経営課題を解決する糸口になりえる「ITツール」。とりわけ業務効率化には欠かせないものであり、近年では労働に関する制度変更によってITツールの導入を急ピッチで進める企業も増えています。
ただ、ITツール導入には相応の費用が必要です。中小企業や小規模企業・個人事業主の中には「導入費用が高額で負担が大きい」として導入をためらうケースも少なくありません。
そんな時に役立つのが「IT導入補助金」です。
本記事では2024年度・IT導入補助金の概要や対象となる事業、補助金額や申込の流れを徹底解説しています。これからIT導入補助金を申請しようとお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。
IT導入補助金とは
IT導入補助金は、中小事業庁の監督のもとに行われている補助金制度です。
主に中小企業や小規模事業者を対象としており、経営課題を解決するためのITツールの導入費用について最大で400万円、必要経費の1/2~4/5以内の補助が受けられます(補助率は利用枠や会社規模によって異なる)。
近年は働き方改革や社会保険の適用拡大、賃上げなどによって労働に関する制度が大きく変化しています。記憶に新しいところではインボイス制度のスタートも大きな変化といえるでしょう。
また取引等のIT化が進むに伴いセキュリティ対策の必要性も高まっており、企業にとっては“ITツールの活用と情報漏洩対策”が重要なものとなっています。
こうした制度変更への対応、およびITツールの導入によって得られる生産性の向上を支援するためのサポート制度がIT導入補助金です。
対象・対象外の事業者と要件
IT導入補助金の対象となるのは中小企業、小規模事業者等ですが、対象となる事業者の要件は業種分類によって異なります。
また、医療法人や学校法人等の非営利法人や商工会などの団体についても、要件を満たせば補助対象となります。
ちなみに、後述する「インボイス枠電子取引類型」の補助枠については、大企業についても補助対象となります。
中小企業
中小企業の定義については「資本金額」「常勤の従業員数」の要件が業種ごとに定められています。
たとえば小売業の場合は資本金5,000万円まで、従業員50人までの企業が中小企業に相当し、補助対象となります。
一方で、大企業のグループ企業、および課税所得額が大きい企業やIT導入支援事業者にあたる企業等については、要件に適合せず補助が受けられません。
対象外となる事業者については、利用枠ごとの交付規定にて確認することができます。
小規模事業者
小規模事業者については業種ごとに常勤従業員数の要件が定められています。
②サービス業のうち宿泊業・娯楽業:常勤20人以下
③製造業その他:常勤20人以下
自分ひとりで経営を行っており、従業員がいない場合(いわゆるひとり会社)についても対象となります。
なお、上記に該当する場合で、かつ事務局が定める要件を満たしている場合は、法人だけでなく個人事業主も補助対象となります。
対象ツール
IT導入補助金では、事務局より認定を受けたツールが補助対象となります。認定を受けていないツール(リース契約品や中古品など)については補助対象外となってしまうため注意しましょう。
利用枠によって対象となるツールが異なるため、補助金申請を検討している方はIT導入補助金公式サイトより検索されることをおすすめします。
補助額について
IT導入補助金には対象となる枠が5つあり、それぞれ補助率・対象経費が異なります。
通常枠 | 業務効率化・売上アップ等、自社課題解決のためのITツール導入 |
---|---|
インボイス枠(インボイス対応類型) | インボイス制度に対応した会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフト、PC・ハードウェア等の導入 |
インボイス枠(電子取引類型) | インボイス制度に対応した受発注システムの商流単位での導入 |
セキュリティ対策推進枠 | サイバー攻撃等に関するリスク低減のためのツール導入 |
複数社連携IT導入枠 | 複数の中小企業・小規模事業者が連携して地域DXの実現や生産性の向上を図るためのITツール及びハードウェア導入 |
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
※以下、補助額についてはこちらを引用しています。
通常枠
通常枠では、事業のデジタル化を目的としたソフトウェアやシステムの導入に対し補助が受けられます。補助額はITツールが保有するプロセス数に応じて変化し、プロセス数が4以上になると最大450万円までの補助を受けることができます。クラウドツールの利用時には最大2年分までが補助となります。
補助を受けるにはソフトウェアの導入が必須ですが、その他機能拡張・データ連携などのオプション、導入コンサルティングや保守サポート等の役務についても補助対象となっています。
補助率 | 補助額 | |
---|---|---|
