近年では会社を設立したり、フリーランス・個人事業主として起業されたりする方が多く見られます。またネットの発達により、業種によってはご自宅でも起業できる時代となりました。
そんな中「できるだけコストを抑えて起業したい」「自宅とは別に事業拠点が欲しい」というニーズも増えています。こうしたニーズを叶えるには、バーチャルオフィスやレンタルオフィスなどのオフィスサービスが好適です。
本記事では「バーチャルオフィスとレンタルオフィス、どちらを選べばいいのか」と迷われる方へ向けて、違いや特徴、メリット・デメリットを徹底解説。それぞれどのような方に向いているのか、選ぶ際にはどのようなポイントをチェックすればいいかなどについてもお伝えしています。
これから起業される方、事業拠点を増やしたいとお考えの方は、ぜひご参考にしてみてください。
バーチャルオフィスとレンタルオフィスの違いは?
バーチャルオフィスとよく比較されるオフィスに「レンタルオフィス」があります。
バーチャルオフィスは住所や郵便物受け取りといった、最低限のオフィス機能のみを利用できるサービスです。
一方レンタルオフィスとは、ビルの1室を契約して利用するオフィスのことを指します。
時おり混同されることもありますが、実はこの2つには大きな違いがあるのです。
さまざまな面から比較し表にまとめましたので、チェックしてみましょう。
バーチャルオフィス | レンタルオフィス | |
---|---|---|
月額の利用料金 | 平均月1,000円台~ | 平均月数万円~ |
住所 | 都心一等地が多い | 建物の立地による |
法人登記の可否 | 可(一部不可の場合もあり) | 基本的に可 |
オフィススペースの利用 | 基本的にはなし (一部スペース利用できる場合もあり) | 個室スペースあり |
郵便物の扱い | 受け取り・転送可能 | 受け取り可能 |
会議室の有無 | 有りが多い | 有りが多い |
電話番号の取得 | オプションやプラン変更で可能 | 可能 |
審査のスピード | 早い(最短即日の場合もあり) | 3日~ |
機能面をまとめると、バーチャルオフィスは「専有スペースは借りられないが、住所と郵便物の受け取り・転送や登記ができ、最短即日で利用できるオフィス」ということになります。
またレンタルオフィスは、「専有スペースが借りられるオフィス」です。借りられる住所は建物の立地によって異なり、審査もバーチャルオフィスほどではありませんが、最短3営業日程度で借りられるケースが多いです。
ただし大きく違うのが、利用料金です。
バーチャルオフィスは住所や郵便物の受け取り・転送を基本としているため、月1,000円台からの格安で借りられます。一方レンタルオフィスは、専有スペースを提供している関係上、コストが多くかかります。
よって、利用料金も月数万円と高くなる場合がほとんどです。
オフィスを選ぶ際には、バーチャルオフィスとレンタルオフィスの機能面、費用面の違いをしっかりと理解しておきましょう。
バーチャルオフィスとは?
バーチャルオフィスは、文字通り「仮想のオフィス」として住所やオフィス機能を借りるサービスを指します。物理的なオフィススペースを借りるわけではなく、住所のみを借りるため低コストで利用でき、利用開始までのタイムラグが少ないためスムーズに起業できる点が特徴です。
近年は自宅を拠点に開業・起業される方も増えつつありますが、自宅の住所が必ずしも事業拠点としての住所として利用できるとは限りませんし、いわゆる“自宅バレ”を避けたい方も多いものです。
そのような場合も、バーチャルオフィスの事業用住所を利用すれば安全にビジネスが始められます。
またバーチャルオフィスでは住所だけでなく、郵便物の受け取り・転送や電話番号貸し、電話秘書代行、貸し会議室といったさまざまなサービス・オプションも利用できるのが大きな特徴です。
バーチャルオフィスの特徴①:オフィス設備は無い
バーチャルオフィスは事業用の住所をレンタルするサービスのため、物理的なオフィススペースが用意されていない場合が一般的です。ただし、バーチャルオフィスの中にはオプションで貸しロッカーが利用できたり、コワーキングスペースを併設していたりするところもあります。
バーチャルオフィスの特徴②:業務用の個室は無い
バーチャルオフィスの中にはコワーキングスペース、シェアオフィスなどを兼ねたところもありますが、個室の執務スペースは設けられていない場合がほとんどです。ただし個室の貸し会議室が併設されている場合は、打ち合わせ・会議・セミナー用として利用できることがあります。
バーチャルオフィスの特徴③:法人登記は可能
近年では多くのバーチャルオフィスで法人登記ができるようになっています。バーチャルオフィスによっては指定のプランを契約することで法人登記が可能になるケースもあるため、事前に確認しておくと安心です。
ただし、弁護士など一部の業種については、バーチャルオフィスだと開業に必要な許認可が下りない場合があるため注意しましょう。
バーチャルオフィスのメリット・デメリットとは?
