近年では会社員のかたわらで副業を始め、起業される方も多く見られます。中には会社を辞めて独立し、法人企業の代表として活躍されている方もいらっしゃるでしょう。
ただ、ひとくちに「起業」といっても、実際にはさまざまな種類があります。ここでは起業の形態やビジネスの種類、オフィスの種類、資金調達の方法の違いなどを一挙にご紹介します。
起業形態には大きく分けて2種類ある
起業の形には、大きく分けて2種類があります。
①個人事業主として開業する
個人事業主とは“個人で事業を営む人”のこと。税務署へ開業届を提出すると、個人事業主となります。
後述する法人のように「会社」を作るのではなく、あくまでも個人で事業を営んでいる点が特徴です。
②法人を設立する
法人を設立すると「会社」を興すことになります。法人になるには定款の作成や登記などの手続きが必要です。その一方で個人事業主に比べ社会的な信用度が高く、一定以上の収入であれば税率(法人税)が低い利点があります。
なお、法人にはさまざまな種類があります。
- 合同会社
- 株式会社
経営者と出資者が同じ、かつ出資者の全員が「有限責任社員」である会社を合同会社と呼びます。登記における登録免許税が低く(6万円)、株式会社に比べ低額で起業できるのがメリットです。
株式会社とは、株式を発行して出資者を募り、資金調達をして起業した会社を指します。
経営陣と出資者(株主)がそれぞれ別になっている点、決算の公示義務が生じる点が合同会社との大きな違いです。起業費用は約25~30万ほど必要ですが、その分社会的信用が高いのがメリットです。
起業時の事業内容は? その種類やおすすめ起業アイディア
起業の折には事業の内容・方向性に悩む方も多いとされています。本項では、起業形態別におすすめのビジネスをご紹介します。
個人事業主としての起業に適したビジネスの種類
個人事業主として起業する場合におすすめのビジネスは、以下の5種類です。
- スキルシェア、スキル販売
- コンサルタント、講師業
- ネットショップ運営
- Webライター
- アプリ開発
個人事業主の場合、単独で業務に携わるケースが多いでしょう。
ひとりで起業したい場合は、「自分がいれば完結する規模の事業」がおすすめです。
過去の仕事で培ったスキルの販売や、コンサルタント・講師などは個人事業との相性も良いです。またネットショップも規模が小さいうちはひとりで十分作業が可能なため、個人事業向きだといえます。
そのほかにはWebライターやアプリ開発など、「自宅でも作業ができるビジネス」も適しています。
法人設立での起業に適したビジネスの種類
法人設立・起業に適したビジネスの種類には、次の4種類があります。
- 店舗での販売や教室、塾の運営
- 製品を生み出すプロダクト開発
- フランチャイズ経営
- 空間(スペース)や機会の提供
店舗での商品やサービスの販売や、スキルを教える教室・塾の運営、製品の開発を行う「プロダクト開発」は法人におすすめのビジネスです。これらは融資や出資などを受けやすく、設備投資がしやすい法人向きでしょう。また法人として採用活動を行うほうが、技術・ノウハウのある人材を集めやすくなります。
その他の種類としては、フライチャイズ経営や空間・機会の提供ビジネス(婚活パーティーの企画・運営など)もあります。「社会的信用性が高い」「融資や国の補助金を受けやすい」など、“法人ならではの特徴”を活かせるビジネスを考えてみましょう。
起業時のオフィスは? 4種類を紹介
起業時にはオフィスを借りるケースが多いのではないでしょうか。起業時のオフィスとして適した場所には、次の4種類が挙げられます。
賃貸オフィスやレンタルオフィスを借りる
起業の際には、賃貸オフィスやレンタルオフィスを借りて事務所とする方が多く見られます。
賃貸オフィスは初期費用が高い一方で、内装やオフィス家具などを自由にカスタムでき、より信用度の高い事務所が持てる点がメリットです。
レンタルオフィスはビルのワンフロア内に設けられた個室・半個室を借りる形式です。賃貸オフィスとは異なり他の事業者とフロアを共有する形にはなりますが、初期費用が少なくて済む点、1ヶ月単位で借りられる点などがメリットです。
シェアオフィスやコワーキングスペースを利用する
特定のオフィスが必要ない方には、シェアオフィスやコワーキングスペースと呼ばれる「合同オフィス」を利用する方も多く見られます。
合同オフィスでは図書館のようにオープンなスペースを他の利用者とシェアする方式ですが、簡易的な個室ブースが利用できるところもあります。
自宅をオフィスとして利用する
フリーランスや副業で起業する場合や、起業したてで資金が心もとない場合は、自宅をオフィス代わりに利用するケースが多いでしょう。PCひとつで作業できる業種の場合も同様です。
ひとり起業であればそのまま自宅で仕事を続けることも可能ですが、一般的には事業が成長したり、従業員を雇ったりしたタイミングで新しくオフィスを借りるケースが多いでしょう。
地方や海外へ移住
「都会に比べて人件費・家賃が安い」などの理由から、起業家の中には地方や海外へ移住して事業を営む方も増えています。地方や海外は都会に比べ誘惑が少なく、仕事に集中しやすい環境が手に入る点がメリットです。
起業で資金調達する5種類の方法とは?