1/2以内 | 1プロセス以上 | 5万円以上150万円未満 |
4プロセス以上 | 150万円以上450万円以下 |
※プロセス数の要件により補助額が異なる
【参考:ITツールのプロセスについて】
種別 | プロセス | |
---|---|---|
業務プロセス | 共通プロセス | 顧客対応・販売支援 |
決済・債権債務・資金回収管理 | ||
供給・在庫・物流 | ||
会計・財務・経営 | ||
総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・情報システム | ||
業務特化型プロセス | その他業務固有のプロセス | |
汎用プロセス 単体での使用は不可 | 汎用・自動化・分析ツール (業種・業務が限定されないが生産性向上への寄与が認められる業務プロセスに付随しない専用のソフトウェア) |
インボイス枠(インボイス対応類型)
インボイス枠のうちインボイス対応類型では、インボイス制度に対応した会計・受発注・決済ソフトやPC、ハードウェア等の導入にかかる費用の補助が受けられます。補助割合は企業の規模や対象となるツールの種類に応じて異なり、最大350万円までの補助を受けることができます。
また、インボイス制度に対応した会計・受発注・決済ソフトについては「会計・受発注・決済のうち1機能以上を有することが機能要件」などの要件が定められています。IT導入補助金の公式サイトでは補助金を試算できるシミュレーターを利用できるため、一度確認してみられることをおすすめします。
■インボイス制度に対応した会計・受発注・決済ソフト
補助率 | 補助額 |
---|---|
3/4以内、4/5以内※1 | 50万円以下※2 |
2/3以内 | 50万円超〜350万円以下※3※4 |
■PC・ハードウェア等
補助対象 | 補助率 | 補助額 |
---|---|---|
PC・タブレット等 | 1/2以内 | 10万円以下 |
レジ・券売機等 | 1/2以内 | 20万円以下 |
※1中小企業は3/4、小規模事業者は4/5
※2会計・受発注・決済のうち1機能以上を有することが機能要件
※3補助額50万円超の際の補助率は、補助額のうち50万円以下については3/4(小規模事業者は4/5)、50万円超については2/3
※4会計・受発注・決済のうち2機能以上を有することが機能要件
参考:
IT導入補助金公式サイト(インボイス枠(インボイス対応類型))
インボイス対応類型 補助金シミュレーター
インボイス枠(電子取引類型)
インボイス枠(電子取引類型)では、取引関係における発注企業(大企業を含む)がインボイス制度対応のITツールを導入し、中小企業・小規模事業者等に対して無償でアカウントを供与して利用させる場合の導入費用について、最大350万円まで補助を受けることができます。
補助対象はインボイス制度対応の受発注ソフトの導入費用で、他の利用枠とは異なり大企業でも利用できる補助金制度です。クラウド利用料については最大2年まで補助を受けられます。
補助率 | 補助額 | |
---|---|---|
中小企業 | 2/3 以内 | (下限なし)~350万円以下 |
小規模事業者等 | 1/2 以内 |
参考:IT導入補助金公式サイト(インボイス枠(電子取引類))
セキュリティ対策推進枠
セキュリティ対策推進枠では、「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載されているセキュリティサービスの利用費(最大2年分)について最大100万円までの補助が受けられます。
補助率 | 補助額 |
---|---|
1/2以内 | 5万円以上100万円以下 |
こちらの利用枠は中小企業・小規模事業者等がサイバーインシデントにより事業継続困難となる事態を回避するとともに、サイバー攻撃被害が供給制約・価格高騰を潜在的に引き起こすリスク、および生産性向上を阻害するリスクを低減することが目的となっています。
IT導入支援事業者が提供し、かつ事務局に事前登録されたサービスのみが補助対象となる点に注意しましょう。
複数社連携IT導入枠
複数社連係IT導入枠とは、端的にいうと地域DXの実現、生産性向上をはかるための取り組みを支援する制度です。対象に該当する場合、1企業・団体あたり最大350万円まで(※)の補助が受けられます。
※基盤導入経費と消費動向分析経費の合計額は3,000万円以下。その他経費は200万円以下
商工団体等やまちづくり・商業活性化等の担い手として事業に取り組む中小企業者や団体、複数の中小企業・小規模事業者によって掲載されるコンソーシアム(共同事業体)が対象となっており、会計や決済・受発注等の機能を持つハードウェアやオプション、消費動向等の分析経費、その他経費が補助対象です。
補助対象経費 | 補助率 | 補助額 | |||
---|---|---|---|---|---|
基盤導入経費 | ソフトウェア | 3/4以内、4/5以内※1 | 50万円以下×グループ構成員数 | 3,000万円以下※2 | |
