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収入印紙代はどちらが負担すべき?ケース別・印紙代の負担割合を紹介!

ビジネスで発行する文書の中には、「印紙税法」という法律で課税される文書があります。たとえば契約を交わすときの「契約書」、代金を受け取った際に発行する「領収書」などはその一例です。

条件を満たした課税文書には『収入印紙』を貼ることが法律で義務付けられていますが、「双方が契約を交わす場合、どちらが収入印紙代を負担すればいいの?」と疑問に思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ここでは「契約時に誰が収入印紙代を負担すべき?」という疑問を解決。収入印紙の負担割合を、ケースごとに解説します。

収入印紙は「課税文書の発行・交付」で貼り付ける証紙

契約書や領収書などに貼付する「収入印紙」は、印紙税を支払った証明となる証票です。

切手のような見た目をしていて、郵便局やコンビニなどで購入し、課税文書へ貼付することで「印紙税の納付」が証明できます。

収入印紙を貼った文書には、切手と同じく消印を押します。こうすることで印紙の使い回しをしていない、というのを証明できるのです。

なお、「収入印紙を貼らなければいけない文書」は印紙税法で定義されています。
次のような文書(課税文書)を発行・交付する際は、金額に応じた収入印紙を貼らなくてはなりません。

【収入印紙の貼付が必要な文書】

  • 企業間で交わす契約書
  • 不動産売買契約書
  • 土地賃貸借契約書
  • 運送契約書
  • 売上代金(金銭または有価証券)の受取書
  • 約束手形、為替手形
  • 株券や出資証券
  • 預貯金の証書
  • 保険証券
  • 工事契約請負書 など

また収入印紙は、法人設立時等の「商業登記」や「不動産登記」にも使われます。

【収入印紙の貼付がいらない文書】
ビジネスで扱う文書には、収入印紙がいらないものもあります。

  • 見積書
  • 納品書
  • 請求書
  • 1万円未満の契約書

これらは法律で非課税文書に指定されているため、収入印紙の貼付=印紙税の納付は不要です。

文書を2通作成する場合の収入印紙の負担はどうなる?

収入印紙についておさらいしたところで気になるのが、文書を2通作成する場合です。特に契約書においては、「双方が同じ立場ならそれぞれ印紙代を負担するのでは?」と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ここでは、契約書や領収書を例に挙げ、収入印紙の負担割合について解説します。

契約書

結論から言うと、契約書は2通作成して1通ずつをそれぞれで保管する文書のため、「A社・B社で1通ずつ作成し、それぞれが収入印紙を貼る」というスタイルが一般的です。

契約書の負担割合については「税法」「民法」それぞれの考え方があります。

税法上の負担割合

まず印紙税法では、「文書を作成した側が原則として印紙代を負担する」と規定されています。
同時に「共同で文書を作成した場合、双方それぞれに印紙税の負担が必要」とも定義されているのがポイントです。

契約書は「双方が合意していることを示す」という目的で作成される文書です。
契約締結時にお互いが署名捺印を行う場合、法律上は「共同で文書を作成した」とみなされるため、それぞれに収入印紙代を負担する義務が発生します。

民法上の負担割合

もうひとつの民法では、「売買契約の費用は当事者双方が等しく負担をする」との規定があります(民法第558条、559条)。

つまり収入印紙代についても、折半で負担するのが妥当、という考え方です。

特約を設けると負担割合を自由に決められる

収入印紙代の負担額は原則として「双方で折半」ですが、例外もあります。

これは、契約時に「特定の当事者のみが収入印紙代を負担する」という『特約』を設けた場合です。

たとえばA社とB社の契約において「A社のみが印紙代を負担する」といった文言を契約書に記載していた場合。この場合、B社は収入印紙代を負担する必要がありません。

反対に、立場が弱い当事者のみに「印紙代を負担する」という特約を設けるのは要注意。このような特約を設けると、「独占禁止法」「下請法」などに違反してしまう可能性があるためです。

文書を1通作成し、コピーを取る場合は?

