起業を考えたとき、「資格を取ったほうがいい?」と迷われる方は多いものです。結論から申し上げると、「起業前に資格を取っておいて損なし」だといえるでしょう。
今回は、起業時に資格を取ったほうがいい理由や、起業時に取ると良い資格14選をご紹介します。起業に際しどのような資格を取ればいいのか悩んでいる方は、ぜひご参考になさってください。
起業時に資格を取ったほうがいい理由
近年ではインターネットを利用した仕事など、特に資格を必要としない業種で起業される方も増えつつあります。
しかしながら、起業して事業を展開・経営していくのであれば、資格を取っておくのに越したことはありません。
その理由は次の3つです。
資格勉強によって幅広い分野の基礎知識が得られる
起業に際し資格を取得するには、資格試験に向けた勉強をする必要があります。もちろんそのためには時間や労力が必要になりますが、学習を通じてその資格分野の基礎知識が身につけられるのは大きなメリットです。
専門性や知識、権威性の証明になる
資格を取得すれば「専門性」「知識」「権威性」といったものを客観的に証明することができます。これらはビジネスを起業・展開するうえで大きな「付加価値」となります。
「その道の専門家」という印象を与え、信頼を獲得しやすい
起業の際の営業、宣伝などで資格を保持している事実を提示すれば、顧客側は「その道の専門家」という印象を受けます。
例えば家計のアドバイスをするコンサルタントとして起業した場合、「FP1級の資格を持っている人」と「無資格の人」では、前者の方が「専門知識が豊富」という印象を与えるでしょう。結果として、信頼を得やすくなり、新規顧客の獲得・リピーターにつながる可能性も高まります。
起業に役立つおすすめの資格7つ!それぞれのメリットをチェック
起業に際し資格を取得したほうが良い、というのは前述のとおりです。とはいえ、せっかく取得するなら「起業に役立つ資格」を取りたいところ。
ここでは、業種に関係なく起業時に役立つ資格を7つご紹介します。おすすめの理由も合わせてお伝えしますので、参考にしてみてくださいね。
日商簿記検定:経営・財務状況の把握に効果的
日商簿記検定は、経理に関する知識・処理スキルを身につけられる資格です。
起業時に取得すれば、資金繰りの状況や財政状況といった“お金の流れ”を理解しやすくなります。
初めて取得する場合3級からがおすすめですが、より実践的な知識を身につけたい場合は2級の取得を目指すとよいでしょう。2級相当の知識があれば、確定申告を自ら行うことも可能です。
ファイナンシャルプランナー:資産運用や財務・税務の知識が身につく
ファイナンシャルプランナーは金融・保険・不動産・年金のスペシャリスト資格です。
金融・保険・不動産・税金といったお金に関する問題解決能力を身につけられるため、起業時に取得すれば経営での財務、税務などへ活かすことができます。資産運用の知識も得られるため、取っておいて損のない資格です。
参考:日本FP協会
ビジネス実務法務検定:経営に必要な法律知識が身につく
ビジネス実務法務検定は、会社法や民法、労働法といった「ビジネス関連の法律知識」が習得できる資格です。起業時に取得すれば、経営者として最低限知っておきたい法律の知識が身につき、リスク回避に役立ちます。
参考:東京商工会議所検定サイト | ビジネス実務法務検定試験®
中小企業診断士:経営に関する知識を習得可能
中小企業診断士は、中小企業の経営状況について診断や分析を行い、助言を行うコンサルタントの資格です。
国家資格ゆえ取得の難易度は高いですが、経済学や人事、財務会計、マーケティングなどさまざまな面から自社の経営状態を判断できるようになります。これにより、起業した際も適切な経営を行うための判断が可能となるでしょう。
参考:中小企業診断士試験
行政書士:起業時に必要な官公庁提出書類を自分で作成できる
行政書士は国家資格のひとつで、憲法や行政法、民法、商法など、起業や経営に深く関わる法律知識を学べる資格です。
また行政書士の資格を取ると、自分で会社経営・設立に関する提出書類の作成・届け出ができるようになります。
たとえば法人設立に必要な「定款」の作成や許認可の申請書類は、行政書士の業務管轄です。起業に必要な書類が自身で作成できるようになれば、外部へ委託する手間や費用を削減できます。
