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起業時にオフィスは借りた方がいい?自宅をオフィスにするメリットは?

これから起業するにあたって「オフィスは借りた方がいい?」と悩む方も多いのではないでしょうか。
ここ10年ほどで「PCひとつでひとり自宅起業」「小規模オフィスを借りて数人でスタートアップを達成」など、企業の形も多様化しつつあります。

ここでは、「起業時にオフィスは必要なのか」という点に注目し、オフィス起業と自宅起業それぞれのメリット・違いをご紹介。またオフィスの種類や、オフィスを借りるのに向いている人、自宅オフィスでの起業に向いている人の特徴もそれぞれ解説します。

オフィスを借りて起業する場合と自宅オフィスでの起業の違いは?

オフィスを借りて起業する場合と自宅オフィスで起業をする場合、それぞれどのような違いがあるのでしょうか? まずはオフィスを借りて起業する場合と、自宅兼オフィスで起業する場合の違いを比較してみましょう。

オフィスを借りて起業する場合のメリット・デメリット

賃貸オフィスやレンタルオフィスなどを借りて起業する場合、以下のようなメリット・デメリットがあります。

○自分の事務所が持てるため、社会的信用性がアップする
○作業スペースのほか、資料や商品の保管スペースなども確保できる
○法人化する場合に登記住所として使いやすい
×初期費用やランニングコストが高くなる
×利用開始までに時間がかかる(賃貸オフィスの場合)

自宅での起業と比較すると、独立したビジネス用スペースが持てるがゆえのメリットが多く見られます。
作業に集中しやすくなったり、仕事に必要な資料・データ・商品等の保管もしやすくなったりするでしょう。応接スペースを設ける(または共用のラウンジなどを利用する)ことで、来客対応も気兼ねなく行えます。

さらに、賃貸オフィスやレンタルオフィスなどを借りて起業する場合は、法人登記にも利用しやすいでしょう。自宅で法人登記をすると住所が公開されてしまうリスクがありますが、オフィスを借りての登記なら公開されても困りません。

ただし、自宅をオフィスとして起業する場合に比べると初期費用、ランニングコストが高くなる点には注意が必要です。また賃貸オフィスを借りて起業する場合、実際に入居できるまで2ヶ月以上かかる点も知っておくべきでしょう。

自宅オフィスのメリット

自宅オフィスで仕事をするメリットは、以下の5つです。

  • 初期費用やランニングコストを抑えられる
  • 家賃や光熱費を経費計上できる
  • 通勤の必要がなく、時間を有効活用できる
  • 起業にかかる準備を省略できる
  • 自分好みの環境にカスタムしやすい

自宅オフィスは、初期費用やランニングコストが抑えられるのが最大のメリットです。仕事用の家具やPCなどを揃えたとしても、数万~数十万程度で済みます。また、毎月のランニングコストも家賃や光熱費程度ですので、外でオフィスを借りるのに比べて大幅にコストを抑えることができます。

さらには、毎月支払っている家賃や水道光熱費を経費計上できるのも自宅オフィスの利点です。この場合「家事按分」といって、事業に使用している専有面積の割合分を経費計上できます。
たとえば家賃で月10万円払っていて、仕事に利用している部分(床面積)が家の3割程度であれば、10万円×30%=3万円分を経費計上できます。

そのほかには、通勤に使うはずだった時間を有効活用できる点、起業にかかる準備(オフィス物件探しや契約、家具の搬入など)を省略できるのも自宅オフィスのメリットです。
自宅なので、レイアウトや家具を自分好みにカスタマイズできるのも魅力だといえるでしょう。

自宅オフィスのデメリット

メリットの多い自宅オフィスですが、デメリットもあります。

  • 社会的信用やセキュリティー面での不安がある
  • 賃貸物件だと法人登記ができない場合がある
  • 公私の区別が曖昧になりがち
  • 情報交換や交流の機会が少なくなる

自宅オフィスの場合、外部から見た社会的信用はどうしても低くなります。また自宅住所をビジネスに利用することで、見知らぬ人がいきなり訪ねてきたり、営業DMが送られてきたりする可能性もあるでしょう。

また賃貸物件を自宅オフィスにした場合、「商業利用できる」と書いていない限り法人登記には使えないケースが多い点にも要注意です。

そのほか自宅オフィスでは、仕事とプライベートの境目がなくなってしまう点もデメリットです。
自宅オフィスで働いている人なら、「仕事しなきゃいけないけれど、どうしてもだらけてしまう」という経験が誰しも一度はあるはず。オンとオフの切り替えを意識しないと、だらだらと仕事をしてしまうことにもなりかねません。
外のオフィスを利用するのに比べ、他人と交流する機会が減る点も自宅オフィスのデメリットです。

自宅以外で起業時に使えるオフィスにはどのようなものがある?

