クレジットカードにはランクがあり、その最高峰に位置するのが「ブラックカード」です。富裕層などがこのブラックカードを所有しているケースが多いですが、手に入れるとどのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは、ブラックカードの概要やメリット、入会条件などをご紹介します。あまりなじみのないブラックカードについて興味がある方や、「将来稼げるようになってブラックカードを持ちたい!」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
クレジットカード最高ランクの「ブラックカード」
ブラックカードはかんたんに言うと「最高ステータスのカード」の通称です。
クレジットカードには「一般カード」「ゴールドカード」「プラチナカード」など、複数の“階級ランク”が設けられている場合がほとんどです。
そしてブラックカードは、その名のとおりカードが「黒色」になっており、高級感のある雰囲気が特徴。
階級は各カード会社で最も高く、年会費など特定の条件を満たさないと所有することができません。
その年会費は数万円台~百万円台に至るまで幅広く、もっとも高額な「ラグジュアリーカード ブラックダイヤモンド(Mastercard)」に至っては年会費で60万円、入会金(初年度のみ)で100万円の計160万円と、かなり高額です。
クレジットカードには年会費無料で所有できるものも多く、こうした多額の年会費を支払って所有するケースは希少だといえます。つまり、ブラックカードを持つことで「年会費を支払えるほどの収入がある」というステータスにもなるのです。
このことから、“富裕層のステータス”であるブラックカードにあこがれを持っている方も多々見られます。
ブラックカードを持つメリットは?
ブラックカードにはさまざまなメリットがあります。
- “高所得者”のステータスが得られる
- 利用限度額の上限が大きい(または上限がない)
- 下のランクに比べ特典や優待サービスがかなり充実している
- カード付帯の保険内容が充実している
- 上質なプレゼント品を無料でもらえる場合も
“高所得者”のステータスが得られる
ブラックカードを持てる人はごくわずかであり、所有しているだけで「高所得者である」というステータスになります。
一般的には、ブラックカードを持つに至るまでに多額の支払い履歴(クレジットヒストリー)が必要とされています。つまり、ブラックカードの招待が来た時点で「百万~数百万単位を定期的に支払える経済力」がある、という証明になるのです。
利用限度額の上限が大きい(または上限がない)
ブラックカードの利用限度額は100万円~数千万円ともいわれています。さらに、カードによっては上限が設定されていないケースもあるようです。
高所得層になると支出も多くなりますが、限度額が多く設定されていれば気兼ねなく利用できます。
下のランクに比べ特典や優待サービスがかなり充実している
クレジットカードにはプラチナ帯、ゴールド帯などのランクがあり、上位ランクになるほど特典、優待制度が充実していきます。
ブラックカードには、この上位ランクよりもさらに素晴らしい特典、優待サービスが設定されているケースがほとんどです。
- 専任コンシェルジュが付き、調査・手配を依頼できる
- 同等ランクの家族カードを発行できる
- ブラックカード会員限定イベントへの招待(プロゴルファーの直接指導が受けられるイベントなど)
- 高級店での会計割引サービス
- 美術館、プライベートジム、家事代行などの優待サービス etc
とりわけ便利なのが「専任コンシェルジュ」のサービスです。いわば自分専用の執事が付くようなサービスで、「大切な人へ渡す手土産を選んでほしい」といった依頼から「セスナ機に乗ってみたい」といったスケールの大きい相談まで、何でも解決策を提示してくれます。
自分で調べたり問い合わせをしたりする手間・時間が省けるため、忙しい高所得者層に大変好評のサービスです。
カード付帯の保険内容が充実している
ブラックカードは海外旅行/国内旅行の傷害保険、ショッピング保険などの補償内容が充実しています。
たとえば「アメックス・センチュリオン」では、海外旅行中に死亡や後遺障害が残った場合最高で1億の補償があります。これはクレカ付帯保険の中でも最高級の額です。
さらに、カードによっては個人賠償責任保険やゴルフ保険、海外レンタカー保険なども付帯しており、不測の事態で役立ちます。
上質なプレゼント品を無料でもらえる場合も
ブラックカードには無料プレゼント特典が付いている場合があります。
これは10万円以上相当のカスタマイズギフトをもらえる特典や、高級レストランへ無料招待、高級ホテルの無料宿泊デープレゼントなどが該当します。
