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会社設立時の決算月はいつにする?事業年度の決め方や変更時の注意点を解説

会社の登記費用はどれぐらいかかる?会社設立前後に必要なお金について解説

会社を設立するときは、会社名や本店所在地、資本金、役員などとあわせて、「事業年度」と「決算月」を決める必要があります。

決算月というと「3月」をイメージする方も多いかもしれませんが、会社の決算月は必ず3月にする必要はありません。事業内容や繁忙期、資金繰りなどを考えながら、自社に合った時期を設定できます。

一方で、決算月は単に1年間の区切りを決めるだけではありません。

決算月をいつにするかによって、

  • 決算作業を行う時期
  • 法人税などを申告・納付する時期
  • 役員報酬を見直す時期
  • 経理業務が集中するタイミング
  • 会社の資金繰り

などにも関係します。

特に会社設立直後は、売上が安定していなかったり、設備投資や広告費などの支出が多くなったりすることもあるため、設立後の事業計画まで考えて決算月を決めることが大切です。

また、「会社を設立した月を決算月にすればいいの?」「3月決算にしたほうがいい?」「決算月は後から変更できる?」「消費税や役員報酬にも関係する?」など、初めて会社を設立する方にとって分かりにくいポイントも少なくありません。

この記事では、会社の決算月とは何か、事業年度との違いや決め方、会社設立月との関係、税金・役員報酬への影響、決算月を変更するときの注意点までわかりやすく解説します。

会社設立時の決算月に関するよくある質問

会社設立時の決算月に関するよくある質問

1. 会社の決算月とは何ですか?

決算月とは、会社の1年間の事業年度が終了する月のことです。

会社では一定の期間ごとに売上や経費、利益などを集計して決算を行います。その会計期間の区切りとなる月が決算月です。

事業年度の最終月が決算月になる

会社を設立するときは、会社の会計期間となる「事業年度」を決めます。

たとえば、

  • 4月1日から翌年3月31日
  • 7月1日から翌年6月30日
  • 10月1日から翌年9月30日

といった形です。

4月1日から翌年3月31日までを事業年度とした場合は、3月が決算月になります。

「事業年度」は会社の会計期間全体を指し、「決算月」はその事業年度が終了する月を指すと考えると分かりやすいでしょう。

決算月は3月でなくてもよい

日本では3月決算の会社を目にする機会も多いため、「会社を設立したら3月決算にするもの」と考える方もいるかもしれません。

しかし、会社の決算月を一律に3月とする必要はありません。

会社ごとに事業年度を定められるため、6月決算、9月決算、12月決算などにすることも可能です。

自社の繁忙期や売上の変動、資金繰りなどを考えながら決めることができます。

決算月の後には申告・納税がある

事業年度が終了したら、会社はその期間の売上や経費などを集計して決算を行います。

法人税の確定申告と納付は、原則として事業年度終了の日の翌日から2か月以内に行います。

たとえば、3月31日を事業年度終了日とする会社であれば、原則として5月末までに法人税の申告・納付を行うことになります。

そのため決算月を決めるときは、決算作業だけでなく、その後に申告や納税が発生することまで考えておくことが大切です。

会社設立時に決めておく重要な項目

決算月は、会社設立後の経理や税務、資金計画にも関係します。

特に、

  • 会社の繁忙期
  • 売上が増えやすい時期
  • 大きな支払いが発生する時期
  • 経理業務のスケジュール
  • 法人税などを納付する時期

などを確認しておくとよいでしょう。

決算月は会社の1年間を区切る重要な時期です。単純に3月や12月を選ぶのではなく、設立後の事業運営まで考えながら自社に合った時期を設定しましょう。

2. 会社の決算月は何月にするのがいいですか?

