘書代行
  • 会議室やワークスペースの利用

具体的なサービス内容は運営会社やプランによって異なります。

住所を利用できることと、その場所で常時来客へ対応できることは別なので注意しましょう。

受付スタッフがいる場合は対応してもらえることがある

有人受付のあるバーチャルオフィスでは、契約者が不在のときに来客があった場合でも、受付スタッフが一定の対応をしてくれることがあります。

たとえば、

  • 来訪者の名前や会社名を確認する
  • 契約者が不在であることを案内する
  • 来訪があったことを契約者へ知らせる
  • 予約している会議室などへ案内する

といった対応です。

ただし、どこまで対応してもらえるかはサービスによって異なります。

受付スタッフがいるからといって、自社の従業員と同じように商品説明や商談、書類の受け渡しなどまで代行してもらえるとは限りません。

アポイントなしの訪問には注意する

バーチャルオフィスを利用している場合、取引先には事前予約なしで住所へ直接訪問しないよう案内しておくと安心です。

特にWebサイトや名刺などへ住所を掲載していると、相手が一般的なオフィスだと思い、そのまま訪問する可能性があります。

来客が想定される事業では、

  • 打ち合わせは事前予約制にする
  • 来訪前に電話やメールで連絡してもらう
  • 商談場所をあらかじめ指定する
  • 会議室を利用する場合は事前に予約する

など、来訪方法を決めておくとスムーズです。

Webサイトの問い合わせページなどに「ご来訪の際は事前にお問い合わせください」と記載しておく方法もあります。

会議室があれば取引先との打ち合わせに利用できる場合もある

バーチャルオフィスによっては、契約者が利用できる会議室や打ち合わせスペースを用意しています。

そのようなサービスであれば、事前に会議室を予約し、取引先とバーチャルオフィスの所在地で打ち合わせできる場合があります。

普段は自宅やオンラインで仕事をしていても、

  • 重要な取引先との商談
  • 契約書の確認
  • 対面での打ち合わせ
  • 採用面接
  • 外部パートナーとのミーティング

など、必要なときだけ会議室を利用するという使い方もできます。

ただし、会議室の有無や料金、利用可能時間、予約方法などはサービスごとに異なるため、来客の予定がある方は契約前に確認しておきましょう。

突然の来客がありそうなら契約前に対応方法を確認する

来客対応を重視する場合は、住所や料金だけでバーチャルオフィスを選ばないことも大切です。

契約前には、次のような点を確認しておきましょう。

  • 受付スタッフが常駐しているか
  • 突然の来客にも対応してもらえるか
  • 来客があった場合に連絡してもらえるか
  • 会議室や打ち合わせスペースがあるか
  • 来客を会議室まで案内してもらえるか
  • 会議室を利用できる曜日や時間
  • 来客対応について禁止されている行為がないか

特に取引先との対面でのやり取りが多い事業では、来客対応の有無によって使い勝手が大きく変わります。

バーチャルオフィスに突然来客があった場合の対応は、運営会社や店舗によって異なります。

「住所が使えるから、訪問されても普通のオフィスと同じように対応してもらえる」と考えるのではなく、来客があったときに誰が・どこまで対応してくれるのかを事前に確認しておくことが重要です。

2. 取引先がバーチャルオフィスの住所へ訪問しても大丈夫ですか?

取引先がバーチャルオフィスの住所へ訪問すること自体は、施設のルール上認められていれば可能です。

ただし、バーチャルオフィスは通常の賃貸オフィスとは異なり、契約者が常時その場所で勤務しているとは限りません。

そのため、取引先との打ち合わせや商談で利用したい場合は、突然訪問してもらうのではなく、会議室などを事前に予約したうえで来訪してもらうのが基本です。

住所を見た取引先が突然訪問する可能性はある

法人登記やWebサイト、名刺などにバーチャルオフィスの住所を利用していると、取引先がその住所を会社の事務所だと認識することがあります。

たとえば、

  • 近くまで来たので挨拶したい
  • 契約書や資料を直接届けたい
  • 急ぎで確認したいことがある
  • 担当者と直接話したい

といった理由で、事前連絡なしに訪問する可能性もあります。

バーチャルオフィスを利用していることをすべての取引先へ積極的に伝える必要があるとは限りませんが、突然訪問される可能性がある相手には、来訪前に連絡してもらうよう案内しておくと安心です。

取引先との商談は会議室を利用できる場合がある

会議室を備えているバーチャルオフィスであれば、必要なときだけ予約して取引先との商談に利用できる場合があります。

普段は自宅や別の場所で仕事をしていても、

  • 初回の顔合わせ
  • 重要な商談
  • 契約手続き
  • 定期的なミーティング
  • オンラインでは難しい打ち合わせ

などのときだけ対面スペースを確保できます。

自宅へ取引先を招く必要がなくなるため、自宅住所や生活空間を仕事と分けたい方にも利用しやすい方法です。

ただし、会議室は予約制となっていることが多いため、取引先へ訪問日時を案内する前に空き状況を確認しましょう。

受付があっても契約者がいるように装ってもらえるとは限らない

有人受付のバーチャルオフィスでは、来訪者への案内などを行ってもらえる場合があります。

ただし、受付スタッフは契約者本人や契約企業の従業員ではありません。

そのため、

  • 「担当者はただいま外出しています」と必ず案内してもらう
  • 自社の受付担当者として振る舞ってもらう
  • 自社の商品やサービスについて説明してもらう
  • 契約内容について取引先へ回答してもらう
  • 書類や商品を自由に預かってもらう

