経営者を指す「実業家」という言葉はさまざまな場で用いられています。しかし、具体的な意味・定義についてご存じの方は思いのほか少ないものです。
ここでは実業家とはどのような経営者を指すのかを解説します。
また混同されがちな「起業家」「企業家」「事業家」との違いや、実業家になる際に必要なステップ、成功のために知っておきたいポイントについてもご紹介します。
実業家とはどのような人を指す?
実業家とは何かを知る前に、まずは「実業」の意味について見てみましょう。
農業、水産業、工業、商業に関する「生産・流通・販売」などの事業。
社会や人々に貢献できる、生産性の高い事業。
農業や水産業、工業や商業といった事業は、社会において有益な価値を生み出します。
このうち生産や流通、販売などの事業は、人々の役に立つビジネスです。別の言い方をすれば「堅実な事業」ともいえるでしょう。
つまり実業家とは、「農業・水産業・工業・商業を手掛ける人」「生産・流通・販売事業を行う人」ということになります。もっと広い意味では「人々の役に立つ事業を提供する人」とも捉えられるでしょう。
世界的に有名な実業家としては、「Apple」のスティーブ・ジョブズ氏、「ホンダ」の本田宗一郎氏などが挙げられます。彼らは実業家として人々の課題を解決し、利益をもたらすサービス・製品を提供して企業を成長させてきました。
実業家とはどう違う?起業家・企業家・事業家との違い
実業家とは何かをまとめると「堅実で生産性が高く、社会や人々の役に立つ事業を提供する人」ということが分かりました。
そんな中、皆さんの中には「起業家」「企業家」「事業家」という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるでしょう。つい混同してしまいがちですが、実業家とこれらの経営者にはさまざまな違いがあります。
起業家とは?
起業家は「自らで事業(ビジネス)を興す人」の総称です。
もともと1970年代のベンチャーブームから用いられるようになった言葉であり、ビジネスの革新性や規模、内容等に関わらず、起業をした人は「起業家」と定義されます。
つまり実業家であろうと、個人事業主であろうと、事業を立ち上げさえすれば「起業家」に分類されるのです。
企業家とは?
企業家は「企業の経営へ取り組む人」を指した言葉です。
実業家との違いは「事業内容が“実業”のみとは限らない」という点にあります。
こと日本においては「企業として先の事業展開を見据え、積極的に経営を進める意識を持った人」というニュアンスで使われます。また企業家は、革新的な技術・生産方式を導入したり、経営・組織の改善に取り組んでいる経営者に対して使われたりする場合もあります。
さまざまな面から企業経営に熱心に取り組んでいる経営者は、「企業家」と呼んで差し支えないでしょう。
事業家とは?
事業家は「事業を行う人」という意味で使われることもあれば、「事業を成長させる技巧がある、高い能力を持った人」というニュアンスで使われることもあります。
実業家と比べて“個人の能力を高く評価した言葉”というのが異なる点です。
使い分けられる例としては、起業した人(起業家)が事業を成功させ、大きな成果を上げた……というときに「事業家」と称されるケースが多く見られます。
この場合敢えて「事業家」と表現することで、成功者としての名誉、地位を表すことができるのです。
実業家と他の経営者(起業家・企業家・事業家)の違いをまとめると
実業家や他の経営者の定義、違いをまとめると以下のようになります。
- 実業家
- 起業家
- 企業家
- 事業家
堅実で生産性が高く、社会や人々の役に立つ事業を提供する経営者。
事業を興した経営者の総称。
革新的な技術、改善などをもとに、企業として積極的な経営を目指す経営者。
事業を行う経営者。または、事業を成長させる高いスキルを持った経営者。
会話や文章等で経営者について表現する場合は、使い分けを意識してみると良いかもしれません。
実業家になるためのステップとは?
