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請求書の基本を改めてチェック!書き方や送り方、電子請求書の導入メリット

商品やサービスを提供したとき、売り手側は買い手側へ「請求書」を送付するのが一般的です。請求書は個人事業、法人を問わず発行されていますが、皆さんはその「書き方」「送り方」をご存じでしょうか?

ここでは、請求書の基礎知識を解説します。「普段はテンプレートを使って請求書を送っている」という方も、いま一度請求書に必要な記載事項、送り方のマナーなどをチェックしてみましょう。

請求書は“商品やサービスの対価”を請求する重要書類!

請求書はビジネスにおいてよく用いられるもので、提供した商品・サービスの“対価”を相手方に請求する目的で発行する書類です。

個人事業や企業は「請求書の発行、送付⇒相手が支払い⇒指定期日に入金(または手渡しなど)」というプロセスを踏むことで、売上を手にします。

請求書によく似ている書類に「見積書」がありますが、見積書はあくまで「提供予定の商品・サービスに応じた料金の概算」を提示するものです。よって、最終的な提供内容、支払金額に差異が生じる場合も少なくありません。

請求書は料金が確定したあとに発行、送付するものであり、そこから金額が変わることはないのです。

請求書の書き方にはルールがない?記載すべき事項は?

請求書には所定の書式がなく、「必ず同じフォーマットを使わなければならない」という法的なルールもありません。
よって、会社ごと・目的ごとに自由に作成できるのです。

ただ実際に取引を行うとなると、「これだけは外せない」という必須項目が複数あります。

【請求書に記載すべき項目】

  • 税込の取引金額
  • 取引内容
  • 請求者の氏名または名称
  • 取引の年月日
  • 書類交付先の事業者氏名、または名称
  • 振込先(銀行名、口座の種類、口座番号)

個人事業の場合などは記載すべき項目が少なく済むため、上記6点を最低限記載していれば問題ありません。

そのほか、請求書を通し番号で管理している場合は「請求伝票番号」、指定期日までに入金してほしい場合は「振込(支払)期限」を記載しましょう。

また、請求書には印鑑(法人印または個人印)を押印するケースが多いですが、法的な決まりはありません。
よって、押印がなくとも請求書としての効力は変わらない、ということになります。

ただし、押印しているほうが偽造などのリスク予防につながるため、特別な理由がない限りは押印しておくことをおすすめします。印鑑を押す場合は、自社の連絡先にかぶさるように押印しましょう。

請求書の送り方にはマナーがある?

個人事業・法人を問わず、取引をした場合には毎月何かしらの請求書を送る機会が生じます。

請求書を送る際にはさまざまなマナーがあり、マナーを守って送付することで相手方からの印象アップにもつながります。

郵送の場合と、メールで送る場合の送付マナーについてチェックしておきましょう。

郵送の場合のマナー

郵送で請求書を送る場合は、請求書の折り方や封筒のサイズ、表記などに気を配りましょう。

  • 郵送の場合はA4三つ折り、表題(請求書)を後から折る
  • 印字面を内側にして封筒へ入れる
  • 長形3号の封筒を使用
  • 封筒表面に「請求書在中」と記載する

請求書はA4用紙にプリントアウトして送付するケースがほとんどです。

A4の請求書を送る際には、印字面が内側に来るよう三つ折りにしたうえで、封筒に入れて送付しましょう。
このとき、下から折り上げ、最後に表題の「請求書」が上へかぶさるように折ると、先方が開けたときに内容が分かりやすくなります。

また豆知識ですが、きれいな三つ折りにしたい場合は、請求書をタテ向きに置き、左上の角に「ヨコ向きにしたA4の紙の左上角」を重ねてみてください。上に重ねた横向きの紙が三つ折りのガイドになり、綺麗な三つ折りにすることができます。

なお、A4サイズ三つ折りの請求書を郵送する際は「長形3号」の封筒がぴったりです。封筒の表面(※)には「請求書在中」と書くか、同様のハンコを押して内容がひと目でわかるようにしておきましょう。

※タテ向き封筒の場合は左下に、ヨコ向き封筒の場合は右下に記載してください。

メール送付の場合のマナー

メールで請求書を送付する場合は、あらかじめ送付先に対し「請求書をメール送付してもよいか」と確認しておきます。了承を得られたらメール送付してかまいませんが、その際には以下の2点に注意しましょう。

