誰もが手軽に起業できる時代において、「バーチャルオフィス」をご活用されて会社を設立したり、フリーランス・個人事業主として開業されたりする方が増えています。
そこで本記事では、バーチャルオフィスとはどのようなサービスなのかをわかりやすく解説。バーチャルオフィスの利用目的やサービス内容、メリット・デメリット、費用相場、利用に適した業種や選び方のポイントについてもくわしくお伝えします。
バーチャルオフィスが気になっている方は、ぜひご参考にしてみてください。
バーチャルオフィスとは?
まずはバーチャルオフィスがどのようなものか、簡単におさらいしておきましょう。
バーチャルオフィスとは、「現実にある事務所ではなく、仮想のオフィスを提供する」という特徴を持ったサービスです。厳密には、住所のみを貸し出すというサービスで、利用者はその住所を名刺やホームページに記載して利用する仕組みです。
ネットやクラウドサービスが発達し、現代社会では「働く場所」を確保することの必要性が従来ほど大きくありません。特にフリーランスの方や起業したばかりの方は、自宅を作業場にしているというケースがほとんど。わざわざ実在するスペース(事務所やオフィス)を借りる必要がないのです。
しかし自宅住所を世間に公開してしまうと、プライバシー保護の観点でリスクが高くなります。そこで、自宅住所とは違う、公に広めても問題がないビジネス専用の住所に対するニーズが高まっているのです。
バーチャルオフィスは、こうした“今だからこそのビジネス事情”を反映したサービスであるといえるでしょう。
スタートアップに活躍のバーチャルオフィス
ベンチャービジネスの立ち上げや個人事務所の開業、フリーランサーとしての独立、あるいは副業の開始など、さまざまな形で起業する方が増えてきています。バーチャルオフィスは、こうした方々から特に注目されるサービスとなっています。
ビジネスをスタートするにあたって、拠点となる「オフィス」をどこに構えるのかは十分に検討すべき課題の一つです。最初からレンタルオフィスなどを利用してオフィスを構えるとなると、物件探しや契約手続きなどに大きな労力がかかります。
そのうえ、入居にあたっての初期費用や、入居後の賃料・光熱費などのランニングコストが発生することになり、起業直後には多大な負担となります。
スタートアップ期や副業、スモールビジネスにおいて、実作業にあたる場所自体は、自宅の一室などで事足りるケースが多いものです。そのため、まずは「自宅兼事務所」という形で事業のスタートを検討するのが現実的かもしれません。
しかしこの場合「自宅住所を本社所在地として登記したり公開したりして良いのだろうか?」というのが悩ましいところですね。賃貸住宅の場合、契約上オフィスとしての利用は難しいというケースもあるでしょう。このような場合に便利に利用できるサービスが、バーチャルオフィスなのです。
レンタルオフィス・シェアオフィス・コワーキングスペースとの違い
バーチャルオフィスとよく似たサービスに、レンタルオフィス、シェアオフィス、コワーキングスペースがあります。それぞれの特徴や向いている人は以下のとおりです。
バーチャルオフィス | レンタルオフィス | シェアオフィス | コワーキングスペース | |
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特徴 |
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専有オフィススペース | 無しの場合が多い | 有 | オフィスによっては有(個室ブース) | オフィスによっては有(個室ブース) |
ひと月あたりの費用相場 | 1,000円~数万円程度 | 数万円 | 数千円~数万円 | 数千円~数万円 |
法人登記の可否(※1) | ○ | ○ | ○ | ○ |
許認可の申請(※2) | × | ○ | × | × |
プライバシーの守りやすさ | ○ | ○ | △ | △ |
向いている人 |
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※2 業種によっては個室スペースがあっても要件を満たさず、許認可・申請が認められない場合があります。
バーチャルオフィスは自宅などに作業スペースを確保する必要があるものの、月1,000円程度から利用できる点が大きな特徴です。また安価ながらも都内の一等地住所が利用できたり、法人登記ができたりとビジネスに必要な機能が揃っています。
どのオフィスが向いているかは専有スペースの要不要や機密情報の保管、業種・業務形態によっても変わりますが、「自宅で作業できるので、ビジネスに使える一等地の住所だけを安く借りたい」という場合はバーチャルオフィスをご活用されるとよいでしょう。
バーチャルオフィスの利用目的
