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アルゴリズムとは?意味やビジネスにおける活用事例を簡単に解説!

IT分野などで使われている「アルゴリズム」。最近では電車の経路検索などに使われているほか、「Googleの検索アルゴリズム」などビジネスでもよく聞くようになりました。

ビジネスにおいてアルゴリズムを活用すると、処理の高速化、効率化が期待できます。ここでは、アルゴリズムの基礎についてわかりやすく解説。意味や代表的な探索・ソート方法、ビジネスでの活用例、アルゴリズムを活用するメリット・注意点などをチェックしてみましょう。

アルゴリズムの意味とは?

アルゴリズムとは、コンピューターやプログラムが問題を解決するための手順やルールのことです。

イメージとしては、「料理のレシピ」に似ています。例えば料理を作るとき、材料や手順に従ってレシピを作ることで誰でも簡単に、かつ効率的に料理を再現できます。

アルゴリズムも同じで、コンピューターやプログラムに指示を与え、複数の手順を示すことで特定の問題を解決します。

代表的なアルゴリズムの探索方法

探索アルゴリズムの代表的な処理方法は以下の3つです。

  • 線形探索
  • 二分探索
  • ハッシュ探索

線形探索

線形探索とは、データを最初から順番に探索し、条件に合うデータを見つけるアルゴリズムです。
たとえば「1~9の数字から『8』を探すとなった場合、1、2、3、……と探索していき、8を見つける」というのが線形探索にあたります。

二分探索

データをグループごとに分け、目的の値を探索するアルゴリズムを「二分探索」といいます。

たとえば1~100までの数字から60を探したいとき、1から順番に探索すると時間がかかります。そこで、「50より大きいか、小さいか」をまず判定し、そこから値を絞り込んでいく方法が二分探索です。

値を昇順か降順で整理しておく必要はありますが、線形探索よりも効率的にデータを探し出せます。

ハッシュ探索

ハッシュ探索とは、ハッシュ関数という特定の計算式を使ってデータを探すアルゴリズムです。目的となるデータ、およびデータの格納先をハッシュ関数で関連付けることで、高速かつ簡単にデータを見つけられます。

アルゴリズムでできる「ソート」とは?

ソートアルゴリズムとは、データを一定の規則で並べ替えることを指します。

選択ソート

選択ソートとは、並んだ数値から順番に大きい数値を見つけるアルゴリズムです。

  1. 1番目の数値から見ていき、最大値を1番目に配置
  2. 2番目の数値から順に見ていき、最も大きなものを2番目に配置

これを3番目、4番目と繰り返していくことで、大きい数値→小さい数値へと並べ替えることができます。

バブルソート

バブルソートとは「隣接するデータを比較し、右が大きければ左に移動する」というソートアルゴリズムです。
左と右の数字を入れ替えることを繰り返していき、入れ替えがなくなればソート完了となります。

アルゴリズムは日常でも使われている

交通関連でアルゴリズムが活用されている例として「電車・バスの乗り換え検索」が挙げられます。

これは、検索サイトや時刻表検索サービスなどで「東京駅から渋谷駅」と検索することで、出発時間から乗り換える駅名、目的地までの移動ルートや所要時間などが表示されるサービスです。便利なサービスゆえ、誰しも一度は利用したことがあるのではないでしょうか。

交通におけるアルゴリズムでは、「出発地から目的地へのルート、時間」という課題に対し、「安い順」「時間が早い順」「乗り換えなどのアクセスが楽な順」という条件を満たすルートを表示するアルゴリズムが使用されています。また、複数条件を満たすベストなルートを提示してくれるアルゴリズムを導入しているサービスも多いです。

アルゴリズムのビジネスへの応用例

マーケティング分野におけるアルゴリズム

IT分野以外で「アルゴリズム」と耳にする機会が多いのは、主にマーケティング分野ではないでしょうか。

たとえばGoogle、Yahoo!などの検索サービスでは、アルゴリズムを活用した「パーソナライゼーション(個人最適化)」による検索が可能です。これはたとえば「レストラン」と検索したとき、その人が過去に検索した土地名、駅名などのデータをもとに「○○駅周辺でおすすめのレストラン」を表示してくれる、というものです。

Webマーケティングにおいてはサイトが検索上位に表示されることが効果的ですが、検索サービスのアルゴリズムは定期的に変更されます。そのため、「過去に多くのユーザーを集めた検索上位のコンテンツが、アルゴリズムが変わってから大きく順位を下げてしまった」というケースも珍しくありません。

