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個人事業主の開業届とは?提出期限・必要なケース・書き方をわかりやすく解説

個人事業主として事業を始めるとき、「開業届」という言葉を目にすることがあります。

しかし、

「開業届は必ず提出しないといけない?」
「いつまでに提出すればいい?」
「副業でも必要?」
「屋号が決まっていなくても提出できる?」
「自宅で開業する場合はどの住所を書く?」

など、初めて開業する方には分かりにくい点も多いでしょう。

開業届は、個人で新たに事業を始めた際に税務署へ提出する手続きの一つです。

特に注意したいのが提出期限です。2026年1月1日以後に開業した場合は、従来の「事業開始から1か月以内」ではなく、その年分の所得税の確定申告期限までが提出期限となっています。

そのため、インターネット上の古い情報をそのまま参考にしないよう注意が必要です。

また、開業届だけでなく、青色申告を希望する場合には別途手続きが必要になるなど、開業時にはあわせて確認しておきたい事項があります。

この記事では、個人事業主の開業届とは何か、提出期限や提出方法、書き方、副業の場合の考え方、屋号や事業所住所の記載、青色申告との関係などをわかりやすく解説します。

これから個人事業主として開業する方は、必要な手続きを整理するための参考にしてください。

個人事業主の開業届とは?

個人事業主の開業届とは?

1. 個人事業主の開業届とは何ですか?

開業届とは、個人が新たに事業を始めたことを税務署へ届け出るための書類です。

正式には「個人事業の開廃業等届出書」といい、個人事業主として事業を開始したときなどに提出します。

個人で事業を始めたことを届け出る書類

開業届には、主に次のような情報を記載します。

  • 氏名
  • 納税地
  • 職業
  • 屋号
  • 開業日
  • 事業の概要

法人を設立するときの登記とは異なり、開業届を提出して会社を設立するわけではありません。

あくまで、個人として事業を開始したことを税務署へ届け出るための手続きです。

屋号がなくても開業届は提出できる

個人事業主は屋号を必ず付ける必要はありません。

そのため、開業時に屋号が決まっていなくても開業届を提出できます。

まず本名で事業を始め、必要になってから屋号を使用することも可能です。

開業届と青色申告の申請は別の手続き

開業届を提出すれば、自動的に青色申告になるわけではありません。

青色申告を希望する場合は、原則として「所得税の青色申告承認申請書」を別途提出する必要があります。

それぞれ提出期限も異なるため、開業時にまとめて確認しておくとよいでしょう。

2026年から提出期限が変更されている

開業届について調べると「開業から1か月以内」と書かれた情報が見つかることがありますが、ここは注意が必要です。

2026年1月1日以後に事業を開始した場合、開業届の提出期限は、その年分の所得税の確定申告期限までに変更されています。

過去の記事や解説では旧制度の提出期限が掲載されている場合があるため、開業する時点の最新情報を国税庁で確認しましょう。

2. 開業届は必ず提出する必要がありますか?

個人で新たに事業を始めた場合は、開業届の提出について確認する必要があります。

ただし、開業届を提出しなければ仕事を始められない、という意味ではありません。

法人の設立登記のように、開業届の提出によって初めて事業を行えるようになる仕組みではないためです。

開業届を出してから事業を始める必要はない

個人事業は、開業届を提出して税務署から許可を受けてから始めるものではありません。

たとえば、Web制作やライティング、ネットショップなどの事業を始めた場合、実際に事業を開始した日と開業届を提出する日は異なることがあります。

ただし、業種によっては別途許認可などが必要になるため注意しましょう。

提出していなくても税金の申告が不要になるわけではない

開業届を提出していないからといって、事業によって得た所得について税金の申告が不要になるわけではありません。

所得の状況に応じて確定申告や納税が必要になる場合があります。

開業届と確定申告は別の手続きとして考えましょう。

青色申告をしたい場合は別途申請が必要

青色申告を利用したい場合は、開業届とは別に「所得税の青色申告承認申請書」の提出が必要です。

青色申告承認申請書には開業届とは異なる提出期限があります。

開業時から青色申告を予定している場合は、開業届だけでなく青色申告の手続きも早めに確認しておきましょう。

「開業届を出したからすべての開業手続きが完了」と考えず、自分の事業に必要な届出や申請をそれぞれ確認することが大切です。

3. 開業届はいつまでに提出すればいいですか?