バーチャルオフィスを利用するにあたって「既に利用している人はどんな目的で利用しているの?」と気になる方も多いのではないでしょうか。バーチャルオフィスの主な利用目的には、独立・起業のほか、副業対応・出張・営業所・支店などがあります。ここではそれぞれの利用目的について具体的に解説します。
独立・起業・開業のため
バーチャルオフィスの利用目的で特に多いのが、独立・起業や開業のための利用です。
一般的に独立・起業・開業と聞くと「賃貸オフィスを借りてビジネスを始める」というイメージがありますが、そのためには多くの初期費用がかかりますし、月々の賃料も高額になりがちです。
しかし近年は、ネットやクラウドサービスを活用してバーチャルオフィスで住所だけを借り、ご自宅で手軽に独立・起業・開業をされる方が増えています。バーチャルオフィスによっては郵便物の転送サービスや電話番号を借りることもできますし、法人登記ができるバーチャルオフィスが主流になりつつあります。
法人登記の際の登記住所は第三者に公開されますが、バーチャルオフィスを利用すれば自宅の住所を晒すことなく安全に法人を設立できます。また、一等地の住所を利用することで対外的な信用を得やすくなる利点もあります。
出張所・営業所・支店にするため
二つ目に多い利用目的が、企業の出張所・営業所・支店としての利用です。
バーチャルオフィスは都内などの一等地で運営されている場合も多く、出張所や営業所・支店としてバーチャルオフィスの住所を活用することで企業イメージの向上につながる場合があります。
業種に合った住所のバーチャルオフィスなら、ブランディングに役立つでしょう。
また貸し会議室付きのバーチャルオフィスなら、近隣のクライアントとの打ち合わせや会議などを行うワークプレイスとして利用でき、大変便利です。
なお、出張所・営業所・支店としての利用においては、対外的な印象向上のために都心でアクセスしやすい場所にあるバーチャルオフィス、外観・内装が美しいバーチャルオフィス、受付スタッフが在籍しているバーチャルオフィスが選ばれる傾向が強いです。
副業に対応するため
近年は本業で会社員として働く傍ら、バーチャルオフィスを活用して副業を行う方も増えています。
バーチャルオフィスの住所は副業用のWEBサイトやネットショップに掲載する住所として利用できます。都心一等地の住所を掲載することで信用性を高められますし、自宅住所の公開を防いで安全に副業ができるでしょう。
また、バーチャルオフィスのプランやオプションを活用することで事業用の固定電話番号・FAX番号を借りることも可能です。バーチャルオフィスのこうしたサービスは、プライベートと副業用の連絡先を分けたい場合に大変役立ちます。
バーチャルオフィスなら月1,000円程度から、ネットショップ専用なら500円台から借りられるところもあるため、住所レンタルに高いコストをかけたくない副業ワーカーにも最適です。
バーチャルオフィスのサービス内容
バーチャルオフィスでは、どのようなサービスが利用できるのでしょうか? ここでは、一般的なバーチャルオフィスに共通しているサービス内容をご紹介します。
- 法人登記などで「本店住所」として使える住所のレンタル
- 郵便物の受け取り、および指定住所への転送
- 固定電話番号のレンタル
- 電話対応などのバックオフィス業務代行
- FAXの利用/個人専用FAX番号の貸し出し
- プライベートロッカーの貸し出し
- 貸し会議室の提供
一般的なバーチャルオフィスの基本プランでは、「住所レンタル」と「郵便物の受け取り・転送サービス」がセットになっているケースが大半を占めています。それ以外のサービスは、プランのグレードを上げたり、オプションを追加したりすると使えるようになります。
住所貸し出しサービス
バーチャルオフィスで借りた住所は、法人登記に利用可能です。またバーチャルオフィスの住所は、個人事業主として起業する場合の「開業届」にも使用できます。
郵便物の受け取りサービス
ビジネスを続けているとさまざまな郵便物・荷物のやり取りが生じますが、バーチャルオフィスをビジネスに利用している場合はその住所宛てに郵便物が届きます。
バーチャルオフィスの多くは受け取った郵便物を一定期間保管してくれるサービスを行っており、まとめて受け取ることができます。
固定電話番号の貸し出し、電話対応の代行サービス
さらにバーチャルオフィスでは、住所だけではなく固定電話番号も借りられるのが特徴です。固定電話番号を持つことで、クライアントやお客様からの信用を得やすくなる効果があります。
また、転送機能が付帯している場合、かかってきた電話はあらかじめ指定しておいた電話番号(自身のスマホ等)へ転送されます。
なお、バーチャルオフィスには電話対応を代行してもらえるサービスもあります。
