「コストを抑えて起業したい!」と思ったときに便利なのがバーチャルオフィス。バーチャルオフィスは個人事業や副業に使えるだけじゃなく、「法人登記」にも使えるのをご存じでしょうか?
ここでは、バーチャルオフィスで登記をする際のポイント&注意点や、登記に使えるおすすめのバーチャルオフィス10選をご紹介します。それぞれ比較・検討したうえで、自分にぴったりなバーチャルオフィスを見つけてみましょう。
バーチャルオフィスでも法人登記はできる!
バーチャルオフィスは「事業用の住所」を借りるサービスです。
借りた住所は、取引や営業をする際の“連絡先”や、公的な“事業所の住所”として利用できます。
そのため、バーチャルオフィスの住所で法人登記をすることも可能です。
バーチャルオフィスは月々数千円、初期費用も1万円前後と低コストで利用できます。
賃貸オフィスやレンタルオフィスに比べ、大幅なコストダウンをしながら法人を設立できるのは大きな魅力です。
バーチャルオフィスで法人登記をするときに知っておきたいポイント
法人登記をして会社を設立すると、個人事業に比べ税制の優遇が受けられたり、「有限責任(※)」となり負債や倒産時のリスクを最小限に抑えられたりするメリットがあります。
(※有限責任……「会社の経営が悪化しても、出資した金額内だけ責任を負えばよい」という意味)
また、個人に比べ対外的な信用度がアップするのも法人のメリットです。
バーチャルオフィスで法人登記をする際は、以下のポイントを押さえておきましょう。
バーチャルオフィスで登記する場合は「同じ会社名」がないかチェック
バーチャルオフィスでは複数の会社が同じ住所を利用して事業を行っています。
このとき注意しなければならないのが「同じ住所に同じ会社名は登録できない」という点です。
現行の法律では、同一住所に同じ商号(会社名)を登録することはできません。
仮に同じ会社名を登録しようとしても、登記を断られてしまうのです。
会社名を考えたら、バーチャルオフィス内に同じ名称の会社がないか必ず調査しておきましょう。
バーチャルオフィスの住所を「定款」に記載し、認証を受ける
法人登記をして会社を設立する場合、会社の概要や運営ルールをまとめた「定款」を作成します。
この定款には、以下の「絶対的記載事項」をかならず記載しなくてはなりません。
- 商号(会社名)
- 事業目的
- 本店所在地(バーチャルオフィスの住所を記載)
- 資本金額
- 発起人氏名、住所
「本店所在地」には、バーチャルオフィスの住所を記載しましょう。
法人登記の住所には制限がないので、バーチャルオフィスの住所でも登記ができます。
なお、定款は「株式を公開する場合・しない場合」や「取締役の人数」「取締役会や監査役設置の有無」などによりフォーマットが変わります。どのように書けばよいかわからないときは、日本公証人連合会の公式サイトを参考にしてみましょう。
参考リンク:定款等記載例(Examples of Articles of Incorporation etc) | 日本公証人連合会
ちなみに、株式会社を設立する場合は「定款の認証」を受ける必要があります。
定款の認証には認証料として3~5万円が、申請に伴う収入印紙代として4万円がかかるので、あらかじめ準備しておきましょう。
ちなみに、電子データで定款をつくった場合(電子定款)は、収入印紙代が0円になります。
登記費用を節約したい方は、電子定款での作成、認証を検討してみてもよいでしょう。
「会社設立登記申請書」にもバーチャルオフィスの住所を記入する
定款の認証を受けたあとは、登記に必要な書類(会社設立登記申請書)の「本店」欄にもバーチャルオフィスの住所を記入しましょう。
定款の本店所在地と設立登記申請書の本店住所は、必ず一致させる必要があります。
参考リンク:商業・法人登記の申請書様式:法務局
くわしい会社設立の流れについては、こちらのコラムもご参考にしてみてください。

登記後に必要な手続きを済ませる
法人登記が終わったあとは、さらに税金や保険などのさまざまな手続きが必要です。
- 法人税の届け出(税務署)
- 法人事業税、法人住民税の届け出(各都道府県税務署、市町村役場)
- 健康保険、厚生年金の加入手続き(年金事務所)
- 労働法関連の届け出(労働基準監督署)
- 雇用保険の届け出(ハローワーク)
- 法人口座の開設(銀行)
これらの手続きでも住所の記入・提出を求められます。
登記をしたバーチャルオフィスの住所で手続きを済ませましょう。
法人登記におすすめのバーチャルオフィス10選!
