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ビジネスにおけるヒューマンエラーとは?原因や予防策を紹介!

ビジネスにおいて「ヒューマンエラー」はほぼ必ず生じるものです。しかし利益の損失などを招くことから、業務や事業を成功させるためには避けたい要素でもあります。

本記事では、ヒューマンエラーの代表例やヒューマンエラーが起きる原因、ビジネスへの影響を解説。ヒューマンエラーを回避するために必要な対策方法と合わせて把握しておき、ヒューマンエラーの予防に努めましょう。

ヒューマンエラーとは?

ヒューマンエラーとは、業務において「人為的な要因」が引き起こすミスのことです。
「人為的ミス」とも呼ばれるほか、結果が自然災害や労働災害であった場合は「人災」と呼ばれます。

ヒューマンエラーの規模は小さなミスから深刻な損害を与えるものまでさまざまですが、その性質は「過失によるもの」「故意によるもの」の2つに大別されます。

過失によるヒューマンエラー

過失によるヒューマンエラーとは、「何かをする過程での過失」で起こる実行エラーのことを指します。

【例】

  • ツールの使用順を間違えた
  • 業務工程を間違えた
  • 操作ボタンを間違えた

意図せず間違えてしまうことで起きるヒューマンエラーであり、業務経験の浅い人、またはこれまでに経験のない業務を行う場合などに発生するケースがほとんどとなっています。
知識と確認を行うことで改善できるヒューマンエラーといってもよいでしょう。

故意によるヒューマンエラー

故意によるヒューマンエラーとは、いわば「手を抜いたために起こるエラー」といってよいでしょう。

【例】

  • 必要な工程を飛ばして業務を進めた
  • 面倒なのでルールを無視して業務を行った
  • 必要事項の確認を行わなかった

過失によるヒューマンエラーと異なり、「すべきこと」を理解したうえで工程の無視、省略を行っていることで起こります。よって過失によるヒューマンエラーとは異なるアプローチで改善を行う必要があります。

ヒューマンエラーはどんな影響をもたらす?


ヒューマンエラーが発生するとどのような影響があるのでしょうか。

主な影響としては次が考えられます。

  • 金銭的な損害
  • 業務の生産性や効率の低下
  • 顧客の信頼の喪失
  • 従業員の心身への影響

たとえばヒューマンエラーによって誤発注・誤発送が起こった場合、金銭的な損害を被る場合が多く見られます。「ボールペンを10本注文するところを100本注文してしまった」というような場合であれば損害額も少ないですが、発注品の価格・個数によっては数十万、数百万円単位での損失を生む可能性があります。

また、ヒューマンエラーが起きるとその対応に追われ、本来すべきであった業務が滞ります。結果、生産性や効率性が低下するなどの影響が表れてしまうのです。

ほかにも、ヒューマンエラーによる情報漏洩・喪失などが発生した場合は、顧客からの信頼を著しく失ってしまいます。またヒューマンエラーによって従業員のケガ・体調不良が発生するケースもあり、規模によっては大事故につながってしまう可能性も考えられます。

ヒューマンエラーが起きる原因とは?


ヒューマンエラーが起こる原因にはさまざまなものが考えられますが、大きく分けると「個人的要因」「環境的要因」があります。

個人的要因
  • 注意不足
  • スキル不足
  • ストレス、疲労
  • 思い込み
  • 予測の甘さと手抜き
環境的要因
  • 作業の負担が大きすぎる、複雑すぎる
  • 業務環境の整備不足(広さ、温度、音など)
  • 機器設備の整備不良
  • 心理的安全性のない職場
  • 管理者不在の職場
  • 安全確保への取り組みの不足

個人的要因は個々の対策によってある程度ヒューマンエラーを予防することができますが、環境的要因については企業側が対策を講じる必要があります。

ただし、個人的要因には「環境的要因が原因になっているケース」もあります。

たとえば職場の従業員同士の雰囲気が悪く、安心してコミュニケーションを取れない職場で働いている場合、心理的なストレス・疲労によってヒューマンエラーを引き起こしてしまう場合があります。
このようなケースでは、まず大元の原因になる「職場の心理的安全性のなさ」「コミュニケーション不足」の解決を優先させる必要があるでしょう。

ヒューマンエラーを予防・回避する方法は?

