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働き方改革とは?目的や取り組みの背景についておさらいしよう!

「働き方改革」という言葉が話題になって数年経過し、今では「同一労働同一賃金」「年5日の年次有給休暇の取得義務化」などのルールが制定され、人々の働き方も変化しつつあります。

とはいえ「働き方改革の目的」について未だによくわからない……という人もいるかもしれませんね。ここでは、働き方改革の概要や目的、課題と取り組みについて解説します。

働き方改革の概要をおさらい

働き方改革は、『労働力不足の解消』を目的としたさまざまな施策の総称です。

その背景には「少子高齢化」「労働人口の減少」という、日本の現状が密接に絡んでいます。

働き方改革のキーワード「一億総活躍社会」

厚生労働省では「一億総活躍社会の実現」というスローガンを掲げ、働き方改革に臨んでいます。

一億総活躍社会とは、「50年後になっても人口1億人をキープしつつ、職場や家庭、地域で全員が活躍できる社会」という意味です。

なぜこのような考え方が出たかというと、現在の日本が抱える「少子高齢化」および「労働人口の減少」という深刻な問題があるためです。

日本の人口減少によって労働力人口が減り続けている

内閣府で公開されている「日本の将来推計人口」によると、2030年の推計人口は1億1662万人です。その後2048年には1億人を割り、2060年には9,000万人にも満たない人口へと減少していくと推計しています。


引用元:(1)総人口|選択する未来 – 内閣府

ここまで急速に人口が低下していく原因は、もちろん「出生率(出生数)の低さ」です。

1970年代初頭の第二次ベビーブームがあった頃は出生数・出生率ともに高く、そのころに生まれた団塊ジュニアが働き手となる1990年代には「労働力人口(生産年齢人口)」の数がピークを迎えました。

また現在の日本では少子高齢化によって「年少人口(0~14歳)」と「老年人口(65歳以上)」の人口が逆転しており、“若い働き手が減り続けている”という状況です。

事実、1995年には8,726万人の“働き手”がいたのです。
しかし2010年の国勢調査では8,173万人へ減少し、2027年には推計7,000万人以下、2051年には推計5,000万人以下、2060年になると推計4,418万人……というふうに右肩下がりで減少していくと予想されています。

このような予測が立てられているのは、出生率、出生数が減少の一途をたどっているからに他なりません。

若い世代の未婚化・晩婚化が少子化の原因とされていますが、そもそもそこには「環境のせいで仕事と子育てが両立できない」「雇用が安定せず経済的に不安定なので結婚、出産ができない」といった背景があります。


引用元:図表1-1-7 出生数、合計特殊出生率の推移|令和2年版厚生労働白書-令和時代の社会保障と働き方を考える-|厚生労働省

また、労働力の低下には妊娠出産や子育て、介護などで“潜在的に働ける能力を持ちながらも、事情があって働けない層”が増えている点も挙げられます。

このような方々は、働き方改革以前だと「長時間労働」「勤務形態の融通の利かなさ」などがボトルネックとなり、働きたくても働けない……といった状況があったのです。

  • 出生率、出生数の低下減少
  • 労働人口の減少による国の生産力、国力低下
  • 「潜在的な労働可能者」が働きやすい環境がない

このような問題を解決する策が「働き方改革」なのです。

“「働き方改革」は、働く方々が、個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を、自分で「選択」できるようにするための改革です。”
引用元:厚生労働省「働き方改革 ~一億総活躍社会の実現に向けて~」

政府は働き方改革について上記のように説明しています。

働く人・働きたい人が「働きやすい環境」を法律改正などによって整備することで、労働力不足を解消しようとしているのです。

中小企業や小規模事業者の働き方改革について

日本では雇用の7割を中小企業・小規模事業者が担っています。ここでいう中小企業は「資本金額(または出資総額)」と「常時使用する労働者の数」によって定義されます。

【中小企業の定義条件(①または②が当てはまれば中小企業とみなされる)】

①資本金額または出資総額②常時使用する従業員の数
小売業5,000万円以下50人以下
サービス業5,000万円以下100人以下
卸売業1億円以下100人以下
その他3億円以下300人以下

※その他の業種ではゴム製品製造業、旅館業など独自の定義条件が設けられている場合があります

もともと中小企業では慢性的な人手不足が問題になっていました。その大元の原因は出生数の低下、働き手の減少などが挙げられるでしょう。しかし、働き方改革以前には長時間労働や処遇格差などの「劣悪な職場環境」がはびこっていたのも事実です。

政府はこうした中小企業の職場環境を「働き方改革」によって是正し、魅力的な職場づくりを行うことを目的にしています。誰もが働きやすく魅力的な職場であれば、人材確保の機会が増える可能性が高まるからです。

働き方改革における3つの具体的な課題

日本の労働力向上において必要なことは、以下の3つです。

  • 労働環境の是正、生産性向上によって働きやすい環境づくり
  • 労働市場に未参加の女性・高齢者が働ける環境づくり
  • 出生率を向上させ、将来の働き手の増加につなげる

