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年金は将来いくらもらえるの?年金別の計算方法、平均受給額を紹介

「自分が将来いくらぐらいの年金をもらえるのか?」と考えたとき、どのように計算すればいいか分からない……という方は多いものです。若いうちはあまり気になりませんが、30代、40代と年齢を重ねたり、ライフステージが変化していったりすると、どうしても「年金」について考える機会は多くなりますよね。

年金については、早めに対策をしておくことが何よりも大切です。

今回は将来いくらぐらい年金がもらえるのか、「平均年金受給額」「計算方法」を解説。さらに年金の受取額を増やす方法についてもご紹介しますので、ぜひご参考にお読みください。

年金の平均受給額は?

「将来、自分がいくら年金をもらえるのか?」ということを知るために、年金の平均受給額を見ていきましょう。

年金制度においては、「国民年金」か「厚生年金」かによってもらえる金額が大きく異なります。
平成29年~令和3年までのひとりあたりの平均年金月額は以下の通りです。

【ひと月あたりの年金受給額平均】

年度国民年金(第一号)厚生年金(第一号)
(国民年金+厚生年金の二階建て)
平成29年55,518円147,051円
平成30年55,708円145,865円
令和元年55,946円146,162円
令和2年56,252円146,145円
令和3年56,368円145,665円

引用元:令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況|厚生労働省
※受給資格期間25年以上のデータで作成

これを見ると国民年金では平均約5.6万円/月、厚生年金では平均約14.6万円/月が支給されることとなります。
夫婦で暮らしている場合は配偶者の年金も+αとして加わるため、世帯収入としてはやや増えることになるでしょう。

年金の額は納付月数や収入で変わる

国民年金の受給額は、保険料の納付月数(期間)によっても変わります。たとえば20歳から60歳まで、空白期間なく40年間国民年金保険料を納めている人は、最大65,000円/月の国民年金を受給できる計算です。

また厚生年金の場合は、保険料の納付月数だけでなく、収入額によってももらえる金額が変化します。
もしあなたが多くの給与所得を得ていた場合、将来もらえる年金の額も多くなる可能性があります。

そもそも国民年金と厚生年金は何が違う?

冒頭では年金受給額の平均をお伝えしましたが、そもそも「国民年金」「厚生年金」はどう違うのでしょうか。
2つの違いを理解しておくことで、将来もらえる年金額の計算がしやすくなります。しっかりと把握しておきましょう。

国民年金は年金制度の1階建て部分

国民年金は、20歳~60歳未満の国民すべてが加入する「公的年金」です。
自営業やフリーランスなどの「第1号被保険者」、会社員に扶養されている「第3号被保険者」は国民年金へ加入しています。

国民年金には「扶養」の概念がありません。よって第1号被保険者が家族を持っている場合、自身の保険料と家族分の保険料を支払う必要があります。(※小さな子ども分は免除になるなどの特例あり)

保険料は厚生年金のように「労使折半」ではなくすべて自己負担となり、1ヶ月あたり16,520円(2023年時点)と金額が固定されています。

また、国民年金には「付加保険料」を上乗せすることもできます。これは月400円の付加保険料を追加することで、将来の老齢基礎年金額を増額できるという制度です。
「将来もらえる年金額を少しでも増やしたい」という方は検討してみてはいかがでしょうか。

参考リンク:付加保険料の納付|日本年金機構

厚生年金は2階建て

厚生年金とは、民間企業や行政機関で「雇用されて働く人」が加入する年金です。

つまり会社員や公務員が該当し、加入者は「第2号被保険者」として年金を納める必要があります。
保険料の支払は労使折半、つまり「雇用されている会社」「従業員」がそれぞれ半分ずつ負担する仕組みです。

保険料については「標準報酬月額×18.3%」で計算でき、収入額に応じて変化します。実際に「令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和5年度版)」を見てみると、従業員の負担額は8,052円~59,475円と大きな幅があります。

もともと日本の年金は3階建て部分になっています。土台となる1階部分は「国民年金」、厚生年金は2階部分として年金を“上乗せ”している状態です。

つまり厚生年金に入っている場合、積み立てていくお金が多くなるため、将来もらえるお金が多くなるのです。記事冒頭で年金の月額平均をご紹介しましたが、2倍以上の差がついていたのはこのことが理由となっています。

年金受給額を計算する方法は?

自分が受け取る実際の年金受給額を知りたい場合、以下の計算方法で算出することができます。
国民年金と厚生年金でそれぞれ計算方法が異なるため、ご自身に合った計算方法を選んでみてください。

国民年金の計算方法

国民年金を受け取るには、前提として以下ふたつの「受給要件」を満たしている必要があります。

【1】20~60歳までの間に、以下の①+②+③の合計が10年以上ある方
①保険料納付済み期間
②保険料免除期間
③合算対象期間(年金に反映されない期間のこと)

