ヨーロッパ諸国を中心に導入されている「週4日勤務」。日本でも週4日勤務を選べる企業が増えつつありますが、休日が増えるとどのようなメリットがあるのでしょうか?
ここでは週4日勤務の概要やメリット・デメリット、導入ずみの企業例を解説。また休日が増えることで給与が減ってしまうのが心配な方に向け、おすすめの副業5選をご紹介します。
週4日勤務とは?
週4日勤務(週休3日制)とは、一週間の労働日数を4日、休日を3日としたワークスタイルのことです。
週4日勤務ありの企業では“2つのスタイル”がみられる
週4日勤務では、「労働時間」と「給与」について議論されることがあります。
休日が1日増える週4日勤務は、そのままでは月の総労働時間が減り、給与も減ります。
しかしこれでは生活などに影響が出る労働者も増えてしまうでしょう。
そのため、企業によっては「休日を増やす代わりに、1日あたりの労働時間を長くする」という方法で、給与額を維持するシステムにしているところが多く見られます。
- 1日の労働時間は変わらない(月の総労働時間が変わり、そのぶん給与も減少する)
- 1日の労働時間が長くなる(月の総労働時間が変わらず、給与も変わらない)
週4日勤務を強制せず「選択制」にしている企業が多い
週4日勤務と聞くと魅力的に感じますが、社員によっては週4日勤務を望まない場合もあるでしょう。
そこには「顧客対応が滞るから」「労働時間が長くなったり、給与が減ったりするのが嫌だから」など、さまざまな理由が挙げられます。
こうした事情から、「選択肢の一つ」として週4日勤務が選べるシステムを採用し、社員自身が最適な働き方を選べるように配慮している企業も多いです。
週4日勤務のメリット・デメリットは?
週4日勤務には、どのような利点があるのでしょうか。ここでは社員側と企業側、それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。
週4日勤務のメリット
- 仕事とプライベートを両立しやすい
- 自己研鑽や副業など、パラレルキャリアに挑戦できる
- 集中力アップや生産性の向上が期待できる
【企業側のメリット】
- 経費削減などの効果が期待できる
- 社員のエンゲージメント向上につながる
週休2日で用事や病院、買い物などに1日を費やすと、ゆっくり休めるのは残り1日しかありません。疲れが抜けず「週休2日では全然足りない」という方も多いのではないでしょうか。
週休が3日に増えれば、趣味を楽しむ時間、家族と過ごす時間の余裕が生まれます。
また資格の勉強やセミナー参加などの自己研鑽に使ったり、副業でプラスアルファの収入・キャリアを作ったりもできるでしょう。しっかり休むことで仕事に集中しやすくなり、結果的に生産性を向上させられる効果もあります。
また週4日勤務は、企業側にとっても経費削減につながります。それぞれがモチベーションを維持しつつ働ける環境が整うことで、社員のエンゲージメント向上、離職防止にもつながるでしょう。
週4日勤務のデメリット
- 制度の内容によっては給与がダウンする
- 1日あたりの労働時間が増えて負担が増える場合も
- 効率や成果がより重視されるようになる
【企業側のデメリット】
- 社休日が増えると取引に影響が出る場合もある
- 労務管理が複雑になる場合がある
「労働時間を減らし、給与も減る」という週4日勤務方式の場合、手取り収入がダウンします。一方、給与は変わらないものの1日の労働時間が増えるタイプの場合は、精神的・肉体的な負担が増える可能性が高いでしょう。
労働日数が減る分、1日あたりの効率や成果がより重視されるようになる点も知っておくべきです。
さらに、企業側としては社休日が増えることで外部企業との取引の機会を逃したり、労務管理が複雑になったりといったデメリットもあります。
週4日勤務を導入している企業が増えている
有名企業の中にも、週4日勤務を導入しているところが増加しつつあります。
選択式週4日勤務(週休3日制)を導入している企業
- ユニクロ
- 日本マイクロソフト
- 佐川急便
- 日本KFCホールディングス
- Zホールディングス(旧・ヤフー株式会社)
- ファミリーマート
- 大和ハウス工業
- ヤマト運輸
- 味の素AGF
- 東芝
- ナレッジソサエティ
- みずほフィナンシャルグループ など
週4日勤務を試験導入した「日本マイクロソフト」の例
週4日勤務(週休3日制)の導入例として有名なのが、日本マイクロソフト社です。
同社ではプロジェクトの一環として、2019年8月の金曜日を全て休日に設定。正社員は特別有給休暇とし、オフィスもクローズするなどの対策を徹底しました。
測定の結果、社員の長期休暇取得率の向上、福利厚生制度の利用率アップといった効果が得られました。また社員の中には、自己啓発や新たなチャレンジに臨む人材も増えたそう。終了後のアンケートでは、週4日勤務を評価すると答えた社員は全体の9割を超えています。
参考:「週勤 4 日 & 週休 3 日」を柱とする自社実践プロジェクト「ワークライフチョイス チャレンジ 2019 夏」の 効果測定結果を公開 – News Center Japan
週4日勤務を超えた「週3日勤務」を実現する企業も登場している
バーチャルオフィスやシェアオフィスを提供する「ナレッジソサエティ」では、週休3~4.5日の“週休X日制”を導入。1日あたりの労働時間を長くして週の所定労働時間(週40時間、または30時間)をクリアすると、休日の数を増やせる仕組みです。
制度をうまく活用すれば、かなり柔軟な働き方ができるようになるでしょう。
参考リンク:採用情報(週休3日制を超えた週休4日制の正社員求人 | 副業OK)|ナレッジソサエティ
週4日勤務の会社で収入を増やすには?おすすめの副業5選
「週4日勤務は理想的だけれど、給与が減ってしまうのは困る」という場合、副業で不足分をカバーするという手もあります。
週4日勤務で副業をするメリット
- 無理なく収入アップが望める
- 副業なら働くか、休むかも自由に決められる
- 本業とは別のキャリア、スキルが手に入る
週3日の休みのうち、週1~2日を副業にあて、残りを休息日として使う……といった方法なら、無理なく収入アップが望めます。副業の内容・規模によっては、週5日働くより多くの収入を得られる可能性もあるでしょう。
また本業の勤務日に休むのは難しいことですが、副業なら「今日は副業を休んでゆっくりする」という過ごし方も可能です。副業を始めることで、本業とは別のキャリア・スキルを身につけられるのもメリットでしょう。
週4日勤務の会社員におすすめの副業は?
