ビジネスの場においてよく使われる言葉に、「モチベーション」という言葉があります。
「モチベーションを維持する」「モチベーションが上がらない」などという具合に使うことが多いようですが、「モチベーション」とは具体的にはどのような意味があるのでしょうか?
そこでこの記事では「モチベーション」の意味や正しい使い方、そしてモチベーションが下がる要因について改めて見ていきたいと思います。
また、モチベーションマネジメントについても紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
モチベーションとは?
モチベーションとは、日本語で「動機づけ」を意味し、人が何かのアクションを起こす際の要因や気持ちを表します。
動機とは、一般的に「意欲」や「やる気」と同じの意味で使用されており、仕事に対するモチベーションとは、仕事などを行う意欲を指してします。
モチベーションは、仕事に関することだけではなく、スポーツ選手がスポーツに取り組む意欲について語る際にもよく用いられる言葉です。
モチベーションの使い方
「モチベーションを上げる」とは?
ビジネスの場において「モチベーションを上げる」とは、仕事に対して意欲的に取り組むことができる状態に気持ちを持ち上げることを表します。
「モチベーションを上げる」のほかにも、「モチベーションアップを図る」「モチベーションを向上させる」という使い方をすることもあり、これらは皆同様の意味を表します。
仕事に対するモチベーションを上げることで、仕事へ集中して取り組むことができ、業務を効率的に行うことができたり、高い成果を挙げることが期待できます。
「モチベーションを下げる」とは?
「モチベーションが下がる」とは、仕事に対してやる気が起こらず、前向きに取り組めない状態になることを指します。
「モチベーションを下げる」のほかにも、「モチベーションが落ちる」「モチベーションが低下する」などという使い方をすることもあり、どれも「やる気がなくなる」ことを意味しています。
仕事に対するモチベーションが下がることで、仕事の質が落ちたり、時間がかかったり、成果が上がらない状態を引き起こすことが予想されます。
職場でモチベーションが下がる要因
職場で社員のモチベーションが下がると、会社の生産性が落ちる原因となるため、会社は社員のモチベーションが下がらないように注意することも大切です。
社員のモチベーションが下がってしまう要因にはどのようなものがあるのでしょうか。
社員のモチベーションを下げてしまう主な要因には、次のようなものが挙げられます。
1.待遇の悪化
待遇の悪化によってモチベーションが下がる人は多いでしょう。特に、個人の仕事での成果や勤務状況に変化がないにも関わらず、給与や報酬が減額されたなど、理不尽な待遇の悪化が起こると、モチベーションへの影響は大きいものです。
2.適切な評価がなされない
スキルを適切に評価し、真面目に業務に取り組む社員の気持ちをくみ取る評価制度が整っているかどうかは、社員のモチベーションに大きな影響を与えます。
人一倍頑張って会社に貢献しているつもりなのに、人事評価や給与が上がらないという場合もモチベーションが下がる要因となるでしょう。
自分の頑張りを会社や上司が適正に評価してくれない、評価制度自体に公平性が感じられない、というケースも、社員のモチベーションを下げてしまう大きな要因となります。
3.転勤や異動
業務を真摯にこなしているのに、希望しない転勤や異動が生じることで、社員のモチベーションを大きく下げてしまうことがあります。
転勤や異動は、職場環境や生活環境をも変えてしまうことがあるため、仕事へのモチベーションを維持できるかどうかについて、個人差が大きいものです。
特にプライベートで大きな問題が生じる可能性がある転勤や異動は、できるだけ避けた方が会社にとっても良いかもしれません。
4.人事制度や評価制度の変更
今まで年功序列制度の元で長年働いてきた社員にとって、年功序列制度から成果主義へと急激に制度を変更することで、モチベーションを下げてしまう人は少なくありません。
若いころは、年齢や社歴によって給与が決まり、いくら頑張っても給与に反映されなかったという人にとって、会社に長らく勤務して給与がようやく上がってきたところで、成果主義へと移行してしまえば、モチベーションにも影響が起こるでしょう。
人事制度や評価制度の変更は慎重に行う必要があるでしょう。
5.会社の経営方針の変更
会社のトップが代わった、経営悪化で業務を縮小せざるを得なくなったなど、会社の経営方針が変わることで、社員のモチベーションが下がることもあります。
これらの要因が起きた時は、社員のモチベーションが下がらないよう、社員へのフォローが必要となるでしょう。
モチベーションマネジメントとは?
モチベーションマネジメントとは、社員が業務を行うなかでモチベーションを維持できるように会社が管理することです。
会社側は、社員のモチベーションの状態に敏感に反応し、モチベーションを下げ得る要因を見つけたら、それを取り除いたり適切なフォローを行ったりするのが望ましいでしょう。
また、モチベーションを下げないように配慮するだけでなく、モチベーションを上げるような仕組みを整えることも大切です。
社員のやる気を引き出すモチベーションマネジメント
社員のやる気を引き出すモチベーションマネジメントでは、社員の「やりがい」に繋がる制度を整えることが重要です。
目標設定と目標の共有
会社の目標を、組織単位の目標、チームの目標、そして個人の目標へ落とし込んでそれぞれ設定し、個人の目標を達成することが、会社全体の発展に繋がる、または顧客満足に繋がることを明確に認識できるようにします。
研修やグループディスカッションなどを取り入れ、経営層の考えだけではなく社員の声も反映させられるよう、情報を共有する取り組みも大切です。
会社や上司からの適切な評価
会社や上司から、社員個々の業務に対して適切な評価がされているかどうかは、モチベーションマネジメントに非常に重要だといえます。必要に応じて評価制度の見直しを行い、できるだけ評価に公平性をもたせるようにしましょう。
また、評価が給与の金額に反映させる仕組みがない場合は、社員個々のがんばりが給与にも反映するよう、報酬制度などを設けるのもよいでしょう。
定期的な面談などでコミュニケーションを取る
上司と部下とで定期的な面談の場を設け、コミュニケーションをしっかりと取ることも大切です。業務で困っていることはないか、職場に関する悩みがないかどうかなど、面談などでしっかりとコミュニケーションを取っておくことで、社員のモチベーションの状況を把握しやすくなるでしょう。
また面談において、会社や上司から期待されている、という姿勢を示すことでも、社員のモチベーションアップに繋がるでしょう。
働き方の希望について把握する
社員が希望する働き方は、プライベートの状況によってそれぞれ異なるものです。バリバリ働いて早期にキャリアアップを目指したい社員ばかりではなく、プライベートに事情があり転勤や昇格などによる負担をできるだけ避けたいと考える社員もいるでしょう。
そういった働き方の希望について会社が把握しておくことで、配置換えのミスマッチによるモチベーション低下を避けることができるでしょう。