【2】65歳以上の方
【1】【2】いずれかの要件を満たしていないと国民年金は受給できませんので注意しましょう。

国民年金の受給額は、次の計算式で算出できます。

【年金保険料を40年間毎月欠かさず支払っていた場合】
781,700円 × 保険料納付済み月数 ÷ 480月 = 年間の年金受給額

40年間欠かさず保険料を納付していた人は、上記式の「781,700円」が満額受け取れます(ひと月約65,000円)。

ただ、中には保険料の免除を受けていた方もいらっしゃるでしょう。
その場合は以下の計算式で計算をしてみてください。

【免除期間がある場合の計算式】
781,700円 × (保険料納付済み月数+免除期間 )÷ 480月

「免除期間」は免除の程度によってもことなります。以下を参考にして当てはめてください。

全額免除免除月数×4/8
4分の1納付免除月数×5/8
半額納付免除月数×6/8
4分の3納付免除月数×7/8

たとえば保険料納付済み月数が35年分(420月)、全額免除期間が5年間(60×4÷8=30)あった場合は

781,700円×(420+30)÷480=年間732,843円

ひと月あたり約61,000円が受給できる計算になります。

厚生年金の計算方法

厚生年金がいくらもらえるかは

A「平均標準報酬額 × 0.005481 × 加入月数」

で算出できます。(2003年4月以降の場合)

ただし、平成15年3月までの期間にも厚生年金で加入していた場合は、

B「平均標準報酬月額 × 0.007125 × 加入月数」

で算出しなくてはなりません。

平成15年3月より前に就職し、現在まで加入し続けている場合は「A+B」の合算をすることで最終的な年金額が分かります。

例えば平均標準報酬月額40万円、平成元年~令和5年まで34年間厚生年金に加入している方の場合、

A(平成15年4月以降)…40万円×0.005481×408=894,499円
B(平成15年3月まで)…40万円×0.007125×408=1,162,800円

A+B=年額2,057,299円となり、ひと月あたり約171,000円が受給できる計算になります。

なお上記の例では賞与分を除いて計算していますが、平成15年4月以降からの厚生年金においては、「標準報酬月額+賞与」で算出した“標準報酬額”を使って計算します。
平成15年3月までの分と4月以降の分では計算方法が異なりますので注意しましょう。

ねんきんネットで試算も可能

国民年金で免除期間がある場合や「〇歳までは国民年金に入っていて、〇歳からは厚生年金に加入している」など、計算が複雑になりそうなケースもあるでしょう。
そのような場合は、日本年金機構が運営する「ねんきんネット」で計算するのもおすすめです。


引用元:ねんきんネット|日本年金機構

ねんきんネットの利用には登録とログインが必要ですが、かんたんに試算ができるモード、より詳細な条件(未納分を納付した場合や今後の働き方を含めて計算したいときなど)でシミュレーションできるモードがあり、大変便利です。

また毎年日本年金機構から送付されてくる「ねんきん定期便」でも、将来もらえる年金額の概算をチェックできます。自宅等に届いた際には、必ず目を通しておきましょう。

将来もらえる年金額を増やすには?

国民年金についてご説明した折に「付加保険料を上乗せ納付すると、将来もらえる年金額を増やせる」とも述べました。実はそれ以外にも、将来もらえる年金額を増やせる方法があります。

企業年金やiDeCoなどの「私的年金」を活用する

年金には任意で加入できる「私的年金」もあります。私的年金は年金制度の3階建て部分に相当し、企業が実施する「企業年金」個人で加入する「iDeCo(個人型確定拠出年金)」「国民年金基金」などが該当します。

企業年金は制度を実施している企業に雇用されている人(会社員、公務員など)のみが加入できますが、iDeCoは加入対象でさえあればだれでも加入可能です。
毎月の掛け金上限に違いは生じるものの、専業主婦や自営業でも加入できるので、将来受け取る年金を増やしたい方は加入しておくとよいでしょう。

また、国民年金基金は第1号被保険者(自営業やフリーランスなど)が任意で加入できる私的年金です。
地域型国民年金基金、職能型国民年金基金などの種別がありますので、加入したい方はご自身に合ったものを選びましょう。

繰り下げ受給で70歳から年金をもらう

国民年金、厚生年金には「繰り下げ受給」という制度があります。これは、通常65歳から受給できる年金を、70歳まで繰り下げて受給するというものです。以下の計算式のとおり、繰り下げた分の年金受給額が増額されます。

(65歳に達した月から繰下げ申出月の前月までの月数) × 0.007(0.7%) = 月ごとの増額率

仮に受給開始を5年(60ヶ月)繰り下げたとすると、60×0.7%=42%なので、毎月42%増で年金が受け取れる計算になります。もともと月10万円受給できる方なら月14.2万円まで増える、と考えると、その差はかなり大きいでしょう。
健康で長く働ける方、手元資産が多く生活に余裕のある方にはおすすめの方法といえます。

将来の年金額を増やす対策も重要!

年金の受給額は年々減っているとは言われていますが、そもそも国民年金なのか、厚生年金なのかによっても受給額は大きく異なります。

また、将来もらえる年金額がいくらなのか心配な方は、企業年金やiDeCo、国民年金基金などの「3階建て部分」を積み立てていくことも必要でしょう。特にフリーランスや自営業など、年金の1階建て部分しかない方にとっては、こうした私的年金を活用して老後資産を形成していくことは非常に重要です。

まずはご自身の年金受取額がいくらかを把握するとともに、私的年金や繰り上げ受給など「もらえる年金を増やす方法」を取捨選択しましょう。

この記事の執筆者

ゼニス編集部

月額990円~利用できる格安バーチャルオフィス「レゾナンス」です。2016年にスタートし、現在は「港区浜松町本店」「青山店」「銀座店」「日本橋店」「渋谷店」「恵比寿店」「新宿店」「横浜店」「R-INNOVATION銀座店」がございます。

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