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「ヒトモノカネ」とは?意味や活用法、経営資源の重要性を解説!

経営について学んでいると「ヒトモノカネ」という言葉をよく見聞きします。いわゆる「経営に必要な資源」を総称した言葉ですが、その詳しい意味とは何なのでしょうか?

ここでは「ヒトモノカネ」の意味や、現代において重要な経営資源について解説。経営資源の強みをはかるフレームワーク(VRIO分析)についてもご説明するので、ぜひご参考になさってください。

ヒトモノカネの意味とは?

「ヒトモノカネ」とは、ビジネス・経営を行うときに必須の「経営資源」をあらわした言葉です。

もともとヒトモノカネの3つが重要と考えられていましたが、最近ではさらに「情報」も経営資源に加えられています。

ヒト

経営資源の「ヒト」とは、ずばり「人材」を意味します。

人材には新人から管理職にいたるまですべての人が含まれており、企業が「モノやサービスを売る」「利益を上げる」「経営を維持する」といった工程で人材が要となるのです。

モノ

「モノ」とは、経営で利用する設備や製品を指します。

経営ではヒトが機械や設備などを利用して製品を生産し、それを販売・提供することで利益を得ます。また企画や運営、営業においては、PCなどのデバイスやOA機器などのツールを駆使しながら、戦略を立てていくものです。

こうした、経営を行ううえで使用するすべての「モノ」は、企業にとって大きな資源であり、経営を維持するためにも欠かせないのです。

カネ

「カネ」はそのまま、経営資金のことを指します。

資金はビジネスを行う源となるもの。起業が経営を維持するには資金が欠かせません。工場を稼働させたり、人材管理をしたりといった活動はもちろん、営業や基幹システム等のITサービスの導入・保守、広告宣伝といった幅広い企業活動には「カネ」が必要です。

情報

長い間、経営には「ヒトモノカネ」という有形の経営資源が必要とされてきました。それは現代においても変わりはありませんが、近年ではさらに「情報」を加えた重要な経営資源として扱われるケースが多く見られます。

情報とは目に見えるものではありません(無形資源)。しかし、技術や顧客の情報といった資源は、企業の経営を成功させるために欠かせないものとなっています。

ヒトモノカネ+情報に加え「時間」「知的財産」も重要視されている

近年では「ヒトモノカネ+情報」という4つの経営資源が重要だと考えられてきました。そしてさらに現在は、「時間」「知的財産」も経営に大きな影響を与える経営資源として認識されています。

時間

時間は目に見えないものですが、無限ではありません。また、時間はお金など他の価値を持つものと直接交換することはできません。

「時間」が経営資源として重視される理由は、「価値の提供」および「企業の成長スピード」に多くの影響を及ぼすからだと考えられます。

  • 事業の展開、拡大に関する意思決定の「時間」
  • 製品の企画~リリースまでの「時間」
  • 同じ作業に対し、どれぐらいの「時間」で従業員が生産できるか、その効率

社会が目まぐるしく変化している近年は、「時間」や「生産性・効率性」を重要視する経営者が増えています。意思決定や製品提供がスピーディな企業は、競合よりも先に認知を広めることができ、先行者利益を得やすいからです。

仮に全く同じサービスを提供するとなっても、A社では「意思決定からリリースまでに時間がかかる」B社では「時間がかからない」という違いが生じれば、当然B社のほうが成功の確率は高くなるはずです。

つまり「企業が生き残るためには限られた時間の中で最大限の価値を生み出し、成長する必要がある」とも言い替えられるでしょう。

知的財産

「知的財産」とは、アイデアやブランド、特許などの目に見えない資産のことです。また広義では、人材や組織力、技術、ネットワークなども含まれます。

これらは企業の競争力の“源”になるものであり、知的財産を事業に活用する経営を「知的財産経営(知財経営)」といいます。

ヒトモノカネの中で重要なのは「ヒト」

ヒトモノカネは「三位一体」と考えられがちですが、このうち「ヒト」が枯渇してしまうと利益は生まれません。たとえモノやカネが豊富であっても、それらを管理するヒトがいない限り、モノもカネも増えないからです。

かといって、ヒトだけではキャッシュ(貯蔵資産)は増えません。ヒトがキャッシュを増やす「手段・道具」がモノ、カネというわけです。

このように、キャッシュの獲得および「会社の成長、維持」には、ヒト(人材)の存在が重要です。

経営においては、人材開発や組織開発といった「ヒトに投資をすること」が成功を左右します。 ヒトに投資をする方法について、くわしく見てみましょう。

人材開発

よりハイレベルな職務を行うために、人材の能力を高める教育を「人材開発」といいます。人材の能力が高まれば、ビジネスの問題を解決したり、経営課題・目標を達成したりといったことが実現できるのです。
また、人材開発で優秀な「ヒト」が揃えば、組織力の底上げにもなります。