バーチャルオフィスで会社を設立したい方は、「法人登記ができるバーチャルオフィス」を選ぶことが大切。
ここでは、法人登記ができてコスパも抜群なバーチャルオフィスを10カ所ご紹介します。
それぞれの特徴をチェックし、自分に合ったバーチャルオフィスを見つけてみましょう!
1.レゾナンス
レゾナンスは、月額990円~(税込)で都心一等地住所が借りられるバーチャルオフィス。
格安価格で東京都港区浜松町、港区青山、中央区銀座、中央区日本橋、渋谷区神宮前、渋谷区恵比寿、新宿区西新宿、横浜市西区といった知名度の高い住所が利用できます。
はじめから法人登記にも利用できるほか、個人事業主から法人化する際の追加料金も無料です。
転送電話番号付きのプランや電話秘書代行サービス付きのプランも選べるほか、プライベートロッカーや共用/専用FAX、郵便物の都度転送などの便利なオプションも完備。
コスパ重視で、かつ都心の一等地住所で登記がしたい方には特におすすめです。
入会金等の初期費用 | 入会金5,500円/ 郵便転送デジポット費:1,000円 |
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月額料金 | 990円~(年払いの場合)/ 郵便物転送料はデジポットから差し引き |
法人登記 | 可能(個人事業主から法人への切り替えも無料) |
借りられる住所 | 東京都港区浜松町、港区青山、中央区銀座、中央区日本橋、渋谷区神宮前、渋谷区恵比寿、新宿区西新宿、横浜市西区 |
運営元 | 株式会社ゼニス |
※価格はすべて税込
2.ナレッジソサエティ
https://www.k-society.com/virtual_office/
ナレッジソサエティは、東京都千代田区の銀行所有ビル住所が借りられるバーチャルオフィスです。法人登記はもちろん、打ち合わせや会議に使えるミーティングシート、会員の交流イベントなども利用できます。
エントランスにはスタッフが常駐しているため、突然の来客でも代わりに対応してもらえます。バーチャルオフィスのほかにはシェアオフィスも利用可能です。
入会金等の初期費用 | 入会金16,500円/ 保証金30,000円 |
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月額料金 | 4,950円/ 郵便物転送料(月1回)は実費 |
法人登記 | 可能 |
借りられる住所 | 千代田区 |
運営元 | 株式会社ナレッジソサエティ |
※価格はすべて税込
3.METS OFFICE
METSオフィスは新宿、日本橋、赤羽の住所を借りられるバーチャルオフィスです。最短3ヶ月から利用でき、法人登記にも対応OK。オプション追加で電話サービスや専用FAX、電話代行秘書サービスなども利用でき、オフィスに必要な機能が揃います。自社ビル直営のため、バーチャルオフィスの経営の安定性にこだわる方におすすめです。
入会金等の初期費用 | 入会金3,300円 / 事務手数料550円 |
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月額料金 | 2,970円(年払いの場合)/ 郵便物転送料(週1回)は660円~ |
法人登記 | 可能 |
借りられる住所 | 新宿2店舗、日本橋、赤羽の計4店舗 |
運営元 | オリンピア興業株式会社 |
※価格はすべて税込
4.Karigo
Karigoは全国50拠点以上の店舗を展開するバーチャルオフィス。法人は月額4,700円~の料金で利用可能です。Karigoでは「登記代行サービス」として司法書士・行政書士の紹介サービスを提供しているため、初めて法人登記をする方でも安心して利用できます。
入会金等の初期費用 | 入会金5,500円~ |
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月額料金 | 個人:3,300円~/法人利用:4,700円~/ 郵便物転送は実費 |
法人登記 | 可能 |
借りられる住所 | 銀座、浜松町、西麻布、渋谷、秋葉原、日本橋など全国50拠点以上 |
運営元 | 株式会社Karigo |
※価格はすべて税込
5.リージャス
https://www.regus-office.jp/service/virtualoffice/
リージャスは日本全国に170拠点をほこるバーチャルオフィスです。一般的な住所貸し・郵便物の転送サービスだけでなく、必要に応じてオフィスや会議知るなどの実務スペースも利用できるのが特徴。バーチャルオフィスの機能に加え、ときどき実務スペースも利用したい……という方におすすめです。
入会金等の初期費用 | 要問合せ |
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月額料金 | 5,500円(メールボックスプラス)~、店舗により異なる/ 郵便物転送あり |
法人登記 | 可能 |
借りられる住所 | 丸の内、大手町、秋葉原、銀座、表参道、麻布、六本木、渋谷、恵比寿、新宿、錦糸町など(日本170拠点/世界120ヵ国、3,300拠点) |
運営元 | 日本リージャスホールディングス株式会社 |