会社の決算月に、すべての会社に共通する「この月が最適」という答えはありません。

事業内容や繁忙期、売上の変動、資金繰りなどは会社によって異なるため、自社の事業サイクルに合わせて決めることが大切です。

繁忙期と決算月を重ねない方法がある

決算時期には、通常の経理業務に加えて、売上や経費の集計、在庫の確認、決算書類の作成などさまざまな作業が発生します。

そのため、年間を通して明確な繁忙期がある会社では、繁忙期と決算月をずらすことも検討するとよいでしょう。

たとえば、12月が最も忙しい事業であれば、12月決算を避けることで本業と決算作業が同じ時期に集中するのを防ぎやすくなります。

売上が大きく変動する時期も確認する

季節によって売上が大きく変わる事業では、売上が集中する時期も確認しておきましょう。

決算月の直前に売上が大きく増えると、その年度の利益が短期間で変動することがあります。

反対に、売上や利益の状況をある程度把握してから決算を迎えられる時期を選べば、決算までの資金計画や事業計画を立てやすくなる場合があります。

納税時期まで考えて決める

決算月を決めるときに忘れたくないのが、決算後の納税です。

法人税などは決算月と同時に支払うわけではありませんが、決算後には申告・納付の時期がやってきます。

そのため、

  • 大きな仕入れが発生する時期
  • 賞与を支給する時期
  • 設備投資を予定している時期
  • 売上の入金が少なくなりやすい時期

などと納税時期が重ならないか確認しておくと、資金繰りを考えやすくなります。

税理士へ依頼する場合は相談して決める方法もある

会社設立後の決算や法人税申告を税理士へ依頼する予定であれば、会社設立時に決算月について相談する方法もあります。

決算月は税金だけでなく、役員報酬の改定時期や事業計画にも関係するため、会社を設立してから何となく決めるのではなく、設立前から検討しておくことが重要です。

決算月は「何月が一般的か」だけで決める必要はありません。繁忙期や売上の変動、資金繰り、決算後の納税などを整理し、自社にとって経営管理しやすい時期を選びましょう。

3. 会社設立月と決算月は同じにしたほうがいいですか?

会社を設立した月と決算月を同じにする必要はありません。

会社設立時には事業年度を自由に設定できるため、設立月とは異なる月を決算月にすることも可能です。

ただし、最初の事業年度の長さにも関係するため、設立日と決算月の組み合わせはよく考えて決めましょう。

設立月と決算月が近いと最初の事業年度が短くなる

たとえば、4月に会社を設立して4月末を決算日とすると、設立初年度の事業年度が非常に短くなります。

会社を設立したばかりにもかかわらず、すぐに、

  • 決算処理
  • 決算書類の作成
  • 法人税などの申告
  • 税金の納付

といった対応が必要になります。

特別な理由がなければ、会社設立直後に決算を迎える設定が本当に必要なのかを確認しておくとよいでしょう。

最初の事業年度を長めに設定する方法もある

会社設立後すぐに決算を迎えることを避けたい場合は、設立日からある程度期間を空けて決算日を設定する方法があります。

たとえば4月に設立した会社が3月を決算月とすれば、初年度も比較的長い期間を確保できます。

設立直後は、

  • 法人銀行口座の開設
  • 税務関係の届出
  • 社会保険の手続き
  • 取引先との契約
  • 経理体制の整備
  • 営業活動

など、さまざまな対応が必要です。

最初の決算まで一定の期間を確保することで、事業運営に集中しやすくなる場合があります。

事業年度は1年を超えないように設定する

会社の事業年度は、自由に何年間でも設定できるわけではありません。

一般的には1年を超えない期間として事業年度を設定するため、会社設立日と希望する決算日の関係を確認しながら初年度の期間を決めます。

「できるだけ初年度を長くしたい」という場合でも、設立日から最初の決算日までの期間には注意しましょう。

設立月だけで決算月を決めない

初年度を長くすることは決算月を決める際の一つの考え方ですが、それだけで決める必要はありません。

決算月を検討するときは、

  • 初年度の長さ
  • 会社の繁忙期
  • 売上が増える時期
  • 決算作業の負担
  • 納税時期の資金繰り
  • 今後の事業計画

なども合わせて確認しましょう。

設立月と決算月を同じにする必要はありません。初年度の長さだけでなく、設立後の事業運営や資金繰りまで考え、自社に合った決算月を設定することが大切です。

4. 会社の決算月は3月にする必要がありますか?