といった対応まで依頼できるとは限りません。

来客時にどのような案内が行われるのかは、バーチャルオフィスによって異なります。

取引先からの訪問が想定される場合は、実際の受付方法まで確認しておくことをおすすめします。

重要な書類は「直接持参」より郵送してもらう方法もある

取引先が契約書や請求書などを届けるために訪問する可能性がある場合は、あらかじめ郵送してもらう方法もあります。

郵便物の受取に対応しているバーチャルオフィスであれば、会社宛の郵便物を受け取り、転送などによって確認できます。

ただし、すべての郵便物や荷物を受け取れるとは限りません。

  • 本人限定受取郵便
  • 現金書留
  • 代金引換
  • 大型の荷物
  • 冷蔵・冷凍品
  • 危険物や貴重品

など、サービスによって受取対象外となるものがあります。

重要書類を送ってもらう場合は、利用しているバーチャルオフィスの郵便物受取ルールも確認しておきましょう。

来客が多い事業ではバーチャルオフィスが適しているかも考える

取引先が年に数回訪問する程度であれば、会議室を必要なときだけ利用する方法でも対応しやすいでしょう。

一方で、

  • 毎日のように取引先が訪問する
  • 予約なしの来客が多い
  • 店舗のように顧客を常時受け入れる
  • 商品の受け渡しを頻繁に行う
  • 常設の受付が必要

といった事業では、一般的なバーチャルオフィスよりも専用オフィスや店舗、レンタルオフィスなどのほうが適している場合があります。

バーチャルオフィスを選ぶときは、料金や住所だけではなく、自分の事業でどの程度の来客が発生するのかも考えておくことが大切です。

取引先がバーチャルオフィスの住所へ訪問する可能性がある場合は、事前連絡をお願いし、必要に応じて会議室などを予約して対応しましょう。

突然の訪問があった場合の受付方法についても契約前に確認しておけば、取引先とのやり取りをよりスムーズにできます。

3. 営業マンや業者が突然訪問してきた場合はどうなりますか?

Webサイトや法人情報などで会社の住所を公開していると、取引先だけでなく、営業担当者や各種サービスの業者などが事前連絡なしに訪問してくることがあります。

バーチャルオフィスの場合、このような突然の訪問への対応方法はサービスによって異なります。

有人受付がある場合は一定の案内をしてもらえることがありますが、無人のバーチャルオフィスでは来訪者への対応自体を行っていない場合もあります。

会社住所を公開していると営業訪問が来ることもある

法人を設立すると、会社の所在地は登記情報などから確認できるようになります。

また、Webサイトや名刺、各種事業者情報などに住所を掲載していれば、それを見た営業担当者が訪問する可能性もあります。

たとえば、

  • 法人向けサービスの営業
  • 通信・インターネット関連の営業
  • 求人・人材サービスの営業
  • 広告やWeb制作会社の営業
  • オフィス用品などの販売業者
  • 金融・保険関連サービスの営業

などが考えられます。

これはバーチャルオフィスに限ったことではなく、事業用住所を公開している会社であれば起こり得ることです。

受付があれば来訪者への案内をしてもらえる場合がある

有人受付のあるバーチャルオフィスでは、突然営業担当者などが訪問してきた場合でも、受付スタッフが一定の対応をしてくれることがあります。

ただし、具体的な対応内容は運営会社によって異なります。

たとえば、

  • 契約者が常駐していないことを案内する
  • 訪問目的を確認する
  • 連絡先や資料を預かる
  • 契約者へ来訪があったことを知らせる

などです。

一方で、営業目的の訪問については取り次ぎや資料の受取を行わないなど、独自のルールを設けている場合もあります。

「受付がある=すべての来客を自社の代わりに対応してもらえる」というわけではありません。

自分の電話番号や居場所を勝手に伝えられるわけではない

突然訪問してきた営業担当者に対して、

「契約者は普段どこで仕事をしているのか」
「担当者の携帯電話番号を教えてほしい」

などと聞かれる可能性もあります。

バーチャルオフィスの受付が契約者の個人情報や連絡先を第三者へどのように取り扱うかは、運営会社のルールによります。

そのため、来客対応を重視する場合は、

  • 来訪者へどのような案内をするのか
  • 契約者の情報をどこまで伝えるのか
  • 来客時に契約者へ通知されるのか
  • 営業目的の来訪は取り次ぐのか

なども確認しておくと安心です。

営業資料や名刺を預かってもらえるとは限らない

営業担当者が訪問した際、「担当者にこの資料を渡してください」とパンフレットや名刺などを受付へ預けようとすることも考えられます。

しかし、バーチャルオフィスでは郵便物の受取サービスを提供していても、来訪者から直接渡される資料や荷物まで預かってもらえるとは限りません。

特に、

  • 営業資料
  • 手渡しの書類
  • 商品やサンプル
  • 大型の荷物
  • 現金や貴重品

などについては、受取を断られる可能性があります。

必要な資料であれば郵送してもらうなど、あらかじめ受取方法を決めておくとよいでしょう。

営業訪問を減らしたい場合は問い合わせ方法を明確にする

Webサイトに住所を掲載している場合は、営業目的の問い合わせ方法を明確にしておく方法もあります。

たとえば、

  • お問い合わせはフォームから受け付ける
  • 来訪は事前予約制とする
  • アポイントのない訪問には対応していない旨を記載する
  • 営業目的の連絡方法を指定する

などです。

これだけですべての突然訪問を防げるわけではありませんが、「住所が書いてあるから直接訪問してもよい」と判断される可能性を減らすことはできます。

突然の訪問を自分で対応しなくて済むことがメリットになる場合もある

自宅を会社住所として公開している場合、営業担当者などが住所を調べて自宅へ訪問してくる可能性があります。

一方、事業用住所としてバーチャルオフィスを利用すれば、少なくとも公開する会社住所と自宅住所を分けやすくなります。

特に、

  • 自宅へ突然訪問されたくない
  • 家族がいる自宅を会社住所として公開したくない
  • 仕事とプライベートの住所を分けたい

という方にとっては、バーチャルオフィスを利用する理由の一つになるでしょう。

ただし、来客対応の内容はサービスによって大きく異なるため、突然の訪問が想定される場合は、契約前に受付や来客対応のルールを確認しておくことが大切です。

4. バーチャルオフィスを使っていることは来客に分かりますか?

