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リーンキャンバスとは?メリットを活かした書き方例

アメリカの起業家が提唱し多くのメリットが認められて、今や日本においてもよく用いられている「リーンキャンバス」。

リーンキャンバスは、ビジネスのスタートアップにおいて、ビジネスモデルを可視化するために用紙1枚に必要事項をまとめる手法です。
リーンキャンバスにはどのようなメリットがあるのか、そしてリーンキャンバスのメリットを活かした書き方について詳しく解説していきます。

リーンキャンバスとは

リーンキャンバスとは、ビジネスモデルを用紙1枚程度のサイズ内に整理することで、事業アイデアを可視化するものです。

リーンキャンバスが生まれた背景としては、「誰でもビジネスの起業が可能となり、成長スピードが速い時代となった」ことが挙げられます。
スタートアップの立ち上げの際は、顧客のニーズを重視する必要性がありますが、知らず知らずのうちに当所の理想にかかげたモデルとかけ離れ、自分本位の事業となってしまい、顧客ニーズとの乖離が起こり失敗に至るケースも少なくありません。

リーンキャンバスでは、そういった検証や改善がしづらい目に見えない部分をまとめて可視化することで、ビジネスモデルを俯瞰しながら観察するのに役立つと言われています。

リーンキャンバスの6つのメリット

内容が簡潔で分かりやすい

リーンキャンバスの最大のメリットは、紙1枚にまとめるため、事業の構造が一目でわかり、理解しやすいのが特徴です。
起業・事業アイデアの要点をまとめて記すため、社内外の関係者にとっても理解しやすく、顧客へのアンケート実施の際の企画書も、リーンキャンバスをもとに作成することで理解してもらいやすくなります。

ビジネス全体を把握できる

リーンキャンバスを使用することで、チーム全員が事業の構造全体を把握することができるようになり、スムーズな事業展開が可能となります。

1枚の紙を見るだけで、その事業のコンセプトや課題を含めたビジネス全体を把握しやすいため、各自での判断もしやすくなります。

メンバー間での共有がしやすい

リーンキャンバスを使うことで、コンセプト会議での説明や議論を都度行う必要性が削減されます。
また、リーンキャンバスの作成や見直しの作業を、チームのメンバーを巻き込んで実施することで、より効果的にコミュニケーションを取れるようになり、メンバー間で目線を合わせやすくなり、組織全体の活性化にも繋がります。

短時間で作成できる

従来の事業計画書は作成するのに数か月かかることもありましたが、リーンキャンバスへの記載は必要最低限のみの要点を記すため、数十分で作成が可能です。
構成も非常にシンプルなので、誰でもすぐに理解して作成できるのも大きな特徴です。

作成コストがかからない

リーンキャンバスは、1枚の紙さえあれば作成できるので、作成コストも掛かりません。

仮説の検証やブラッシュアップが行いやすい

リーンキャンバスでは、事業に関する仮説やアイデアなどの情報もまとめられるため、仮説の検証が行いやすく、アップデートをスピーディに行うことができます。

また、リーンキャンバスは短時間で作成できるために、ブラッシュアップを行いやすい点もメリットです。
スタートアップの際は、仮説の検証を行うなかで修正が発生するものです。そのため
コストや時間を掛けずに、手軽にブラッシュアップを行えるのは、大きなメリットだと言えるでしょう。

リーンキャンバスの書き方例

リーンキャンバスの書き方は、次の①~⑨の項目をそれぞれ埋めていきます。

①顧客セグメント

スタートアップ事業の顧客となるターゲット像を特定します。
「40代男性」などというざっくりとしたものよりも、「身体を鍛えるなど健康志向が高い40代男性」など、できるだけ具体的な属性を持たせたペルソナ(仮想した人物像)を設定しましょう。
この顧客セグメントは、新しい商品やサービスに対して一番早く反応し消費してくれる人を想定します。この顧客からのフィードバックによってスタートアップ事業の軌道修正をしたり、また、他の消費者へと商品情報を広めたりすると考えます。

②顧客の課題

顧客となる人が抱えている課題について、仮説をたてて記載します。
顧客視点に立って課題について仮説をたてながら、顧客のニーズについて追及し、スタートアップ事業への糸口にします。既存の製品・サービスで類似しているものがあれば、比較して差別化させるためにピックアップしておきましょう。
課題が複数みつかった場合は重点課題を3点に絞って記載しましょう。課題が絞り込めない場合は、顧客セグメントが具体的になっていない可能性があるので、顧客セグメントについて見直しが必要です。
この顧客の課題を元に、アンケートなどを行い仮説の検証などをしていきます。

③価値提案

課題に対して、自社製品・サービスが与えられる価値や強みについて記載します。
顧客セグメントの課題に対して最大のPRポイントはなにか、顧客セグメントがなぜ他社ではなく自社製品・サービスを選んでくれるかについて明確にしましょう。
これが明確化されることで、事業の成功への見通しがたちやすくなります。

①~③を実現するための具体的な施策を④~⑨へ記載します。

④解決方法

②の顧客の課題に対する解決方法を、自社の特性を踏まえて記載します。
複数の解決方法があれば、より有力なものを2~3点絞るようにしましょう。
顧客の課題がまだ仮説の段階なので、解決方法について詳細までは記載する必要はありません。

⑤チャネル

顧客が自社製品と接点をもつ方法にはどのようなものがあるか、について記載します。
たとえば、展示会やイベントなどで直接製品に触れてもらうのか、テレビCMやWEBでのリスティング広告、SNSコミュニティーなどによってアプローチするのか、などです。
できるだけ戦略的に販路の設定を行うようにしましょう。

⑥収益の流れ

自社の製品が利益を生み出す収益モデルの構造を記載します。
「誰から」「どのようにして」利益を得るのか、「単価」や「想定人数」「顧客1人あたりから見込まれる収益」「粗利益」についてシミュレーションして記載します。

⑦コスト構造

④の解決方法となる自社製品を実際に生みだすために必要となるコストを記載します。特に、初期費用が多くかかるスタートアップについては、しっかりと広告費や流通にかかる費用、人件費などを含めたコスト構造について記載するようにしましょう。

⑧主要指標

スタートアップ事業の成功に向けたKPI(定量的指標)を具体的に記載します。
自社製品が顧客の課題を解決し、それがどれぐらい市場に受け入れられればKPIを達成したと言えるのか、などについて想定します。事業の最終的な目標だけでなく、中間目標も数値化して明確化しておくことで、スタートアップ事業の目的を見失わないようになります。

⑨競合優位性

競合他社が簡単に参入することができないポイントについて記載します。
製品以外の分野において、自社が他社を競合した時でも優位であると認められる点について考えてみましょう。たとえば、技術力、顧客からの信頼、拠点の多さなどです。
もし何もなければ、これから自社が作ることができる競合優位性を見つけて記載するようにしましょう。

この記事の執筆者

ゼニス編集部

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