ここまでは「実業家とは何か」「他の経営者とはどう違うのか」を追ってきました。
実際に実業家になるには、次のようなステップを踏む必要があります。
- 事業内容および事業規模を決める
- 「実現性のあるビジネスプラン」を細かく作り込む
- 資金調達の実施
それぞれ詳しくチェックしてみましょう。
1.事業内容および事業規模を決める
実業家になるには「どのような事業を行うか」が重要です。
実業家としてビジネスを成功させるには、事業として成立することはもちろん、成功のための“根拠”が必要です。
- 社会や人の役に立ち、利益をもたらす事業か?
- 一定のニーズが見込める事業か?
- 収益、成長が見込める事業か?
実業家として名を馳せたいのであれば、これら3つの要素を満たす事業をスタートさせる必要があるでしょう。
また自身のアイデアや思い付きだけではなく、市場や世論をリサーチすることも大切です。
さまざまな観点から「世の中に求められる事業かどうか」をジャッジし、内容や規模を決定しましょう。
2.「実現性のあるビジネスプラン」を細かく作り込む
ビジネスプランとは「事業を実現するための事業計画書」です。
ビジネスプランへは以下の項目を盛り込み、自社の事業実現について細かく示しましょう。
- ビジネスプラン名
- 事業内容……商品、サービスの概要やターゲットなど
- 市場環境……市場の規模、成長性などについて
- 競合優位性……競合よりも優れている点について
- 市場アクセス……事業を実現させるプロセスについて
- 経営プラン……継続して事業運営する仕組みについて
- リスクと解決策……ビジネス上で想定されるリスクや、その抽出・分析・解決策について
- 資金計画……収支計画、資金繰り計画について
ビジネスプランは、リサーチ結果や自身のアイデアをもとに細かな部分まで突き詰めましょう。このとき具体性が高いほど対外的な影響力も大きくなります。
経営方針や事業内容への賛同を得やすくなれば、金融機関からの融資や、株式会社の設立等で出資を募る際にも有利になるでしょう。
またビジネスプランがしっかりしていれば、自社のビジネスの管理・課題の認識がしやすくなり、経営や事業展開に「ブレ」が少なくなる利点もあります。
「どうしても細かな部分が思いつかない」という場合は、専門家に意見を求めたり、過去のモデルケースを調べて参考にしたりするのも良い方法です。
3.資金調達の実施
実業家になるためには、事業内容・規模に応じた資金調達を行わなければなりません。
「実業」を営むためには、備品の購入費や地代家賃、人件費だけではなく、設備投資代や広告宣伝費、仕入れ費など実に多種多様な費用がかかります。
これらに必要な「事業資金」を調達するには、「自己資金で準備する」「出資者を募って出資を受ける」「金融機関からの融資を受ける」などの方法が考えられるでしょう。
また、事業内容によっては国や自治体の「補助金・助成金」が受給できる場合もあります。
事業スタートの折には、何らかの方法で余裕を持った資金を調達しておきましょう。
実業家として成功するために必要な要素は?
実業家は「人々のニーズを満たし、役に立つ事業」を行う経営者です。しかしビジネスである以上、事業の成長や利益も考えなければいけません。「社会貢献」「事業成長による利益」を満たして、初めて“成功者になった”といえるのではないでしょうか。
実業家として成功を収めるには、次の3点を常に意識することが大切です。
- 情報収集を欠かさない
- 人脈づくりを大切にする
- 常に新たなチャレンジを続ける
社会や人の役に立つ事業を行い、人々のニーズを満たすためには情報収集が欠かせません。「社会をより明るく良いものにしたい」という視点から物事を捉え、必要な情報を集める。これこそが「ニーズを満たす商品・サービス」を生み出す秘訣だといえるでしょう。
また事業の展開や利益には「人脈」も欠かせないものです。人脈は時に大きなイノベーションを生み出すきっかけになることもあります。
そのほか、成功のためには“失敗を恐れず、新たに挑戦し続ける精神”も必要でしょう。先人たちと同じことを続けていても、実業家としての成功は望めません。新たな経験を得るための「挑戦」を続けることも意識してみましょう。
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