産休手当(出産手当金)とは? 受給条件や計算方法、企業の対応について解説

出産に関する休業補償のひとつである「産休手当(出産手当金)」。従業員が申請をしたいと申し出てきたとき、企業としてはどのような対応をすべきでしょうか?

ここでは、産休手当の基礎知識や計算方法、企業が行うべき対応についてご紹介します。

産休手当(出産手当金)は産休中の収入保障

「産休手当」は出産手当金とも呼ばれます。雇用されて働く人の休業補償のひとつですが、支払元は企業ではなく、加入している健康保険です。

産休手当は産休(産前・産後休暇)に入る女性を対象としています。

産休手当は産前・産後の収入減少をカバーするのが目的

健康保険が産休手当を支給する目的とは、産前・産後の収入減少をカバーすることです。

雇用されて働く女性には、産前休暇6週、産後休暇8週を取得する権利があります。
ただ、企業側には産休に入った女性社員に給与を払う義務はなく、そのままでは産休中に収入が途絶えてしまいます。

そのような事態をカバーするのが、産休手当(出産手当金)です。

産休前の給与分を満額もらえるわけではありませんが、およそ3分の2程度の収入源を確保でき、生活や出産の準備へと充てることができます。

産休手当と出産一時金との違いは?

産休手当と混同しやすいのが「出産一時金」です。どちらも出産に関わる給付金のため間違えやすいのですが、その支払いタイミングや金額、目的はそれぞれ異なります。

・産休手当(出産手当金)
……産休中の収入減少を補償することが目的となる手当。最大98日間受給できる。
支給元は健康保険や協会けんぽ、共済組合であり、金額は産休突入までの過去1年間の給与がベースとなる。

・出産一時金
……出産費用の負担減が目的。金額は一律42万円(特例あり)。
健康保険のほか、協会けんぽ、共済組合、国民健康保険の加入者でも申請できる。

産休手当を正式名称の「出産手当金」と呼んでいると出産一時金と間違えやすいので、それぞれの違いをしっかりと理解しておきましょう。

男性の場合は「育児休業給付金」がもらえる

余談ですが、男性は産休手当をもらうことができない代わりに「育児休業給付金」を受給可能です。

支給元は雇用保険で、育休開始~6ヶ月間は休業前に受け取っていた給与の67%(3分の2)の給付金がもらえます。6ヶ月を過ぎたあとは、育休前給与の50%が支給されます。

また、育休期間中には社会保険料が免除になります。従業員本人はもちろん、企業側も知っておきましょう。

参考リンク:厚生労働省|育児休業給付とは

産休手当の受給期間は?

産休手当は以下の期間に受給できます。

・出産予定日からさかのぼって42日前まで(多胎妊娠なら98日前)
・出産予定日の翌日から数えて56日目まで

双子などではない場合は、最大98日間までと覚えておくといいでしょう。

ただし出産予定日が遅れた場合は、遅れた分の日数が対象となる「産前休暇期間」としてプラスされるので、産休手当を受給できる期間も延びます。たとえば予定日から3日遅れて出産した場合、42日+3日+56日で、合計101日間産休手当を受け取れる計算です。

産休手当の受給に必須の条件は?

産休手当を受給するには、以下の3つすべてを満たしている必要があります。

1.勤務先で健康保険に加入している「被保険者」であること
2.妊娠4ヶ月以降の出産である
3.出産のために休業している

また、退職していても産休手当を受給できるケースがあります。

それぞれを細かく見ていきましょう。

1.勤務先で健康保険に加入している「被保険者」であること

産休手当の受給は、産休を取る従業員本人が健康保険(健保組合や協会けんぽ、共済組合など)に加入していることが前提となります。

健康保険に加入さえしていれば、雇用形態は正社員、アルバイト、パートも対象となります。

2.妊娠4ヶ月以降の出産である

産休手当は妊娠4ヶ月(85日)を過ぎたあとの出産が対象となります。
このとき、正常分娩だけでなく、流産や死産、人工妊娠中絶なども対象になる点に留意が必要です。
85日未満での休業は受給対象外です。

3.出産のために休業している

産休手当の受給には「産前産後休業の際に給与を受け取っていないこと」も条件となります。

ただし、産休中に給与支払いがあった場合でも、まったく産休手当がもらえないわけではありません。
給与の日額が産休手当の日額より少なければ、「産休手当(日額)-給与(日額)」の差額分を受給できるのです。

【特例】退職していても産休手当を受給できるケース

通常、産休手当は雇用されて健康保険に加入している人が受給できるものです。ただし、以下に当てはまる場合は、退職をしていても出産手当金を受給できるので、知っておきましょう。