自身に代わって電話応対をしてもらえて、その内容はメール等で通知されます。営業や打ち合わせなどで電話に出られないときにも着信をキャッチできるようになり、大変便利です。
バーチャルオフィスのメリット
バーチャルオフィスの基本的な概要を押さえたところで、バーチャルオフィスのメリットについて見ていきましょう。
初期費用の大幅な削減
バーチャルオフィス最大のメリットのひとつが、大幅な経費削減効果です。特に初期費用は顕著で、実際に貸しオフィスを借りるとなると、敷金礼金、保証金などを支払わなくてはいけません。敷金礼金は賃料の数か月分、保証金は6か月から多い場合だと1年分というところもあります。
仮に賃料20万円、敷金礼金が2か月分、保証金が6か月分の貸しオフィスを借りたとしたら、契約時に200万円の支払いをしなくてはいけません。何かと出費がかさみ、まだ事業も軌道に乗っていないスタートアップ時にこれはかなり大きな支出であると言えます。
その点、バーチャルオフィスであれば入会金を支払うだけです。入会金は業者によってさまざまですが、高くて1万円程度ですからそれほど大きな負担にはなりません。
また、貸しオフィスを仕事場にするのであれば、デスクやプリンター、暖房器具などなど、作業をするための備品を新調する必要が出てきます。しかしバーチャルオフィスを利用する場合は自宅を作業場にすることが前提になるので、そういった設備の購入費もかかりません。
月々の利用料金も1万円以下のバーチャルオフィスがほとんどですので、ランニングコストも小さく抑えられます。
では、バーチャルオフィスを利用すると、事務所を借りることと比べてどれだけ経費削減になるのか見ていきましょう。
<東京の一等地に事務所(1R:賃料12万円/月)を借りたと想定>
敷金(保証金) | 賃料6か月分(72万円) |
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礼金 | 賃料2か月分(24万円) |
前家賃 | 賃料1か月分(12万円) |
仲介手数料 | 賃料1か月分(12万円) |
火災保険料 | 2万円 |
保証会社に支払う保証料 | 賃料1か月分(12万円) |
デスク、イス | 5万円 |
パソコン、コピー機 | 15万円 |
エアコン | 10万円 |
電話 | 2万円 |
合計 | 168万円 |
事務所の賃料や導入する設備が変われば多少前後はすると思いますが、だいたい150万円以上の初期費用がかかることになるのです。
また、ここに加えて次の費用もかかってきます。
- 電気代、ガス代などの光熱費
- インターネット通信回線費
- 消耗品などの雑費
それに対して、東京の一等地にあるバーチャルオフィスの住所(月額料金5000円)を借りた際にかかる費用は基本的に登録料の1万円だけです。もちろん契約する業者によって差は出てきますが、多くても数万円程度で済むでしょう。
また、自宅を仕事場にすれば設備投資費用もほとんどかかりません。つまりバーチャルオフィスを利用することで、だいたい150万円以上のコストカットになるのです。
また、初期費用だけではなく、ランニングコストも事務所を借りるよりもはるかに安くなります。上記の賃料で比較した場合ですと、月々11万5000円の差です。これを年間にすると、138万円の差になります。
このように、バーチャルオフィスを利用することでかなり経費削減になることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
一等地の住所を利用できる
バーチャルオフィスが提供している住所は、基本的に一等地です。東京都内であれば都心の住所を安い利用料で借りることができます。
取引先や顧客から信頼してもらうというのは、事業をする上でかなり重要なポイントです。しかし、設立間もない会社や、独立したばかりのフリーランスなど、まだ実績がない方にとって、取引先や顧客から信頼してもらうというのは容易ではありません。
もちろん実績を積み重ねることで信頼を勝ち取っていくことは可能ですが、実績の少なさがスタートアップ時の事業経営の大きな足かせになることは事実です。
そのようなときに、一等地の住所を会社の所在地として利用できることが大きなアドバンテージになります。「この場所に住所を持っている会社であれば安心だろう」と考える人も少なからずいるからです。そうでなくても、全国から仕事の発注が来る可能性が高くすることができます。
例えばホームページ作成代行業であれば、広島県の会社が山梨県の会社に発注する可能性は、それこそよほどの実績がない限り高くなるとは言えないでしょう。
しかし、東京都の会社であれば、遠方からの発注も見込めます。それが日本の首都である東京という大都市の持つ力であると言えるでしょう。
とはいえ、スタートアップの段階でいきなり東京都内に事務所を構えることは現実問題難しいかもしれません。そのようなときに、安い利用料で一等地の住所を借りることができるバーチャルオフィスが役に立つのです。
