法人登記をして会社を設立する際には「法人印鑑(会社実印)」が必要になります。そこで今回は、法人印鑑にフォーカス。法人印鑑の種類や使用シーン、登録方法を解説します。
これから法人化を目指している方は、法人印鑑についても知っておきましょう。
法人印鑑は「会社設立」に必要な印鑑!
法人印鑑とは、その名のとおり「法人(会社)」の印鑑のことです。
法人印鑑は法人がおこなうさまざまな手続き、書類などに押印するものであり、会社を設立する際にも必須となるアイテムです。また法人印鑑は、個人用の印鑑と同じく、印鑑登録をすることで「実印」としてのさまざまな法的効力を持てるようになります。
法人印鑑を作成する場合、注文してから1~2週間ほどの作成期間が必要です。会社の法人登記をする前に、あらかじめ用意しておきましょう。
法人印鑑の種類とは?
法人印鑑はひとつだけではなく、さまざまな種類があります。
- 代表者印(会社実印)
- 会社銀行印(法人銀行印)
- 会社角印
- 会社認印
- 住所印
それぞれの特徴をご紹介します。
表者印(会社実印)
代表者印は会社の「実印」として法人設立時の手続き・登録に使うものであり、会社にとって最重要となる法人印鑑です。
- 法務局への印鑑登録(法人登記と同時に行うケースがほとんど)
- 官公庁への提出書類への押印
- 重要な契約書への押印
- 法人銀行口座開設時 など
代表者印は法人設立以外にも「組織の代表であること」を証明するために使われます。
たとえば官公庁へ提出する書類や重要契約書などには、代表者印が必須です。
代表者印は丸印で作成しますが、印面が二重になっているのが特徴です。外側の円には会社名が、内側の円には役職名が入っています。
会社銀行印(法人銀行印)
法人として銀行口座を開設する場合に必要なのが「会社銀行印」です。
- 法人銀行口座の開設時
- 手形、小切手のやり取り
銀行口座の開設時には「代表者印」が使えますが、代表者印の悪用、紛失のリスクを避けるためにも別途で会社銀行印を準備しておくことをおすすめします。
会社銀行印は代表者印と区別するため、ひとまわり小さめのサイズの丸印で作成するとよいでしょう。
また銀行用と判別しやすくするために、印面へ「銀行之印」という文字を入れるのもポイントです。
会社角印
会社角印は、四角形をした法人印鑑です。
- 領収書
- 請求書
- 納品書
- 指示書
- 社内文書 など
主に領収書や請求書、社内文書などに押印される法人印鑑であり、会社名のみが彫られています。
なお会社角印にはサイズの制限がないため、自身の好きな大きさの角印を作ってかまいません。
会社認印
会社認印は、郵便物や荷物の受け取り、重要でない社内文書などに使われる法人印鑑です。個人の認印と同じような用途で使われる、と考えてよいでしょう。
多くの場合は丸印に「役職名」「社名」を彫って会社認印として作成します。
住所印
住所印は「ゴム印」とも呼ばれる、会社名、会社住所、電話番号などを彫った印鑑です。
手書きの書類やチラシなどに会社名を記載する手間を省くための法人印鑑で、代表者印などの各法人印鑑と合わせて作成する場合が多く見られます。
会社設立時には法人印鑑が必須!法人の印鑑登録とは?
