皆さんは「私書箱」をご存知でしょうか?
私書箱は主に日本郵政が提供しているサービスで、自宅以外の場所で郵便物が受け取れることから法人・個人問わず多くの方が利用しています。
本記事では、私書箱とはどのようなサービスなのか、利用条件やメリット・注意点を解説しています。また似たようなサービスの「私設私書箱」「バーチャルオフィス」との違いについてもご説明していますので、ぜひ参考にしてみてください。
私書箱とは?
私書箱とは、郵便物を受け取るための鍵付きのロッカーを貸し出すサービスです。日本郵便や民間企業が提供しており、郵便局に設置されたものは「郵便私書箱」と呼ばれます。
私書箱は条件を満たすことで法人・個人ともに利用可能です。郵便局では無料、民間企業では月額制や年額制などの有料で借りることができます。
なお郵便私書箱の場合、自ら配達物を受け取りに行く必要がありますが、民間では希望すれば有料で郵便物の転送サービスを利用できる場合が多いです。
私書箱の利用条件について
私書箱の利用条件は以下のとおりです。
【郵便私書箱の利用条件】
- 私書箱を6ヶ月以上利用する
- おおむね毎日、郵便物の配達を受ける
- 郵便物を遅滞なく受け取る
参照:私書箱は誰でも利用することができますか? – 日本郵便
日本郵便の郵便私書箱はほぼ毎日配達があり、6ヶ月以上の継続利用が条件となります。また郵便物を遅滞なく受け取ることも条件として定められており、どちらかといえば法人向けのサービスだといえます。
私書箱と他サービスの違い
私書箱と似たサービスに「私設私書箱」「バーチャルオフィス」があります。これらは私書箱と比べてどのような違いがあるのでしょうか?
本項では、私書箱と他サービスの違いについてご紹介します。
私書箱と私設私書箱
一般的に私書箱というと郵便私書箱のことを指しますが、民間企業が運営する私書箱を「私設私書箱」と呼ぶことがあります。
郵便私書箱は無料で利用できる一方、利用期間や配達の頻度、遅滞なく受け取りを行うなどの利用条件があります。一方、民間の私設私書箱サービスは有料ではあるものの、郵便私書箱に比べると利用条件がそこまで厳しくなく、個人でも使いやすい点が大きな違いです。
また普通郵便などの郵便物だけでなく、宅配物の受け取りも可能です。業者によっては1回だけの利用や私書箱番号を記載しないサービス、配達物の転送サービスなども提供しているため、郵便私書箱に比べると利用の自由度は高いといえるでしょう。
私書箱とバーチャルオフィス
私書箱とよく比較される「バーチャルオフィス」は、ビジネス用の住所と郵便物の受け取りなどの一部オフィス機能を提供するサービスです。
郵便物の受け取りに使える点は私書箱と共通しています。
しかし私書箱はあくまでも「郵便物を受け取るロッカー」を借りるサービスであるのに対し、バーチャルオフィスは個人事業主の開業や法人登記などにも利用できます。
業者によっては郵便物の転送サービスや電話番号、FAX、貸ロッカーなどの提供もあるため、私書箱とは大きく性質が異なるサービスとなっています。
私書箱のメリットとは?
自宅以外で郵便物を受け取れる私書箱ですが、利用することでどのようなメリットが得られるのでしょうか?