プライバシーの保護
バーチャルオフィスの利用は、事業にとってプラス面があるだけではなく、日常生活においてもメリットがあるものです。
出費を限界まで切り詰めたいと考えている方の中には、バーチャルオフィスの利用にかかる料金も削りたいと考えている方もいるかもしれません。
しかし自宅を会社オフィスにするというのは、その住所を名刺やホームページに記載することになり、プライバシー保護の観点から見るとかなりリスクが高いと言えます。特に若い女性であればストーカー被害に遭う危険性が高くなるでしょう。
また、賃貸マンションなどに住んでいる場合、契約上居住以外の利用を禁止していることが多々ありますので、事業を起こしていることが知られた際に違約金の支払いを命じられるケースもありますし、最悪強制退去もあり得ます。
バーチャルオフィスを利用することで、そのようなトラブルを未然に防ぐことができるようになるのです。
必要なとき必要なだけオフィス機能を利用できる
1つ目のメリットの「初期費用の大幅な削減」とも関連する内容ですが、「必要なときにだけ、必要な機能を利用できる」という点もバーチャルオフィスのメリットです。
例えば実際にオフィスを構え、OA機器などを導入し、事務スタッフを雇用した場合、実際にはそれらを使用していない時間の分も含めて固定費としてコストがかかることになります。
固定費の削減は、経費削減において重要なポイントとなるため、特に起業直後の事業者は意識すべき課題です。
バーチャルオフィスであれば、必要なときに使用した機能の分だけをコストとしていると考えることができます。
近年では、シェアリングエコノミーが普及するなど、「ものを所有しない」という風潮が広く浸透し始めています。バーチャルオフィスの利用は、こうした現代的な考え方とも通ずる効率のよさもメリットの一つだと言えるでしょう。
自宅以外の住所に法人登記が可能
自宅での作業がメインになる人は、わざわざオフィスを構える必要がないため、法人登記する際の住所も自宅にするケースが多いでしょう。ですが、法務局に自宅の住所を届け出した場合には、情報が公開されてしまうのでプライバシーの確保が難しくなります。
家族がいる人や女性の一人暮らしの場合には、防犯上の観点からも避けた方が良いでしょう。
バーチャルオフィスの住所レンタルは、法人登記に利用できるため、このようなケースでも活用することが可能です。
固定電話やFAX番号の導入がかんたん
バーチャルオフィスでは固定電話番号、FAX番号をオプション等で利用できるケースが多く見られます。通常、電話回線を引こうとすると各種手続きや開通工事などの手間がかかりますが、バーチャルオフィスであればオプション利用を申し込むだけですのでスムーズにビジネスが始められます。
また、バーチャルオフィスによっては電話代行秘書サービスを利用できる場合もあります。ご自身が電話に出られない場合も代行スタッフが丁寧な電話応対をしてくれるので、ビジネスチャンスの取り逃しを防ぎつつ顧客からの印象アップにもつなげられます。
バーチャルオフィスの利用料は経費計上できる
バーチャルオフィスの初期費用やバーチャルオフィスの月額料金、オプション料金などについては、貸しオフィスと同じく全額を経費計上できます。法人はもちろん、個人事業主(フリーランス含む)や副業をしている方についても確定申告時に経費として申告可能です。
なお、仕訳における勘定科目は「支払手数料」を用いる場合が一般的です。
バーチャルオフィスのデメリット
いろいろなメリットがあるバーチャルオフィスですが、利用するのであれば事前に知っておきたいデメリットもいくつかあります。しっかり押さえておきましょう。
ほかの利用者と住所がかぶってしまう
バーチャルオフィスの利用者数は増加傾向です。それに対して提供できる住所には当然限りがありますので、中には複数の利用者が同じ住所を借り、会社の住所として利用しているケースもあります。
顧客が住所をネットで検索した場合、複数の会社が検索結果として表示されることがあり、顧客に不信感を抱かれることもあるかもしれません。その結果バーチャルオフィスを利用していることが知られてしまう可能性もあるでしょう。
とはいえ、バーチャルオフィスで住所を借りることは決して悪いことではありません。前項で紹介した通り、プライバシーを守るためにバーチャルオフィスを利用している方も大勢います。働き方が多様化した現代社会では、費用の面で起業のハードルを低くしてくれるバーチャルオフィスの存在は、ごく当たり前の存在になりつつあるのです。
そのため後ろめたい気持ちになる必要はないのですが、顧客や取引先がどう感じるか、というのが重要視されるビジネスの世界。ほかの会社の住所と重複する可能性があるバーチャルオフィスの利用は、顧客の考え方次第ではマイナスイメージにつながってしまうことがあるというのを念頭に置いておくようにしましょう。