2/3以内※1 | 50万円超〜350万円以下×グループ構成員数 | ||||
ハードウェア | PC・タブレット等 | 1/2以内 | 10万円×グループ構成員数 | ||
レジ・券売機等 | 20万円×グループ構成員数 | ||||
消費動向等分析経費 | 2/3以内 | 50万円以下×グループ構成員数 | |||
その他経費 | 2/3以内 | 200万円以下※3 |
※1補助額のうち50万円以下については補助率は3/4以内(ただし、小規模事業者は4/5以内)、50万円超については補助率は2/3以内
※2基盤導入経費と消費動向分析経費の合計額は3000万円が上限
※3補助額上限は【基盤導入経費と消費動向等分析費の合計額】×10%×2/3(補助率)もしくは200万円のいずれか小さい額
申請の流れ
ここからは、IT導入補助金の申請について解説していきます。順を追って詳しく見ていきましょう。
【STEP1】公募要領の確認とITツールの選定
申請したい利用枠の公募要領を確認し、ITツールを選定します。対象ツールについてはIT導入補助金の公式サイトより検索ができますので、活用してみましょう。
公募要領についてはこちら
補助対象ITツール検索についてはこちら
【STEP2】gBizIDプライムアカウントの取得
行政サービスの申請には「gBizID」が必要です。本事業ではgBizIDプライムへの登録、およびID取得が必要です。ID発行までには1週間~2週間程度かかるため、余裕をもって登録申請を行いましょう。
【STEP3】SECURITY ACTION宣言の実施
IT導入補助金の交付申請には独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「SECURITY ACTION」の宣言が必要です。
IT導入支援事業者に代理申請してもらうことはできず、中小企業および小規模事業者自らが申し込む必要があるため、こちらも早めに済ませておきましょう。
【STEP4】みらデジ経営チェックの実施
次に、STEP1で発行されたgBizIDでみらデジ経営チェックを行います。
①事業者登録を行う
②gBizIDプライムアカウントを連携登録する
③「みらデジ経営チェック」を実施
「IT導入補助金」の通常枠ではみらデジ経営チェックの実施が必須となります。
またセキュリティ対策推進枠、インボイス枠の両方については上記に沿って経営チェックを行うことで加点が受けられます。
参考:「IT導入補助金2024」申請にあたり、みらデジ経営チェックを実施される事業者さま|みらデジ 独立行政法人中小企業基盤整備機構
経営チェックの結果がマイページに表示されたら次のステップへ進みましょう。
【STEP5】必要書類の準備
履歴事項全部証明書や納税証明書等の必要書類を準備します。
企業規模や利用枠によって必要な書類が異なる場合があるため、あらかじめどの書類が必要なのかを確認しておき、抜け漏れがないよう揃えておきましょう。
【STEP6】「申請マイページ」へ入力して交付申請を行う
IT導入補助金サイトの「申請マイページ」から、申請に必要な情報(企業概要・財務状況・経営状況など)を入力しましょう。申請マイページの開設にはgBizIDプライムのアカウントが必須となります。また申請者だけでなくベンダーが入力する箇所も複数カ所あるため、抜け漏れがないか確認を行いましょう。
申請者・ベンダーそれぞれが入力をしたあとは、最終確認をしてから申請に対する宣誓を行い事務局へ提出します。
なお、複数社連携IT導入枠については申請フローや交付決定後の手続きが異なるため、事前に以下の「 3.交付申請方法」から詳細を確認のうえ登録、申請を行いましょう。
【STEP7】交付決定、ITツールの発注
交付申請内容の審査が完了したら、交付決定通知が送られます。通知を受けた申請者は「補助事業者」として、補助事業を開始することができます。ITツールの発注や契約、支払いは交付決定後に行います。
【STEP8】事業実績報告
補助事業の完了後、実際にITツールの発注・契約、納品、支払い等を行ったことが分かる証憑を提出します。
①中小企業・小規模事業者等が『申請マイページ』から事業実績報告に必要な情報の入力・証憑の添付を行い、事業実績報告を作成
②IT導入支援事業者が内容の確認及び必要情報の入力を行う
③最終確認後、中小企業・小規模事業者等が事務局に事業実績報告を提出する
【STEP9】補助金交付
事業実績報告が完了すると補助金額が確定します。
「申請マイページ」で補助額を確認したあと、補助金が交付されます。
【STEP10】事業実施効果報告
補助金を受け取った後は事業実施効果報告を行います。こちらの報告は、定められた期限内に補助事業者(補助を受けた企業)が行わなくてはなりません。
「申請マイページ」から必要な情報を入力し、IT導入支援事業者の確認を経て提出しましょう。
各枠のスケジュールは?いつまでに申請する?