バーチャルオフィスの住所をWebサイトや名刺などに掲載していても、住所を見ただけで必ずバーチャルオフィスだと分かるわけではありません。

一方、実際にその住所を訪問した場合には、建物の案内表示や受付方法、施設の利用形態などから、一般的な専用オフィスとは異なることが分かる可能性があります。

そのため、「バーチャルオフィスを利用していることを絶対に知られたくない」という前提で利用するのではなく、万が一確認された場合にも説明できるようにしておくことが大切です。

住所だけでは判断できない場合も多い

バーチャルオフィスで利用する住所は、一般的なオフィスビルや商業ビルなどに設定されていることがあります。

そのため、Webサイトや名刺に記載された、

  • 郵便番号
  • 都道府県・市区町村
  • 番地
  • 建物名

などを見ただけでは、その会社がバーチャルオフィスを利用しているのか、通常の賃貸オフィスへ入居しているのか判断できないこともあります。

ただし、住所をインターネットで検索すると、その場所でバーチャルオフィスサービスが提供されていることが分かる場合があります。

「住所だけ掲載しておけば絶対に分からない」と考えるのは避けたほうがよいでしょう。

実際に訪問されると分かる可能性がある

取引先などが住所へ実際に訪問した場合には、バーチャルオフィスを利用していることが分かる可能性があります。

たとえば、

  • 建物内にバーチャルオフィスの受付がある
  • 契約企業ごとの専用オフィスが存在しない
  • 受付で来訪方法について案内される
  • 複数の企業が同じ住所を利用している
  • 会議室などの共用設備を利用している

といった状況です。

特にアポイントなしで突然訪問された場合は、自社専用の事務所があるように見せることは難しいでしょう。

バーチャルオフィスの利用自体が問題というわけではない

取引先にバーチャルオフィスを利用していることが分かったとしても、それだけで事業上問題があるというわけではありません。

現在では、自宅やコワーキングスペースなどを中心に働き、法人登記や郵便物の管理などのためにバーチャルオフィスを利用する事業者もいます。

たとえば、

  • オンラインを中心に事業を行っている
  • 従業員がリモートワークをしている
  • 顧客との打ち合わせはオンラインが中心
  • 固定オフィスを持つ必要性が低い
  • 自宅住所を事業用に公開したくない

といった事業では、専用の賃貸オフィスを持たずに運営することも考えられます。

重要なのは、バーチャルオフィスを利用していることそのものより、事業内容に合った運営体制を整えているかどうかです。

実際の事業拠点があるような誤解を与えないようにする

一方で、実際には常駐していない住所について、Webサイトなどで「店舗」「営業所」「ショールーム」などと表示すると、利用者に誤解を与える可能性があります。

特に、

  • 来店型のサービス
  • 店舗営業を行う事業
  • 商品をその場で販売する事業
  • 顧客が日常的に訪問する事業

などでは注意が必要です。

バーチャルオフィスを利用する場合は、その住所で実際に提供している機能と、Webサイトなどでの表示内容が大きく食い違わないようにしましょう。

単なる事業用住所として利用しているのであれば、必要以上に実店舗や常設オフィスが存在するような見せ方をする必要はありません。

聞かれた場合は利用目的を説明できるようにしておく

取引先から、

「こちらが御社のオフィスですか?」
「普段はこちらで仕事をしているのですか?」

と聞かれることも考えられます。

その場合は、無理に通常の賃貸オフィスであるように見せるより、

  • 法人登記や郵便物管理のために利用している
  • 通常の業務はリモートで行っている
  • 対面での打ち合わせには会議室を利用している
  • 必要に応じて別の作業場所を利用している

など、実際の事業形態に合わせて説明するとよいでしょう。

特に法人間取引では、契約前の確認や審査などで事業拠点について質問される可能性もあります。

その際にも説明内容と実際の運営状況が一致していることが重要です。

「バレない住所」ではなく事業に合った住所を選ぶ

バーチャルオフィスを選ぶときに、「バーチャルオフィスだとバレないか」だけを重視する必要はありません。

むしろ、

  • 事業の信用に合った住所か
  • 来客時の対応が整っているか
  • 会議室を利用できるか
  • 郵便物を適切に受け取れるか
  • 法人登記に利用できるか
  • 自分の事業や用途で利用できるか

など、実際の事業運営に必要な条件を確認することが大切です。

バーチャルオフィスの利用が来客に分かる可能性はありますが、それ自体を隠すことを前提にするのではなく、「なぜバーチャルオフィスを利用しているのか」を自然に説明できる事業運営をしておくことが重要です。

5. 銀行や行政機関の担当者がバーチャルオフィスを訪問することはありますか?

銀行口座の開設や許認可の申請などでは、事業者の所在地や事業実態について確認されることがあります。

ただし、銀行や行政機関が必ずバーチャルオフィスへ訪問するというわけではありません。

確認方法は手続きや機関によって異なり、提出書類やWebサイト、電話、オンラインでの確認などによって行われる場合もあります。

一方で、手続きによっては事務所の現地確認が行われる可能性もあるため、「バーチャルオフィスだから訪問されることはない」と考えないようにしましょう。

法人口座開設では事業実態などが確認される

法人名義の銀行口座を申し込むと、金融機関による審査が行われます。

審査内容や基準は金融機関によって異なりますが、一般的には会社や事業についてさまざまな情報の提出・確認を求められる可能性があります。

たとえば、

  • 法人の基本情報
  • 事業内容
  • 会社のWebサイト
  • 取引内容や取引目的
  • 代表者などの本人情報
  • 事業内容を確認できる資料
  • 事業所に関する情報