・退職前に1年以上、継続して健康保険に加入していた
・産休に入って期間内に退職日を迎えた
・退職日当日に出勤していない
・退職日に産休手当が支給されている

従業員が出産に伴い産休に入り、退職をしたいと申し出てきた場合は、上記に当てはまるかを確認したうえで手続き書類を準備しましょう。

産休手当の対象外になるケース

会社に雇用されて働いていても、産休手当を受給できないケースがあります。

・国民健康保険に加入している(勤務先の健康保険ではない)
・扶養家族として夫の健康保険に入っている(自分で健康保険料を支払っていない)
・健康保険の任意継続被保険者である
・産休中に給与が支払われていて、かつ産休手当以上の報酬額をもらっている

意外にトラブルが多いのが、「産休中に給与が支払われている場合」です。

たとえば産休中に有休消化をした場合、その支給日額が産休手当の日額よりも高くなると、支給対象外となります。

従業員が産休に伴い有給休暇を消化する場合は、産休手当の対象期間ではない時期の取得を勧めてあげましょう。

産休手当の計算方法は?

過去1年間の標準報酬月額(※)を1日単位でみたとき、1日分の3分の2の金額が「産休手当1日分」として支給されます。

※標準報酬月額とは?
……過去1年(12ヶ月分)の給与を50等級に区分したもの。
月額5万8,000円~130万円までの区分がある。
参考リンク:標準報酬月額・標準賞与額とは? | こんな時に健保 | 全国健康保険協会

【産休手当の計算方法】
・標準報酬月額÷30日=日額
(この額が算定の基準になる)

・算定の基準となる日額 × 3分の2 = 出産手当(日額)

仮に標準報酬月額が30万円の場合は、日額が1万円。
1万円×3分の2=6,667円が、産休手当の1日分となります。

仮に98日間(出産前に42日間+出産後に56日間)産休を取得した場合は、

6,667円 × 98日 = 65万3,366円

98日分として65万3,386円、1カ月あたり約22万円を受給できる計算となります。

従業員の産休手当申請に対し、企業はどう対応すべき?

従業員が「産休手当を受給したい」と申し出てきた場合、企業としては以下の流れで対応を行います。

【企業側の対応の流れ】
・従業員へ社会保険事務所が発行する「健康保険出産手当金支給申請書」の案内をする
・健康保険出産手当金支給申請書の「事業主の証明」欄へ記入
・抜け、漏れがないか確認したうえで健康保険組合等へ提出

健康保険出産手当金支給申請書は、企業内で準備しておくか、申請者本人に入手してもらう必要があります。
全国健康保険協会の公式サイトでは、健康保険出産手当金支給申請書をダウンロードできます。

印刷して使用する手書き用のほか、直接入力用のフォーマットも用意されているので使い分けると便利です。

参考リンク:健康保険出産手当金支給申請書 | 申請書 | 全国健康保険協会

また、産休手当の制度面、受給条件や期間などについても説明すべきでしょう。くわしくは、次の項目で解説します。

企業が説明すべきこと

産休手当の受給に関して、企業が説明すべきことには以下のようなものがあります。

【申請そのものや申請書についての説明】
・受給条件(前提条件や日数、産休手当の日額など)
・従業員の記入欄、医師・助産師記入欄・事業主の証明欄について

【手続きや支給に関する説明】
・産後または復帰後に提出すれば1回で提出できるが、産前・産後の2回でも申請できること
・産休手当の申請~給付まで1~2ヶ月かかり、一括で振り込まれること
・全額受給したい場合は、産休開始の翌日から2年以内に申請する必要があること
・産休中に退職した場合に適用される条件

従業員が行う手続き

産休手当を受給するにあたって、従業員が行う手続きについても把握しておきましょう。
従業員の手続きの流れは以下のとおりです。

【産休前】
・受給対象となる条件の確認
・健康保険出産手当金支給申請書の取得、ダウンロード
・本人記入欄への記入

【産休中~出産入院中】
・医師・助産師記入欄への記入依頼

【産休明け】
・会社の健康保険担当への申請書提出

企業側はこうした申請手続きの流れを理解しておくとともに、フローチャート化した資料を従業員へ渡すなどして、スムーズな制度利用を促しましょう。

雇用する企業側も産休手当について正しく理解しよう

産休手当は企業が支給するものではありません。しかし、従業員の出産前後の生活を支える重要な休業補償であり、申請に企業が協力する以上、制度について正しく理解しておく必要があります。

特に労務担当者は、産休手当の受給条件や計算方法、申請方法などについてしっかりと把握しておきましょう。

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