法人登記をして会社設立する際には、同時に「印鑑届書」を提出します。
印鑑届書とは「法人印鑑のうち、代表者印(会社実印)を実印として登録します」という届け出をするための書類です。法務局でこの法人印鑑登録を行わないと、代表者印が「実印」としての効力を発揮できません。
また、法人設立後の手続き等では「会社の印鑑登録書」が必要になる機会が多いです。各種手続きをスムーズに進めるためにも、法人登記とまとめて提出するのがベストでしょう。
法人印鑑の登録手続きに必要なもの
- 代表者印
- 印鑑届書
- 届け出を行う本人の実印、印鑑証明書
- 印鑑カード交付書
印鑑届書には、届け出を行う本人の実印を押さなくてはなりません。
また、本人の印鑑証明書も添える必要がありますので、忘れずに準備しておきましょう。
実印登録がまだの人は、お住いの市区町村役場で印鑑登録を行います。
なお、印鑑届書は法務局の公式サイトからダウンロードできます。
書き方の例も掲載されていますので、合わせて確認してみましょう。
参考リンク:登記事項証明書(商業・法人登記)・印鑑証明書等の交付請求書の様式 :法務局
最後の「印鑑カード交付書」は、印鑑証明書を取得する際に必要な「印鑑カード」をもらうために必要な書類です。あとから郵送で手続きも可能ですが、あらかじめ印鑑届書と合わせて記入し、持参すると手間が省けます。
上記の法務局公式サイト、またはこちらのURLからダウンロードできますので、ご確認ください。
https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001328650.pdf
法人印鑑の登録手順、印鑑証明書の取得方法は?
法人印鑑(代表者印)を登録するには、法務局の窓口へ代表者印、印鑑届書、本人の実印・印鑑証明書を持参すればOKです。登録がすんだら、「印鑑カード交付書」を提出し、印鑑カードを発行してもらいます。
法務局で印鑑登録や印鑑カードの発行をすませたあとは、印鑑証明書を取得しておくとよいでしょう。
法務局窓口で印鑑証明書を取得する方法
- 「印鑑登録証明書交付申請書」へ以下の事項を記入する
- 会社の商号
- 会社当の住所
- 印鑑提出者の資格、氏名、出生年月日
- 印鑑カード番号
- 手数料額に該当する「収入印紙」を貼付する
- 印鑑カード、印鑑登録証明書交付申請書を法務局窓口へ提出する
その他の印鑑証明書の取得方法
印鑑証明書の発行について、法務局の窓口以外の方法としては以下の3つがあります。
- 法務局の証明書発行請求機で取得する
- 郵送で請求する(返信用封筒、郵便切手、印鑑カードが必要)
- オンライン申請で取得する
オンライン申請の場合は、あらかじめ法務局で「法人の電子証明書」を取得しておかねばなりません。
電子証明書の取得には少し手間がかかりますが、オンライン申請は郵送に比べて印鑑証明書の請求がかんたん、かつ費用負担も少ないため、やっておく価値はあります。
参考リンク:登記・供託オンライン申請システム 登記ねっと 供託ねっと
法人印鑑を作成する際の注意点は?
法人印鑑を作成するにあたって気をつけたいのが、以下の2つです。
- 法人印鑑のうち代表者印の「ゴム印」はNG
- 代表者印にはサイズの規定がある
順に見ていきましょう。
法人印鑑のうち代表者印の「ゴム印」はNG
法人印鑑の中でもっとも重要なのが「代表者印」ですが、ゴム印を印鑑登録に使うことはできません。
代表者印を作成する際は、木製やチタン、水牛などの耐久性、捺印性に優れた素材を選びましょう。
代表者印にはサイズの規定がある
代表者印のサイズは「印影の一辺の長さが1cm以上、3cm未満の正方形に収まる大きさであること」というふうに、商業登記規則で決められています。そのため一般的には、18mmまたは21mmのサイズで代表者印を作成する場合が多いようです。
サイズ規定を外れた代表者印は、印鑑登録が認められないため注意しましょう。
ちなみに銀行印は、代表者印と区別するために16.5mm、18mmで作成するケースが多く見られます。
法人印鑑の作成は早めに!会社設立前に手配しておこう
法人印鑑は「代表者印・会社銀行印・会社角印」の3点セットで販売されている場合が大半です。
価格相場は3,000円~40,000円と大きな幅があり、素材によって異なります。耐久性や使用感、複製のしにくさなどを考慮して選ぶと良いでしょう。
また、法人印鑑3点セットに加えて「会社認印」「ゴム印」も一緒に注文しておくと手間が省けます。
法人印鑑はオーダーメードになるので、2週間前後の作成期間が必要です。「会社名(商号)」「会社の住所」が決まり次第、早めに注文しておくことをおすすめします。
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