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上場しないほうがいい?上場するメリットとデメリット

上場企業といえば、優良企業や大手企業というイメージが強いかと思います。

企業が上場することで得られるメリットは多く、企業を上場させることを目標としている企業は少なくありません。しかし、上場していない企業のなかには、敢えて上場しないことを選ぶ企業もあります。

また同様に、上場企業へ勤務したいと考える人が多いなかで、上場企業に勤務することで起こるデメリットや、上場していない企業を選ぶことで得られるメリットもあります。

そこで今回は、上場企業とはどのようなものか、仕組みや種類を解説するとともに、企業が上場するメリット・デメリット、そして上場企業へ勤めることで得られるメリット・デメリットなどについて、詳しく紹介していきたいと思います。

上場企業とは?株式会社の仕組み

上場企業とは、上場株式を発行している企業を指します。
株式とは、企業が新事業の立ち上げや事業拡大の際に必要となる資金の調達を目的として発行する証券で、審査のうえ誰でも売買できる基準をクリアしたものを上場株式といいます。

株式会社は、投資家に対して株式を発行することで資金調達を行い、集めた資金を事業資金に充てることができます。

いっぽう投資家は、企業へ出資をした見返りとして株式という証券(株券)を受け取り株主となります。上場企業の株は、株主が証券取引所において自由に株券を売買することができるため、株券を購入した時よりも売却した時の価値が上がれば、利益を得ることができるという仕組みです。

非上場とは?上場企業と非上場企業との違い

株式会社のなかで、株式を証券取引所にて公開している企業を上場企業と言うのに対し、株式を公開していない企業を非上場企業と呼んでいます。

株式を公開している上場企業では、多くの株式を投資家が所有しており、証券取引所にて売買が行われています。

いっぽう、非上場企業の株式は公開されていないため、証券取引所で株式を売買することができず、主に創業者である社長やその親族、関連会社などが株主となっています。

東証再編後の上場企業の種類

日本の証券取引所は、東京のほか、札幌、名古屋、福岡にありますが、最も規模が大きい東京証券取引所では、2022年4月4日に市場が再編されました。

以前は、「東証一部」「東証二部」「ジャスダック・スタンダード、ジャスダック・グロース」「マザーズ」の主に4つの市場で構成されていました。それを2022年に、市場の更なる活性化を狙い、投資家にとって魅力的な企業を明確化するために、「プライム」「スタンダード」「グロース」の3つの市場へと再編しました。
市場の活性化につながるよう、より投資家にとって魅力的な企業が分かりやすくするためだと言われています。

それぞれの市場の特徴についてもチェックしておきましょう。

プライム市場とは

「プライム市場」は、再編前でいると「東証一部」に該当する位置づけで、東証のメインとなる市場です。

東証公表によるプライム市場のコンセプトは、「多くの機関投資家の投資対象になりうる規模の時価総額(流動性)を持ち、より高いガバナンス水準を備え、投資者との建設的な対話を中心に据えて持続的な成長と中長期的な企業価値の向上にコミットする企業向けの市場」となっています。

新規上場基準や上場維持基準は最も厳しく定められており、流通株式の時価総額は100億円上、純資産は50億円以上といった「形式基準」とともに、収益性や継続性等を判断する厳しい「実質基準」が設けられています。

プライム市場には、トヨタ自動車やソニーグループ、リクルートホールディングス等を含むが1,838社の企業が上場しています。(2022年12月26日時点)

スタンダード市場とは

スタンダード市場は、日本経済の中核として主に日本国内に向けた市場です。
再編前でいう東証二部を中心に、プライム市場に該当しなかった東証一部の企業やジャスダック・スタンダードへ上場していた企業で構成されています。

スタンダード市場の上場基準は、プライム市場と比較して緩くなっており、日本マクドナルドホールディングス、新生銀行やアコム等を含む1,452社がスタンダード市場へ上場しています。(2022年12月26日時点)

グロース市場とは

グロース市場とは、再編前でいうマザーズやジャスダック・グロースに上場していた企業で、これから成長する可能性の高いベンチャー企業や新興企業に向けた市場です。
市場規模は、プライムやスタンダードよりも小さく、467社が上場しています。(2022年6月6日時点)。

企業が上場するメリットとデメリット

企業が上場するメリット

企業が上場すると、株式が広く一般に公開されるようになるため、それまで経営者個人のものであった企業がパブリックカンパニーという位置づけへ変わります。
それによって得られるメリットには、次のようなものがあります。

1.資金調達がしやすくなる

上場に伴い得られるメリットとして最も大きなものが、資金調達がしやすくなるという点です。
証券取引所で株式が公開されることで、多くの投資家の目に留まり、株式の買い手が見つかりやすくなるため、株式発行による資金調達が実現しやすくなります。
それだけでなく、新株予約権付社債の発行や公募による時価発行増資などを含め、資金調達の方法も増えるといったメリットもあります。

2.企業の信用度が上がる

上場するためには、上場のための審査基準があるため、上場企業は一定の基準をクリアした企業という信用が付きます。また、ニュースに取り上げられるなど企業の知名度アップにも繋がります。
会社の信用や認知度が上がることで、銀行からの借入や企業間の取引でも有利に働くようになります。

企業が上場するデメリット

上場には大きなメリットがある反面、デメリットもあります。

1.買収されるリスクがあがる

上場することで、株式が証券取引所でオープンに取引されるため、非上場の時に比べて株式を寡占されて買収されてしまうリスクが高まります。
なかには、株主によって経営を左右されるたり、悪質な株主によって株式総会などで嫌がらせを受けるケースもあり、株主に対する対応が難しい場合もあります。

2.上場に向けた労力が大きい

上場するためには、監査法人の選定から会計監査や管理体制の整備などを含む、さまざまな準備が必要となり、それにかかる労力や費用は思いのほか大きいものです。
上場した後も、上場を維持するために費やす労力は決して少なくなく、上場するかの判断には上場に必要となるコストを見極める必要があります。

勤務するなら上場企業がいい?上場企業と非上場それぞれの特徴

上場企業へ勤めるメリット

上場企業は、業績情報や従業員数の推移、給与などの情報が正確に開示されているため、外部からでも会社の状況が把握しやすいという特徴があります。

また、社会的にも信用があるため、上場企業へ勤めることで安定した収入を得ている人という信用が得られるのは、大きなメリットでしょう。
クレジットカードや住宅ローンの際も、上場企業へ勤務している方が非上場企業よりも審査が通りやすい傾向もあります。

上場企業へ勤めるデメリット

いっぽうで、上場企業に勤務することで感じるデメリットもあります。
上場企業は非上場企業に比べて、社内規定やコンプライアンスが厳しい傾向があり、そのために発生してしまう業務もあります。

また、上場企業では株主の意向も経営に反映させる必要性が起こるため、意にそぐわない形で利益追求を続けなければならないということもあります。
利益よりも大切にしたい理念がある人や、仕事自体を楽しみたい人、新たな事業に挑戦したい人にとっては、スムーズにいかないというデメリットもあるかもしれません。

上場企業について、上場の仕組みや市場の種類をはじめとし、上場企業のメリット・デメリットについて紹介いたしました。

会社が上場することで得られるメリットは大きいものの、長期的な成長を目指す企業の中にはあえて非上場を選ぶケースもあります。また、勤務する側にとっても、上場企業だけでなく非上場企業に魅力を感じる人も少なくないでしょう。

この記事の執筆者

ゼニス編集部

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