自宅以外に使えるオフィスの種類は、実に様々です。起業をするにあたりオフィスとして利用可能な場所には、次の4つが挙げられます。

  • 賃貸オフィス(貸事務所)
  • レンタルオフィス
  • シェアオフィス、コワーキングスペース
  • バーチャルオフィス

それぞれの特徴やメリットを見ていきましょう。

①賃貸オフィス(貸事務所)

賃貸オフィスは、管理会社と賃貸契約を結んで借りるオフィススペースです。
完全な「部屋」となっていて、内装を変更したり、好きなオフィス家具をレイアウトしたりできるメリットがあります。

入居までに2ヶ月~半年程度かかる点、初期費用(最低150万円~)やランニングコスト(月十数万~)が高い点がネックですが、社会的な信用性は他のオフィス形態と比べて最も高くなります。士業などの許認可が必要な職種の起業にも向いており、「自分だけのオフィス」が手に入るのは他にはない利点です。

②レンタルオフィス

レンタルオフィスはビルなどのフロアを区切った「専有スペース」を借りるオフィス形態です。

賃貸オフィスと比較すると、「フロントやラウンジ、会議室などの共有スペースがある」「起業に最低限必要なオフィス家具がはじめから備わっている」という違いがあります。

賃貸オフィスに比べて利用できる専有スペースは小さいながらも、低コストで自分の専用オフィススペースが利用できるのは大きな魅力です。レンタルオフィスには半個室(上部分がつながっている)タイプと、完全個室のタイプがあります。完全個室タイプであればプライバシーやセキュリティ面でも安心です。

③シェアオフィス、コワーキングスペース

シェアオフィスやコワーキングスペースは、オープンスペースを自由に共有しながら作業できるオフィスを指します。ベンチャー企業や個人起業家、企業のサテライトオフィスとしての利用が多く、1時間単位・1日単位でのスポット利用ができるところが多いのも特徴です。

また必要な時のみ利用することで、オフィスにかかる費用を抑えられるという利点もあります。

シェアオフィスには個室ブースを借りられるところもありますが、あくまでも「作業に集中するため」という意味合いが強く、個人の物品保管などには不向きです。またオープンスペースという特性上、情報漏洩のリスクが高い点にも注意が必要といえるでしょう。

④バーチャルオフィス

バーチャルオフィスは、ビジネスに使える住所・電話番号を借りるオフィス形態です。
住所のみを借りるため、月々のコストは数千円ほど。個人起業家や副業で起業された方、フリーランスとして起業をした方が多く利用しています。

バーチャルオフィスはオフィススペースを借りるわけではないため、起業後に作業スペースが欲しい人には不向きです。しかし、都心部などの信用度が高い住所を低コストで借りられるのは大きな魅力です。

ちなみにバーチャルオフィスは、起業時の「開業届」の住所としても利用できます。
さらにはWebサイト、名刺への使用や、ネットショップへの記載など、ビジネスに幅広く使える点も魅力です。

起業時にオフィスor自宅のどっちを選ぶ?それぞれに向いている人

起業時にオフィスと自宅のどちらを選ぶかは、起業する業種や自分を含めた従業員数、将来的な事業展望などによっても異なります。

【起業時にオフィスを借りるのが向いている人】

  • 士業や不動産関係、人材派遣業などで事務所が必要な人
  • 店舗としてスペースを利用したい人
  • 引き抜きなどをして数人~数十人の従業員数で起業する人
  • 銀行からの融資や助成金の申請を予定している人
  • 自宅をオフィスとして使いたくない/使えない人
  • オフィスの住所で法人登記がしたい人
【起業時に自宅で開業するのが向いている人】

  • PCとネット環境があれば仕事ができる人
  • ひとり、または少数で起業したい人
  • 初期費用やランニングコストを抑えたい人
  • 仕事のために通勤をしたくない人
  • 副業で起業するためオフィスを借りなくてよい人

上記を参考に、自分にはどちらの起業スタイルが向いているのかを考えてみましょう。

自宅がオフィスだと経費はどうなる?