※価格はすべて税込
6.THE HUB
https://thehub.nex.works/plan/virtual/
THE HUBは「従量制シェアオフィス」として、全国773施設を展開。うち75店舗では、住所のみのバーチャルオフィスプランも利用可能です。法人登記に利用できるほか、有料でTHE HUBの施設内作業スペース、会議室を利用することもできます。
入会金等の初期費用 | 入会金11,000円/ 年会費 22,000円/ 2ヶ月分の利用料金 |
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月額料金 | 3,300円~/ 郵便物転送(週1回)は2,750円 |
法人登記 | 可能 |
借りられる住所 | 品川、吉祥寺、八重洲、新橋など75店舗 / ワークスペースは全国773施設 |
運営元 | nex株式会社 |
※価格はすべて税込
7.アントレサポート
https://www.entre-support.co.jp/
アントレサポートでは、東京4ヵ所のバーチャルオフィスで法人登記が可能です。創業・経営の相談ができるメンター紹介サービスなど、起業家へのサポートも充実。はじめて起業される方にもおすすめのバーチャルオフィスといえます。
入会金等の初期費用 | 11,000円/ 事務手数料11,000円 保証金3,000円(非課税)/郵送契約料 個人:1,650円/法人:1,980円 |
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月額料金 | 7,700円~/ 郵便物転送料(週1回/即日)は実費+手数料110円~ |
法人登記 | 可能 |
借りられる住所 | 渋谷、四ツ谷、秋葉原、虎ノ門 |
運営元 | 株式会社アントレサポート |
※価格はすべて税込
8.NAWABARI
NAWABARIはネットショップのオーナー向けにスタートしたバーチャルオフィス。もちろん、ネットショップ以外の利用もOKです。法人登記する場合は月額3,300円のプラン利用が必須となりますが、東京都目黒区の住所が利用できるのは大きな強みです。
入会金等の初期費用 | 初期費用11,000円 / 保証金33,000円(登記プランのみ) |
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月額料金 | 登記プランは月額3,300円 / 郵便物転送料(週1回)は実費 |
法人登記 | 可能 |
借りられる住所 | 目黒区(2022年8月時点/渋谷区は受付終了ずみ) |
運営元 | 株式会社Lucci |
※価格はすべて税込
9.DMMバーチャルオフィス
https://virtualoffice.dmm.com/
DMM.comグループが運営するDMMバーチャルオフィスは、銀座、渋谷などの4店舗が利用可能なバーチャルオフィス。法人登記にはライトプラン、もしくはビジネスプランを契約すると利用できます。契約者は駅近の一等地住所が利用できるほか、郵便物の転送関連や請求内容の確認がスマホで完結する「会員制サイト」で便利にビジネスが行えます。
入会金等の初期費用 | 入会金5,500円/ 保証金5,000円 |
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月額料金 | ライトプラン1,650円 / ビジネスプラン2,530円~ 郵便物転送料(週1回)は実費 |
法人登記 | 可能 |
借りられる住所 | 銀座、渋谷、大阪、福岡の4店舗 |
運営元 | 合同会社DMM.com |
※価格はすべて税込
10.ワンストップビジネスセンター
ワンストップビジネスセンターは、全国39店舗展開のバーチャルオフィス。エコノミーからプレミアムまで3種のプランがあるほか、サービスが充実した特別なプラン(エグゼクティブプラン)も選べるのが特長。法人登記ができるのはもちろん、100g/1通までの郵便物なら無料で転送してくれるのも魅力です。
入会金等の初期費用 | 初期費用 10,780円 |
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月額料金 | 5,280円/ 郵便物転送料(週1回)は100g/1通まで無料 |
法人登記 | 可能 |
借りられる住所 | 南青山、表参道、麹町、渋谷、銀座、秋葉原などの全国39店舗 |
運営元 | 株式会社ワンストップビジネスセンター |
※価格はすべて税込
法人化を検討するなら登記OKなバーチャルオフィスを選ぼう!
本記事では、法人登記に使えるバーチャルオフィス10選をご紹介しました。
近年のバーチャルオフィスは、法人登記にも使えるところが大半となっています。
しかし中には、法人登記には使えなかったり、法人登記をするためにオプション料金(またはプラン変更)が必要だったりするバーチャルオフィスもあります。
「バーチャルオフィスで法人登記をして会社を設立したい」
「今は個人事業主だけれど、ゆくゆくは法人化したい」
という方は、登記のできるバーチャルオフィスを選びましょう。
料金や立地なども含め、総合的に納得できるバーチャルオフィスを探してみて下さいね。