ここでは、私書箱を利用するメリットを3つお伝えします。それぞれ詳しく見ていきましょう。
自宅住所を差出人に知られずに済む
私書箱の大きなメリットは、自宅住所を差出人に知らせなくて済むことです。
たとえばYouTuberや芸能・モデル業などメディアに携わる方の中には、ファンからの住所特定を避けたいとお考えの方もいらっしゃるでしょう。
この場合、ファンレターなどの受付先に私書箱を指定することで、プライバシーを保護しながら活動を続けられます。
盗難や誤配のリスクを抑えられる
私書箱を利用すると、配達物の盗難・誤配のリスクを抑えやすくなります。
集合住宅に住んでいらっしゃる方の場合、配達員が部屋番号を間違えて郵便受けに投函してしまうリスクがあります。私書箱を利用することで確実に郵便物が受け取れるため、安心して郵便物を受け取ることができます。
私書箱の中でも郵便私書箱なら、郵便局に配送されてきた郵便物をそのまま保管してくれますし、鍵もついているのでより安心です。
任意のタイミングで配達物を受け取れる
私書箱のいいところは、任意のタイミングで配達物を受け取れる点です。
ロッカーの容量という物理的な制約こそありますが、普段ご自宅やオフィスに長時間いない方でも好きなタイミングで配達物を受け取れます。言い換えれば、外回りや出張が多い個人・法人企業に適したサービスであるといえるでしょう。
私書箱へ郵便物を送る方法
郵便私書箱へ郵便物を送る場合は、郵便番号と郵便局名、私書箱番号、宛名を書くことで送付ができます。住所は記載する必要がありません。
〒105-0012
港区浜松町郵便局 私書箱 第〇〇号
△△ △△様
郵便私書箱の場合、郵便局に郵便物が到着してから「私書箱保管」として扱われます。
受取人が郵便物を受け取った後は配送ステータスが「窓口でお渡し」となります。
なお私設私書箱の場合は、提供業者が指定する住所を使用して郵便物を送付します。
私書箱を利用する際の注意点
【alt】私書箱を利用する際の注意点
便利な私書箱ですが、利用時には注意点もあります。用途によっては私書箱ではなく他のサービスが適している場合もあるため、私書箱の利用を検討される際は、以下の3点を把握したうえでご判断されるとよいでしょう。
自身で郵便物を回収する手間がかかる
私書箱は「専用ロッカーで郵便物を留め置いてくれるサービス」です。それゆえ届いた郵便物は自身で回収する必要があり、手間と時間がかかる点に注意しましょう。
特に、郵便私書箱の場合は必ず自身で遅滞なく回収しなくてはならないため、回収忘れに注意しましょう。回収を忘れてロッカーが満杯になった場合、利用条件を満たしていないとみなされ利用を解除される恐れもあります。
自宅等に転送して欲しい場合は、私設私書箱やバーチャルオフィスなどの利用がおすすめです。
住所を開業や法人登記に使えない
私書箱はあくまで郵便物の受け取り場所を利用するサービスです。よって私書箱の住所を個人事業の開業や、法人設立登記に使用することはできません。私設私書箱も同様に、開業や法人登記に利用できないケースがほとんどです。
また、ネットショップ等の「特定商取引法に基づく表記」では運営者の住所を記載する必要がありますが、特定商取引法に基づく表記についても私書箱を利用することはできませんので要注意です。
開業や法人登記に使える住所をお探しの場合は、バーチャルオフィスを活用しましょう。
クール便・チルド便が利用できない場合がある
私書箱は郵便物など常温の配達物には対応していますが、郵便局によってはチルドゆうパック(クール便)の保冷サービスにも対応していない可能性があります。
また私設私書箱やバーチャルオフィスなど類似のサービスについても、冷蔵・冷凍保管が必要な荷物の受け取りに対応していない場合が多く見られます。
「食品などの冷蔵・冷凍品の仕入れで使いたい」という場合は保冷保管に対応している別のサービスを探されるか、ご自宅での受け取りを検討されることをおすすめします。
まとめ
本記事で私書箱の特徴や利用条件、メリット・デメリットについて解説いたしました。
私書箱を利用することで、自宅の住所を第三者に開示することなく郵便物を受け取れるようになります。また郵便私書箱の場合は、無料で利用できるのも大きな魅力です。
ただし利用には条件を満たす必要があるため、ご自身の事業規模や郵便物の到着&回収頻度を考慮したうえで検討されると良いでしょう。
また、郵便私書箱以外には私設私書箱やバーチャルオフィスを利用する選択肢もあります。「郵便物の受け取り場所だけほしい」という場合は私設私書箱を、「将来的に開業や法人登記をしたい」という場合にはバーチャルオフィスを活用してみましょう。
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「郵便機能はもちろん、ビジネスに使える一等地住所がほしい」という方は、ぜひレゾナンスのバーチャルオフィスをご活用ください!