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ベンチャーとは?成長ステージや混同されやすい言葉の意味、向いている人材を解説!

ビジネスでは「ベンチャー企業」という言葉をよく耳にしますが、そもそもベンチャーとはどのような企業なのでしょうか? ここでは今さら聞けない「ベンチャー企業の意味・定義」をご紹介します。また、ベンチャー企業に関する知識として、4つの成長ステージや似た言葉の意味についても解説します。

「ベンチャー企業って?」という方や「これから革新的なアイデアで起業したい!」と考えている方は、ぜひご覧ください。

ベンチャーとはどんな企業?

ベンチャーとは英語で「冒険的」「野心的」な事業、という意味の言葉です。
とりわけ日本では、革新的な事業・サービスを展開する新興企業を「ベンチャー」と呼んでいます。

大企業にはない視点で既成概念を覆すようなユニークな技術、新たなサービスを提供して成長している企業はすべて「ベンチャー」といってよいでしょう。

ベンチャー企業の定義はあいまい

「ベンチャー企業」の定義については、明確な数字の規定があるわけではありません。

ただし、一般的には以下の特徴を有する会社がベンチャーとして扱われています。

【ベンチャー企業各社に共通しやすい要素】

  • 設立から日が浅い
  • 新たな技術を駆使し、革新的な商品、サービスを展開している
  • 成長過程にあり、将来性が期待される
  • 小規模~中規模の会社
  • ベンチャーキャピタルから出資を受けている

ベンチャー企業とスタートアップの違い

ベンチャー企業とよく似ているのが「スタートアップ」です。

スタートアップとは、ベンチャー企業のうち、まったく新しいビジネスモデルで事業を展開する企業です。ベンチャー企業との大きな違いは「最終目的」です。

スタートアップは新しいビジネスモデルにより、短期間でのEXIT(M&AやIPOなど)を達成することを目的にしています。一方ベンチャーは、必ずしも「短期間の成長」を目的としているわけではありません。

スタートアップについてはこちらのコラムも参考にしてみてください。

スタートアップとは?特徴やベンチャーとの違いを解説!
起業関連のメディアなどでよく目にする「スタートアップ」。いわゆる「急成長を遂げた企業」の総称ですが、具体的にどのような意味なのか、案外知らない方も多いものです。ここではスタートアップの意味や特徴、ベンチャーとの違いなどをご紹介します。

ベンチャーの成長ステージとは?

ベンチャーには、企業規模や成長段階に応じて4つの“成長ステージ”があります。

  1. シード(創業)
  2. アーリー(発展途上)
  3. エクスパンション(急成長)
  4. レーター(安定)

投資家から投資評価をされるとき、また資金調達を行うときには、この4ステージが指標として用いられます。

1.シード(創業)

起業の準備段階にあるステージ「シード」と呼ばれます。

この時点では、事業のアイデアのみがあり、商品やサービスへの具体化、実現化に至っていません。

シードにあるベンチャーは、市場調査で競合や市場のニーズを分析したり、事業計画の作成や人材確保に走ったりといった起業準備に忙しい状態です。人材確保においては、企業を支えるバックオフィス人材(経理・労務担当など)やマーケティング担当などが必須人材となります。

この時期には資本金などの会社設立費用を確保することも重要です。
自己資金はもちろん、金融機関からの創業融資、国や政府のベンチャー向け助成金などを上手く活用して資金調達を行います。

2.アーリー(発展途上)

「アーリー」とは、創業後~8年以内の発展途上にあるステージを指します。

この時期は設備投資や販促などで赤字になりやすく、株式発行などによる資金調達がしにくいステージでもあります。客観的に見た経営状況は決して「良い」とはいえず、不足資金は融資やエンジェル投資家、クラウドファンディングなどで調達するケースが多いでしょう。

ただし、このアーリーを抜けて「エクスパンション」に到達した企業は、さらなる発展を遂げることができます。

3.エクスパンション(急成長)

「エクスパンション」は「ミドル」とも呼ばれ、事業が著しく拡大、急成長しはじめるステージです。

一般的には従業員数が20名を超え、かつ売上高が5億円を超えた企業がエクスパンションにある、といえます。

このころになると会社の知名度もかなりのものになり、商品やサービスの展開拡大、開発、設備投資などが次々に行われます。

またそのためにはより多くの資金が必要ですが、売上が十分にあるため信用も高く、資金調達がしやすい状況です。民間金融機関やベンチャーキャピタルなども利用しやすいでしょう。

4.レーター(安定)

「レーター」とは、売上が安定し、持続的なキャッシュフローがある状態です。
売上高でいえば30億円以上、従業員数が50名以上になるとレーターに該当します。

企業として安定期に入っていることから、株式の新規上場(IPO)、M&Aなどを視野に入れる頃でもあります。

また衰退を避けるため、新規拠点の開拓や事業の立ち上げなども検討すべき時期です。

ベンチャー企業と似ている組織、言葉の意味は?