会社の決算月を3月にする必要はありません。

3月決算の会社を目にする機会は多いですが、会社は自社の事業内容や経営状況に合わせて決算月を設定できます。

会社設立時に「一般的だから」という理由だけで3月決算を選ぶ必要はありません。

3月以外を決算月にすることもできる

会社の事業年度は、たとえば、

  • 1月1日から12月31日まで
  • 4月1日から翌年3月31日まで
  • 7月1日から翌年6月30日まで
  • 10月1日から翌年9月30日まで

など、自社に合わせて設定できます。

そのため、12月決算、6月決算、9月決算などを選ぶことも可能です。

3月決算が自社に合うとは限らない

決算月には売上や経費の集計などが必要となり、その後には法人税などの申告・納付もあります。

たとえば3月が繁忙期の会社で3月決算にすると、本業と決算関連の業務が同じ時期に集中する可能性があります。

反対に、比較的業務が落ち着いている時期を決算月にすれば、決算作業に対応する時間を確保しやすくなる場合があります。

取引先に合わせる必要もない

主要な取引先が3月決算だからといって、自社も同じ3月決算にしなければならないわけではありません。

決算月は自社の事業年度を決めるものなので、取引先とは別に設定できます。

取引先の決算月よりも、

  • 自社の繁忙期
  • 売上が集中する時期
  • 仕入れや設備投資の時期
  • 資金繰り
  • 経理業務の負担

などを基準に検討するとよいでしょう。

「一般的な決算月」より自社との相性を考える

会社設立時には、周囲の会社と同じ決算月を選んだほうがよいように感じるかもしれません。

しかし、重要なのは会社設立後に経営管理しやすい事業年度になっているかです。

特に季節によって売上や業務量が大きく変わる事業では、年間の事業サイクルを確認して決算月を決めるとよいでしょう。

会社の決算月を3月にする必要はありません。「多く見かけるから」という理由だけで決めず、繁忙期や売上、資金繰りなどを考えながら自社に適した決算月を選びましょう。

5. 決算月は消費税に関係しますか?

決算月は、消費税の課税期間や申告・納付時期などに関係します。

また、新しく会社を設立する場合は、資本金や設立後の売上・給与等の状況などによって消費税の納税義務が変わるため、決算月だけで判断しないことが大切です。

法人の消費税は事業年度が課税期間になる

法人の場合、原則として事業年度が消費税の課税期間になります。

そのため、会社の決算月をいつに設定するかによって、消費税の課税期間が終了する時期も変わります。

消費税の課税事業者となっている会社では、原則として課税期間終了後に消費税の申告・納付を行う必要があります。

新設法人だから必ず消費税が免除されるわけではない

新しく設立した会社には基準期間となる過去の事業年度がないため、「設立直後は必ず消費税を納めなくてよい」と考える方もいるかもしれません。

しかし、新設法人であれば無条件で消費税が免除されるわけではありません。

たとえば、設立時の資本金が1,000万円以上である場合など、一定の要件に該当すると設立初年度から消費税の納税義務が生じることがあります。

また、設立後も売上や給与等の状況などによって課税事業者となる場合があります。

インボイス登録をすると消費税の申告が必要になる

適格請求書発行事業者としてインボイス制度の登録を受ける場合にも注意が必要です。

免税事業者であっても、適格請求書発行事業者として登録すると、原則として消費税の申告・納税が必要になります。

取引先との関係から会社設立直後にインボイス登録を予定している場合は、決算月だけでなく、登録時期や消費税の納税時期まで確認しておくとよいでしょう。

消費税だけを理由に決算月を決めない

会社設立時には、消費税の負担を考えて事業年度を検討することもあります。

ただし、消費税の納税義務は、

  • 資本金
  • 売上高
  • 給与等の支払額
  • 会社の設立時期
  • 株主や出資者との関係
  • インボイス制度への登録状況

など複数の条件によって変わる場合があります。

そのため、「この決算月にすれば消費税が必ず免除される」と一律に考えることはできません。

特に設立初年度から売上が大きくなる予定がある会社や、資本金が大きい会社、インボイス登録を予定している会社などは、設立前に税理士などへ確認しておくと安心です。

決算月は消費税の課税期間や申告時期などに関係しますが、納税義務は決算月だけで決まるものではありません。会社設立時には資本金や売上見込み、インボイス登録の予定なども含めて確認しましょう。

6. 決算月は役員報酬にも関係しますか?