何かの契約を結ぶ場合、「契約書を作成した側がコピーを取り、もう一方に渡す」というシチュエーションが多く見られます。

この場合「コピーだから収入印紙は必要ない」と考えがちですが、場合によっては収入印紙を貼らなくてはならないケースがあります。

契約書のコピーに収入印紙が必要な場合と、要らない場合にあてはまるケースについてチェックしてみましょう。

【印紙税法上、収入印紙が必要な契約書のコピー】

  • 本文に「原本と相違ない」という旨の文言のある契約書のコピー
  • コピーした契約書に当事者双方(または片方)の署名捺印がある
  • 割印を押した契約書のコピー

これらは「コピーしたものであるが、契約の成立証明となるもの」であり、契約書の原本とほぼ等しいとみなされるため、課税文書扱いになります。

【収入印紙がいらない契約書のコピー】

契約書のコピーでも収入印紙がいらないケースがあります。

  • 「本書を1通作成、甲(契約書作成側)が保管する」という旨を記載した契約書のコピー
  • 原本をコピーしたもので、かつ署名捺印がされていないもの

この2つのいずれかに当てはまる場合は、原本とみなされる契約書が1通しか存在しないため、コピーに収入印紙を貼る必要はありません。

領収書の収入印紙は「発行者」が印紙代を負担

契約書は2者以上で発行、契約締結する文書のため、原則として双方に負担割合が生じます。

一方、領収書は「代金を受け取ったことを相手に知らせるため交付する」という文書です。
この目的から、領収書は発行した側が収入印紙代をすべて負担することになります。

なお余談ですが、「金銭又は有価証券の受取書」である領収書、レシートについては、受け取り金額が5万円未満であれば収入印紙を貼らなくてもよいとされています。
(領収書にクレジットカード払いをしたという記載は必要です)

またクレジットカード払いの領収書は、5万円以上であっても収入印紙を貼らなくてよいと決められています。これは、クレジットカード払いが「信用取引」に該当し、金銭や有価証券の受領事実がないとみなされるためです。

電子契約なら収入印紙代の負担なし

紙で発行し、かつ課税文書にあたる書面については収入印紙が必要です。一方、次のような「電子データ」による書面の交付では、収入印紙を貼付しなくてもよいとされています。

  • FAXで領収書、契約書を送付(締結)する場合
  • PDFで領収書、契約書を送付(締結)する場合
<具体例>

  • 代理店契約など特定の相手と継続的に生じる取引の契約を締結する場合
  • 外部事業者と業務委託契約を結ぶ場合
  • 秘密保持契約(NDA)を結ぶ場合
  • 発注書、申込書、発注請書を発行する場合

印紙税は「紙で交付した“現物”の課税文書」に対し課せられる税金なので、電子データでやりとりをする電子契約の場合は収入印紙が必要ないのです。このことは過去の国会答弁や国税庁においても明言されています。

電子データで契約書等を発行するには「電子契約システム」の利用が必須

電子データで契約を交わすには、電子署名やタイムスタンプを付与できる「電子契約システム」を利用する必要があります。

タイムスタンプとは、電子データに日時や特殊な処理を追加し、「書類が存在していたこと」「タイムスタンプ付与以降に改ざんが行われていないこと」を証明する技術のこと。

電子データは紙の書面に比べて改ざんされやすいデメリットがありますが、タイムスタンプを付与することにより書面のオリジナル性を担保できるようになるのです。

ちなみに、電子データで送付した書面を紙に印刷して相手方に渡した場合には、印紙税がかかりますので注意しましょう。要は、「紙にすると収入印紙が必要になる」ということです。

経費としての印紙税を削減したい場合は、可能な限り電子契約、電子交付に切り替えることをおすすめします。

収入印紙の負担について把握・見直しをしておこう!

本記事では、収入印紙の負担割合や収入印紙が必要ないケースについてお伝えしました。

いま一度収入印紙が必要な契約書、領収書等について見直しやリストアップを行い、負担割合や金額についても明確に把握しておき、スムーズな取引ができるように準備しておきましょう。2525

また収入印紙は「印紙税」の間接的な納付に必要な証紙ですが、課税文書を頻繁に発行・交付する企業にとっては「購入の手間」「貼付の手間」「購入金額」が大きな負担になります。

そのような場合、電子契約を活用することで大きな経費削減、および書類保管負担の軽減が期待できるでしょう。
業務効率を上げ、利益を増やしたい企業は、ぜひ電子契約システムや電子交付の活用を検討してみてください。

この記事の執筆者

ゼニス編集部

月額990円~利用できる格安バーチャルオフィス「レゾナンス」です。2016年にスタートし、現在は「浜松町本店」「青山店」「新橋店」「銀座店」「日本橋店」「渋谷駅前店」「渋谷神宮前店」「恵比寿店」「新宿店」「秋葉原店」「横浜店」「R-INNOVATION銀座店」がございます。

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