副業などで話題の「転売」は、手軽に収入が得られるとして人気です。しかし「転売ヤー」という言葉があるように、転売に対し「違法」「正当な商売ではない」と、どこかマイナスのイメージを持っている方も少なくありません。
そこで今回は、転売の意味や定義について改めてご紹介します。転売を行う上でのポイントや注意点についても解説しますので、ぜひ参考にお読みください。
転売の意味とは?利益を得る仕組み
転売とは、仕入れた商品を売って、利益を得る行為です。
「消費者向けのお店で一度販売された商品を購入し、価格をつけ直して再販売する」とも言い替えられます。「消費者向けのお店」には、家電量販店やスーパー、ネットショップなどが当てはまります。
転売では「仕入(購入)価格」と転売による「利益額」の差額が利益として手元に残ります。
つまり、安く仕入れて高く売れば売るほど、大きな利益につながるのです。
5,000円で仕入れたフィギュアを7,000円で販売=差額2,000円
2,000円から販売手数料、送料などを差し引いた金額が「利益」となる。
需要に対して供給が少ないモノ(限定商品や生産数の少ない商品など)は希少性も高くなり、高額で転売されるケースがよく見られます。
なお、転売する際に新品・中古品の区別はありません。あくまでも「他人が販売していたものを買い、改めて売り渡す行為」そのものを転売と呼びます。
近年では書籍やCD、DVDなどのメディア作品のほか、ホビーグッズや服飾品、アイドルグッズなど、さまざまな商品の転売が行われています。
転売には違法なものもある!?グレーゾーンや正しい転売の違いとは
転売そのものは違法行為ではなく、ビジネスとしても合法です。
ただし、法に触れる商品の販売や、許可が必要な商品の無許可販売などを行うと、違法行為として罰せられます。
また法に触れはしないものの、迷惑行為にあたる“グレーゾーン”な転売もあります。
- 法に触れる商品の販売(ブランドコピー商品や偽物、薬物など)
- 許認可がないと扱えない商品の販売(お酒や医薬品、化粧品、古物商許可が必要なジャンルの商品など)
- チケットの高額転売(チケット不正転売禁止法に抵触するため)
- 数量限定品や目玉商品を転売グループで買い占め、大量出品する転売
- 商品確認のため売り場を占領するなどの行為を伴う転売
- 市場価格を大幅に上回る高額での転売
- 正規の方法で入手した商品の転売
- 市場価格を大幅に逸れない範囲での転売
- 古物商許可や販売免許を取得したうえでの転売
(例:酒類や医薬品・化粧品/ 書籍、機械ガジェット類、自動車、美術品など)
これから転売を始めたい方は、違法やグレーゾーンになる転売がどのようなものかを知っておき、正当な手段での転売を心掛けましょう。
転売と似ている販売方法は?それぞれの違い
転売と似ている販売方法に「せどり」「物販」があります。それぞれの違いを見てみましょう。
- 転売:一度流通した販売商品を買い、値段を付け直して販売するビジネス。
- せどり:広義でいうところの「転売」と同じ。昔は「中古本の転売」を指していた。
- 物販:卸業者から仕入れた商品や、オリジナル商品を販売するビジネス。
「せどり」はもともと、中古本の背表紙を見て高値で売れそうなものをピックアップし、転売するビジネスを指していた言葉です。しかし近年では、中古本に限らず新品の本やCD、ホビー商品、家電など、さまざまな商品を転売することを「せどり」と呼んでいます。
また転売に対し「物販」は、卸問屋から仕入れた新品商品や、自社のオリジナル商品、ハンドメイド商品などを販売するビジネスを指します。転売・せどりとは仕入れ方法が異なるのです。
物販には自身が直接店舗・ネットショップなどで商品を販売する方法が一般的。また、ブログやYouTubeチャンネルなどで商品を紹介し、販売を行う「アフィリエイト」も物販の一種です。
転売をするうえで知っておきたいポイント&注意点
先述のとおり、転売には「法に触れる転売」「迷惑となる転売」もあります。
しかし、正しい方法で行えばまったく問題ありません。本来転売は初心者でも手軽に始められるものであり、会社員の副業としてもおすすめできるビジネスです。
転売を真っ当なビジネスとして成立させるには、以下の3点が重要です。
- トレンドを反映した商品や需要の多い商品を仕入れる
- 古物商許可を取る
- 金銭管理を徹底する