ヒューマンエラーを予防・回避するには「どうしてエラーが起こったのか」を分析することが必要です。
そのうえでさまざまな対策を組み合わせることで、ヒューマンエラーを最小限に抑えることができます。

  • プロセスの見直し・改善
  • 明確なガイドライン、マニュアルの設定
  • 危険予知トレーニングの実施
  • テクノロジーと自動化の活用
  • 風通しのいい職場環境の整備
  • ヒューマンエラーありきで仕組みづくりをする

それぞれ詳しく見てみましょう。

プロセスの見直し・改善

個人的要因の影響が少ないにもかかわらずヒューマンエラーが多発する場合、業務プロセスに問題があるかもしれません。この場合はまず業務プロセスの見直しを行い、問題点を洗い出したうえで改善策を講じましょう。

明確なガイドライン、マニュアルの設定

ヒューマンエラーが起こりやすい職場の特徴として「マニュアルやガイドラインがない」、またはその内容が不足しているケースが多く見られます。

ガイドラインやマニュアルの不足でヒューマンエラーが起こっている場合は、明確なガイドライン、細かなマニュアルを作成しましょう。

ガイドラインにおいてはやってよいこと、悪いこと、イレギュラーが起こったときの対応など、あらゆるケースを想定して記載します。マニュアルについては作業フローから各作業の手順、チェックすべきポイントなどをまとめます。

いずれも定期的に見直し、その時の作業内容や使用ツール、設備に合ったものを作成しましょう。

危険予知トレーニングの実施

ヒューマンエラーを予防するには、「何がヒューマンエラーなのか」を従業員に自覚してもらうことが重要です。そこで役立つのが「危険予知トレーニング」です。

このトレーニングは厚生労働省でも紹介されているもので、イラストシートなどを用いて「どんな危険がひそんでいるか」「危険のポイント」「あなたならどうする」「自分たちはこうする」という4段階で危険性、有害性を見つけ出すというもの。トレーニング後はラベルや標識などで注意喚起をすることで、安全意識を高め、ヒューマンエラーを防ぐことができます。

参考:職場のあんぜんサイト:危険予知訓練(KYT)[安全衛生キーワード]

テクノロジーと自動化の活用

近年はITツールやAIなどのテクノロジーを活用することで、作業を効率化・自動化できるようになりました。
たとえば発注ツールにおいて「発注漏れや過発注を防ぐためのポップアップ通知を出す」という機能を利用すれば、発注漏れや過発注などのヒューマンエラーを防ぐことができます。

また、製造部門ではAIを活用した検知システムを導入することで、「検品ミスで不良品をスルーして出荷してしまった」といったミスを防ぐことができるでしょう。

こうしたITツールやミス予防のための機能、人的ミスを防ぐテクノロジーについては、さまざまな業務・分野での活用が期待されています。

風通しのいい職場環境の整備

お互いの心理的安全性が確保されておらず、困りごとや不明点を相談できない職場では、「それが間違っているかが分からないにもかかわらず、自己判断で行動してミスをする」といったヒューマンエラーが起こりやすくなります。

この問題については、風通しのいい職場環境を整備することが不可欠です。
具体的には社内コミュニケーションを増加させる、従業員1人ひとりにヒアリングをして課題・問題を洗い出すなどの取り組みが必須です。短期的な改善は難しいため、長期的に継続して取り組みましょう。

ヒューマンエラーありきで仕組みづくりをする

ヒューマンエラーを最小限に抑えるには、ヒューマンエラーが「起きるもの」として対策を考えておくことも重要です。

そもそも人間というのは機械などと違って不確実な存在であり、脳の情報処理過程のミス、バグによって簡単にヒューマンエラーが起きてしまいます。つまり、毎回細心の注意を払っていたとしても、ヒューマンエラーをゼロにするのは極めて難しいのです。

つまり、ヒューマンエラーを予防する対策だけではなく「ヒューマンエラーが起こったらどう対処するか」を考え、「ヒューマンエラーの影響を最小限に食い止める方法」を具体的に決めておく必要があるといえるでしょう。

ヒューマンエラーを予防し、ビジネスの損失を防ごう

ヒトが仕事に携わっている限りはヒューマンエラーをゼロにすることはできません。しかし“ゼロへ近づける”ことは可能です。

ご紹介したトレーニングやマネジメント、AIなどのテクノロジーなどによる予防策をうまく組み合わせ、ヒューマンエラーを最小限に抑える工夫を行いましょう。

また、そもそものリスク管理として「ヒューマンエラーは起こるもの」という認識を持ち、トラブルへの対処法などを決定しておくことも重要でしょう。ヒューマンエラーを「減らす」「カバーする」という2つの方法により、自社のビジネスを円滑に行える仕組みづくりを心がけてみましょう。

この記事の執筆者

ゼニス編集部

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