などです。

バーチャルオフィスを利用している場合でも法人口座を申し込むことはできますが、バーチャルオフィスを利用しているだけで審査に通る・通らないと一律に判断することはできません。

最終的には各金融機関の審査によって判断されます。

銀行によって確認方法は異なる

法人口座の審査について、「銀行の担当者が会社住所まで確認に来るのでは?」と心配する方もいるでしょう。

しかし、すべての金融機関がすべての申込者に対して現地訪問を行うわけではありません。

確認方法は金融機関や申込内容によって異なるため、

  • 書類の提出
  • 電話による確認
  • オンラインでの確認
  • 郵便物の送付
  • 追加資料の提出

などによって確認されることも考えられます。

具体的な審査方法は公開されていない場合もあるため、「この銀行なら現地確認は絶対にない」と決めつけることも避けましょう。

許認可によっては事務所の現地確認が行われる場合がある

行政機関については、手続きによって事務所の確認方法が異なります。

許認可の種類によっては、

  • 事務所の写真
  • 平面図
  • 賃貸借契約書
  • 使用権限を確認できる資料
  • 設備の状況が分かる資料

などの提出によって事務所要件を確認する場合があります。

また、制度や申請内容によっては、実際に事務所を訪問して確認が行われる可能性もあります。

この点は前回の記事でも触れたように、「法人登記できる住所」と「許認可上の営業所として認められる住所」は同じとは限らないことにも関係します。

許認可上、実際の営業所が必要なのであれば、現地確認の有無にかかわらず、その要件を満たした事務所を用意する必要があります。

訪問されたときだけ取り繕う考え方は避ける

銀行や行政機関から現地確認が行われる可能性を考えると、

「確認の日だけ会議室を借りればいいのでは?」
「そのときだけ事務所のように見せればいいのでは?」

と考えるかもしれません。

しかし、これは避けるべきです。

重要なのは現地確認を通過するための見た目ではなく、申込時や申請時に伝えている事業内容・所在地・営業所などの情報と、実際の事業運営が一致していることです。

特に許認可では、継続的に使用できる営業所や専任者の配置などが要件になっている場合があります。

一時的に場所を用意しても、その要件を満たすことにはなりません。

バーチャルオフィスを利用していることは正確に説明する

銀行や行政機関から事業所について確認された場合は、実際の利用状況に沿って説明しましょう。

たとえば、

  • 法人登記上の本店所在地として利用している
  • 郵便物の受取先として利用している
  • 実際の業務は自宅や別の事業所で行っている
  • 対面での打ち合わせには会議室を利用している
  • 許認可上の営業所は別に設けている

などです。

必要に応じて、事業内容が分かるWebサイトや契約書、請求書など、実際に事業を行っていることを説明できる資料を整理しておくことも大切です。

訪問されるかより「確認されても説明できる状態」が重要

銀行や行政機関の担当者が実際に訪問するかどうかは、手続きや審査方法によって異なります。

そのため、「訪問される可能性は何%くらい?」「この銀行は現地確認に来る?」といった点だけを気にするよりも、

  • 事業内容を説明できる
  • 所在地の利用方法を説明できる
  • 必要な資料を提出できる
  • 許認可が必要なら営業所要件を満たしている
  • 申請内容と実際の事業運営が一致している

という状態にしておくことのほうが重要です。

バーチャルオフィスを利用していても、銀行や行政機関から所在地や事業実態について確認される可能性はあります。

「訪問されないようにする」のではなく、「どのような方法で確認されても実態を正確に説明できるようにしておく」ことを意識しましょう。

6. バーチャルオフィスの住所で取引先と打ち合わせできますか?

バーチャルオフィスに会議室や打ち合わせスペースが用意されている場合は、取引先との商談やミーティングに利用できることがあります。

普段は自宅やオンラインを中心に仕事をしていても、必要なときだけ対面で打ち合わせできる場所を確保できるのは、会議室付きバーチャルオフィスのメリットの一つです。

ただし、住所を契約しているだけで自由に施設を利用できるとは限りません。

会議室の有無や料金、利用可能時間、予約方法などはサービスによって異なるため、対面での打ち合わせを予定している場合は契約前に確認しましょう。

会議室付きなら必要なときだけ対面スペースを確保できる

バーチャルオフィスを利用する方の中には、日常的な業務を自宅やオンラインで行っている方も多いでしょう。

普段は専用オフィスが必要なくても、

  • 新しい取引先との顔合わせ
  • 商談やプレゼンテーション
  • 契約内容の確認
  • 採用面接
  • 外部パートナーとの打ち合わせ
  • オンラインでは扱いにくい資料の確認

など、対面で話したい場面はあります。

会議室を利用できるバーチャルオフィスであれば、このようなときだけ場所を確保できるため、打ち合わせのために専用オフィスを常時借りる必要性を抑えられます。

取引先を呼ぶ前に会議室を予約する

バーチャルオフィスの会議室は、複数の契約者が共用していることが一般的です。

そのため、取引先へ日時を案内する前に会議室を予約しておきましょう。

特に確認したいのは次のような点です。

  • 予約可能な日時
  • 利用料金
  • 1回あたりの利用時間
  • 利用できる人数
  • 予約方法
  • キャンセル時のルール
  • 延長できるか
  • モニターやWi-Fiなどの設備
  • 飲食の可否
  • 来客の入館方法

重要な商談であれば、当日に初めて利用するのではなく、事前に施設や受付方法を確認しておくと安心です。

住所と同じ場所で打ち合わせできるメリットもある

Webサイトや名刺に掲載している会社住所と同じ場所に会議室があれば、取引先へ打ち合わせ場所を案内しやすくなります。

たとえば、名刺に記載された会社住所とはまったく異なる貸会議室を毎回指定するより、事業用住所と同じ施設で打ち合わせできるほうが自然な場合もあります。

また、

  • 自宅へ取引先を招かなくて済む
  • カフェより周囲を気にせず話しやすい
  • 毎回別の貸会議室を探す手間を減らせる
  • 郵便物の受取などと同じ拠点を利用できる