税理士:税務関係の書類処理ができるようになる
起業時には、「税理士」の取得もおすすめです。
税理士はいわば「税務全般のプロフェッショナル」。資格を取得した場合、起業したあとの会計帳簿・財務諸表などでの税額計算、税法における処理が自分でできるようになります。また適切な納税の知識や、正しい節税の方法も身につくため、経営を続けるうえで大変有利になるでしょう。
社会保険労務士:労務管理、人材管理スキルを習得できる
社会保険労務士は「雇用、労働、社会保障制度の専門家」ともいえる資格です。
会社を起業して従業員を雇う場合、社会保険関係の書類を準備したり、人事や労務管理を行ったりする必要があります。
社会保険労務士の資格を取得すれば、労務管理や人材管理のスキル、年金等の社会保障に関する正しい知識を身につけられます。さらには自分で社会保険に関する書類の作成ができるようになる点も魅力です。
起業する業種によってはこちらも推奨!おすすめの資格7つ
前項では汎用性の高い資格を7つご紹介しました。さらに起業予定の業種によっては、以下のような資格を取得するのもおすすめです。
不動産業:宅地建物取引士、不動産鑑定士
不動産関連の仕事で起業したい場合は、宅地建物取引士や不動産鑑定士の資格取得をおすすめします。
宅地建物取引士は、不動産取引に関する専門知識や法律知識を学べる資格です。不動産の売買契約・賃貸契約を行う場合は、宅地建物取引士の資格が必要です。
もうひとつの不動産鑑定士は、土地や建物を評価し、適切な価格を提示しながら不動産の取引・活用を提案する専門家です。資格を取得すれば、不動産関連業での活躍が見込めます。
IT系業種:基本情報技術者、ITパスポート
エンジニアやプログラマー等のIT職で起業する場合は、基本情報技術者やITパスポートといった資格の取得をおすすめします。起業時に取得しておけば、IT技術を持っていることの証明になり、顧客からの信頼を得やすくなります。
基本情報技術者は、ITエンジニアとしての「基本知識、スキル、戦略立案」といった能力を証明する資格です。もうひとつのITパスポートは、システム開発やWeb・アプリ開発などに用いられる「基礎的なIT技術」を持っていることを示す資格です。
参考:【ITパスポート試験】情報処理推進機構
IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:制度の概要:基本情報技術者試験
接客・サービス業:サービス接遇検定試験
接客・サービス業で起業する場合におすすめの資格が「サービス接遇検定」です。この資格では、お客様に対する適切な言葉遣い、マナー、ホスピタリティなどを体系的に学ぶことができます。
接客・サービス業は内容次第では資格なしでも起業可能です。そんな中、接遇スキルを身につけておけば顧客の満足度アップにつながりやすく、同業他社との差別化が期待できます。
美容系業種:日本エステティック協会認定資格、ネイリスト技能検定
美容系の業種で起業する場合は、エステやネイルに関する資格を取得するとよいでしょう。
日本エステティック協会認定資格は、エステを運営するうえで必要な知識、技術を習得できる資格です。プロのエステティシャンとしての技術はもちろん、接客・経営・営業など、サロン開業に必要な知識も身につけられます。
参考:資格・検定 | 日本エステティック協会
ネイル関連の資格では、ネイリスト技能検定がおすすめです。取得を目指すことでネイルに関する基礎知識はもちろん、ネイルケアやカラーリングの技術、ネイルアートの技術も習得できます。ネイリストとして起業・開業する場合は、2級以上の取得を目指すとよいでしょう。
資格を取得して起業を有利に!スキルや知識を身につけよう!
資格にはさまざまな種類がありますが、本記事でご紹介した資格はどれも起業に役立つものばかりです。
特に士業系の資格を取得すれば、本来であれば料金を支払って依頼する「官公庁への提出書類作成」「税務関係の書類作成」といった独占業務を、自身で行うことができます。
試験合格までの勉強の労力こそありますが、こうしたメリットを考えると起業時に資格を取ることは長い目で見ても有意義なことだといえるでしょう。
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