これらを実現するために「働き方改革」で重要視されているのが

  • 長時間労働(残業など)の解消
  • 雇用格差の是正(非正規・正社員)
  • 「高齢者の就労促進」による労働人口不足の解消

という3つの課題です。

長時間労働(残業など)の解消

2013年、日本は国連から「長時間労働」について是正勧告されています。
これは多くの労働者が(国際的に見ても過酷な)長時間労働に従事していること、過労死、ハラスメント等による自殺や精神疾患が発生し続けているといった内容です。

働き方改革以前は、主な労働の担い手である30~40代の長時間労働が恒常化していました。
その背景には「残業時間の法律的な上限がなかったこと」が関係しています。

また業種によっては個々の事情を考慮しない転勤など、労働者にとって大きな負担を強いられる環境が一般化していました。転勤を拒否すると昇進の道が絶たれたり、契約社員・パートへの転換を強いられたりするケースも珍しくなかったのです。

こうした長時間労働、残業、転勤の強要といった「劣悪な勤務環境」では、結婚や出産もままなりません。
働き盛りの30~40代はちょうど結婚・出産・育児のピーク時期でもあり、女性にとっては子どもを持つ選択肢が取れず、男性は育児・家事への参加が難しくなってしまうことにもつながります。
そのため、働き方改革では

  • 36協定の見直しにより、時間外労働の“法的な”上限規制を導入
  • 企業向けに、従業員1名に対し1年で5日間の「年次有給休暇」取得を義務化
  • 月60時間を超える残業の割増賃金率を2倍に(25%→50%)
  • 健康かつ働きやすい職場環境の整備
  • 「勤務間インターバル制度(※)」の導入
  • 「フレックスタイム制」の労働時間調整期間を1ヶ月→3ヶ月に延長
  • 高度プロフェッショナル制度の新設

といった施策を行っています。

※1日の勤務終了後~翌日の出社まで、一定時間の休息時間を確保する制度。
たとえば残業で2時間遅く帰宅した社員に対し、翌日の出社時間を2時間後ろ倒しにする……といった方法があります。過労死等の防止対策として制定されました。

雇用格差の是正(非正規・正社員)

派遣社員やパート、アルバイトなどの非正規社員においては、かねてより賃金格差が問題になっていました。非正規社員がもらえる賃金は正社員の賃金の6割程度で、欧州など先進国の基準よりも低かったのです。

かといって、介護・育児を行う人や高齢者にとっては、正社員のようなフルタイム制限なしで働くことは難しいのが実情です。
家族の世話や子育て、家事の都合、健康上の問題などがある場合、正社員ではうまく両立できず、結果として非正規雇用で働くのがやっと……というケースも多いでしょう。

働き方改革では、こうした「非正規でしか働けない人」の待遇、および働き方を改善する取り組みも行われています。

  • 「同一労働同一賃金」の法整備、ガイドラインの策定で不合理な待遇差の是正
  • 非正規社員のキャリアアップ支援(非正規から正社員へのステップアップ等)
  • 企業内で正社員と非正規の待遇差がある場合、“その内容・理由を従業員に説明する義務”を強化
  • 行政による事業主への助言、指導や、裁判外紛争解決手続(行政ADR)既定の整備

同一労働同一賃金とは、「同じ労働を行うなら、非正規も正社員と同じ待遇・賃金を与えるべき」という考え方で、2020年4月には同一労働同一賃金に関する法改正が行われました。

これにより政府は「賃金格差が生じることなく、1人ひとりの状況やライフステージに合った働き方ができる社会」の実現を目指しています。

「高齢者の就労促進」による労働人口不足の解消


内閣府の調査によれば、働いている高齢者の8割が就業意欲を持っています。

高齢者の人口が相対的に増加している今、「働きたいが労働条件などのせいで働けない高齢者」の手を借り、労働力を上げることも重要だといえます。

そのため、働き方改革では

  • 働きたい高齢者と人手がほしい企業間のマッチング支援
  • 継続雇用延長制度や定年の延長を支援

といった、高齢者の就労支援策を行っています。
また、シニア世代の雇用を促進するため、雇用主となる企業に対する支援についても検討が進められています。

企業も働き方改革について理解を深めよう

働き方改革によってすべての人が働きやすい環境が整備されれば、ワークライフバランスの実現につながります。
結婚・出産・介護などの「働くうえでの障壁」を破ることができれば、労働人口を底上げすることも可能です。また子どもを産み育てやすい社会が実現すれば、将来の労働力を維持することもできるでしょう。

ただし、働き方改革はまだ過渡期であり、課題も多く残っています。
企業は働き方改革以降の労働基準法、パートタイム・有期雇用労働法などの法令について十分理解するとともに、社内ルールの整備、DX等による労働の効率化を行いましょう。

この記事の執筆者

ゼニス編集部

月額990円~利用できる格安バーチャルオフィス「レゾナンス」です。2016年にスタートし、現在は「港区浜松町本店」「青山店」「銀座店」「日本橋店」「渋谷店」「恵比寿店」「新宿店」「横浜店」「R-INNOVATION銀座店」がございます。

バーチャルオフィスの活用方法や起業についてなど、お役立ち情報をコラムにまと めています。

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