開業届の提出期限は、2026年1月1日以後に開業した場合、その年分の所得税の確定申告期限までです。

以前は「事業を開始した日から1か月以内」とされていたため、古いWebサイトや記事を見る際には注意しましょう。

2026年から提出期限が変更された

2025年12月31日以前に開業した場合と、2026年1月1日以後に開業した場合では提出期限が異なります。

2026年1月1日以後に事業を開始した場合は、開業した年分の所得税の確定申告期限までに開業届を提出します。

そのため、「開業して1か月を過ぎてしまったから提出期限に間に合わない」と旧制度の情報をもとに判断しないようにしましょう。

青色申告の提出期限とは別なので注意する

特に注意したいのが、開業届の期限が延びたからといって、青色申告承認申請書の提出期限まで同じになったわけではないことです。

青色申告を希望する場合は、原則としてその年の3月15日までに申請します。

ただし、その年の1月16日以後に新たに事業を開始した場合は、事業開始日から2か月以内が提出期限となります。

開業したら必要な手続きをまとめて確認する

開業届だけを見ると提出まで時間があるように感じるかもしれませんが、開業時には青色申告のほか、事業内容によってさまざまな手続きが必要になる場合があります。

そのため、提出期限ぎりぎりまで待つのではなく、事業を始めた段階で必要な手続きをまとめて確認しておくと安心です。

4. 会社員の副業でも開業届は必要ですか?

会社員が副業を始めたからといって、すべてのケースで同じように開業届を提出するとは限りません。

副業には、単発の仕事から継続的に行う事業までさまざまな形があります。

「副業を始めた=必ず個人事業主として開業」というわけではなく、実際の活動内容や継続性などを踏まえて考えることが大切です。

会社員のまま個人で事業を行うことはできる

会社員として勤務しながら、個人で継続して事業を行うこともできます。

たとえば、

  • Web制作
  • プログラミング
  • ライティング
  • 動画制作
  • コンサルティング
  • ネットショップ

などを副業として行うケースです。

本業を退職してからでなければ個人事業を始められないわけではありません。

副業の内容によって所得の扱いも異なる

副業による所得がすべて事業所得になるわけではありません。

活動内容や規模、継続性などによって、事業所得ではなく雑所得などに該当する場合もあります。

開業届を提出したことだけで、所得区分が自動的に事業所得になるわけではない点にも注意しましょう。

勤務先のルールも確認する

会社員が副業を始める場合は、税務上の手続きだけでなく、勤務先の就業規則なども確認しておきましょう。

副業について届出を求めている会社や、競業にあたる事業などを制限している会社もあります。

また、副業で所得が発生した場合には、所得の状況に応じて確定申告や住民税の申告が必要になることがあります。

副業を始める際は、開業届だけに注目するのではなく、所得の扱い・税金・勤務先のルールまであわせて確認しましょう。

5. 開業届には何を記載しますか?

開業届には、個人事業主本人の情報や事業内容、開業日などを記載します。

難しい事業計画を書く書類ではありませんが、納税地や事業の概要など、実際の事業内容に合わせて正しく記載することが大切です。

主な記載項目

開業届では、主に次のような項目を記載します。

  • 氏名・生年月日
  • 個人番号
  • 納税地
  • 職業
  • 屋号
  • 開業日
  • 所得の種類
  • 事業の概要
  • 給与等の支払状況

すべての項目を一律に記載するわけではなく、自分の事業や状況に応じて必要な項目を記入します。

職業・事業の概要は具体的に記載する

「職業」や「事業の概要」には、自分がどのような仕事を行うのか分かる内容を記載します。

たとえばWeb制作を行う場合なら、職業を「Webデザイナー」、事業の概要を「Webサイトの企画・デザイン・制作」などとする方法があります。

複数の事業を行っている場合は、主な事業を中心に実態に合わせて記載しましょう。

屋号が決まっていなくても提出できる

屋号は個人事業主に必須ではないため、開業時に屋号がない場合でも開業届を提出できます。

また、自宅で開業する場合は納税地や事業所などの住所についても確認が必要です。

開業届は事業の実態に合わせて記載し、分からない項目がある場合は国税庁の記載例などを確認しながら作成するとよいでしょう。

6. 屋号がなくても開業届を提出できますか?