銀行の法人口座を開設するのが難しい場合もある
バーチャルオフィスには、多様多種な事業者が利用できるメリットがある反面、犯罪に使われやすいといったデメリットもあります。このようなマイナスイメージが多いバーチャルオフィスの場合には、銀行の法人口座を開設するのが難しくなるでしょう。
犯罪収益移転防止法の対象には、金融機関も含まれている為にバーチャルオフィスに住所を置いていると犯罪を疑われて、融資を断られたりするケースもあります。
バーチャルオフィスを使った犯罪の多くはマネーロンダリング(資金洗浄)や詐欺です。犯罪目的で住所を借りる人と、これから真剣にビジネスを立ち上げようと思っている人を身分証1枚で見分ける事はかなり困難とも言えるでしょう。
真剣にビジネスを始める方にとって銀行口座一つ開設するのに、こんなに資料を提出しなければいけないのかと、面倒に思われる背景には、現実にバーチャルオフィスが犯罪の温床になっていた過去があるのが実態だと思います。
銀行の法人口座開設や社会保険加入ができない、ということは誤解です
バーチャルオフィスは「法人銀行の口座開設ができない」「社会保険に加入ができない」という話を聞いたことがある方も多いかもしれません。しかし、それは誤解で、バーチャルオフィスであっても法人銀行の口座は開設できますし、社会保険にも加入できます。
バーチャルオフィスだからという理由で疑われる前に、しっかりと事業内容を開示したホームページや事業計画書を用意することが有効になる事もあります。その他に、口座開設にあたり様々な資料を求められるケースもありますが、真摯に向き合い情報開示していくことをお勧めします。
また、レゾナンスでは過去のお客様の実績から銀行口座を解説しやすいネットバンクなどをご紹介することも可能です。
すでに過去に犯罪に使われた事のある住所などで事業を始めてしまうと、無駄に疑われたり審査に時間がかかったりというケースもありますので、信頼のおけるバーチャルオフィスを借りることも事業を成功させるポイントになってきます。
なお、都心一等地の住所を月額990円~でレンタル可能な当社「レゾナンス」では、法人口座開設のお手伝いをしています。申し込みはオンラインで完結するため、銀行に出向く手間もかかりません。
ご興味のある方は、バーチャルオフィスのレゾナンス公式サイトをご覧ください。
郵便物が届くまでに時間がかかる
郵便物はバーチャルオフィスから転送されてきますが、どうしてもタイムラグが生じますので、急ぎの取引などに影響を与える可能性もあります。
起業をすると、郵便、書留、ダイレクトメール、宅配物など様々な荷物が届きます。ご自宅や賃貸オフィスの場合はすぐに受け取りができますがバーチャルオフィスの場合は、バーチャルオフィスに届いた物を利用者様の指定場所に転送いたしますので、迅速に郵便を受け取りたい場合でも、お時間がかかる場合があります。
仕事をするスペースは別で確保しなくてはならない
バーチャルオフィスを利用するには、作業などに使う執務スペースを別途確保する必要があります。そもそもバーチャルオフィスは住所や電話番号といったオフィスの機能を借りるサービスであり、作業スペースを提供しているバーチャルオフィスは割合としては少ないのです。
よって業務のための作業スペースや来客時の応対スペースについては、ご自宅やコワーキングスペース、カフェ、貸し会議室などを活用して確保する必要があることを知っておきましょう。
ちなみに、バーチャルオフィスによっては貸し会議室を併設しているところもあります。打ち合わせや会議などが多い業種の方は、貸し会議室併設のバーチャルオフィスを利用されると便利です。
バーチャルオフィスの費用相場
バーチャルオフィスを利用するうえで気になるのが「どれくらい費用がかかるのか」という点でしょう。バーチャルオフィスはサービスの内容に応じてプランが設けられているケースが多く、利用料金もサービスのボリュームに応じて変化します。
住所貸しサービスの場合
住所貸しサービスのみなら、月500円からの格安で利用可能なバーチャルオフィスもあります。平均としては数千円で見積もっておくとよいでしょう。
また、入会時に初期費用がかかりますが、バーチャルオフィスによって料金設定は大きく異なります。
- 初期費用:数千円~数万円
- 月額利用料:500円~
初期費用が無料でも月々の料金が高めに設定されていたり、法人登記は別料金になっていたりするケースもあります。よって「必要な機能に対しどれだけのトータルコストがかかるか」を計算したうえで、バーチャルオフィスを選びましょう。
郵便転送サービスの場合
郵便転送サービスについては基本料金に含まれるケースも多いですが、転送の際には実費送料が必要になります。料金は同封する郵便物の大きさ・重さによって異なり、大きいものや厚みが3cmを超えるものなどは宅配便による転送対応となるのが基本です。