決算月は、役員報酬を見直す時期にも関係します。

役員報酬は従業員の給与とは異なり、法人税の計算上、会社の損金として算入するためには一定の要件があります。

そのため、会社設立時に決算月を決める際は、役員報酬をいつ決定・見直すことになるのかも確認しておくとよいでしょう。

役員報酬は事業年度ごとに検討する

会社では、事業年度が変わるタイミングで次の年度の事業計画や売上、利益などを検討します。

役員報酬についても、

  • 前年度の業績
  • 新年度の売上見込み
  • 会社の資金繰り
  • 役員個人の生活費
  • 税金や社会保険料

などを確認しながら、次の事業年度の金額を検討することがあります。

つまり、決算月が変われば新しい事業年度が始まる時期も変わり、役員報酬を見直すタイミングにも影響します。

定期同額給与の改定時期に注意する

毎月支給する役員報酬を法人税の計算上「定期同額給与」として損金算入する場合、通常の改定は原則として事業年度開始の日から3か月以内に行うなどの要件があります。

たとえば3月決算であれば、通常は4月から新しい事業年度が始まります。

一方、9月決算であれば10月から新しい事業年度が始まるため、役員報酬を通常改定する時期も異なります。

年度途中で自由に変更できるわけではない

会社の売上が増えたからといって、年度途中に役員報酬を自由に増額し、その全額を必ず損金にできるわけではありません。

反対に、資金繰りが厳しくなった場合の減額についても、税務上認められる改定に該当するか確認が必要です。

役員の職制上の地位や職務内容の変更、経営状況の著しい悪化など、一定の事情による改定が認められる場合もありますが、単なる利益調整を目的とした変更には注意が必要です。

決算後は次年度の役員報酬も早めに検討する

決算を迎えると、前年度の業績が明確になり、次年度の売上や利益についても計画を立てやすくなります。

そのため新しい事業年度が始まったら、

  • 前年度の利益
  • 今期の売上見込み
  • 今後必要になる運転資金
  • 役員個人に必要な収入
  • 税金・社会保険料の負担

などを整理し、役員報酬を変更する必要があるか早めに検討するとよいでしょう。

決算月は役員報酬の金額そのものを決めるものではありませんが、役員報酬を見直す時期に関係します。事業年度がいつ始まるのかを把握し、税務上のルールを確認しながら役員報酬を設定しましょう。

7. 決算月は会社の繁忙期を避けたほうがいいですか?

決算月は、可能であれば会社の繁忙期と重ならない時期を選ぶ方法があります。

決算時期には通常の業務に加えて、売上や経費の確認、在庫の集計、決算書類の準備などが必要になるため、本業が忙しい時期と重なると社内の負担が大きくなる可能性があります。

決算ではさまざまな確認作業が発生する

決算では、日々の経理処理に加えて、

  • 売上や仕入れの確認
  • 未収金や未払金の確認
  • 経費の整理
  • 預金残高の確認
  • 固定資産の確認
  • 在庫の確認
  • 必要書類の準備

など、さまざまな作業が発生します。

小規模な会社や一人会社では、代表者自身が経理資料を準備するケースもあるため、本業が最も忙しい時期と決算月が重なると負担が集中しやすくなります。

在庫が多い事業では棚卸しも考える

商品を販売する会社などでは、決算時に在庫の数量や金額を確認する棚卸しも重要になります。

大量の商品を扱っている場合、繁忙期と棚卸しの時期が重なると作業量が増えることがあります。

EC事業や小売業など在庫を保有するビジネスでは、年間の在庫量や業務量も考慮して決算月を検討するとよいでしょう。

決算月の後の申告時期まで考える

注意したいのは、決算月だけ避ければよいわけではないことです。

事業年度が終了した後には決算を確定させ、法人税などの申告・納付を行います。

そのため、

  • 決算月
  • 決算作業を行う翌月
  • 法人税などを申告・納付する時期

まで含めて、自社の繁忙期と重ならないか確認しておくとよいでしょう。

繁忙期を避けることだけが決算月の基準ではない

繁忙期を避けることは決算月を決める一つの考え方ですが、それだけで決める必要はありません。

決算月を選ぶときは、

  • 繁忙期
  • 売上が増減する時期
  • 在庫量
  • 大きな支払いが発生する時期
  • 納税時期の資金繰り
  • 会社設立から最初の決算までの期間

なども総合的に確認しましょう。

決算月は繁忙期を避けることで、決算作業と本業が重なる負担を軽減しやすくなります。ただし、決算後の申告・納税まで含めたスケジュールを確認し、自社の年間の事業サイクルに合った時期を選ぶことが大切です。

8. 決算月によって法人税の金額は変わりますか?