よってWebマーケティングにおいては、最新のアルゴリズムに対応できる施策を常に考えていくことが求められています。

また、マーケティング分野では顧客の購入履歴、嗜好などのデータをアルゴリズム分析し、個別ニーズに基づいたターゲティング広告、推奨商品の表示なども行われています。こちらは「パーソナライズドマーケティング」と呼ばれています。

その他、マーケティングデータを分析して広告プラットフォームの選択・予算配分を行う「チャネル最適化」、複数の広告・コンテンツをテスト表示し、もっとも反応が多いものを探る「A/Bテスト」などにもアルゴリズムが活用されます。

ファイナンス分野でのアルゴリズム

金融・投資分野においては、市場データの解析にアルゴリズムが使用されています。
解析結果をもとに株式の売買判断、自動トレードを行うことで、スピーディな取引が実現するのです。

また個人・企業のデータを分析し、信用リスクを評価する「スコアリングモデル」の作成にもアルゴリズムが使われます。

アルゴリズムのメリットと注意点

アルゴリズムをビジネスに利用する際には、メリットと注意点のそれぞれを把握しておくことが大切です。

アルゴリズム活用のメリット

業務の自動化と効率化が叶う

アルゴリズムを活用すると、繰り返し行われるタスクや複雑な計算を自動化できます。これにより作業効率を向上させられるほか、人的ミスを減らすことにもつながるでしょう。

データの活用により的確な施策・戦略を導き出せる

アルゴリズムは大量のデータを処理し、パターンや傾向を抽出する能力を持っています。
年々複雑化する顧客行動、市場トレンドなどを効率的に分析・把握することができれば、顧客に“刺さる”戦略・施策を打ち出しやすくなるでしょう。

またアルゴリズムは、データから予測モデルを構築することもできます。
予測モデルは将来の結果や最適な解決策を考える良いヒントとなり、戦略的判断や意思決定のサポートにも役立ちます。

顧客それぞれのニーズに応じた最適な体験・提案を提供できる

アルゴリズムは顧客の個別のニーズや好みを理解し、パーソナライズドな体験や提案を提供することができます。これは「自分が求めていたものがある」という顧客満足につながり、顧客満足度の向上に大きく寄与します。また顧客がファン化することで、口コミやSNS投稿による情報の拡散などの効果も期待できるでしょう。

アルゴリズム利用時の注意点

アルゴリズムをビジネスに利用する際には注意点についても知っておかねばなりません。

データの品質とプライバシーの問題

アルゴリズムの正確さや信頼性は、入力されるデータの品質に依存します。不正確なデータや個人情報の適切な管理が行われない場合、結果が歪んだり、プライバシー問題が発生したりといったトラブルが起こりかねません。データ品質の向上とプライバシー保護には十分な注意が必要です。

モデルの偏りとバイアスが生じることがある

アルゴリズムは、設計やトレーニングデータによって偏りを持つことがあります。アルゴリズムをビジネスに取り入れる際には、公平性が保たれているか、バイアス(偏り)が生じないかを確認しながら利用しましょう。
また偏りが生じた場合には、都度改善が重要です。

人間の判断と経験を加える

アルゴリズムはデータに基づいて意思決定を行いますが、人間の判断や経験も重要です。とりわけマーケティング分野では、思いもよらぬ不確定要素(社会情勢の急激な変化やSNSでのバズり・拡散など)によって施策変更をするケースも多々あります。

アルゴリズムはあくまでも「ツールのひとつ」として完全に依存することなく、人間の洞察力・判断力・経験を信じることも重要と心得ましょう。

アルゴリズム的思考・仕組みをビジネスに活かそう

本記事では、アルゴリズムについて基礎知識をお伝えしました。
アルゴリズムと聞くと「難しそう」というイメージを持たれていた方も多いのではないでしょうか。近年では問題を細分化し、具体的な解決方法・手順を考える「アルゴリズム的(プログラミング的)思考」の重要性にも注目が集まっています。

いま一度アルゴリズムのメリット、考え方などを理解し、ビジネスに活かしていきましょう。

この記事の執筆者

ゼニス編集部

月額990円~利用できる格安バーチャルオフィス「レゾナンス」です。2016年にスタートし、現在は「港区浜松町本店」「青山店」「銀座店」「日本橋店」「渋谷店」「恵比寿店」「新宿店」「横浜店」「R-INNOVATION銀座店」がございます。

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