バーチャルオフィスの特徴について把握したところで、次はメリット・デメリットについて見ていきましょう。
バーチャルオフィスのメリットとは?
バーチャルオフィスのメリットは以下の3つです。
- 月1,000円台からの低コストで法人登記可能なビジネス用住所が利用できる
- 契約から利用開始までがスピーディーで、すぐに事業が始められる
- 郵便物の転送、電話代行秘書サービス、来客時の受付等を任せられる
バーチャルオフィスの平均利用価格は月数千円程度ですが、中には1,000円程度で利用できるバーチャルオフィスもあります。レンタルオフィス等を利用すると月数十万円~数百万円の賃料が必要ですが、バーチャルオフィスならコストを最小限に抑えながら起業できます。
また賃貸契約ではないため利用開始までのタイムラグが短く、最短即日で利用できるのもバーチャルオフィスの強みといってよいでしょう。届いた郵便物の転送や電話代行なども依頼できるほか、有人受付型のバーチャルオフィスなら急な来客時の応対なども任せられます。
バーチャルオフィスのデメリットとは?
バーチャルオフィスのデメリットを挙げるとすれば、以下の2点があげられます。
- 個室など物理的なオフィススペースが使えない
- バーチャルオフィスであることにネガティブな印象を持つ人がいる
バーチャルオフィスは住所やオフィスの機能のみを借りる都合上、物理的なスペース(作業スペース)は別に確保しておく必要があります。またバーチャルオフィスはれっきとしたオフィスサービスですが、クライアント・顧客の中には、バーチャルオフィスに対し良くない印象を持っている方もいます。
そのようなネガティブイメージを持っている背景には、訪問をしたのに受付に人がいなかったり、極端に古い雑居ビルだったりといった経験が影響しているケースが考えられます。
バーチャルオフィスの選び方のポイント
バーチャルオフィスを選ぶ際には、以下の6点を押さえておきましょう。
- 住所のブランドレベルが高い(一等地にある)
- 基本プランに含まれる内容とコストのバランスが自分に合っている
- オプションが充実している
- 有人受付で来客時の対応をしてもらえる
- 建物の外観・内装がきれいで清潔感がある
- 利用審査が徹底している
借りる住所のブランドレベルが高くなるほど、自社・事業に対するブランドイメージが向上しやすく、信用にもつながりやすくなります。また基本プランにどんなサービスが含まれているか、それが自分の求めるものに合っているかもチェックしておきましょう。
オプションについてはバーチャルオフィスごとに内容が大きく変わりますが、ご自身の用途に合ったオプションが充実しているバーチャルオフィスを選べば満足度も高くなります。
来客が多い業種であれば来客応対をお願いできる有人受付タイプのバーチャルオフィスを選ぶとよいでしょう。
その他、対外的な印象に直結する外観・内装の清潔感も重要です。
また利用審査が徹底しているバーチャルオフィスであれば、犯罪や詐欺などをはたらく利用者がおらず、住所が汚れていないため安心です。自社のイメージダウンにつながるリスクも防げるでしょう。
バーチャルオフィスがおすすめな人&使いこなすには
次の特徴に当てはまる方は、バーチャルオフィスの利用がおすすめです。
- ワークスペースが不要(自宅等に作業場所を確保している)
- 固定費を極力抑えたい
- 許認可がいらない業種で起業する
- 自宅バレを防ぎたい
ご自宅で作業をされる方や、主に顧客先へ出向して業務を行う業種の方などは、固定のオフィスではなくバーチャルオフィスの利用に向いています。
バーチャルオフィスなら固定費も月数千円程度と安いため、コストを抑えてビジネスができるでしょう。
また許認可が不要な業種では専有スペースを設ける規則もありませんので、バーチャルオフィスでの起業が可能です。自宅でネットショップなどを起業する場合にも、HPにバーチャルオフィスの住所を掲載することでいわゆる“自宅バレ”を防ぐことができます。
なおバーチャルオフィスの住所は法人登記や開業届への利用だけではなく、名刺やパンフレット、ホームページ、請求書へ記載することもできます。
一等地住所を事業拠点として記載することで自社(事業者)への信用力が高まり、ブランディングに活用できるでしょう。
レンタルオフィスとは?