といったメリットも考えられます。

対面での商談が一定数ある方は、住所だけでなく会議室などの付帯設備もバーチャルオフィス選びのポイントにするとよいでしょう。

会議室を自社専用オフィスのように案内しない

会議室を利用できるからといって、そのスペースが自社専用の事務所になるわけではありません。

そのため、実際には共用の会議室であるにもかかわらず、「こちらが弊社の常設オフィスです」などと、実際の利用状況と異なる説明をすることは避けましょう。

取引先から普段の勤務場所について聞かれた場合は、

  • 通常はリモートで業務を行っている
  • この住所を事業拠点として利用している
  • 対面での商談時には施設内の会議室を利用している

など、実態に沿って説明すれば問題ありません。

機密性が高い打ち合わせでは会議室の環境も確認する

取引先との打ち合わせでは、契約内容や売上、顧客情報など、第三者に聞かれたくない内容を扱うこともあります。

その場合は、単にテーブルと椅子があるかだけでなく、打ち合わせスペースの環境も確認しましょう。

たとえば、

  • 完全個室になっているか
  • 周囲に会話が聞こえにくいか
  • ドアを閉められるか
  • 他の利用者が自由に出入りしないか
  • 資料やパソコン画面を第三者から見られにくいか

などです。

オープンスペースやコワーキングスペースでも簡単な打ち合わせはできますが、機密情報を扱う場合は個室の会議室のほうが適しているでしょう。

対面での打ち合わせが多いなら設備まで含めて比較する

バーチャルオフィスを選ぶときは月額料金や住所に目が向きがちですが、取引先と会う機会がある方は、実際に利用できるスペースも確認しておくことが重要です。

  • 会議室があるか
  • 個室になっているか
  • 取引先を招待できるか
  • 受付から会議室まで案内しやすいか
  • 必要な設備がそろっているか
  • 利用料金が事業規模に合っているか

などを確認しておけば、契約後に「取引先と会える場所がなかった」と困ることを防げます。

バーチャルオフィスでも、会議室などの設備が用意されていれば取引先との打ち合わせに利用できます。

住所利用だけでなく、必要なときに実際のビジネススペースを確保できるかまで確認しておくと、バーチャルオフィスをより活用しやすくなります。

住所を公開したときに気になる来客・訪問

住所を公開したときに気になる来客・訪問

7. バーチャルオフィスの住所を名刺やWebサイトに載せても大丈夫ですか?

バーチャルオフィスの契約内容で事業用住所としての利用が認められていれば、名刺やWebサイト、会社案内などに住所を掲載できます。

むしろ、自宅で事業をしている方が自宅住所を公開せず、対外的な事業用住所として利用できることは、バーチャルオフィスの代表的な活用方法の一つです。

ただし、住所を公開すれば、取引先や顧客などが「実際に訪問できる会社所在地」と認識する可能性があります。

そのため、住所を掲載するときは来客が発生する可能性まで考えておきましょう。

さまざまなビジネスシーンで住所を利用できる

事業用住所として利用できるバーチャルオフィスであれば、契約条件の範囲内でさまざまな場所に住所を掲載できます。

たとえば、

  • 名刺
  • 自社Webサイト
  • 会社概要
  • パンフレット
  • 見積書
  • 請求書
  • メール署名
  • 契約書
  • 各種ビジネス資料

などです。

法人登記に対応したバーチャルオフィスであれば、本店所在地として登記し、Webサイトの会社概要などにも同じ住所を掲載するという使い方もできます。

ただし、外部サービスへの登録については、それぞれのサービスが定める住所要件を確認する必要があります。

住所を公開すると実際に訪問される可能性がある

Webサイトの会社概要に住所を掲載すると、閲覧した人がその住所を訪問する可能性があります。

特に、

  • 取引先
  • 顧客
  • 営業担当者
  • 配送業者
  • 求職者
  • その他の事業関係者

などが、事前連絡なしに訪問するケースも考えられます。

名刺についても同様です。

住所を記載している以上、「近くまで来たので挨拶に行こう」と考える取引先がいても不思議ではありません。

そのため、来訪を想定していない場合は、Webサイトなどに来訪方法を記載しておくとよいでしょう。

「来訪は事前予約制」と案内する方法もある

突然の訪問をできるだけ避けたい場合は、住所とあわせて来訪について案内しておく方法があります。

たとえば、

  • ご来訪の際は事前にお問い合わせください
  • 打ち合わせは事前予約制です
  • ご来訪の際は担当者までご連絡ください
  • アポイントのないご訪問には対応しておりません

といった案内です。

問い合わせフォームや電話番号も分かりやすい場所に掲載しておけば、直接訪問する前に連絡してもらいやすくなります。

実店舗や常設オフィスがあるような表示には注意する

住所を掲載できることと、その場所を自由に店舗や営業所として案内できることは別です。

実際には住所利用のみであるにもかかわらず、

  • 店舗
  • ショールーム
  • 常設オフィス
  • 来店窓口
  • 営業所

などとして案内すると、利用者が「営業時間中なら直接訪問できる場所」と受け取る可能性があります。

バーチャルオフィスの住所を掲載するときは、実際の利用状況と大きく異なる表現を避けましょう。

Googleビジネスプロフィールは別に考える必要がある

特に注意したいのが、Googleビジネスプロフィールへの住所登録です。

Googleでは、単に郵便物を受け取るためだけのバーチャルオフィスは、原則としてビジネスプロフィールの対象になりません。

コワーキングスペースなどについても、Googleが定める条件を満たしている必要があります。

そのため、「Webサイトに掲載できる住所だからGoogleマップにも登録できる」とは限りません。

名刺や自社Webサイトへの住所掲載と、Googleビジネスプロフィールへの登録は別のルールとして考えましょう。

自宅住所を公開しなくて済むメリットは大きい

個人事業主や自宅を拠点に法人を経営している方にとって、事業用住所を持つ大きなメリットは、仕事とプライベートの住所を分けられることです。

自宅住所をWebサイトや名刺へ掲載すると、

  • 不特定多数の人に自宅住所を知られる
  • 営業担当者などが自宅へ訪問する可能性がある
  • 検索結果に自宅住所が残る可能性がある
  • 家族の生活拠点と会社所在地が同じになる

