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被保険者番号とは?確認方法と被保険者番号について押さえておきたいポイント

雇用保険番号の「被保険者番号」は、普段はあまり使うことがないものの、適切な管理が求められます。
個人が自分で把握しておくほか、企業においては従業員の被保険者番号がすぐに調べられるようにしておきたいものです。

そこでこの記事では雇用保険の「被保険者番号」について、どのような時に必要となるのか、そして知りたい時の確認方法や被保険者番号について押さえておきたいポイントなどについて、ご紹介していきたいと思います。

被保険者番号とは?

雇用保険の「被保険者番号」とは、雇用保険に加入する労働者1人ひとりに対して割り振られる番号です。
最初に就職した企業で、雇用保険の加入条件を満たす場合に被保険者番号が割り振られ、その番号はその後転職しても変更されることなく、生涯において同じ被保険者番号が使われます。

被保険者番号は、「4桁―6桁―1桁」の11桁で構成され、雇用保険被保険者期間をはじめとするデータが紐づけられています。このデータをもとに雇用保険の給付についての算出などが行われるなど、労働者の生活の安定に関わる手続きを行う際に必要とされる番号です。

規模を問わず従業員を雇用するすべての企業(農林水産業の一部事業を除く)は、雇用保険の適用事業所となります。また、一定の要件を満たす従業員は、パート・アルバイト・派遣社員などの雇用形態に関わらず雇用保険に加入することとなっています。

雇用保険の加入要件についても確認しておきましょう。

<雇用保険の加入要件>

  • 31⽇以上継続して雇⽤の⾒込みがある
  • 所定労働時間が1週間あたり20時間以上
  • 学⽣ではない

被保険者番号が必要となるシーン

被保険者番号が必要となるシーンは、雇用保険に加入した会社を退職した際となりますが、具体的に必要となる手続きには以下のようなものがあります。

  1. 退社の際の雇用保険手続き
  2. 失業手当(求職者給付)の受給申請手続き
  3. 教育訓練給付金の申請手続き
  4. 転職先企業での雇用保険手続き

2の「失業手当(求職者給付)の受給申請手続き」では、退職時に会社から受け取った「離職票」を住所地のハローワークへ提出し、求職の申請と求職者給付の受給資格の決定を受ける際に必要となります。

3の「教育訓練給付金の申請手続き」では、雇用保険被保険者が、厚生労働大臣指定の訓練を受講した場合に、受講料等の一部が支給されるものです。被保険者番号は、受講申請の際の「教育訓練給付金支給要件照会票」への記載が必要となります。

4の「転職先企業での雇用保険加入手続き」には、被保険者番号が記載されている「雇用保険被保険者証」の提出が必要となるため、雇用保険被保険者証は再就職時まで紛失しないようにしっかりと管理する必要があります。

また、上記4つのほか、次の5~6のように就職期間中においても必要となるシーンがあります。

5.雇用保険の育児休業給付金の申請手続き
6.雇用保険の介護休業給付金の申請手続き

育児休業給付金や介護休業給付金は、休業する以前2年間において「賃金支払基礎日数」が11日以上となる月が12か月以上あること、などの一定要件をクリアすることで、給付金を受けることができます。

育児休業給付金や介護休業給付金の申請はハローワークにて行いますが、給付金を受ける本人が行うほか、就業先の会社が行うこともあります。

被保険者番号の確認方法

被保険者番号の確認方法は以下です。

1.雇用保険被保険者証で確認する

被保険者番号の確認方法は、一般的には退職の際に会社から退職者へ渡される「雇用保険被保険者証」に記載された内容を確認します。
「被保険者番号」と記載がある欄に書かれている番号で確認できます。

雇用保険被保険者証は、紛失を防ぐために就職先企業にて保管するケースが多くなっています。そのため、転職した経験のない方は目にしたことがないかもしれません。

被保険者番号は基本的に11桁で構成されていますが、雇用保険加入時期が1981年7月6日以前の場合は16桁の数字となっています。この場合、上段に6桁、下段に10桁と二段表示されているため、被保険者番号を記入する際は、下段に書かれた10桁の数字を使って「4桁-6桁-空欄」となるように記載します。

2.離職票で確認する

被保険者番号は、離職票でも確認することができます。
離職票は、就職先の会社を離職したことを証明する書類で、会社から退職者へ渡されるものです。
退職後にハローワークでの求職活動、失業手当の受給のほか、教育訓練給付申請の際などに必要となるものです。

雇用保険被保険者証を紛失してしまった時は?

就業中は会社で管理されている被保険者番号ですが、退職した後は再就職先に入社するまで個人で管理が必要となります。

もしも、途中で雇用保険被保険者証を紛失してしまった場合は、ハローワークで再発行をしてもらいましょう。ハローワークの窓口で「雇用保険被保険者証再交付申請書」を提出することにより、即日再交付してもらうことができます。

そのほか、雇用保険被保険者証の再交付は、郵送や電子手続きによっても申請を行うことが可能です。
郵送による申請なら再交付される雇用保険被保険者証が手元に届くまでに5日程度、電子申請なら基本的に申込日の翌開庁日の発送となります。なお、電子申請の場合は被保険者名義の電子証明書が必要となります。

被保険者整理番号とは?

雇用保険の被保険者番号に似ているもので、「被保険者整理番号」というものがあります。被保険者整理番号とは、健康保険や厚生年金保険の加入の際に発行される番号で、健康保険証であれば、「番号」と表記された欄に記されている番号は被保険者整理番号にあたります。

被保険者整理番号は、会社独自で採番する番号のため、転職の際には原則変更されるものです。

被保険者番号について会社が押さえておきたいポイント

雇用保険被保険者番号について、会社における管理者が押さえておきたいポイントがいくつかあります。

1. 個人情報同様に慎重に管理する

雇用保険の被保険者番号は、過去の勤務先や雇用保険加入期間などの履歴データが紐付けられており、個人情報と同等とみなされます。会社ではそれらのデータを閲覧することができないものの、会社の管理者は責任もった適切な管理を行う必要があります。

2.非正規雇用者に対しても被保険者番号を持っているかを確認する

アルバイト・パートなどの非正規雇用者であっても、加入要件を満たしていれば雇用保険の加入手続きを行う必要があります。
そのため、非正規雇用者として採用する従業員に対しても、これまでに雇用保険の加入経験があるかどうかについて確認をし、加入経験がある場合は、雇用保険の加入手続きを行う際に過去の被保険者番号を引き継ぐ手続きが必要となります。

3.一人で複数の被保険者番号を持っていないかを確認する

中途採用の従業員の中には、ごく稀に被保険者証を2つ以上持っていることがあります。被保険者証が複数あり、記載されている被保険者番号が異なる場合は、雇用保険のうえで同一人物とみなされていない可能性があり、給付金の申請の際に正しい給付が受けられない恐れがあります。

4.退職者に被保険者証についての説明を行う

雇用保険被保険者証は、紛失を防ぐために就職先企業にて保管するケースがほとんどです。そのため、転職した経験のない方にとっては、被保険者証の重要性がわからない方も少なくないでしょう。
会社で保管していた被保険者証を退職者に渡す際には、どのような時に被保険者証が必要となるのか、被保険者証の役割や取り扱いについて説明するようにしましょう。

この記事の執筆者

ゼニス編集部

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