  • タイトルに【ご請求書】など、件名で請求書送付がわかるよう表記する
  • 押印形式(印鑑の画像データなのか、電子印鑑なのか)を先方へ確認しておく

請求書はExcelなどで作成し、PDF化して送付するパターンが一般的です。

その際には、請求書を添付したメールのタイトルに「請求書を添付している旨」を必ず明記しましょう。
仮に送付先が規模の大きな企業の場合、1日に多数のメールが届くため、請求書ありと書いていないとメールに気付きにくくなってしまうからです。
メール本文には「送信先の部署名や担当者名」「請求書送付の旨を伝える内容文」「添付内容」を書き添え、請求書データを添付します。

なお、請求書に印鑑を押印する場合は「紙の請求書に印鑑を押してスキャン⇒PDF化」というケースと、「画像データ化した電子印鑑を請求書へ貼付、PDF化する」というケースが考えられます。

電子印鑑とは、印影をスキャンしPNGなどの画像データとして請求書に貼り付けた印鑑です。また所定のツールを使うと、独自の識別情報を付与し、改ざんや加工をしてもすぐに判別できる電子印鑑が作れます。

ただ、会社によっては電子データによる押印を認めていないケースもあるので要注意です。印鑑の押印が必要な場合は、前者・後者のどちらが好ましいか、事前に確認しておくことをおすすめします。

書類のやり取りをデジタル化!電子請求書とは?

先ほどの項では「電子メールでの請求書の送付」についてのマナーをご紹介しました。
近年では、「電子帳簿保存法」の施行により、請求書を電子データで作成、送付する企業が増えつつあります。

Web上やメール、チャットツールなどで送付する請求書は「電子請求書」と呼ばれています。

電子請求書はExcelなどの表計算ソフトで作成、PDF化したものを送受信する場合もあれば、電子帳簿保存法に対応した電子書類作成ツールを使って作成、タイムスタンプを付与して送付する場合もあります。
さらに、クラウドストレージにPDFデータをアップロードし、ダウンロードしてもらう方式もポピュラーです。

紙の請求書の送付・受領と比べると、電子請求書にはさまざまなメリットがあります。

電子請求書のメリット

電子請求書を利用するメリットは次の7つです。

  • 請求書作成~送付作業を大幅に簡略化できる
  • 検索性が高く、紛失リスクがない
  • 差し戻し、再発行が容易ですぐに対応できる
  • 基幹システムとデータ連携させることで転記ミスが起こりにくい
  • 承認フローがスムーズ化、スピーディな処理ができる
  • 受け取り状況の確認がしやすい
  • クラウド式の場合改ざんリスクがなく、変更履歴が残るので信ぴょう性が高くなる

紙ベースの請求書では、請求書の作成、印刷、封かん作業、あて名書き、郵送手続き……というふうに、多くのプロセスが必要でした。これらを事務方がもっとも多忙になる月末・月初に行うのは部署にとってもかなりの負担です。
また、請求書の原本は保管が必要ですが、請求書が増えるほど多くの物理的スペースが必要になります。

電子請求書なら、請求書データを作成し、画面上で送信が完了します。
よって面倒なアナログ作業も必要なく、他のコア業務へ人員を割けるようになります。

データゆえ保管場所を確保する必要もありませんし、確認したい請求書もすぐに検索して見つけられます。差し戻しや再発行の請求があっても、すぐに修正し、タイムラグなく送信ができるのも魅力といってよいでしょう。

なお電子請求書作成システムには、系列の基幹システムとデータ連携することで自動的に内容、金額を転記できるものもあります。こうしたシステムで請求書を作成すれば、転記間違いなどのミスも防ぐことができるでしょう。

ちなみに、電子請求書については「正しく作成されたものであれば紙の請求書よりも信ぴょう性が高くなる」と考えられています。

たとえばクラウドシステムを介してやり取りをする場合、受け取り側はダウンロードするだけとなり、データを書き換えできません。
またタイムスタンプを付与すれば、万が一改ざんされてもひと目で判別できるようになります。

電子請求書のデメリット

メリットの多い電子請求書ですが、送付先のフォーマットにそぐわなかったり、ネット環境に対応していなかったりする場合は利用が難しくなります。

「Excelなど普段から使用しているソフトを使ってPDFデータで送る」という場合は導入コストもかからず、メール等で送付するため受領側もハードルは低くなるでしょう。
ただ、専用システムの導入時に比べるとセキュリティ性や検索性において劣ります。

かといって、クラウド式やタイムスタンプに対応している電子請求書作成システムを利用する場合は、導入コストがかかります。

コストがかかる電子請求書作成システムを導入したい場合は、まず取引先と電子請求書のやりとりについての“すり合わせ”をしましょう。そのうえで、コストがいくらかかるか確認し、導入を検討することをおすすめします。

この記事の執筆者

ゼニス編集部

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