屋号が決まっていなくても開業届は提出できます。

屋号は個人事業主に必須ではないため、屋号を付けずに本名で事業を始めることも可能です。

屋号欄は必ず記載する項目ではない

開業届には屋号を記載する欄がありますが、屋号を使用していない場合は無理に決める必要はありません。

たとえば、Webデザイナーやライター、コンサルタントなど、個人名で活動する場合は屋号なしで事業を行うこともできます。

「開業届を提出するために屋号を決めなければならない」というわけではありません。

開業後に屋号を使い始めることもできる

最初は本名で事業を始め、事業の方向性が固まってから屋号を使用することもできます。

屋号を使い始めた場合は、確定申告書など屋号を記載できる税務書類のほか、名刺やWebサイト、請求書などにも必要に応じて反映します。

また、屋号を決める際は、同一・類似する名称や商標なども確認しておくとよいでしょう。

屋号は事業を始めるための必須条件ではないため、開業時に決まっていなければ焦って決める必要はありません。

7. 自宅で開業する場合、開業届にはどの住所を書きますか?

自宅で個人事業を始める場合は、開業届の「納税地」に自宅住所を記載するのが一般的です。

ただし、納税地と実際に事業を行う場所、対外的に使用する事業用住所は必ずしもすべて同じとは限りません。

それぞれの住所の役割を分けて考えることが大切です。

納税地は原則として住所地

所得税の納税地は、原則として住所地となります。

そのため、自宅を生活の拠点としている個人事業主であれば、自宅住所を納税地として記載するのが基本です。

住所地とは別に事業所などがある場合には、その所在地を納税地とすることができるケースもあります。

事業所が別にある場合は所在地を記載する欄もある

自宅とは別に店舗や事務所などを設けている場合は、開業届の「上記以外の住所地・事業所等」の欄に、その所在地を記載することがあります。

つまり、

  • 税務上の納税地
  • 実際の事業所
  • Webサイトや名刺などで使用する事業用住所

をすべて同じ住所にしなければならないわけではありません。

バーチャルオフィスを利用する場合も用途を分けて考える

自宅住所をWebサイトや名刺などへ掲載したくない場合は、バーチャルオフィスを利用して事業用住所を用意する方法もあります。

ただし、バーチャルオフィスの住所を利用しているからといって、その住所が自動的に所得税の納税地になるわけではありません。

開業届に記載する納税地と、事業上公開する住所を混同しないようにしましょう。

また、バーチャルオフィスの住所を事業所等として記載する場合についても、実際の利用状況や契約内容などを踏まえて判断する必要があります。

自宅以外の住所を利用する場合は、「何のために使用する住所なのか」を整理したうえで、必要に応じて税務署や税理士などへ確認すると安心です。

8. 開業届はどこに・どうやって提出しますか?

開業届は、原則として納税地を所轄する税務署へ提出します。

提出方法には、税務署の窓口へ持参する方法だけでなく、e-Taxを利用してオンラインで提出する方法などがあります。

納税地を所轄する税務署へ提出する

自宅住所を納税地としている場合は、その住所を管轄する税務署が提出先となります。

どの税務署が管轄しているか分からない場合は、国税庁の「税務署の所在地などを知りたい方」から郵便番号や住所などで確認できます。

e-Taxでも提出できる

開業届は、国税電子申告・納税システム「e-Tax」を利用してオンラインで提出することもできます。

オンラインで手続きを完結させたい場合は、e-Taxの利用方法や必要な環境を確認しておきましょう。

書面で提出する方法もある

書面で作成した開業届を税務署へ提出する方法もあります。

提出方法や送付先については国税庁の最新案内を確認し、不備がないように手続きしましょう。

また、開業届と一緒に青色申告承認申請書などを提出する場合は、それぞれの書類で提出期限が異なる点にも注意が必要です。

9. 開業届と青色申告承認申請書は何が違いますか?