決算月を何月にするかだけで、法人税の税率が変わるわけではありません。

ただし、決算月をいつに設定するかによって、その事業年度に含まれる売上や経費の範囲が変わるため、結果としてその年度の利益や納税額に影響することはあります。

法人税は事業年度の所得をもとに計算する

法人税は、会社の事業年度ごとに計算した所得をもとに算出します。

そのため、同じ会社でも、

  • 売上が多い時期
  • 大きな仕入れが発生する時期
  • 広告費を多く使う時期
  • 設備投資を行う時期

などがどの事業年度に含まれるかによって、その年度の所得は変わります。

決算月は、どの期間の売上や経費を一つの事業年度として集計するかを決める区切りでもあります。

決算月を変えるだけで税金がなくなるわけではない

決算月を変更すれば、事業年度の区切りが変わるため、一時的に通常より短い事業年度が生じることがあります。

しかし、決算月を変更したからといって、会社が得た利益そのものがなくなるわけではありません。

そのため、「決算月を変えれば法人税を払わなくて済む」と考えることはできません。

決算月は節税だけを目的として決めるのではなく、事業運営や経理、資金繰りまで含めて検討することが大切です。

納税する時期は決算月によって変わる

法人税の金額そのものとは別に、決算月は税金を納付する時期に関係します。

法人税の確定申告・納付は、原則として事業年度終了の日の翌日から2か月以内です。

そのため、決算月をいつにするかによって、会社からまとまった資金が出ていく時期も変わります。

たとえば、大きな仕入れや設備投資、賞与の支給などと納税時期が重なると、会社の資金繰りに影響する可能性があります。

税額だけでなく資金繰りを考える

会社経営では、税金がいくらになるかだけでなく、いつ支払う必要があるのかを把握することも重要です。

決算月を決める際は、

  • 売上の入金が多い時期
  • 大きな支払いが発生する時期
  • 設備投資の予定
  • 賞与などを支給する時期
  • 納税に必要な資金を確保しやすい時期

なども確認しておきましょう。

決算月だけで法人税の税率が変わるわけではありませんが、事業年度に含まれる売上・経費や納税時期には関係します。税額だけを見るのではなく、年間の資金繰りまで考えて決算月を設定することが大切です。

9. 会社の決算月は後から変更できますか?

会社設立時に決めた決算月は、会社設立後でも変更することが可能です。

事業を続けていると、設立時には想定していなかった繁忙期ができたり、売上のサイクルが変わったりすることもあります。

現在の決算月が事業に合わなくなった場合は、必要な手続きを行ったうえで変更を検討できます。

決算月の変更は事業年度の変更になる

決算月を変更するということは、会社の事業年度を変更することでもあります。

たとえば、

  • 3月決算から6月決算へ変更する
  • 9月決算から12月決算へ変更する
  • 12月決算から3月決算へ変更する

といった変更が可能です。

ただし、決算月を変更すると、変更する年度だけ通常より短い事業年度が発生する場合があります。

定款の事業年度を確認する

会社によっては、定款に事業年度が記載されています。

定款で事業年度を定めている場合、決算月を変更するには定款変更の手続きが必要です。

株式会社の場合、定款変更は原則として株主総会の特別決議によって行います。

合同会社などでは手続きが異なるため、自社の法人形態や定款の内容を確認しましょう。

税務署などへの届出も確認する

決算月を変更した場合は、税務署などへ事業年度の変更を届け出る必要があります。

会社の状況によっては、

  • 税務署
  • 都道府県税事務所
  • 市区町村

などへの手続きが必要になります。

提出する書類や手続き方法は提出先によって異なる場合があるため、決算月を変更した後は必要な届出先を確認することが大切です。

変更後の申告・納税スケジュールに注意する

決算月を変更すると、法人税などの申告・納付時期も変わります。

さらに、変更するタイミングによっては事業年度が短くなるため、想定していたより早く次の決算や申告を迎えることがあります。

決算月を変更する場合は、

  • 変更後の事業年度
  • 次回の決算日
  • 法人税などの申告期限
  • 納税時期
  • 役員報酬の取り扱い
  • 消費税の課税期間

なども確認しておきましょう。

会社の決算月は後から変更できますが、単に経理上の日付を変更するだけではありません。定款変更や税務署などへの届出、申告・納税スケジュールへの影響を確認したうえで変更しましょう。

10. 会社設立時の決算月はどのように決めればいいですか?

会社設立時の決算月は、設立から最初の決算までの期間だけでなく、繁忙期や売上の変動、納税時期、資金繰りなどを総合的に考えて決めることが大切です。

「3月決算が一般的だから」「設立月に合わせれば分かりやすいから」といった理由だけで決めるのではなく、設立後の会社経営をイメージして検討しましょう。

最初の事業年度の長さを確認する

まず確認したいのが、会社設立日から最初の決算日までの期間です。

設立直後に決算日を設定すると、会社を設立して間もない時期に決算・申告が必要になる場合があります。

設立直後は、

  • 法人銀行口座の開設
  • 税務関係の届出
  • 社会保険の手続き
  • 取引先との契約
  • 経理体制の整備
  • 営業活動

なども重なりやすいため、最初の決算までどの程度の期間を確保するかを考えておきましょう。

年間の事業サイクルを整理する

次に、自社の年間スケジュールを確認します。

特に、

  • 繁忙期はいつか
  • 売上が増える時期はいつか
  • 在庫が増える時期はいつか
  • 大きな仕入れが発生する時期はいつか
  • 設備投資を予定している時期はいつか
  • 資金に余裕が生まれやすい時期はいつか