各利用枠の2024年6月時点でのスケジュールについては以下のとおりです。
申請期限を過ぎてしまうと補助金が利用できなくなってしまうため、余裕をもって申請を行いましょう。
通常枠
■4次締切分
締切日 | 2024年6月19日(水)17:00 |
---|---|
交付決定日 | 2024年7月29日(月)(予定) |
事業実施期間 | 交付決定~2024年11月29日(金)17:00 |
事業実績報告期限 | 2024年11月29日(金)17:00 |
■5次締切分
締切日 | 2024年7月19日(金)17:00 |
---|---|
交付決定日 | 2024年8月30日(金)(予定) |
事業実施期間 | 交付決定~2024年11月29日(金)17:00 |
事業実績報告期限 | 2024年11月29日(金)17:00 |
インボイス枠(インボイス対応類型)
■7次締切分
締切日 | 2024年6月19日(水)17:00 |
---|---|
交付決定日 | 2024年7月29日(月)(予定) |
事業実施期間 | 交付決定~2024年11月29日(金)17:00 |
事業実績報告期限 | 2024年11月29日(金)17:00 |
■8次締切分
締切日 | 2024年7月3日(水)17:00 |
---|---|
交付決定日 | 2024年8月8日(木)(予定) |
事業実施期間 | 交付決定~2024年11月29日(金)17:00 |
事業実績報告期限 | 2024年11月29日(金)17:00 |
インボイス枠(電子取引類)
■4次締切分
締切日 | 2024年6月19日(水)17:00 |
---|---|
交付決定日 | 2024年7月29日(月)(予定) |
事業実施期間 | 交付決定~2024年11月29日(金)17:00 |
事業実績報告期限 | 2024年11月29日(金)17:00 |
■5次締切分
締切日 | 2024年7月19日(金)17:00 |
---|---|
交付決定日 | 2024年8月30日(金)(予定) |
事業実施期間 | 交付決定~2024年11月29日(金)17:00 |
事業実績報告期限 | 2024年11月29日(金)17:00 |
セキュリティ対策推進枠
■4次締切分
締切日 | 2024年6月19日(水)17:00 |
---|---|
交付決定日 | 2024年7月29日(月)(予定) |
事業実施期間 | 交付決定~2024年11月29日(金)17:00 |
事業実績報告期限 | 2024年11月29日(金)17:00 |
■5次締切分
締切日 | 2024年7月19日(金)17:00 |
---|---|
交付決定日 | 2024年8月30日(金)(予定) |
事業実施期間 | 交付決定~2024年11月29日(金)17:00 |
事業実績報告期限 | 2024年11月29日(金)17:00 |
複数社連携IT導入枠
■2次締切分
締切日 | 2024年6月19日(水)17:00 |
---|---|
交付決定日 | 2024年7月29日(月)(予定) |
事業実施期間 | 交付決定~2024年11月29日(金)17:00 |
事業実績報告期限 | 2024年11月29日(金)17:00 |
■3次締切分
締切日 | 2024年8月23日(金)17:00 |
---|---|
交付決定日 | 2024年10月3日(木)(予定) |
事業実施期間 | 交付決定~2024年12月9日(月)17:00 |
事業実績報告期限 | 2024年12月9日(月)17:00 |
準備するもの
IT導入補助金の申請には以下が必要になります。
- gBizID(GビズID)プライム
- SECURITY ACTION
- みらデジ経営チェック
- 必要書類(履歴事項全部証明書、納税証明書等)
「gBizIDプライム」についてはID発行申込から取得までに約2週間かかるため、早めの手続きを心がけましょう。その他の必要なものについても、早めに揃えるよう心掛けると安心です。
gBizID(GビズID)プライム
gBizID(GビズID)とは、1つのID・パスワードで行政サービスにログインできる法人・個人事業主向けの認証システムです。