開業届と青色申告承認申請書は、どちらも個人事業主が開業時に確認することの多い書類ですが、目的が異なります。

開業届は事業を開始したことを届け出る書類、青色申告承認申請書は青色申告を利用するための申請書です。

開業届は事業を始めたことを届け出る書類

開業届の正式名称は「個人事業の開廃業等届出書」です。

氏名や納税地、職業、開業日、事業の概要などを記載し、個人で新たに事業を開始したことを税務署へ届け出ます。

青色申告承認申請書は青色申告を利用するための書類

青色申告を希望する場合は、「所得税の青色申告承認申請書」を提出します。

承認を受け、一定の要件を満たすことで、青色申告特別控除などの制度を利用できます。

開業届を提出しただけで、自動的に青色申告になるわけではありません。

2つの書類は提出期限も異なる

2026年1月1日以後に事業を開始した場合、開業届はその年分の所得税の確定申告期限までに提出します。

一方、青色申告承認申請書は原則としてその年の3月15日まで、新たに事業を開始した日が1月16日以後の場合は事業開始日から2か月以内です。

そのため、開業届の期限に余裕があるからといって、青色申告の申請まで後回しにしないよう注意しましょう。

10. 開業届を提出したあとにやることはありますか?

開業届を提出したら、それだけで事業に必要な準備がすべて完了するわけではありません。

事業内容や働き方に応じて、帳簿付けや銀行口座、事業用住所、各種届出などの準備も進めていきましょう。

帳簿付けや経理の準備をする

個人事業主として事業を始めたら、売上や経費を記録して管理します。

確定申告に備えて、

  • 売上
  • 経費
  • 請求書
  • 領収書
  • 銀行口座の入出金

などを日頃から整理しておくことが大切です。

会計ソフトなどを利用すると、日々の経理作業を効率化できます。

事業用のお金を管理する環境を整える

プライベートと事業のお金が混在すると、経理作業が複雑になりやすくなります。

必要に応じて事業用の銀行口座やクレジットカードを用意し、仕事に関する入出金を分けて管理すると分かりやすくなります。

屋号を使用している場合は、金融機関によって屋号付き口座を開設できる場合もあります。

事業用住所や連絡先も整理する

事業を始めると、Webサイトや名刺、請求書、郵便物の受取などで住所や連絡先が必要になることがあります。

自宅住所をそのまま使用する方法のほか、自宅を広く公開したくない場合は、バーチャルオフィスなどを利用して事業用住所を用意する方法もあります。

仕事用のメールアドレスや電話番号なども、必要に応じて準備するとよいでしょう。

事業に必要な手続きを確認する

開業後に必要となる手続きは、事業内容によって異なります。

たとえば、

  • 青色申告に関する手続き
  • 従業員を雇用する場合の手続き
  • インボイス制度への登録
  • 業種ごとの許認可
  • 自治体への届出

などが必要になる場合があります。

開業届はあくまで開業時に行う手続きの一つです。

提出後は、税務・経理だけでなく、銀行口座や住所、連絡先なども含めて、自分の事業に必要な環境を順番に整えていきましょう。

まとめ

まとめ

個人事業主として事業を始める際は、開業届をはじめとした税務上の手続きを確認する必要があります。

開業届は正式には「個人事業の開廃業等届出書」といい、氏名や納税地、職業、開業日、事業の概要などを記載して税務署へ提出します。

特に注意したいのが提出期限です。

2026年1月1日以後に事業を開始した場合、開業届の提出期限は、その年分の所得税の確定申告期限までに変更されています。

以前の「事業開始から1か月以内」という情報が掲載されているWebサイトもあるため、最新の制度を確認しましょう。

また、開業届を提出すれば、すべての手続きが完了するわけではありません。

開業後は必要に応じて、

  • 青色申告に関する手続き
  • 売上や経費の帳簿付け
  • 事業用の銀行口座
  • 屋号
  • 事業用住所や連絡先
  • インボイス制度への登録
  • 業種ごとの許認可

などについても準備を進めます。

特に青色申告承認申請書は、開業届とは提出期限が異なるため注意が必要です。

会社員が副業として事業を始める場合も、開業届だけでなく、所得の扱いや確定申告、勤務先のルールなどをあわせて確認しましょう。

開業届は、個人事業主として事業を始める際に確認する手続きの一つです。

これから開業する方は、開業届だけに注目するのではなく、税務・経理・住所・銀行口座など、事業を続けるために必要な環境をまとめて整えていきましょう。

参考

このコラムについて

ゼニス編集部

ゼニス編集部

ゼニス編集部では、起業・法人設立・副業・フリーランスなど、働き方やビジネスに関する実務情報を発信しています。
バーチャルオフィスの活用方法をはじめ、登記や税務、会社運営の基礎知識など、これから事業を始める方や個人事業主・法人の方がつまずきやすいポイントを、できるだけわかりやすく整理しています。

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