などを書き出してみると、決算月を検討しやすくなります。

本業が最も忙しい時期と決算作業が重ならないようにするなど、実際の業務負担まで考えて決めることがポイントです。

決算後の納税まで考える

決算月を決める際は、決算日だけでなく、その後に法人税などの申告・納付があることも考えておきましょう。

大きな支払いが発生する時期と納税時期が重なると、利益が出ていても資金繰りが厳しくなる可能性があります。

そのため、決算月を検討するときは、「いつ決算するか」だけではなく「いつ税金を支払うことになるか」まで確認することが重要です。

税金だけを基準に決めない

会社設立時には、消費税や法人税への影響を考えて決算月を検討することもあります。

しかし、税金の取り扱いは資本金や売上、会社の状況などによって異なります。

また、決算月は、

  • 消費税の課税期間
  • 法人税などの申告・納付時期
  • 役員報酬を見直す時期
  • 決算・経理業務の時期
  • 会社の資金計画

などにも関係します。

特定の税金だけを基準にするのではなく、会社全体の年間スケジュールから判断することが大切です。

会社設立後でも決算月は変更できますが、定款変更や税務署などへの届出が必要になる場合があります。

会社設立時の決算月は、初年度の長さ、繁忙期、売上のサイクル、資金繰り、納税時期などを整理し、会社を運営しやすい時期を選びましょう。判断に迷う場合や税務上の影響を詳しく確認したい場合は、会社設立前に税理士などへ相談する方法もあります。

まとめ

会社の決算月とは、会社の1年間の事業年度が終了する月のことです。

3月決算の会社を目にする機会は多いものの、すべての会社が3月を決算月にする必要はありません。会社設立時には、自社の事業内容や年間スケジュールに合わせて事業年度を設定できます。

決算月を決めるときは、次のようなポイントを確認しておきましょう。

  • 会社設立から最初の決算までの期間
  • 会社の繁忙期
  • 売上が増減する時期
  • 在庫や棚卸しの負担
  • 大きな仕入れや設備投資の時期
  • 法人税などの申告・納付時期
  • 納税時期の資金繰り
  • 役員報酬を見直す時期
  • 消費税の取り扱い

特に会社設立直後は、法人銀行口座の開設や税務関係の届出、社会保険の手続き、取引先との契約など、さまざまな対応が重なります。

設立後すぐに決算を迎える設定にすると、事業を開始して間もない時期に決算や法人税などの申告が必要になるため、最初の事業年度をどの程度確保するかも考えておくことが大切です。

また、決算月は税金にも関係します。

法人税の確定申告・納付は原則として事業年度終了の日の翌日から2か月以内となるため、決算月によって納税する時期も変わります。

消費税についても事業年度が課税期間となることがあり、新設法人であっても資本金や売上、給与等の支払額、インボイス制度への登録状況などによって納税義務が生じる場合があります。

さらに、役員報酬を定期同額給与として損金算入する場合、通常の改定は原則として事業年度開始の日から3か月以内に行うなどの要件があります。

そのため、決算月は決算書を作る時期だけではなく、税金・役員報酬・資金繰りなど会社経営全体のスケジュールに関係する項目として考えることが重要です。

会社設立後に決算月を変更することも可能ですが、定款の内容によっては定款変更が必要となり、税務署などへの届出も必要になります。

会社設立時の決算月は「一般的だから3月」と決めるのではなく、初年度の長さ、繁忙期、売上のサイクル、決算作業、納税時期、資金繰りなどを総合的に確認し、自社が運営しやすい時期を選びましょう。

参考

このコラムについて

ゼニス編集部

ゼニス編集部

ゼニス編集部では、起業・法人設立・副業・フリーランスなど、働き方やビジネスに関する実務情報を発信しています。
バーチャルオフィスの活用方法をはじめ、登記や税務、会社運営の基礎知識など、これから事業を始める方や個人事業主・法人の方がつまずきやすいポイントを、できるだけわかりやすく整理しています。

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