といった問題が生じることがあります。

バーチャルオフィスを利用すれば、公開する事業用住所と生活拠点を分けやすくなります。

ただし、住所を公開する以上、バーチャルオフィス側へ来客が発生する可能性は残ります。

「住所を掲載できるか」だけでなく、「その住所を見て誰かが訪問した場合にどう対応するか」まで決めておくことが重要です。

8. Googleマップを見てバーチャルオフィスへ来店された場合はどうすればいいですか?

Googleマップなどで会社を検索した人が、掲載されている住所を見て直接訪問する可能性があります。

ただし、バーチャルオフィスの住所を利用しているからといって、その住所を自由にGoogleビジネスプロフィールへ登録できるわけではありません。

特に、郵便物の受取や法人登記など、住所利用のみを目的としたバーチャルオフィスはGoogleビジネスプロフィールの対象にならないため注意が必要です。

バーチャルオフィスの住所はGoogleマップへ自由に登録できるわけではない

Googleビジネスプロフィールには、ビジネスの所在地に関する独自のルールがあります。

Googleでは、企業が実際に営業していない場所にあるバーチャルオフィスは、ビジネスプロフィールの所在地として利用できないとしています。

そのため、

  • 法人登記できる
  • 郵便物を受け取れる
  • Webサイトに会社住所として掲載できる
  • 名刺に住所を記載できる

といった条件を満たしていても、それだけでGoogleビジネスプロフィールへ登録できるとは限りません。

「事業用住所として使えること」と「Googleマップ上の店舗・事業所として登録できること」は分けて考える必要があります。

コワーキングスペースでも一定の条件がある

バーチャルオフィスにコワーキングスペースが併設されている場合でも、それだけでGoogleビジネスプロフィールへ登録できるわけではありません。Googleはコワーキングスペースについても条件を設けています。

具体的には、その場所に、

  • 明確な看板がある
  • 営業時間中に顧客を受け入れている
  • 営業時間中にそのビジネスのスタッフが常駐している

といった条件を満たしている必要があります。

つまり、「必要なときだけコワーキングスペースを利用できる」「会議室を予約できる」というだけでは、Googleビジネスプロフィール上の所在地として認められるとは限りません。

誤ってGoogleマップへ登録すると来客につながる可能性もある

Googleビジネスプロフィールに住所を表示すると、それを見たユーザーは「この場所へ行けば会社や店舗がある」と考える可能性があります。

たとえば、

  • 営業時間を確認して訪問する
  • 経路案内を使って来店する
  • 商品やサービスについて相談するため訪問する
  • 求人情報を見て会社を訪問する

といったケースです。

実際にはその場所で顧客対応をしていないにもかかわらず、Googleマップ上で店舗やオフィスとして表示してしまうと、訪問者とのトラブルにつながる可能性があります。

すでにGoogleマップを見て来訪された場合は案内方法を見直す

Googleマップを見た顧客や取引先が実際にバーチャルオフィスへ来訪した場合は、なぜその住所を訪問先だと判断したのか確認してみましょう。

自社のWebサイトやGoogleビジネスプロフィールなどで、来店できる場所のように案内している可能性があります。

その場合は、

  • Googleビジネスプロフィールの登録内容
  • Webサイトの会社概要
  • アクセスページ
  • 営業時間の表示
  • 「店舗」「営業所」「オフィス」などの表現
  • 来訪についての案内

などを確認します。

実際には来店対応を行っていないのであれば、「ご来訪は事前予約制です」などの案内を追加することも検討しましょう。

Googleマップ以外から住所を調べて訪問されることもある

Googleビジネスプロフィールへ登録していなくても、会社住所そのものがインターネット上に公開されていれば、訪問される可能性はあります。

たとえば、

  • 自社Webサイト
  • 法人情報
  • 求人サイト
  • SNS
  • 業界団体や取引先のWebサイト
  • 各種企業情報サービス

などから住所を知ることもできます。

その住所をGoogleマップで検索し、建物まで訪問することも可能です。

そのため、「Googleビジネスプロフィールに登録していないから誰も来ない」と考えるのではなく、事業用住所を公開する以上は一定の来客可能性を想定しておきましょう。

来店型ビジネスでは特に注意する

飲食店や小売店、美容関連サービスなど、顧客が実際に店舗へ訪れることを前提としたビジネスでは、住所だけを利用する一般的なバーチャルオフィスとは相性がよくない場合があります。

一方、

  • Web制作
  • コンサルティング
  • IT関連
  • オンラインサービス
  • EC事業
  • フリーランス
  • リモートワーク中心の法人

など、顧客が日常的に事務所へ訪問しない事業では、バーチャルオフィスを事業用住所として活用しやすいでしょう。

大切なのは、Googleマップに表示できるかどうかだけではなく、実際の事業形態と住所の使い方が一致していることです。

Googleマップを見た人が訪問する可能性まで考え、来店を受け付けていない場合は、Webサイトなどで問い合わせ方法や来訪ルールを分かりやすく案内しておきましょう。

来客がある事業でバーチャルオフィスを使うポイント

来客がある事業でバーチャルオフィスを使うポイント

9. 来客が多い業種でもバーチャルオフィスを利用できますか?