年会費に迫る(または年会費相当の)還元が受けられるのは大きな魅力です。
ブラックカードを持つうえでの注意点
ブラックカードを持つ際には、次の3点に注意しましょう。
- 年会費が高額
- インビテーション(招待)がないと入会できない
- ポイント還元率はそこまで高くない
年会費が高額
先述のとおり、ブラックカードは年会費が数万~数十万円とかなり高額です。
もちろん、ブラックカードを所有するステータス感、および年会費に見合う特典なども受けられます。しかし、そもそもカードにステータスを感じない人や、特典を利用しない場合は、ブラックカードを持つ意義そのものが薄れてしまいます。人によっては高額な年会費の負担ばかりが大きくなる、なんてこともあるでしょう。
ブラックカードを持つチャンスがあったとしても、まずは「毎年数万~数十万円を払って持つべきなのか」「特典を利用するのか」といった点を落ち着いて検討することをおすすめします。
インビテーション(招待)がないと入会できない
ブラックカードの入会条件として「カード会社のインビテーション」を受ける必要があります。
インビテーションとは「招待」という意味で、招待を受けるには特定の年収、年齢、職業や、一定基準のクレジットヒストリー(利用額や返済歴など)をクリアしなくてはなりません。
しかもインビテーションの条件は各カード会社で非公開となっており、狙って所有できるわけでもないのです。
インビテーションがない限りは、いくらお金を積んでも入会できないことを知っておきましょう。
ポイント還元率はそこまで高くない
年会費が高いブラックカードですが、ポイント還元率については下のランク帯とあまり変わりません。(1~2%高い程度です)よって、ポイント還元を目的に入会するのは避けた方がよいでしょう。
ブラックカードを発行しているのはどんなカード会社?
1999年にアメリカン・エキスプレス社が発行した「センチュリオン」という特別ランクのカードは、ブラックカードの始祖ともいえるカードです。その後はMastercard、JCBなどの世界的カード会社が追従し、日本でも「楽天カード」「スルガ銀行」などの会社が提供を行っています。
以下では、ブラックカードの中でも特に有名なものをご紹介します。
カード会社 | カード名 | 年会費 | カードの材質 |
---|---|---|---|
アメリカン・エキスプレス | センチュリオン・カード | 55万円 (+入会金55万円) | プラスチックor 金属製 |
Mastercard | ラグジュアリーカード Mastercard Black Diamond | 60万円 (+入会金100万円) | 金属製+ 天然ダイヤモンド |
JCB | JCB THE CLASS | 55,000円 | プラスチック |
ダイナースクラブ | ダイナースクラブ・ロイヤルプレミアム | 55万円 (+入会金55万円) | メタル プラスチック |
楽天銀行 | 楽天ブラックカード | 33,000円 | プラスチック |
スルガ銀行 | SURUGA VISAインフィニットカード | 12万円 | プラスチック |
世界的には「VISA」のシェア率が約65%「Mastercard」が約33%と実質の2強となっていますが、アメリカン・エキスプレス(9%)日本発祥のJCB(2%)なども人気です。
ブラックカードの入会条件は?
ブラックカードの細かな入会条件は、各カード会社で公開されていません。
そもそもブラックカードの存在自体をWebサイトへ掲載していない、というケースもあるのです。
とはいえ、各カード会社で設定されているであろう“入会条件”は推測することができます。
- すでにそのカード会社のステータスカードを使用している
- 定期的に高額支払いがあり、十分なクレジットヒストリーが蓄積されている
- 支払い延滞などを行っていない
ステータスカードとは、「プラチナカード」「ゴールドカード」などの“年会費を払って利用する上位ランクのカード”のことです。高い年会費を払いながら高額の支払・返済を滞りなく行っていれば、「ブラックカードに招待してもよい顧客」とみなされてインビテーションが送付される可能性もあるでしょう。
憧れのブラックカードは特典豊富!
ブラックカードは招待制での入会しかできず、所有には高額な年会費が必要です。
しかしながら、コンシェルジュサービスや空港・ホテルの特別ラウンジの利用権、高級レストラン等の優待サービスなど、一般カードでは考えられないような特典が多数付帯しています。限度額も各カード会社の最高額となるので、カードで大きな買い物をされる方にとっては便利でしょう。
簡単には手に入りませんが、「ブラックカードの所有」をモチベーションにしつつ、仕事を頑張るのもよい方法かもしれません。