レンタルオフィスとは、オフィス内の空間・設備をそのままレンタルするサービスを指します。住所や機能のみを借りるバーチャルオフィスと異なり、レンタルオフィスの場合は1名用~数十名用の物理的なオフィススペースを間借りすることになるため、住所+作業スペースが確保できます。
「賃貸オフィス」とよく似ていますが、レンタルオフィスの場合はオフィスの空間だけではなく内装、デスクやキャビネットなどの什器、通信インフラなどをまとめて借りられる点が大きな違いです。またよく似たオフィスとして「コワーキングスペース」「シェアオフィス」などがありますが、これらと比べてレンタルオフィスは専用の個室(または半個室)が借りられる点が大きな違いとなっています。
レンタルオフィスの特徴①:オフィス設備は完備
レンタルオフィスでは以下のような設備が利用できます。
- デスクや椅子、キャビネットなどの什器
- コピー機やシュレッダーなどのOA機器
- 固定電話
- Wi-Fiや光ネット回線などの通信環境
- 会議室、専用ポストなどの共用設備
- 受付スタッフ(来客応対)
はじめからオフィスに必要な環境がほぼすべて揃った状態でスタートできるため、賃貸オフィス・貸事務所を利用する場合に比べるとイニシャルコストを抑えやすくなっています。
レンタルオフィスの特徴②:業務用の個室がある
レンタルオフィスでは専用の個室スペースが利用できるのも大きな特徴です。コワーキングスペースやシェアオフィスのようなオープン型のオフィスではないため、業務上のプライバシー・機密を確保しやすくなっています。
レンタルオフィスの特徴③:法人登記以外にも、許認可登録・口座開設も可能
レンタルオフィスでは法人登記が可能なほか、個室スペースの設置を条件とする許認可申請・登録ができるのも特徴です。またレンタルオフィスの住所を使って法人銀行口座の開設もできるなど、賃貸オフィス・貸事務所と同等の使い方が可能です。
レンタルオフィスのメリット・デメリットとは?
個室スペースおよびオフィス環境を借りられるレンタルオフィスですが、利用するメリット・デメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
レンタルオフィスのメリットとは?
レンタルオフィスのメリットは以下の4つです。
- 賃貸オフィスに比べてイニシャルコスト・ランニングコストが低い
- 個室ゆえプライバシーが確保でき、業務に集中しやすい
- 空室さえあれば入居してすぐに事業開始できる
- 高速インターネット環境が整っている
レンタルオフィスの保証金や賃料は、賃貸オフィス・貸事務所に比べると低めに設定されている場合が多いです。そのため、初期費用や固定費を抑えながら個室のオフィスを借りたい方にはぴったりといってよいでしょう。個室なので業務に集中しやすく、機密情報なども扱えるのはレンタルオフィスゆえのメリットです。
また、空室があれば入居完了後すぐにビジネスが始められること、最初から高速インターネット環境が整っていることなどもレンタルオフィスのメリットとして挙げられます。
レンタルオフィスのデメリットとは?
レンタルオフィスのデメリットは主に以下の3つです。
- 執務スペースの広さが限られている
- 構造によっては同フロアの入居者の騒音等が聞こえる
- 入居ビルの取り壊し、運営会社の撤退などで退去を余儀なくされる場合がある
賃貸オフィス・貸事務所に比べると、レンタルオフィスは規模の小さな部屋を借りるケースが多く、大きな荷物などは置けない場合がほとんどとなっています。またフロア構造にもよりますが、別の入居者の話し声が気になる可能性もあります。
入居しているビルや運営会社の都合で退去せざるを得なくなれば、次の入居先を早急に探さなくてはならない点も注意が必要です。
レンタルオフィスの選び方のポイント
レンタルオフィスを選ぶ際には以下をチェックしましょう。
- 立地や賃料は妥当か
- 建物や部屋のセキュリティが徹底しているか
- 自身に合ったオプションサービスがあるか
このうちもっとも重要なのが「立地」「賃料」です。
例えばブランドイメージを重要視されるならば一等地にあるレンタルオフィスが好適ですし、「事業拠点として個室を置きたいが実際の業務は外で行うことが多い」という場合ならばミニマムなレンタルオフィスを借りて賃料を抑えるという選択肢もあります。
また、情報漏洩などリスクを減らしたい場合は、建物や入居する部屋のセキュリティに注目して選ばれるとよいでしょう。たとえば専用のカードキーがないと入れないようなレンタルオフィスなら、不法侵入などを防ぎやすく安心して機密情報を扱えます。
その他、オフィススペース以外の拡張機能を利用されたい場合はオプションの種類・内容についてもあらかじめ確認しておくとよいでしょう。