起業資金の調達方法としてメジャーなのが「金融機関の融資」「国や地方自治体の補助金」です。
ただし個人起業家やベンチャーによる起業が増えた現在では、投資家へ出資を募ったり、クラウドファンディングで資金提供を受けたりするという方法も。
代表的な5種類の資金調達方法について見てみましょう。
①金融機関から融資を受ける
起業時の資金調達方法として一般的な方法が、日本政策金融公庫や銀行、信用金庫などからの融資です。
一旦資金を借りる形式のため返済が必要ですが、まとまった額の資金を準備しやすいメリットがあります。ただし、個人事業の場合は信用性・将来性が評価しにくく、審査に通りにくいのがデメリットです。
近年では、個人起業家やベンチャーといった中小企業を応援するための融資プランを提供している金融機関も増えています。
②国や地方自治体の補助金を利用する
資金調達には、国や地方自治体が実施している補助金制度を利用するのも良い方法です。利用には細かな条件が設けられていますが、審査に通ると返済義務なしで資金を調達できます。
地方によっては都会からのテレワーカー、起業家誘致を目的とした補助金制度を実施しているところもあるので、チェックしてみましょう。
③第三者から出資してもらう
資金調達の種類としては、ベンチャーやスタートアップを支援しているエンジェル投資家、ベンチャーキャピタルなどから出資を受ける方法もあります。
出資には補助金に比べ継続的、かつ多くの資金調達がしやすい点がメリットです。しかし投資を受ける場合、経営権の何割かを譲渡するため、株主の意見を経営に反映しなくてはなりません。
④クラウドファンディングを活用する
起業時の資金調達方法としては、ネット上で商品やサービス内容を公開し、出資者を募る「クラウドファンディング」もあります。
ただし、募集時には適正なリターン(商品などの返礼品)を提供しなくてはならない点、資金が思うように集まらない可能性をはらんでいる点には留意が必要です。
⑤自己資金を貯めて起業する
個人事業主の場合は開業届を提出するだけなので、起業自体は0円でできます。
法人の設立であれば、登記代などの起業費用(約30万円)に加え、最低100~200万円程度の資本金を用意しておくとよいでしょう。
ただしこの起業資金は、あくまでも最低限の額です。売り上げの見込みがないまま起業しても、資金があっという間に尽きてしまいます。起業時には融資や補助金、出資など他の方法と併せて資金調達を行うことをおすすめします。
起業する際は自分にぴったりな方法・種類を選ぶのが大切!
起業とひとくちに言っても、その形態や資金調達の方法、オフィスの種類は実にさまざま。
例えば初めから法人を設立し会社を起業する場合と、個人事業主として自宅で起業する場合では、必要なオフィス、資金調達の方法や有無が大きく変わります。
多くの起業方法の中から「自分に合う起業の種類」を選ぶようにしましょう。
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