大企業の法人向けに用意されたクレジットカードにあたる「コーポレートカード」を活用することで、得られるメリットは多いといいます。
そこで、コーポレートカードとはどのようなもので、どんなメリットがあるのかについて、デメリットと合わせて解説いたします。
また、ビジネスカードとの違いやコーポレートカードの選び方ポイントについてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
コーポレートカードとは
コーポレートカードとは、企業規模が20名以上の大企業の法人向けにつくられたカードで、会社に対してカードを発行するだけでなく、社員1人1人が利用できるように「社員カード」の発行ができるカードです。
支払い口座に企業の口座を指定することができる「会社決済型」のカードで、おもに事業の経費の決済に活用されています。
事業の経費決済の際にコーポレートカードで企業の口座を指定することで、個人のクレジットカードを利用するのに比べ、経理作業が簡素化されるというメリットをはじめとし、そのほかにも多くのメリットがあります。
法人カードやビジネスカードとの違いは?
法人カードとの違いについて
コーポレートカードのことを「法人カード」と呼ぶこともありますが、正確には「法人カード」は企業やや個人事業主などに向けて発行されているクレジットカードの総称です。
ビジネスカードとの違いについて
法人カードのなかでも、個人事業主や中小企業など、企業規模が20名以下に向けたクレジットカードについて「ビジネスカード」と呼んでいます。
それに対して、企業規模が20名以上の大企業向けのクレジットカードについて「コーポレートカード」と呼んでおり、区別されています。
ビジネスカードとコーポレートカードは、呼び名が異なるもののクレジットカードの基本的な機能に差はなく、どちらも目的を事業経費の決済とした法人カードの一種にあたります。
ビジネスカードとコーポレートカードの異なる点としては、以下の2点が挙げられます。
- 利用限度額
- 従業員用カードの発行可能枚数
コーポレートカードは、ビジネスカードよりもカードの利用限度額が大きくなっています。
なお、利用限度額は役職や所属する部門など、カード使用者ごとに設定することが可能です。
従業員用カードの発行可能三数は法人カードの種類によっても異なりますが、ビジネスカードの発行可能枚数が3~5枚程度なのに対し、コーポレートカードでは数百枚単位での発行が可能となっています。
コーポレートカードの特徴
コーポレートカードは個人に向けたクレジットカードと比較し、限度額が高く設定されている点が特徴です。
また、カードに付帯する特典についても、個人向けとは異なり、法人向けに特化されたものが多く、福利厚生といった面でも役立ちます。
コーポレートカードのメリット
経理業務の効率化につながる
コーポレートカードのメリットとしてまず挙げられるのは、経理の効率化です。
経費へ計上するもののなかには、領収書がもらえないものもあります。そのような場合、個人名義のクレジットカードで決済をすると、あとから明細を参照し、明細のなかから経費へ計上するものについて登録をしなければなりません。
個人カードでは、事業に向けた支払いだけでなく、プライベートの支払いも混ざっていることが多く、経理の処理に手間がかかってしまいます。
それに対してコーポレートカードを用意すれば、事業に関係する支払いをまとめて管理できるようになります。コーポレートカードと会計ソフトとを連携することで、自動で明細に取り込むこともできるようになり、明細から拾って登録する手間が省けるので、大幅な業務効率化につなげることもできます。
社員の経費精算の簡略化につながる
業務に関して支払った経費の精算で、社員が現金で支払いを行い、小口現金にて経費精算を行っているという会社は、いまだ少なくありません。
経費精算には精算を行いたい社員にとっても経理担当者にとっても手間暇がかかり、大きな業務負担となっていることでしょう。
社員に対してコーポレートカードを発行すれば、社員が支払いに現金を払う代わりにカードで支払うことができ、カード払いをした各社員の経費について、現金での管理の必要が無くなります。
個々の支払い実績についても把握しやすくなるのも、大きなメリットです。
カード付帯の特典が充実している
コーポレートカードに付帯している特典は、ビジネス向けとなっており、コワーキングスペースやホテル、スポーツクラブ、空港ラウンジなど、施設の利用割引を受けられたり、健康相談サービスを受けられたりする特典は、社員への福利厚生の福利厚生の一環としても役立つでしょう。
また、税理士や会計士などへの相談サービス、そして国内外への旅行損害保険などが付帯しているものもあり、経費削減に繋げられる特典もあります。
年会費を経費へ計上することができる
コーポレートカードは、法人カードなので、年会費を経費へ計上することができます。年会費を経費計上することで、節税対策にもつながるでしょう。
支払い時期を先延ばしできる
予定外の資金が必要となった際など、カード支払いにすることで口座からの引き落とし時期を先延ばしさせることができ、資金繰り対策としても活躍します。
コーポレートカードのデメリット
年会費の負担が必要となる
コーポレートカードを使用するには、年会費の負担が必要となります。
年会費はカードによって大きく異なるため、カード選びの際になるべく年会費の安いカードを選ぶことで、負担を押さえることができます。
また、初年度のみ年会費が無料となるもののほか、利用金額の実績によって翌年度の年会費が無料となるカードもあるので、よく確認するとよいでしょう。
カードの管理が必要になる
社員数の増加に伴い、カードの発行が必要となるなど、カードの管理が必要となります。
また、社員によるプライベートへの不正利用を防止するため、カードを導入時にはしっかりルールの取り決めを行い、徹底するように呼び掛ける必要があります。
徹底するように呼び掛ける必要があります。
さらに、社員のカード利用状況については経理部で毎月のチェック体制を整えるなど、チェックを欠かさずに行う必要もあります。
コーポレートカードの選び方ポイント
コーポレートカードの導入にあたって、どのカードを選ぶかのポイントについて見てきましょう。
1.年会費
コーポレートカードの年会費は、毎年の出費となります。付帯の特典の充実を優先するのか、年会費をできるだけ抑えるのか、よく検討するのが大切です。
2.限度額
資金繰り対策に利用する場合は、限度額へ注目して選びましょう。万が一に備えて限度額が高めのものを選ぶとよいでしょう。
(限度額は審査によって希望通りとならない場合もあります。)
また、社員ごとに限度額を設定できるものを選ぶことで、社員による不正使用対策にも繋がります。
3.付帯の特典
自社が活用できる特典が付帯しているカードを選びましょう。
出張が多い会社なら、海外国内保険が付帯しているものを選べば、経費削減につながる可能性が高いでしょう。
4.申し込み基準
コーポレートカードの申込基準は、カードによって異なる部分があります。自社が基準を満たしているかどうかを確認し、申込基準に合うものを選ぶ必要もあります。