先の項では「スタートアップ」について触れましたが、「ベンチャーキャピタル」「社内ベンチャー」など、ほかにも似ている言葉は多数あります。

ベンチャーキャピタル

ベンチャーキャピタル(VC)とは、創業したてのベンチャー企業へ出資する投資ファンドです。

ベンチャーキャピタルの出資目的は、出資をした企業が上場し、株価が上昇したときに売却して得られる「キャピタルゲイン(売却差益)」です。そのため、将来成長しそうなベンチャー企業を選定するとともに、企業への経営コンサルティングなども行っています。

企業側から見れば、融資が難しい時期に資金調達ができ、経営コンサルも受けられる点は大きなメリットです。多くの企業に携わってきた経験によるアドバイスを提供してもらうことで、効率的に事業を進められます。

ただし、ベンチャーキャピタルによって事業内容への干渉を受けたり、業績が伸びない場合株式の買い取りを迫られたりといったデメリットもあります。

社内ベンチャー

社内ベンチャーとは、企業内で新規事業を立ち上げることを指します。

別会社を設立するのではなく、あくまでも部署やチームなどの社内組織として新規事業をスタートします。

既存企業の資金、ノウハウ、人材といった潤沢なリソースを用いて新規事業を行える点がメリットです。別組織として社内ベンチャーを行うと。これまでの企業の事業路線を大きく覆す事業内容に挑戦することもできます。

企業のネームバリューが大きいほど安定したすべり出しがしやすく、成功すれば新たな収益源にもなり得ます。

ジョイントベンチャー

ジョイントベンチャーとは、2つ以上の企業が出資し合い、まったく新しいベンチャー企業を設立することを指します。「合弁企業」とも呼ばれます。

ジョイントベンチャーは既存企業同士が資産を持ち寄って新規事業を立ち上げるため、スタートから安定した事業展開がしやすい点がメリットです。またお互いのノウハウ、技術、特許などのかけ合わせによって、よりニーズを満たす製品・サービスを提供しやすいメリットもあります。

たとえば、過去にはユニクロとビックカメラがジョイントベンチャーを行っています。

新宿に誕生した「ビックロ」では、それぞれの店内にお互いの商品を陳列したり、ビックカメラのポイントをユニクロで使えるクーポン券へ交換できるようにしたりと、ユニークなサービスを提供していました。

これにより、ユニクロは外国人観光客を、ビックカメラはファミリー層や女性客を取り込むことに成功しています。

ベンチャー企業に向いている人材は?

これから自分がベンチャー企業に就職する、またはベンチャー企業を立ち上げたいと考えたとき、どのような人材が向いているのでしょうか。

以下に当てはまる人は、ベンチャー企業で働く適性が高いといえるでしょう。

挑戦が好き

ベンチャー企業は社員の平均年齢が低く、若手であっても重要なプロジェクトを任される場合が多く見られます。

よって、安定・保守的な思考をする人より、新たなことにチャレンジするのが好きな人のほうが、ベンチャー勤務に向いています。

自分で新しいものを生み出すのが好き

好奇心が強く、自分で新たなモノ・コトを考えるのが好きな人は、ベンチャー企業に向いています。

世の中に役立つアイデアが生まれれば、それが企業の“核”となる商品・サービスへ化ける可能性もあるでしょう。

ベンチャー企業として成功を収めるには、こうしたクリエイティブな思考ができる人材が不可欠です。

常に成長志向

常に新たな挑戦を繰り返すベンチャー企業では、向上心が強く、常に成長志向の人材が必要です。

こうした人材は粘り強さだけでなく、柔軟な発想力も兼ね備えていることが多いため、事業の中心人物としての活躍が期待できます。

プレゼンが得意

ベンチャー企業ではプレゼンをする機会がかなり多く、事業や商品、サービスについて説得力のある説明が求められます。よって、プレゼンが得意な人はベンチャー企業でも重宝されます。

またプレゼンが得意な人は「情報をわかりやすく伝えるスキル」が高いため、広報や営業、人材教育など、あらゆる分野で活躍できるでしょう。

ポジティブ思考であまり落ち込むことがない

ベンチャー企業というとスマートな印象を受けますが、実際にはトライ&エラーを繰り返しながら泥臭く挑戦を続けてやっと成功を掴む、というケースも珍しくありません。

失敗をしても落ち込まず前向きに捉え、すぐに学びに変えられるタフな人は、ベンチャー企業でも活躍できます。

まとめ

本記事では、ベンチャーとは何かを解説しました。

近年は新たなアイデアで人々の困りごとを解決したり、技術革新を実現したりするベンチャー企業が多数創出されています。

ベンチャー企業では「自由」「革新的」な試みを行いやすい一方で、ワンマン経営になりやすく、資金不足に陥りやすい面も否定できません。自身が経営者となるのであれば、安定した人材確保のための雇用条件、福利厚生等の整備についても考える必要があるでしょう。

最近ではベンチャー企業に注目し、出資を行う投資家・投資会社や、ベンチャー向けの補助金や助成金、創業融資なども増えてきました。こうした資金調達方法を把握しておき、資金が必要な創業期~成長期に活用することで、より安定した経営が実現できます。

これからベンチャー企業を立ち上げたい方は、既存のベンチャー企業の成長過程や経営戦略を調べ、ぜひ参考にしてみてください。さまざまな企業の成功事例を知ることで、きっと得るものがあるはずです。

この記事の執筆者

ゼニス編集部

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