gBizIDには「プライム」「エントリー」がありますが、IT導入補助金で必要なのは「プライム」のほうです。
申請方法には書類郵送申請とオンライン申請があり、オンライン申請のほうが発行期間は短くなります(※マイナンバーカード、およびマイナンバーカード読み取り可能スマートフォンが必要)。
IT導入補助金の公式サイトによればgBizID発行までの期間はおおむね2週間となっています。また後ほどご紹介する「みらデジ経営チェック」を行うにはgBizIDが必須のため、早めに手続きを済ませしょう。
SECURITY ACTION
SECURITY ACTION(セキュリティアクション)とは、中小企業・小規模事業者自らが情報セキュリティ対策に取り組むことを宣言する制度です。
IT導入補助金の申請には、SECURITY ACTIONの「★一つ星」または「★★二つ星」のいずれかを宣言していることが要件となっています。IT導入補助金の交付申請作成時には、宣言済アカウントIDの入力が必要となりますので、以下のサイトからアカウント登録と申し込み手続きを完了させましょう。
SECURITY ACTION自己宣言者サイト
SECURITY ACTION 公式サイト
なお、自己宣言後にはSECURITY ACTIONのロゴマークがダウンロードできるようになりますが、補助金申請には「自己宣言完了のお知らせ」メールに記載されている自己宣言IDのみを使用します。
みらデジ経営チェック
gBizIDが発行されたら、「みらデジ経営チェック」を実施します。
みらデジは中小企業や小規模事業者の経営加害をデジタル化で解決するためのサポートを受けられる制度で、IT導入補助金の通常枠の申請にはみらデジ経営チェックの実施が要件となっています。
利用にはgBizID、および事業者登録が必要です。
みらデジ経営チェックで経営課題、およびデジタル化の状況を把握したうえでITツール選定に進めば、経営課題の解決につながりやすくなります。
みらデジポータルサイト|独立行政法人中小企業基盤整備機構
みらデジ経営チェック|公式サイト
履歴事項全部証明書(発行から3ヶ月以内のもの)
履歴事項全部証明書は「登記簿謄本」とも呼ばれる書類で、法人登記をした企業であれば法務局で取得できます。
交付日からさかのぼって3ヶ月以内に発行した履歴事項全部証明書を用意しましょう。
なお、個人事業主の場合は運転免許証(有効期限内)、運転経歴証明書もしくは住民票(発行から3ヶ月以内のもの)を提出すればOKです。
法人・個人事業主いずれの場合も代替書類は認められません。
またマイナンバーや保険者番号等の個人情報が記載されている書類については、個人情報の記載箇所を黒塗りにするなどし、判別できないようにします。
参考:IT導入補助金2024|公募要領 通常枠
※すべての利用枠で共通
納税証明書
IT導入補助金の申請には、税務署窓口で発行できる直近分の法人税の納税証明書も必要になります。
「その1」「その2」のいずれかを提出しましょう。
個人事業主の場合は、直近分の納税証明書(その1またはその2)と直近分の確定申告書の控え(税務署が受領したもの)の提出が必要です。
参考:IT導入補助金2024|公募要領 通常枠
※すべての利用枠で共通
その他
IT導入補助金の申請には、導入予定のITツールの見積書が必須です。
また、申請内容によっては追加で添付書類が必要になる場合や、年度ごとに変更される場合もあります。
あらかじめどのような書類が必要なのか、最新の情報を確認しておきましょう。
まとめ
本記事ではIT導入補助金について解説してまいりました。
ITツールを導入し活用することで、業務効率化や生産性の向上が実現します。また、ITの利活用によってこれまで難しかったサービスが提供できるようになるなど、新たなビジネスの可能性も期待できるでしょう。
企業にとって大きな課題となりやすい「ITツールの導入費用」については、補助金を利用すれば負担を抑えながら導入が実現します。今後の生産性を高め、商機を増やすためにも、補助金を活用してITツールを導入することを検討されてみてはいかがでしょうか。