来客がある事業でもバーチャルオフィスを利用できる場合はあります。

ただし、顧客や取引先が頻繁に訪問する事業では、住所利用を中心とした一般的なバーチャルオフィスだけでは対応しにくいことがあります。

重要なのは「来客があるかどうか」だけではなく、どのくらいの頻度で、どのような目的の来客があるのかを考えることです。

たまに取引先が来る程度なら対応しやすい

普段はオンラインや自宅などで業務を行い、必要なときだけ取引先と対面で打ち合わせをする事業であれば、バーチャルオフィスを活用しやすいでしょう。

たとえば、

  • 月に数回だけ取引先との商談がある
  • 初回契約時だけ対面で打ち合わせをする
  • 基本的なやり取りはメールやオンライン会議で行う
  • 必要なときだけ会議室を利用する

といった働き方です。

会議室を利用できるバーチャルオフィスであれば、専用オフィスを常時借りなくても、必要なときだけ対面スペースを確保できます。

毎日のように顧客が訪問する事業では注意する

一方、顧客が日常的に訪れることを前提とした事業では、住所利用だけのバーチャルオフィスでは対応できない可能性があります。

たとえば、

  • 商品を店頭で販売する
  • 来店した顧客へサービスを提供する
  • 毎日のように商談や相談を受け付ける
  • 商品や荷物を頻繁に受け渡す
  • 予約なしの来客が多い
  • 常設の受付窓口が必要

といった事業です。

このような場合は、実店舗や専用オフィス、レンタルオフィスなど、実際に顧客を受け入れられる場所を用意したほうが適していることがあります。

予約制の事業なら会議室を活用できる場合もある

来客がある事業でも、完全予約制であればバーチャルオフィスの会議室を活用できる場合があります。

たとえば、普段はオンラインで業務を行い、必要な場合だけ予約を受け付けて対面相談を行うような事業です。

この場合は、

  • 希望日時を顧客から確認する
  • 会議室の空き状況を確認する
  • 会議室を予約する
  • 来訪方法を顧客へ案内する

という流れにすれば、突然の来客を避けやすくなります。

ただし、会議室を使ってどのようなサービスを提供できるかは施設の利用規約によって異なります。

商談には利用できても、不特定多数の顧客を継続的に受け入れる営業行為などが制限されている場合もあるため、契約前に確認が必要です。

許認可が必要な業種は来客対応とは別に確認する

来客用の会議室が利用できるからといって、その住所を許認可上の営業所や事務所として利用できるとは限りません。

許認可が必要な事業では、

  • 独立した事務所が必要か
  • 継続的に使用できる場所が必要か
  • 専用スペースが必要か
  • 必要な設備を設置できるか
  • 人員の常駐や配置が必要か

など、制度ごとの要件を確認する必要があります。

前回の記事でも解説したとおり、法人登記できること、来客対応できること、許認可上の営業所として認められることは、それぞれ別の問題です。

許認可が必要な事業では、バーチャルオフィスを契約する前に所管する行政機関や専門家へ確認しましょう。

来客用の場所と法人登記住所を分ける方法もある

事業によっては、すべての機能を一つの住所にまとめる必要はありません。

たとえば、

  • 法人登記や郵便物受取 → バーチャルオフィス
  • 日常的な業務 → 自宅やリモート
  • 取引先との商談 → 会議室
  • 日常的な顧客対応 → 別の店舗や営業所

といった形で使い分けることも考えられます。

特にオンライン中心の事業では、事業用住所と実際の作業場所、商談場所を分けることで、固定費を抑えながら必要な場所だけ確保できます。

ただし、Webサイトや契約書、許認可申請などでは、それぞれの住所が何を意味するのかを正しく整理することが重要です。

「来客数」だけでなく来客対応に必要な機能を考える

バーチャルオフィスが自分の事業に合っているか判断するときは、単純に来客の人数だけで判断する必要はありません。

確認したいのは、実際にどのような対応が必要になるかです。

  • 突然の来客があるか
  • 事前予約にできるか
  • 個室の会議室が必要か
  • 受付スタッフが必要か
  • 商品や書類の受け渡しがあるか
  • 顧客が長時間滞在するか
  • 毎日利用できる場所が必要か

来客が少なく、事前予約によって対応できるのであれば、バーチャルオフィスと会議室を組み合わせることで十分対応できる場合があります。

反対に、日常的に顧客が訪れる事業では、バーチャルオフィスだけにこだわらず、店舗やレンタルオフィスなども含めて検討したほうがよいでしょう。

バーチャルオフィスが向いているかどうかは業種名だけでは判断できません。実際の来客頻度や対応方法まで整理したうえで、自分の事業に必要な環境を選ぶことが大切です。

10. 来客対応で困らないために契約前に何を確認すればいいですか?

バーチャルオフィスを契約する前には、住所や料金、郵便物転送だけでなく、来客があった場合にどのような対応になるのかも確認しておきましょう。

普段は来客を想定していない事業でも、取引先や営業担当者などが突然訪問する可能性はあります。

また、事業が成長して対面での商談が増えることも考えられます。

契約後に「取引先が来たのに対応できなかった」「会議室があると思っていたら利用できなかった」と困らないためにも、自分の事業で想定される来客を整理したうえでサービスを選ぶことが大切です。

受付スタッフの有無を確認する

まず確認したいのが、利用する拠点に受付スタッフがいるかどうかです。

バーチャルオフィスには、

  • スタッフがいる有人店舗
  • 一部の時間帯のみスタッフがいる店舗
  • 基本的に無人で運営されている店舗

などがあります。

有人受付であっても、来客への対応範囲はサービスによって異なります。

「受付がある」という情報だけで判断せず、突然来客があった場合にどのような案内が行われるのかまで確認しましょう。

突然の来客があった場合の対応を確認する

アポイントなしの来客についても確認しておきたいポイントです。

たとえば、

  • 来訪者へどのような案内をするのか
  • 来訪者の会社名や名前を確認してもらえるか
  • 契約者へ来訪を知らせてもらえるか
  • 営業目的の訪問にも対応するのか
  • 資料や名刺などを預かってもらえるか
  • 荷物や書類を直接持参された場合に受け取れるか