トレンドを反映した商品や需要の多い商品を仕入れる
転売で利益を出すには「商品の需要」を考えることが手っ取り早い方法です。トレンドを反映した商品や需要の多い商品は、仕入れたあとに売れやすく、利益を生み出しやすいしょう。
トレンド商品や需要の高い商品を仕入れるには、街中やSNSなどでの情報収集が欠かせません。常にアンテナを張りつつ、どんな商品に需要があるのか、市場価格はどう変化しているのかを探り続けましょう。
古物商許可を取る
転売を行う際には、古物商許可を取得しておくとビジネスとして展開しやすくなります。
無償でもらったものや不用品を転売する場合、古物商許可は不要です。また卸問屋やメーカーから直接仕入れた商品を販売する場合は、古物ではなく新品の販売(物販)とみなされます。こちらも古物商許可は不要です。
一方、どこかの小売店から購入した商品を売る場合は、新品未開封であっても「古物」と判断される場合があります。
購入した商品が古物(中古品)となる仕入先の例
- ショッピングサイト
- 家電量販店
- スーパーやデパート
- 小売専門店
- 古本屋、古着屋、リサイクルショップ など
古物商許可を取得すれば、小売店から購入した衣類や書籍、金券、美術品、時計、宝飾品、機械・ガジェット類や皮革製品など、幅広いジャンルの品物を転売できるようになります。
また、古物商になると「古物市場」という取引場を利用することができます。小売店よりも安い値段で商品を仕入れることができるため、利益を増やす方法として活用してみましょう。
古物商許可を取得するには警察署で手続きが必要
古物商許可を取得するには、警察署で所定の手続きが必要になります。
5年以内に禁固刑や罰金刑を受けた人や古物商許可を取り消された人、定住している住所がない人は許可認定が下りませんので注意しましょう。
参考リンク:古物商許可申請 警視庁
金銭管理を徹底する
転売で利益を生み出すには、金銭管理を徹底することも大切です。
仕入額や売上額の管理が雑だと、帳簿をつけたときに「稼いだつもりだったのに仕入額・経費がかさんでいて、結果的に儲けが少なかった」といった事態にもなりかねません。
不必要な経費を削減するなど、金銭面でのシビアさを忘れないようにしましょう。
転売をするうえでの注意点は?
転売を始めるうえで気をつけたい点は、以下の3つです。
- 仕入れの際にはマナー、節度を守る
- 価格の不当な吊り上げや詐欺まがいの販売方法はアカウントBANにつながる場合も
- コピー品と疑わしき商品は販売しない!
仕入れの際にはマナー、節度を守る
転売をビジネスとして成功させるには、「迷惑業者と思われないこと」がとても重要です。
仮にお客様から迷惑業者と認定されてしまった場合、販売数は伸びないでしょう。さらに、商品仕入れ先の店舗から迷惑業者と思われてしまえば、出入り禁止にされるおそれもあります。
価格の不当な吊り上げや詐欺まがいの販売方法はアカウントBANにつながる場合も
転売のプラットフォームとしてフリマサイトやオークションサイトで販売をされる方も多いでしょう。
その際に価格を不当に吊り上げたり、詐欺まがいの販売(商品定価での出品で中身を抜き、外装箱だけを販売するなど)を行ったりすると、アカウントの停止などの処分が下されることもあります。
あくまでも常識的な範囲内の価格設定、真っ当な販売方法を心掛けましょう。
コピー品と疑わしき商品は販売しない!
ちなみに、コピー品の販売は偽物だと知らなくても法に触れてしまいます。思いがけずコピー品をつかまされた場合や少しでも怪しいと思ったときは、絶対に販売しないようにしましょう。
「そこそこの値段で購入したから、仕入れ費用分だけでも回収したい……」と考えるのはご法度ですよ。
まとめ
本記事では、転売とは何かについてご紹介しました。転売は商品1つからでも始めることができ、会社員の副業としても適しています。また正当な手段・手順を踏めば、違法とみなされることもありません。
興味を持たれた方は、転売にトライしてみてはいかがでしょうか。
なお、レゾナンスでは転売・物販にも便利な「バーチャルオフィス」を提供しております。
バーチャルオフィスの住所は販売サイトで連絡先として掲載することもできますので、「自宅住所をネット上に載せたくない」という方におすすめです。
転売・物販を始められる際は、ぜひバーチャルオフィスをご活用ください。