- 転送料金(送料):200円~500円
- スポット転送:500円/1回
- 書留・追跡記録付郵便・宅配便の受取費用:300円
- デジポット:1,000円~
なお、送料の支払についてはデジポット式(あらかじめチャージしておき送料等を差し引くシステム)で対応しているバーチャルオフィスも多いです。
電話転送サービスの場合
バーチャルオフィスによっては、転送電話番号を借りられるサービスを提供しています。これは固定電話番号を借り、電話がかかってくると指定した電話番号へ転送してくれるというものです。
また、バーチャルオフィスによっては専任のオペレーションスタッフが電話応対を代行してくれるサービスもあります。こちらは応対そのものを任せられるため、多忙な方にもおすすめです。応対内容や伝言はメールなどで速やかに報告してくれるため、取引先・顧客との円滑なコミュニケーションが実現します。
- 月額利用料:2,200円~4,950円
※既定のコール数以上は追加料金が発生する場合あり
パック料金の場合
バーチャルオフィスによっては「住所貸し」「郵便転送」「法人登記」などの機能をプランとしてまとめ、パック料金として設定しています。
- 1種類のサービスのみ:500円~
- 住所貸し・郵便転送・法人登記ありのプラン:990円~
- 住所貸し・郵便転送・法人登記・転送電話:3,190円~
バーチャルオフィスによっては、オプションで機能を追加していくより、最初からいろいろな機能が利用できるプランを選んだ方がかえってお得に利用できる場合があります。また毎月定額での支払いになるぶん、必要な費用の見通しが立てやすいのも魅力です。
「法人登記だけできればいい」という場合と「郵便転送や電話応対代行をお願いしたい」という場合では必要な機能も、かかる費用も変わってきます。
ご自身に合ったプランが分からない場合は、見積もり計算サービスでシミュレーションをしてみるか、バーチャルオフィスに相談してみるのもひとつの手です。
バーチャルオフィスの利用に適した業種・業界
バーチャルオフィスの利用に適しているのは固定のオフィスが不要な業種です。
- WEBデザイナー
- システム開発、ソフトウェア開発
- インターネットサービス(WEBマーケティング等)
- ライター
- デザイナー
- 動画配信者
- 動画編集者
- ネットショップやECサイトの運営
- 広告代理店
- 各種コンサルティング
- 講師、学習塾、外国語教室
- カウンセラー、コーチング、インストラクター
- 占い師
- 美容師、ネイリスト、セラピスト
- オンライン秘書 など
WEB・IT関連の業種やクリエイティブ関連の業種、ネットサービス関連の業種はインターネット環境さえあれば業務が行えるため、物理的なオフィスを必ずしも必要としません。このような業種はバーチャルオフィスと相性が良いでしょう。
またコンサルティングや講師業、カウンセリング業など、クライアントの元へ訪問したり、WEB上で相談を受けたりといったことが可能な業種においても同様です。
なお、有料職業紹介事業や人材派遣業、一部の士業、建設業や古物商などの業種については、バーチャルオフィスでの開業に向いていません。バーチャルオフィスでは設備等の要件を満たせず、開業許認可が下りないことがその理由です。
- 有料職業紹介事業
- 人材派遣業
- 弁護士など一部の士業
- 建設業
- 不動産業
- 廃棄物処理業
- 探偵業
- 金融商品取引業
- 古物商
- 風俗営業
上記の業種で開業される場合は、許認可申請が通る形式のオフィス(賃貸オフィスやレンタルオフィスなど)の利用をおすすめします。
IT業界
システム開発やソフトウェア開発エンジニア、WEBデザイナーやインターネットサービスなどのIT業界は、PCとネット環境があれば場所を問わず起業できます。ご自宅はもちろん、コワーキングスペースやカフェなどでも作業が可能です。エンジニアの場合は請負で客先に出向する場合も多いでしょう。
これらの業種はバーチャルオフィスと相性が良く、事業拠点として活用することでご自身の信用性を高めながらスムーズにビジネスを行えるようになります。法人はもちろん、フリーランスのエンジニア、WEBデザイナーとして活動されている方にもおすすめです。
クリエイティブ業界
出版物や製品などのデザイン業、WEBや書籍のライター、動画編集者・配信者等のクリエイティブ業界もバーチャルオフィスとの相性は良好です。
クリエイティブ業界にはIT業界と同様にPC・ネット環境さえあればどこでも稼働できる業種が多く、普段の作業は自宅やコワーキングスペースで行い、事業拠点としてバーチャルオフィスの住所を使用することで、プライバシーを守りながら対外的な印象アップにつなげられます。