レンタルオフィスがおすすめな人&使いこなすには
メリット・デメリットを踏まえたうえで、次のような方はレンタルオフィスの利用に向いています。
- 個室スペースを使いたい方
- 什器やOA機器、ネット環境などがそろった状態でビジネスを始めたい方
- 他の入居者との交流機会を作り、ビジネスを展開したい方
先述のとおりレンタルオフィスは個室スペースやビジネスに必要な環境が揃っているため、準備に時間をかけずにビジネスをスタートしたい方におすすめです。
また、レンタルオフィスによっては会員(入居者)同士の交流会を開催しているところもあります。人脈作りをしてビジネスを展開したい方は、交流会のあるレンタルオフィスを探してみてはいかがでしょうか。
バーチャルオフィスとレンタルオフィス、それぞれの違いについて
バーチャルオフィスとレンタルオフィスの違いをまとめてみました。
一般的なバーチャルオフィス | 一般的なレンタルオフィス | レゾナンス | |
---|---|---|---|
実際の作業場所 | ✕ | ◯ | ✕ |
登記 | △ | ◯ | 一等地住所で法人登記が可能 |
来客対応 | △ | ◯ | ◯ |
会議室 | ◯ | △ | ◯ |
費用 | ◯ | ✕ | 月額990円~ |
交流会 | ✕ | △ | ◯(毎月開催) |
実際の作業場所があるかないか
自宅と事務所を兼用しており、プライバシーを守るために事業用の住所や電話番号のみ必要な場合はバーチャルオフィスを利用するとよいでしょう。
一方で、実際に事務所を利用できるレンタルオフィスは、作業場所の確保が難しく打合せスペースが必要な方に最適といえます。人目を気にせず落ち着いて打合せができる点は大きな魅力です。
ただ、毎日作業場が必要なわけでないというのであれば、バーチャルオフィスを利用して必要なときだけ会議室を借りるというスタイルにすることで、レンタルオフィスを借りるよりもランニングコストを大幅に削減することができます。
借りた住所で登記が認められるか
レンタルオフィスの場合、その住所で登記できるのが大きなメリットです。バーチャルオフィスの場合、登記などの公的証明書には住所を使用できる場合とできない場合がありますので事前に確認をしましょう。
レゾナンスでは東京都港区での法人登記が可能です。
対応がスムーズにできるか
レンタルオフィスは、実際の事務所があるので来客があった場合でもすぐに対応できます。しかし、バーチャルオフィスだと来客があった場合に顔を合わせることができませんが、オプションで会議室を借りることができ、来客時などに利用することが可能です。
また、電話連絡や郵便物の受け取りに対して迅速に対応できないことがありますが、こちらも電話代行や郵便物の郵送サービスをつければ問題ありません。
バーチャルオフィスに迷ったら、レゾナンスへ
ここまでお読みになり「バーチャルオフィスが気になっているけれど、どのサービスを選べばいいかわからない……」と迷われている方も多いのではないでしょうか?
バーチャルオフィスのレゾナンスでは、法人登記ができる一等地住所を月額990円からの格安でご提供しております。
当店では「港区浜松町本店」「青山店」「銀座店」「日本橋店」「渋谷店」「恵比寿店」「新宿店」「横浜店」とそれぞれ都心の一等地住所をご用意。郵便物の転送サービスも基本プランに含まれており、届いた郵便物は会員様専用アプリからお写真でご確認いただけます。
また全店舗でスタッフによる有人受付を行っておりますので、急な来客時のご対応や郵便物の直接お渡しも承ります。ご住所専用プラン以外には転送電話番号・電話秘書代行付きのプラン、豊富なオプションもご利用いただけるため、用途に応じたカスタマイズが可能です。
レゾナンスのバーチャルオフィスは法人様やフリーランス、個人事業主、副業ワーカー様にも幅広くご利用いただけます。サービスの質や住所のブランドレベルを含めたコストパフォーマンスを重視される方は、ぜひレゾナンスをご活用ください!
まとめ
本記事ではバーチャルオフィスとレンタルオフィスの違い、それぞれのメリット・デメリットや向いている人について解説しました。
バーチャルオフィスやレンタルオフィスは比較的低コストで利用でき、申し込みから利用開始までのタイムラグが少ない点が大きな利点です。「コストを抑えて起業したい」「お金をかけずに別の事業拠点を設けたい」という場合には最適なオフィス形態といってよいでしょう。
ただし、2つのサービスはそれぞれメリット、デメリットがあり、どちらが最適化は業務内容、会社規模、用途、許認可の要不要などによっても変わります。
本記事をご参考に、ご自身に合ったオフィスを選んでいただければ幸いです。