自宅をオフィスにしている場合の家賃や水光熱費、自家用車を使って仕事をしている場合のガソリン代などは、どう経費に計上するべきなのでしょうか。
生活費と一体化している経費は基本的に、使用割合で按分します。事務所に関する経費は、自宅の床面積に対するオフィススペースの床面積の割合で按分計算をするのがルールです。

自動車の場合は、プライベートと業務の使用割合での按分計算をします。

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自宅オフィスで働ける職種とは?在宅ワークが可能な仕事9つ

「自宅オフィスで働きたい」と考えたとき、どのような職業なら自宅で働けるのでしょうか。

自宅オフィス向きの職業としては、「店舗や在庫を抱えなくてよい」「自宅で作業ができ、顧客が訪ねてこない」などの要素を満たす仕事が考えられるでしょう。

【自宅オフィスに向いている職業例】

  • ITエンジニア
  • Webデザイナー
  • Webライター
  • アフィリエイト
  • ネットショップでの物販、せどり(転売)
  • ハンドメイド作品の制作、販売
  • 動画編集
  • YouTubeでのチャンネル運営
  • その他クリエイティブ職(イラストレーターやカメラマンなど)

これらの職業はネット環境やPCさえあれば働ける仕事や、自身で顧客のもとを訪ねたりする仕事です。
自宅オフィスにも向いているので、起業の際は参考にしてみてくださいね。

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自宅オフィスを快適に!環境づくりのポイント

自宅オフィスで働くうえで大事なのが「環境」です。自宅オフィスを快適に過ごせる空間にするには、どうすればよいのでしょうか。

オフィス家具は体に合ったものを

自宅オフィス利用者の中には、「自宅だから」といって間に合わせのデスクや椅子で作業をする方がいます。しかし体に合わない家具は、腰痛や肩こり、頭痛などの原因になる場合もあるのです。
自宅オフィスで腰を据えてビジネスをする際は、以下の3点を意識し、仕事しやすい環境を整えましょう。

<快適なオフィス家具選びのポイント>

  • デスクは十分な幅、奥行きがあるものを選ぶ。高さが変えられるデスクなら使い勝手が良い
  • 椅子に座る時間が長い人は、高くても高機能なデスクチェアがおすすめ
  • 書類を扱う場合はキャビネット等で整頓する

また、自宅オフィスではオフィス家具の配置にもこだわりたいもの。可能であれば、「プライベートな空間」と「作業スペース」を分けたり、間仕切りで区切ったりするとよいでしょう。こうすることで、自宅オフィスでもオンオフの切り替えがしやすくなります。

部屋の明るさや空調の整備をする

自宅オフィスを快適にするには「部屋内の環境」を整えることも重要です。たとえば厚生労働省では、自宅でテレワークを行う際の推奨環境として以下のようなポイントを挙げています。

<快適な自宅オフィス環境を整備するには?>

  • デスク上の照度(照明の明るさ)は300ルクス以上が望ましい
  • 換気、換気扇などで空気の入れ替えを行う
  • 窓へカーテン、ブラインドを設置し、ディスプレイに太陽光が当たらぬようにする
  • 冷暖房器具で快適な室温、湿度へ調整する(室温17~28℃、湿度40~70%)

参考:厚生労働省|自宅等でテレワークを行う際の作業環境整備

自宅オフィスをより快適な環境にするためには、照明器具やカーテン類、冷暖房器具などについても見直してみましょう。

自宅オフィスで起業するなら「バーチャルオフィス」という選択肢もあり!

起業時にオフィスを借りる場合、専用のオフィススペースが持てて、かつ社会的信用が得やすいメリットがあります。また賃貸オフィスやレンタルオフィスは法人登記に利用しやすいことから、法人化を目指している起業家の方にもおすすめだといえるでしょう。

ただ、自宅をオフィスで起業した場合も、その全てで「社会的信用が無い、法人登記ができない」というわけではありません。自宅起業でも「バーチャルオフィス」を利用すれば、信用性が高く、かつ法人登記にも利用可能な住所が借りられます。

レゾナンスでは月額990円~(税込)からの格安で「東京都港区浜松町、港区青山、中央区銀座、中央区日本橋、渋谷区神宮前、渋谷区恵比寿、新宿区西新宿、横浜市西区」といった一等地住所をご利用いただけます。(全てで法人登記可能)

一般的に信用性の高い住所をご利用いただくことで、取引先様、顧客様からのイメージアップにもつながります。

「自宅で起業したいが、仕事に使うとなるとプライバシーが気になる」
「起業してゆくゆくは法人化を目指したい」

このような方はもちろん、バーチャルオフィスは「副業に使える住所が欲しい」という方にもおすすめです。
自宅での起業をお考えの方は、ぜひレゾナンスのバーチャルオフィスをご利用ください。

この記事の執筆者

ゼニス編集部

月額990円~利用できる格安バーチャルオフィス「レゾナンス」です。2016年にスタートし、現在は「港区浜松町本店」「青山店」「銀座店」「日本橋店」「渋谷店」「恵比寿店」「新宿店」「横浜店」「R-INNOVATION銀座店」がございます。

バーチャルオフィスの活用方法や起業についてなど、お役立ち情報をコラムにまと めています。

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