フリーランス(個人事業主)として活動されている方も多い業種ですが、バーチャルオフィスなら安価で利用できるため、コストが気になる方でも安心です。
ネットショップ業界
バーチャルオフィスは、「BASE」などの各種ネットショップサービスやECサイトを活用し、実店舗を持たずネット上でショップを運営する方にも向いています。
ネットショップでは「特定商取引法に基づく表記」として、事業者の氏名、事業実態がある住所、連絡先などの掲載が義務付けられています。よってご自宅でネットショップを運営されている場合は、不特定多数の人へ自宅の住所を公開することになってしまいます。
自宅住所の代わりにバーチャルオフィスの住所を利用すれば、プライバシーを守りながら安全にネットショップ運営ができるようになります。
コンサルティング業界
経営コンサルタントやWEBコンサルタントなどのコンサルティング業界は、基本的に客先へ訪問して業務を行うため固定のオフィスをそれほど必要としません。そこで役立つのが一等地のバーチャルオフィスです。
一等地住所が利用できるバーチャルオフィスを事業拠点にすれば、顧客からの信頼を獲得しやすくなり、ブランディング効果が高まります。これにより新規顧客獲得数の増加や高評価につながりやすくなるメリットも期待できるでしょう。会議室が利用できるバーチャルオフィスなら、セミナー開催や顧客からの相談に対応することもできます。
教育・研究支援業界
会議室のあるバーチャルオフィスは、少人数制の学習塾や英会話講師、趣味・資格スクールなどの学習支援業を生業としている方にもおすすめです。
会議室は時間単位で借りられるうえ、利用料金も1時間1,000円程度と安価に設定されています。
賃貸オフィスを借りる場合に比べると10分の1~100分の1程度の価格でフレキシブルに利用できるため、運営コストを大きく削減できるでしょう。
都心のバーチャルオフィスなら、生徒さんも通いやすく、集客効果も高まります。
出張・訪問型ビジネス
ヘアメイクやネイル、マッサージなどの業種やカウンセラー、占い師、インストラクターなどの出張・訪問型ビジネスとバーチャルオフィスの相性は抜群です。
出張・訪問型の業種では自宅で個人事業主として開業し、客先で業務を行うケースが多く見られます。バーチャルオフィスを活用すれば、低コストで事業に使える住所が利用できます。
バーチャルオフィスなら自宅住所の公開を防ぐこともできますし、一等地住所を利用することで顧客からの信頼を獲得しやすくなります。
また、業種に応じた住所を選べばブランディング効果も得られます。たとえば美容業界なら「銀座」「新宿」など、関連するイメージの一等地住所を利用してイメージアップにつなげられるでしょう。
バーチャルオフィスの選び方
バーチャルオフィスを選ぶ際には、費用やサービス内容など、いくつかの項目をチェックすることが失敗を防ぐコツです。
本項では、バーチャルオフィス選びにおいて確認しておきたい6つのポイントをご紹介します。
これからバーチャルオフィスを探される方は、ぜひ以下の6点を基準に比較検討してみて下さい。
立地場所
バーチャルオフィス選びではオフィスの立地をかならず確認しておきましょう。ここでいう立地とは、住所だけではなく「駅からの距離」や「周辺施設」「治安」などを含みます。
会議や打ち合わせなどでバーチャルオフィスを利用する機会は意外に多いものです。その際にバーチャルオフィスが駅から遠かったり、入り組んだ場所にあったりすると非常に不便です。また、周りが風俗街・飲み屋街であったり、治安が悪い場所にあったりするバーチャルオフィスは、対外的に良くない印象を与えてしまう可能性があります。
よってバーチャルオフィスを探す際には、バーチャルオフィスの住所と立地条件を必ずチェックしておきましょう。現地に直接足を運べるとベストですが、難しい場合にはGoogleマップのストリートビューで確認するのも良い方法です。
契約期間
バーチャルオフィスを選ぶ際には契約期間や延長、解約の条件についても確認しておきましょう。
契約に関する仕組みはバーチャルオフィスにより様々です。一般的には「月払い」「半年払い」「年払い」などの契約方法があります。
また利用期間が終了したときの扱いとしては、自動で契約更新されるケースと、新たに継続の手続きが必要になるケースがあります。契約更新が必要な場合は「何ヶ月前までに契約更新手続きが必要なのか」を含めて手続き方法を確認しておきましょう。
また、年払いの場合は中途解約時の返金の有無についても確認しておくと安心です。
郵便物の転送回数・連絡の有無
郵便物転送のあるバーチャルオフィスを利用される場合は、郵便物転送の回数(頻度)や連絡の有無を確認しておくと安心です。
郵便物転送の頻度はバーチャルオフィスや選んだプランによっても異なりますが、一般的には月1回・隔週・週1回のいずれかとなる場合が多いです。ご自身宛てに届く郵便物の量や頻度に合った回数を選びましょう。