などを確認しておくと安心です。

特にWebサイトや名刺で住所を広く公開する場合は、想定外の来客が発生する可能性も考えておきましょう。

会議室や打ち合わせスペースを確認する

取引先との対面での打ち合わせがある場合は、会議室の有無も重要です。

単に「会議室あり」と書かれているだけでなく、実際の利用条件まで確認しましょう。

  • 個室かオープンスペースか
  • 利用できる人数
  • 利用料金
  • 利用可能時間
  • 予約方法
  • 予約できる期間
  • Wi-Fiやモニターなどの設備
  • 飲食の可否
  • 来客を招いて利用できるか

商談で機密情報を扱う場合は、完全個室になっているかなど、プライバシー面も確認しておくとよいでしょう。

契約する店舗を実際に確認してみる

可能であれば、契約前に利用予定の店舗を見学するのもおすすめです。

Webサイトの写真だけでは分からないこともあります。

実際に確認すると、

  • 建物の外観
  • エントランス
  • 受付の雰囲気
  • 会議室の広さ
  • 防音性
  • 駅からのアクセス
  • 取引先を案内しやすいか

などを把握できます。

特に取引先との商談に利用する予定がある場合は、「自分が利用しやすいか」だけでなく、取引先を安心して招ける環境かという視点でも確認してみましょう。

住所をどのように公開するか決めておく

バーチャルオフィスを契約したら、住所をどこに掲載するのかも整理しておきましょう。

たとえば、

  • 法人登記
  • 自社Webサイト
  • 名刺
  • 会社案内
  • 見積書・請求書
  • 契約書
  • メール署名

などです。

Webサイトへ住所を掲載する場合は、必要に応じて「ご来訪は事前予約制です」などの案内を加えておくと、突然の訪問を防ぎやすくなります。

なお、Googleビジネスプロフィールなどの外部サービスについては、それぞれ独自の住所要件があります。

バーチャルオフィスで利用できる住所だからといって、すべてのサービスへ同じように登録できるとは限りません。

自分の事業で発生する来客を想定する

最後に、自分の事業では誰が訪問する可能性があるのかを考えてみましょう。

  • 取引先
  • 顧客
  • 営業担当者
  • 配送業者
  • 求職者
  • 業務委託先
  • 金融機関や行政機関など

訪問する相手によって必要な対応は異なります。

取引先との商談があるなら会議室、突然の来客が心配なら受付、荷物が頻繁に届くなら郵便物・宅配便の受取サービスなど、必要な機能も変わってきます。

住所・料金だけでなく「実際に使ったとき」を考えて選ぶ

バーチャルオフィスを比較するときは、月額料金や住所のエリアが大きな判断材料になります。

しかし、実際に利用し始めると、

「取引先が来たらどうなる?」
「会議室を使いたい」
「急に書類を持って来られた」

といった、契約前には想定していなかった場面が発生することもあります。

そのため、契約前には最低でも次の点を確認しておきましょう。

  • 来客対応の有無
  • 受付スタッフの有無
  • 突然の訪問への対応方法
  • 来客時の通知方法
  • 会議室・打ち合わせスペースの有無
  • 会議室の料金や予約方法
  • 郵便物・荷物・持参書類の受取ルール
  • 来客を伴う利用についての制限
  • Webサイトなどへの住所掲載条件
  • 自分の事業内容で利用できるか

バーチャルオフィスは、単に「会社住所を借りるサービス」として見るだけでなく、実際の事業運営まで考えて選ぶことが重要です。

突然の来客があったときの対応や、取引先との打ち合わせ方法まで確認しておけば、契約後も安心して事業用住所として活用しやすくなるでしょう。

まとめ

まとめ

バーチャルオフィスは、法人登記やWebサイト、名刺などに利用できる事業用住所を確保できる便利なサービスです。

一方、通常の賃貸オフィスとは異なり、契約者がその場所に常駐しているとは限りません。

そのため、来客対応については事前に仕組みを理解しておく必要があります。

今回のポイントをまとめると、

  • 突然の来客への対応はバーチャルオフィスによって異なる
  • 有人受付でも対応してもらえる範囲はサービスごとに異なる
  • 取引先との打ち合わせには会議室を利用できる場合がある
  • Webサイトや名刺に住所を掲載すると実際に訪問される可能性がある
  • バーチャルオフィスを利用していることが来客に分かる可能性はある
  • 銀行や行政機関から所在地や事業実態を確認される場合がある
  • Googleビジネスプロフィールには独自の住所要件がある
  • 来店型の事業ではバーチャルオフィスだけでは対応しにくい場合がある
  • 許認可上の営業所として利用できるかは別途確認が必要
  • 契約前に受付・会議室・来客対応のルールを確認しておく

といった点が重要です。

特に、「住所を利用できること」と「その場所を通常のオフィスや店舗として利用できること」は同じではありません。

来客がほとんどなく、オンラインやリモートを中心に事業を行っている方であれば、バーチャルオフィスは事業用住所を確保する有力な選択肢になります。

一方、取引先との対面での商談がある場合は、受付や会議室などの設備も含めて検討するとよいでしょう。

自分の事業で「誰が、どのくらいの頻度で、何のために訪問するのか」を整理し、必要な来客対応ができるバーチャルオフィスを選びましょう。

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このコラムについて

ゼニス編集部

ゼニス編集部

ゼニス編集部では、起業・法人設立・副業・フリーランスなど、働き方やビジネスに関する実務情報を発信しています。
バーチャルオフィスの活用方法をはじめ、登記や税務、会社運営の基礎知識など、これから事業を始める方や個人事業主・法人の方がつまずきやすいポイントを、できるだけわかりやすく整理しています。

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