週4日勤務の会社員におすすめしたい、5つの副業をご紹介します。
- ネットショップの運営
- アフィリエイト
- Webライター
- セミナー講師、コンサルティング
- 投資
これらは会社勤めをしながら両立しやすく、かつさまざまなスキルが身に付く利点があります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ネットショップの物販
ネットショップで商品を販売する副業は会社員にも人気です。売れ筋商品を安く仕入れて高く売るといった販売スタイルが一般的ですが、手先が器用な方ならハンドメイド作品をつくり、販売してもよいでしょう。
ネットショップで物販をする場合は、ネットショップを簡単に開設・運営できるサービス(BASEやSTORES、メルカリShopsなど)を利用するとスムーズです。
アフィリエイト
アフィリエイトはブログや動画にアフィリエイト広告を貼って報酬を得るビジネスです。
自分が書いたブログ記事や動画などのコンテンツで商品を紹介し、それを見たユーザーが広告をクリックしたり、購入につながったりした場合に報酬が発生します。
収益が出るまでには半年~1年ほどかかるため即効性はありませんが、コンテンツを積み上げていけば継続的な収入を得ることもできます。会社員として働きながらコツコツ作業ができる人におすすめです。
Webライター
WebライターとはWeb上の記事コンテンツ(ハウツー記事やコラム、体験談など)を書くビジネスです。
すきま時間を使って仕事ができ、業務量をコントロールしやすいのが利点で、副業としても人気があります。
Webライターになるにはクラウドソーシングで案件を探したり、SNSや求人サイトから仕事を獲得したりする方法があります。専門的な資格、他の人にはない経験を持っている人は高単価の案件を獲得できる可能性があるので、検討してみてはいかがでしょうか。
セミナー講師、コンサルティング
会社員の中には、自身のキャリアやスキルを活かし、セミナー講師やコンサルティングとして活躍している方も多いです。安定した報酬を得るにはセミナー・コンサルのクオリティやわかりやすさはもちろん、集客方法を工夫する必要があります。
自己研鑽をいとわない向上心の強い方は、副業としてチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
投資
会社員の副業としては「投資」もおすすめです。最近ではスマホやPCで投資ができるようになったこと、マネーリテラシーを身につけたいと考える方が増えたことなどから、投資にチャレンジされる方も増えました。
- 株式投資:株式の売買利益や配当利益、株主優待の特典を得る投資方法。
- 投資信託:投資家から資金を集め、運用のプロが代わりに分散投資をする方法。
- FX:外国為替証拠金取引のこと。通貨を売り買いしたときの「差額利益」が収入となる。
- 不動産投資:不動産を購入し、貸したり売ったりして利益を得る投資。
- REIT(リート):不動産投資信託のこと。不動産投資に比べ少額から始められる。
- 暗号資産(仮想通貨):ビットコインなどを売買し、差益を得る投資方法。
ただし、投資にはリスクもあります。またある程度の元手が必要になる投資もありますので、メリットやデメリット、利回りなどを考慮して投資先を選びましょう。
週4日勤務でワークライフバランスを向上させよう
週4日勤務で休日が増えれば、「これまで挑戦してみたかったけれど、休日が少なくてできなかったこと」を実現できる可能性が広がります。そうなれば、ワークライフバランスの向上にもつながるでしょう。
もしお勤めの会社が週4日勤務を導入していない場合は、週4日勤務を導入している企業へ転職する方法もあります。今後、週4日勤務が多くの国内企業で導入されるようになれば、“珍しくない働き方”となっていくかもしれませんね。