組織開発

組織の活性化や問題解決を目的に、組織へと介入することを「組織開発」といいます。
組織開発の手段としては、経営学や行動科学や心理学などを活用して組織へとアプローチし、具体策を実践していくのが主な流れです。

組織全体が活発にはたらくようになれば、従業員のコミュニケーションが活発になったり、組織作りがスムーズになったりといった効果が生まれるでしょう。

評価制度の整備、改定

「自立的で活発な組織」を作るには、従業員のモチベーションも重要な要素です。
従業員のモチベーションアップには給与などの「待遇改善」のほか、「評価制度の整備・改定」も効果的です。

既存の評価制度に問題がある場合、「頑張っても評価されない」という空気が醸成されてしまいます。
こうした状態は短期的な視点で見れば問題がないかもしれません。長期的な視点で見ると組織全体が停滞、失速してしまう原因になります。

頑張りに応じて適正な評価を与えられる制度を整備すれば、社員1人ひとりがモチベーションを持って仕事へ取り組めるようになります。モチベーションの高い人材は、上からの指示を待つだけでなく、自分で考えて行動したり、自らの知識・スキルを高めたりすることに価値を見出すでしょう。

バーニーのフレームワーク「VRIO分析」とは

バーニーのVRIO分析は、ヒトモノカネ等の経営資源の「強み」「弱み」を理解するフレームワークです。

フレームワークを行う際には4つの問いにYES/NOで答えていく方法が一般的で、自社の「強み」である経営資源は戦略的に活用できる可能性が高いと考えることができます。

一方、「弱み」である経営資源についても、把握しておくことで「事業戦略で積極的に使わない」などの対処ができます。

強みには3段階がある

VRIO分析で経営資源を「強み」と評価する際には、3種類の強みに分けます。

  • 普通の強み:一般的な強み、競合との差はない
  • 独自の強み:他社が持っていない強みだが、出し抜けるのはあくまで一時的
  • 持続的な独自の強み:自社独自で、かつ追いつかれない強力な強み

経営資源の中で特筆すべき強みがある場合は、事業戦略へ積極的に活用すべきでしょう。

VRIO分析で経営資源を評価する4つの質問

VRIO分析では、次の4つの観点で経営資源を評価すべきとしています。

4つの問いに対しすべて「YES」と答えた経営資源は「持続的な独自の強み」であり、3つなら「独自の強み」といえます。
また2つYESなら平均的な「強み」となり、4つどれにも当てはまらないのなら「弱み」と判断すべきでしょう。

ヒト・モノ・カネ・情報などの経営資源に対し、以下の4点を問いかけて評価してみましょう。

1.経済価値(Value)

経営資源に「経済価値はあるか」を問う質問です。
経営資源に経済価値がなければ、ビジネスとして成り立ちません。経営資源に対し“顧客や社会にとって価値があるか、ないか”を評価してみましょう。

2.希少性(Rarity)

経営資源が「レアか(希少性があるか)」という問いです。「市場競争に勝てる価値の高さや武器があるか」とも言い替えられるでしょう。
人は希少性の高いものに心惹かれるものです。経営資源に希少性があれば、顧客の支持が得られ、市場競争にも勝ち抜きやすくなります。反対に希少性がなければ、市場競争で勝ち抜くのが難しくなってしまいます。

3.模倣困難性(Inimitability、またはImitability[模倣可能性]とも)

経営資源が「他社に模倣されにくいか(またはされやすいか)」を評価する質問です。

こちらも「希少性」と同じく、競合が真似をしにくい経済資源があると市場競争にも勝ちやすくなります。また模倣できない資源ということは、自社にしかない強みにもなり、長い間シェアを維持できるようになるでしょう。

4.組織(Organization)

経営資源を「事業戦略へフル活用できる組織かどうか」という質問です。

バーニー教授は、著書の中で「VRIO分析の1~3でYESと答えたとしても、組織にそれらの経営資源を活かせる力がなければ“競争劣位”になってしまう」と考えています。優れた経営資源があったとしても、企画・設計・マーケティング・提案などができなければ「宝の持ち腐れ」になってしまう、ということです。

経営を成功させるにはヒトモノカネ+αの経営資源が必要!

経営を成功させるには、「ヒトモノカネ」が重要。さらに現代においては、情報、時間、知的財産など、さまざまな経営資源が必要です。
経営資源を十分に備えることも必要でしょう。

とはいえ、もっとも大事な経営資源は「ヒト」であることには変わりありません。経営を続けるには、あくまでも“ヒトありき”の経営を前提としつつ、人材に焦点を当てた施策を講じましょう。

この記事の執筆者

ゼニス編集部

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