また、バーチャルオフィスによっては郵便物が到着したとき、発送をしたときなどに報告をしてもらえる場合もあります。
報告ありの場合はアプリやメールなどで通知を受け取ることができ、どんな郵便物が届いたのかを把握できますので大変便利です。文章での報告だけでなく、写真付き報告ならばより具体的に郵便物の内容を把握しやすくなります。
なお、報告連絡はプラン料金に含まれる場合と有料オプションで利用できる場合がありますので、そちらも含めて要確認です。
法人登記の有無
近年は法人登記ができるバーチャルオフィスが増加しつつありますが、中には法人登記に対応していないものもあります。
契約してから「法人登記に対応していなかった」なんてことにならないよう、法人として契約されたい方や会社設立を視野に入れている方は、バーチャルオフィスが法人登記に対応しているかどうかも必ず確認しておきましょう。
また、法人登記OKのバーチャルオフィスの場合は「基本プランの料金で法人登記ができるか」「別途オプションの場合は毎月いくら費用が必要なのか」も確認しておきましょう。
初期費用・月額料金・保証金・手数料の額
バーチャルオフィス探しでは「月額料金」に目がいきがちですが、保証金や入会金などの初期費用やサービス利用時にかかる手数料についても必ず確認しておきましょう。
保証金や入会金などの初期費用にはバーチャルオフィスごとに大きな幅があり、安いところでは数千円程度、高いところでは10万円ほどになる場合もあります。保証金は原則として解約時に返却されますが、入会金については返却されない場合が多いため、イニシャルコストを抑えたい方は必ず確認しましょう。
また、バーチャルオフィスでは郵便物の受け取り、発送時などに送料とは別で手数料がかかる場合があります。「サインが必要ない郵便物は手数料が無料だが、サインが必要な書留・荷物は受け取り手数料がかかる」というところも多いので、細かな料金までチェックされることをおすすめします。
有人・無人
バーチャルオフィスを比較検討するときは、有人か無人かをチェックすることも重要です。
一般的に無人のバーチャルオフィスは、格安で利用できる傾向にある一方、来客時の応対はできません。またサインの必要な郵便物、荷物などの受け取りにも対応していない場合が多く、荷物のやり取りが多い方の利用には不向きです。
有人受付タイプのバーチャルオフィスなら、受け取れる郵便物・荷物の種類も多く、来客応対も可能です。
書留やゆうパックなどの郵便物・荷物が多く届く方、対外的な自社イメージを重視される方は、有人受付のバーチャルオフィスを選びましょう。
バーチャルオフィスに迷ったら、レゾナンスへ
近年はさまざまな運営会社がバーチャルオフィス事業を展開しており、サービス内容や値段についても多種多様です。よってご利用検討中の皆様の中には、「どのバーチャルオフィスがいいのかわからない」と迷ってしまわれるケースも多いかと存じます。
バーチャルオフィス「レゾナンス」では、月額990円から、格安の価格でバーチャルオフィスをご提供しております。基本プランにはビジネス用の法人登記も可能な一等地住所・郵便物のお受け取り・転送サービスが含まれており、コストパフォーマンスを気にされる方にもおすすめです。
さらにレゾナンスでは、4つの銀行と連携しスピーディーな法人口座開設のご紹介を行っております。
登記申請書類をスマホから作成できるサービス、起業に役立つ各種サービスの会員限定ご紹介サポートなども実施していますので、スムーズにビジネスを始めたい方にも最適です。
- 格安で法人登記がしたい
- 気軽に使える事業用住所がほしい
- 固定電話や電話代行をおトクに利用したい
- 貸しロッカーやFAXなどを利用したい
- 法人口座の開設を考えている
- 起業に必要なサポートをおトクに利用したい
- 異業種との交流機会が欲しい
このような方は、ぜひレゾナンスのバーチャルオフィスをご検討ください!
月額990円から!レゾナンスの格安バーチャルオフィスについてくわしく見る
まとめ
本記事ではバーチャルオフィスの基礎知識として、利用目的やサービス・オプション内容、メリット・デメリットなどをご紹介しました。
バーチャルオフィスはオフィスがいらない業種の方におすすめのサービスです。賃貸オフィスやレンタルオフィス等に比べると安価で利用できるため、法人はもちろん個人事業主やフリーランス、副業ワーカーの方でも利用しやすい点は大きなメリットといえるでしょう。
一等地住所のブランド力を活用できる点も大きな魅力であり、事業運営をスムーズにできる可能性も高まります。地方にお住まいの方が都心に拠点を持ちたい場合にも最適です。
これからバーチャルオフィスを探される方は、本記事を参考にしていただき、ご自身に合ったバーチャルオフィスを見つけてみて下さい。